チミっ子ドジワンコひろいんは今日もコケる。
おとめげーよくわかりませんすみません(泣)
おとめげー? とかいうののひろいんに転生したと言い張ってるお母さんはお父さんの事大好きで攻略の仕方を忘れたので本当はライバルのおばちゃんにサポートしてもらってやっとくっついたらしいです。
「アルフィード、今日も素敵」
お母さんがお父さんに抱きついた。
今日も朝からラブラブなところを見せつけられたのです。
「アリーナが見てるぞ」
お父さんがお母さんを抱きしめて耳元で囁いてるのが見えたのです。
尻尾がパタパタしてるので嬉しいのがまるわかりなのです。
お父さんは獣人なのです。
狼の獣人で王宮で近衛隊長していてつよいのです。
灰色の三角耳とフサフサの尻尾に銀の髪と金の目の長身の美丈夫です。
対するお母さんはミストグリーンのサラサラの髪色とブルーグリーンの神秘的な瞳の人の良さそうな美人さんなのです。
ちなみに家は狼獣人の住む王都近くの集落にあるのです。
モリターイェル王国は獣人や精霊やエルフやドワーフや人間等他種族がごちゃまぜにくらしていてそれぞれの良い所を活かして国を成り立たせているのです。
王族は色々混じってますが基本的にエルフなのです。
お父さんは普段王宮に単身赴任しているので帰宅した今夜もきっとラブラブなのです。
「はいはい、仲良しさんでいいですね」
私は自分の頭に生えるワンコ耳を無意識に撫でながら砂糖吐きそうと心の中でつぶやいたのです。
お母さんいわくおとめげーとは恋愛シュミレーションゲーム? とかでここは百花千夜を咲き誇るとかいうゲームの世界そっくりなのだそうです。
そこに転生したお母さんは実はニホンとかいう世界の喪女とかいう謎の仕事をしていて大好きだったけどやりこんでなかったこのおとめげー? の次世代編を買った帰り道に横断歩道から転がり落ちて御臨終したらしいのです。
気がついたら赤子だったらしいのです。
「アリーナちゃん、おばちゃん迎えに来ちゃったのですわ」
呆れてるとうちに堂々と紫の縦ロールに紫の瞳の豪奢なドレスを着たエルフの美人が入ってきました。
件のおばちゃん……この国の王妃様です。
悪役令嬢とかいう職業をしていたそうなのです。
おばちゃん、気高くて優しいって評判の王妃様でヤンデレくさいとお母さんがいってた王様をしっかり尻に敷いて善政を敷かせてるって聞いたのに……なんで悪役? なのですか?
「お迎えってなんですか? 」
お土産の王都のお菓子をもぎゅもぎゅ食べながら小首をかしげた。
「ああーん可愛い〜アドフィード近衛官そっくりのミニミニ獣人ちゃんが、うちの子のお嫁さんになってくれるなんて、協力したかいあったのですわ~」
「はい? いまなんとおっしゃたのです? 」
私は耳に手を当てて良く聞き返そうとしたのです。
お父さんによく似た三角耳がピコピコ動いたのです。
「あのね、エレンとの契約でお父さん結婚するのを協力する代わりにアリーナちゃんをうちの子のお嫁さんにもらう約束をしたのですわ〜」
「はい? 」
私はおもわず半眼でイチャイチャしている両親を見たのです。
「い、いいじゃないの、ラナンティア様のお子様は超美少年なのよ、王太子なのよ~」
「うちの子、親の欲目かもしれないけどかっこいいですわよ〜」
お母さんと王妃様があわててまくし立てたのです。
そういう問題では無いのですよ、お母さんたち。
目が泳いでるのです。
「私は王宮に上がるときはお父さんみたいな戦士として上がるのです」
ビシッと片手を上げて宣言したのです。
けっていじこうなのです。
「いや、無理だろう、お前トロいし」
お父さんが呆れた顔で私の頭をワシャワシャ撫でたのです。
髪型が崩れるのです、ツインテールにけさお母さんがゆってくれたのです。
「そうよね〜武術訓練すれば転んだあげく従兄弟のお兄ちゃんに抱き上げられて泣きながら帰ってくるんじゃ無理よね〜」
「あら、いやだ、可愛いですわ」
「お前は戦力外の保護対象だからな……まあ王太子殿下の嫁さんってのも考えもんだが」
三人揃って勝手なことを言ってる。
お父さんなんで苦笑いなのですか。
「お嫁さんはともかく王宮にはきてもらいたいんですの〜娘は憧れですわ〜」
約束ですわと言い添えて王妃様がニコニコした。
両親が困った顔を一瞬して私を見たのです。
「頼む、アリーナ! 王宮に来たら近衛詰め所に案内してやるから! 」
「大好物のプリンバケツで作ってあげるから! 」
王宮に行って欲しい、王宮に行ってちょうだいと声を揃えて両親に拝まれた。
そんなにおばちゃんがこわいのですか?
そっと見上げるとおばちゃんはウフフっと優しくわらってるけどなぜかしっぽがゾワゾワしたのです。
やっぱり悪役? そ、そんなことないのです?
というわけで王宮きたのです。
何もかも大っきいです。
え、私がミニミニサイズなだけだって?
まだ、少女なのです、狼獣人して小柄な訳じゃ……わーん自分をごまかしきれないのです。
「ん? ま、おまえはちみっこいからなぁ」
護衛と称して従兄弟のガルフォお兄ちゃんがついてきたのです。
でも私はガルフォお兄ちゃんの目的は美味しい王宮のお菓子だと知っているのです。
細マッチョのイケメン狼獣人の戦士なくせに甘党男〜。
「お嬢様はお召替えのお時間でございます」
ニコニコとマイラ女官が滑るような早足でやってきた。
「お着替えいりません」
私ははいっと手を上げた。
さっきもかわいいツーピースを持ってこられて着替えたところなのです。
「あんまり無茶させるな」
ガルフォお兄ちゃんがすっと私の前に出て手を伸ばしてかばってくれた。
「ガルフォ様、あちらにチェリーパイをご用意させていただきました」
マイラ女官がニコニコと隣の部屋を手のひらでしめした。
テーブルにホールでチェリーパイが優美なケーキ台に置かれて鎮座している。
ゴクリとガルフォお兄ちゃんの喉がなった。
「わかった、頑張れよチビ」
ぽんと私の頭を軽く叩いてガルフォお兄ちゃんが足取り軽くしっぽブンブンでさっていったのです。
くっ甘党を逆手に取られた。
大きな扉がバタン閉まって鍵がかけられた。
「王妃陛下と王太子殿下にお会いに成る予定です、お召替えを」
ニコニコとマイラ女官が侍女さんたちに目で指示した。
「お嬢様〜お召替えいたしましょう」
「やはりパステルカラーがよろしいかと」
「ゴスロリもよろしゅうございますわ」
ニコニコとヘッドドレスとフリフリのドレスを持った侍女が迫ってきたのです〜。
「こ、これでいいのです」
ジリジリと壁に追い詰められて攻撃に転じようとしたところで王宮の毛足の長いジュータンの足を取られて転んだ。
「お嬢様! お怪我はございませんか? 」
マイラ女官が慌てて私を抱き起こした。
「怪我はないのです」
でも痛いのです耳を伏せちゃったのです。
お膝も痛いのです。
「ご無事で何よりでございます」
ニッコリとマイラ女官が微笑んで侍女さんたちを見た。
侍女さんたちがささっと動き出した。
し、しまったのです、包囲されたのです。
戦略的撤退できないのです。
結局着飾らされたのです。
可愛い服も好きですが動きづらいのです。
「銀の髪に金の瞳がフリフリのゴスロリにぴったりですわ! 」
「犬耳美少女に薔薇のヘッドドレスお似合いですわ。」
「小さい身体にワンコの縫いぐるみポシェット……萌えですわ〜」
何故か侍女さんが悶えてたのです。
黒いフリフリレースのワンピースはたしかに可愛いのです。
私に似合うかはわからないのです。
「あなたたちお嬢様が戸惑っておられますよ」
マイラ女官が手を叩くと申し訳ございませんとおしとやかに侍女さんたちは礼をとった……あのそれなのになんで私をなめるように見るのですか?
マイラ女官が小さくため息をついて私を見た。
私、何かしたのですか?
「お嬢様、お迎えが参ったようです」
取次の侍女がおしとやかに入ってきて告げた。
そのキラキラ輝いた目はなんですか〜。
「お嬢様、参りましょう」
マイラ女官が私にポンチョを着せ掛けた。
廊下にでると虎獣人の騎士が二人整列していた。
「案内なさい」
マイラさんが胸を張って命じた。
かしこまりましたと言って騎士たちは礼をして歩きだしたのです。
あの合法幼女って前の人つぶやきましたね。
私は幼女じゃなくて少女なのです。
皆さんが無駄におっきいのです。
「いや~ん、アリーナちゃん可愛い〜」
部屋に入った途端王妃さまに抱きつかれたのです。
「母上、アリーナ嬢が驚いております」
澄んだ少年の声がいさめた。
美しい黒い長い髪のエルフの美少年がいました。
王妃様に似て麗しいのです。
でも身長……同じ歳なのに高いのです。
「エルリック、婚約者のアリーナちゃんですよ」
王妃様がくるっと私を回して後ろから抱きしめたのです。
こ、婚約者ではないのです。
「アリーナ嬢、ようこそ」
「お初にお目にかかります、エルリック王太子殿下」
びしっと胸に手を当てて騎士の礼を取るのです。
王妃様離してくださいなのです。
「母上、アリーナ嬢が……」
「あらあら、ごめんなさいね」
もごもご動いてたらほいっとエルリック王太子殿下に渡されたのです。
「柔らかい……耳が」
「くすぐったいのです」
身長差でちょうど耳が殿下の顎にあたってくすぐったいのです。
「ほら、魅惑の感触でしょう……さすが次世代編……モフモフ……ヒロ……いえだめよ、息子が悪役王子で破滅ルートなんて……」
王妃様がもだえながらなんかつぶやいています。
ヒロ? 悪役王子? 破滅ルート?
「母上……妄想はおやめください、私には妹しかいませんし、第一父上に側室がいないじゃ無いですか」
半眼で殿下が王妃様を見た。
「あら、王様に隠し子がいる可能性だってあるじゃありませんの、アリーナちゃん取られたらダメですわ」
王妃様がびしっと指を殿下につきつけた。
「父上に愛人? そんな命知らずなことするわけありませんよ」
ふっと殿下が少し暗く笑った、とっても色っぽいです。
「離してくださいなのです」
私はジタバタした。
なんで侍女さんたちも騎士さんたちもほほえましいものでも見るような目で見るのですか?
お話はよくわからないのですが、殿下に抱えられるのは不本意なのです。
「しっぽがパタパタ……かわいいわ」
「そうですね」
殿下、王妃様、二人揃ってしっぽに触らないでください。
「やっと開放されたのです」
私はバサバサになったしっぽ整えながらぽふんと柔らかいソファーに埋まった。
あ、足がつかないのです。
「アリーナちゃん、それで王宮生活は馴れたのかしら」
優雅に紅茶を飲みながら王妃様が微笑んだ。
「……立派すぎて届かないのです」
うんしょとテーブルにある小さいケーキをひとつ取ろうとして転げ落ちそうになった。
「これですか? 」
殿下が支えてくれた上にケーキをとってくれた。
「ありがとうございます」
殿下は優しいのです、騎士としてお仕えして破滅ルート? からお守りするのです。
「うちの子と結婚した方が守れるわよ、ゲーム補正とかで攻略対象が産まれてないとイイけど」
よくわからないことを王妃様が言った。
つぶやき聞こえたのですか? 殿下との結婚なんておこがましいのです。
「いち狼族戦士として殿下をお守りするのです」
はいっと手を上げた。
「お前じゃ無理だといっただろう?」
扉が勢い良く開いてガルフォお兄ちゃんが入ってきたのです。
扉の前にいた騎士さんは倒したのですか?
ついでに中にいる騎士さんに槍を向けられて何者だと言われてるのです。
「ガルフォ君、攻略対象だからって乱入禁止ですわ」
王妃様が騎士に目で合図した。
「退出していただきます」
虎族の騎士さんが槍をガルフォお兄ちゃんに突きつけた。
やる気なんだとガルフォお兄ちゃんが嬉しそうに笑って槍のえをもった。
そのまま自分に引き寄せてバランスが崩れた騎士さんに足にけりを入れる。
ついでに腰にけりを入れて床に転がした。
「貴様! 」
剣を構えて憤る騎士のもう一人にガルフォお兄ちゃんはにいっと笑って武器のトンファーを装着した。
そのまま攻撃に移ろうとした。
「やめよご婦人方の前だ、ガルフォ殿も引いてください」
威厳をこめて殿下が命じた。
騎士は礼をして倒れた同僚を起こした。
ガルフォお兄ちゃんは残念そうに武器を魔法の小袋に戻した。
甘党戦闘狂さん問題おこさないでほしいのです。
さっそくミニケーキを二三個口に放り込んで女官さんににらまれているのです。
「アリーナ嬢、お見苦しいところをお見せいたしました」
殿下が苦笑して軽く頭を下げた。
「こちらこそ、お兄ちゃんが申し訳ないのです」
私はあわてて手を振ったのです。
その手を何故か殿下に掴まれたのです。
小さい手ですねってなんですか?
「あらあら、仲良しさんですわね」
王妃様がうふふっと笑った。
「ち、違うのです」
「違うのですか? 」
私はあわてて言って悲しそうな殿下の目を見てしまったのです。
「な、仲良くはしたいのです」
お友達として守るのです。
殿下がとっても嬉しそうに笑った。
後々、この発言をたてにとられて殿下と婚約するはめになったり何故か王様の弟君という先王様の隠し子が現れて王妃様が世界補正ですわー、アリーナちゃんに近づかないで〜、先王までカバーしてませんでしたわとなぜかさわいだり。
近衛の詰め所であったお姉さんみたいに綺麗なメガネの狐族の近衛騎士団副隊長に全然戦士の才能がありません、私の嫁になれば守ってあげますよと言われてお父さんが暴走したり。
外交できていた人族の帝国の皇子殿下にかわいいかわいい連発されてもみくちゃにされてエルリック殿下に助け出されたり。
その他色々なめにあったのです。
綺麗な男の人は殿下以外とかかわり合いになりたくないです。
甘党戦闘狂なガルフォお兄ちゃんは先手必勝で倒せといって、お前じゃ無理かと目をそらしやがりました。
王妃様いわく私はおとめげーの次世代編のひろいん? でふぁーすとのデータを引き継いだモフモフけいひろいん? なのだそうです、どんくさいのはひろいん? 補正ってなんなのですか〜。
エルリック殿下は本当は制作側? がこった珍しい悪役王子で王様の側室の優秀な王子を攻略対象に選ぶと追い落とされて処刑されてしまう冷酷非情な悪役王子でその美麗なドSぷりに攻略できないのが残念と一部のファンから言われてたとか……
エルリック王太子殿下……優しいのです。
攻略って戦うのですか?
絶対に負ける自信があるのです〜。
情けないのです。
どっちかというと王弟殿下な隠し子さんのほうがいじめるのです。
チミっ子ドジワンコって頭くしゃくしゃにするのです。
だから近衛騎士になって殿下と自分を守ろうと思います。
そう思って殿下の膝の上ではいっと発言したら微笑ましいものでも見る目で見られたのです。
最近、殿下は私が小さいせいかお膝にのせて話したがるのです。
本気なのです〜、優しい殿下のためにも私の髪型と耳のためにも絶対に守ってみせるのです。
足を鍛えれば転ばないのです……たぶん。
ひろいん補正? いらないのです〜。
ほしいのは筋力と身長なのです。
殿下は優しく私の頭を撫でた。
やっぱり殿下に撫でられるのが最高なのです、王弟最低なのです。
「はい、あーん」
「あーん」
くすっとわらって殿下がケーキをあーんしてくれたのです。
ちっちゃくて届かない私のためにいつもとってあーんしてくれて優しいのです。
おっきくなって自分で取れるようにするのです。
あの、侍女さんも騎士さんもなんで微笑ましいものでも見るような目で見てるんです?
エルリック王太子殿下は素晴らしい方なのです。
だから戦士として殿下をお守りすると決めたのです。
ガルフォお兄ちゃん、笑わないでください。
ひろいんなんかじゃありません。
普通の狼獣人なのです。
駄文を読んでいただきありがとうございます。




