暗闇のパーティー
気絶とか、人生初イベントだよ。
日記に書かなきゃ!その為には日記帳を買わなきゃねっと!う〜、ゲロ臭いなあ〜誰だよ!
さっき見た光景を忘れたくて、目を逸らしたくて
夢だと思いたいけど、ゲロの匂いが其を赦さない
「おはようだよ!親友、あの状況で寝るなんて大物だね。期待のルーキーだね」
暗闇の中でアイツの声が響く、遠くの呟きのような、まるで横から囁くみたいに。
高岡の声も聞こえる。
「最高の気分です。私は生まれ変わったんです。
体が軽い!まるで首から下が無いかの様な!!」
黙れ、お前は死んだ。
「青木君、なんか私ね、体が柔らかくなったみたい真後ろが普通に見えるの」
吉田さん貴女も死んでます。暗闇の中で繰り返される死者の声。
精神攻撃か、効くなぁ。
「ようこそ青木君!楽しんでいるかい?
さっき運動はしたから疲れてるかと思ってこんな趣向にしてみたけど、気に入って貰えたかな?」
黙れ、悪趣味だ。
「楽しかったかい?」
楽しい訳無いだろ!
「あれ〜気に入ると思ったんだけど」
死者達も同じように囁く
「楽しんだだろう」
「嬉しそうだったよね」
「生き生きしてた」
「ほら、ミンナもこう言ってるよ!」
耐えてやる、絶対に折れない!
いつしか、死者の笑い声だけが響く
不快だ
怒りがこみ上げてくる。
「お前は何がしたいんだ!これに何の意味が有る!」
暗闇の中で吠える。
「怒ってるの?うん、良いよ。その調子だよ」
怒りが収まらない、殺してやりたい。
うん?殺してやりたい?
「あっれぇ〜どうしたの?僕を殺したいんじゃ無いの?」
何故煽ってくる?
「う〜ん後少しだったのに、残念」
その言葉が合図だったかの様に、ライトが付き
目の前に全身を血で濡らした男が居た。
奇妙な笑顔のその男は
鏡に映った僕だった。