2/2
第一章 1話 「尋ね人」
いきなりだが、異世界に召喚された俺はさっそく道に迷った。当たり前だ。初めて来たところなのだから、迷わない方がおかしい。
俺はこの世界の言語がなんなのか全くわからなかったが、覚悟を決めて果物屋に道を聞いて見た。
「あの〜すみませんが道を教えてくれないでしょうか?」
しばらくの沈黙。
え?何この空気、俺なんかおかしなこと聞いた?
「あ、あぁ道ね。すまんね。ボーッとしてたよ。はっはっはっは!」
こいつ、紛らわしい事すんなや。あと商人だったらボーッとしてんじゃねぇよ!.........でも日本語は通じるらしいな。
「で、何処行きたいの?」
「あっえぇと............?」
やっべえ!俺何処行きたいの?というか俺に目的地ねぇじゃん!何で俺道聞いちゃってるのおおおおおぉぉぉ!?
「え、えとその〜......リ、リンゴ美味しそうっすね。」
「あ?お前物乞いか?営業妨害だ!さっさとどっか行けええぇぇ!!」
「は、はいー!すんませんしたー!!」