5/32
男の子達をだっこした
「あっお姉さん!」
声をかけて来たのは小学生の男の子達だった。
「あれっ皆どうしたの〜?」
「なぁだっこしてよ。」
「いいよ、暇だし。」
ほ〜れほ〜れと言いながら、皆を順番に、適度に揺らしながらだっこした。
皆笑って、もう一回、もう一回とせがんでくる。
そのうちに、最初にだっこしてと言った浩一君が言った。
「なぁ、本当は俺らの事担当したかっただろ?」
他の子も次々と聞いてくる。
「あのお兄さん達とうまくいってんの?」
「俺らといる方が楽しくね?」
「俺らの所に担当変えてってお願いしたら?」
自分が担当している寮生達は中・高生である。
「あはは、皆と遊ぶのと同じぐらい、あのお兄さん達といるのも楽しいんだよ。」
適度にフォローを入れる。
「ふ〜ん。」
「そうなんだー。」
「あっ私そろそろお兄さん達の所行かないと。またね!」
「うん。」
「じゃーな。」
何故かこの子達と会う度に同じ会話をした。