表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姉さんがやって来た  作者: 中華
3/32

男の子達に取り囲まれた

何気なく寮の廊下を歩いていると、突然、小学生の男の子達に取り囲まれた。

「ねぇ、俺に「死ね」って言ってよ。」

一人が笑顔でそう言った。

「俺にも」

「俺にも」

と、他の子達も次々に言って来る。

「何で?嫌だよそんなの。」

「今流行ってる遊びなんだよ。言えって。」

「どんな流行よそれ?とりあえず嫌。」

「言うだけだろ!」

「自分との約束で、その言葉は言わないって決めてるんだよ。

 そう言う訳で勘弁して。」

すると、男の子が不思議そうな顔をした。

「えっ何で?」

「その言葉が嫌いだから。」

「ふ〜ん・・・お姉さんて変なの。」

私は笑みを浮かべる。

「やっぱりそう思う?実は、よく言われるんだよね〜。」

「うん、だって変だもん。皆普通に言うぜー」

やれやれ、と肩を竦める。

「私は「言霊」って信じているんだ。分かる?」

子ども達が一斉に首を傾げる。

「何だそれ?」

「言葉には何かしらの力が宿ってるって事。

例えばあなたがさっき言えって言ったでしょ、

私が言った事で、その言葉が現実になるかもしれない。」

「はぁ?そんな事ある訳ねーし。」

他の子も小ばかにしたような顔をしている。

「だから私はそう考えてるんだって。

まぁ、要するに君らにそうなって欲しくないからって事。」

するとその子達が笑い始めた。

「あははは!やっぱお姉さん変だ!なぁ、あっち行って一緒にサッカーしようぜ」

「いいよ、でもお手柔らかにねー。」

それから、その子達が私に

「死ねと言え。」

と言って来る事は無くなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ