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お姉さんがやって来た  作者: 中華
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サッカーの練習見学

男の子達が大会に向けて一生懸命サッカーの練習をしていたので、

その様子をずっと見ていた。休憩になったので一声かけようと近づいた。

「あっお姉さん俺の事ずっと見てんなよ、気色悪いんだよ、

何か目についちまうんだよ。」

(つばさ)君が笑いながら言って来たので私も笑う。

「ひどいなーっ皆が練習してると目が行っちゃうのよ。

それに声出さずに見てただけじゃないの。

私なんかで気を散らしてるって事は集中力がちょっと足りないぞー?

それより皆練習真面目にしてて偉いね、お疲れ。さすがは大会優勝候補」

それを聞いた(さい)君が笑みを浮かべながら言った。

「あー何か言った?もうマジ下手だしヤバイんだよ!」

「なっ何で怒るのよ?練習真面目にしてて偉いねって言っただけでしょ」

「あーもーいいからいいから。あ、休憩もう終わりだ、さー練習開始」

一緒に見学してた一美(かずみ)君に笑いながら話した。

「もー皆難しいよね、褒めたら怒るし庇ったら怒るし手伝ったら怒るしー」

「あははっお姉さん、本気でそう思ってる訳じゃないんだろ?」

「もちろん」


それから数日後、サッカーメンバーの一人である実矢(みのや)君が、

壁を相手にキャッチボールをしていたので2階のベランダからそれを見ていた。

私に気付いたのか、こちらを向いたので

「頑張れー」

と笑いかけて手を振ったら、ちらっと笑って、私の近くにボールを飛ばして来た。

「外してくれてるのは分かるけど怖いよー」

と笑いながら言うと向こうも笑う。

(かと言って飛ばしてくるのをやめる訳ではない。)

すると、そこに小学生達が現れて彼とキャッチボールを始めた。

しばらくして小学生達はバットを持ってきて

実矢君が投げるボールを打ち返す練習を始めたが、

打ち返したボールがネットを越えて背の高い草むらの中に入ってしまったので、

彼らは一度キャッチボールをやめてボールを捜し始めた。

しばらくしてから彼らはこちらを向いて

「どこー?」

と叫んで聞いて来たので、ボールが飛んで行った場所を指差した。が、

「わーからねーー!!」

と再び叫ぶので(ちなみに私のいるベランダと彼らが探している位置は

30〜40メートルぐらい離れているので分からないのは当然である)

私も彼らの元へ行って一緒にボールを探した。

ボールが見つかってからは、またベランダで彼らがキャッチボールをするのを見ていた。


するともう一人、

実矢君の同級生である紀人(のりひと)君が出てきてこちらを向いたので、

手を振って応えた。と、彼は突然体操選手のように前転をした。

「わっ!!」

思わず感嘆の声を上げてパチパチと拍手をすると、

彼は笑みを浮かべてちょこんと頭を下げてお辞儀をした。

そして実矢君がちらっとこっちを向いたのが見えた。

それから実矢君と紀人君は二人で仲良くキャッチボールを始めた。

ちなみに紀人君が投げる方で、実矢君が打つ方である。

最初の方は順調に投げて打ってキャッチして・・・を繰り返していたのだが、

何度目かの時、

バットに当てる位置が悪かったのか真上にいた私にボールが飛んできた。

真下からボールが飛び上がって来たので反射的にボールを掴んだ。

硬いボールなので手の平が痛い。

「あれ?ボールは?」

実矢君があたりを見回す。

紀人君は全て見ていたので

「お姉さんがキャッチしたぞ」

と言って私を指差してから笑い始めた。

「お姉さんすげぇ、お姉さんすげぇ。」

と二人が笑って言うので自分も痛さを堪えて笑んで、ボールを実矢君に投げ返した。

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