3.第一印象不思議な人
結構暑い真夏の日、全国的に言えば涼しい地域ではあるけれど、それでも普通に暑くて、中学生たちは木が集まる木陰で喋っていた。
「あれ、葵じゃん。来てたんだ」
「おん~きてた~」
そこに入っていくと、一人だけ「変な人」がいた。
暑いのに真っ黒のパーカーを着て、フードを被り、バックネットに横向きに寄りかかりながらケータイをいじってる。
こんなに暑いのに長袖を着てフードを被る神経が理解できなかった
「こんな暑いのにフード被るとはどうしたよ」
僕も負けず劣らずのフレンドリーらしい、こんにちはのあいさつの前に言葉が出てきた
「え~?てか誰っすか」
「前に廊下で会ったよ?ほら、本もって桐ちゃんのページ開きかけてた」
「あぁ~!あの時のあの人!」
「自分から話しかけた人忘れるってどうなのよ?
てか、なんでフード被ってるの」
何も思ってない男子に対する僕のSが出ていて、君を攻撃していた覚えがある。
「だって、変な寝癖ついたから」
「寝癖?そんなのいいやん、脱ぎなよ」
「いや、ちょちょまじ変だから、それに被ってないと落ち着かない人間なんすよ~」
「…それは人間じゃないんじゃないかな?うん」
「いや、俺人間。見るからに人間」
「その習性は人間じゃないっしょ」
「人間離れした人間って奴なのよ」
「…変な人だな」
「そういうこと言わないでください~俺のガラスのハートが傷ついちゃうでしょ」
「男のくせにガラスのハート?痛い人だな」
「ひでぇなお前!ドSだな!」
「ドS特技だからしゃーないのよ」
「いじめるの得意ってことか、ひどいぞそれは」
「あらどうも」
第一印象「不思議な人」「変な人」それが君だった。
女子に対してはMな君は、Sの僕と相性が悪くはなかった。
「おいケータイ貸せ」
「ちょー楓さぁーん。返してもらえませんかねー」
「無理だ。やーいいなースマホ
うちもスマホにしたいー」
「いいだろーいいだろー!」
「調子のんなうざいわ」
「何ここの女子ってみんな冷たくない?ねぇそう思わないほかの男子のみなさん」
「そーか?」
「あ、俺にだけってことっすか。俺だけがいじめられる世界なんですね」
「そうらしいな。澪おつ」
「悲しいわ!やー助けてよぉ~」
「やだな」
「ねー澪~、絢にメール送った?」
「絢?」
「ほら、この前メアドあげたじゃん
なにまだ送ってないの?さっさと送れー」
「だってさ、知らない人のアドレス貰ったって送りようが…っておい!」
「わかんないならこれでいーっしょ。
ねぇ葵これみて」
「お、いんじゃん?」
「よし、好評だから送ろう」
「ちょちょちょー!一応いうけどそれ俺のだから!
俺のケータイで何送ったのかなぁ~…ってこれ絶対まずいだろ!」
『こんにちは、絢ちゃんの大ファンです♡
登録してください♡』
キレるというよりも、激しく困っているその姿が面白い、君に対して次に思ったのはそれだけだったかな