表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姉さんがやって来た  作者: 中華
19/32

恋人をダシに話してみる

学校が休みの日に、6人の男の子が私の部屋へ遊びに来た。

名前は光喜(みつき)君、一哉(かずや)君、

(かい)君、洋史(ようじ)君、万里(ばんり)君と、

最後に私が敷いていた布団の中から会話に参加している正則(まさのり)君である。

と、正則君が突然大声を出した。

「お姉さん、一緒に寝よう!」

私は苦笑した。

「おいおい、いきなり誘惑しないでくれぃ。」

正則君が続ける。

「俺、グラビアみたいな女の人じゃないと嫌だけど、

仕方ないからお姉さんで我慢してやるよ。

どうせ寝る相手もいないでしょ、こっちおいでよ!」

「そりゃーありがたいわ。でも残念、彼氏に殺されるから勘弁して。

あっでも私の音痴な子守歌なら歌ってあげるよ、どう?」

「うわーっ嫌だ!だから一緒に寝よう、こっちおいでって!」

「はは…さっきの話聞いてたかーい?」

今度は、話の途中から風呂に入る用意をして出ていこうとした光喜君が、

笑いながら手を差し延べて来る。

「お姉さん、俺これから風呂だから一緒に風呂入ろう」

「だからそんな事したら問題になるから」

「そう?俺は構わないぜー」

「はいはい、早く行ってらっしゃい」

そう言って彼の背中を押して送り出した。彼は笑いながら出て行った。

彼氏がいると言ってから、

私が彼氏の事を口にするとやたらと聞いてくるようになった。

「お姉さん、彼氏とどこまでいった?」

と、一哉君。

「想像にお任せするわ」

「おい、どう思うこのお姉さん?」

そう言って一哉君は海君に聞いた。

「お姉さんの歳で何も無いって事は無いだろー」

と、海君。

「だからそれも皆の豊かな想像力に任せるわ」

「キモイ事言ってんなよ、言えって」

「でもお姉さん、そう言うの興味無さそうにも見えるしなー」

と、洋史君。

「えっ俺は最初見た時からお姉さんエロそうだと思ってたよ」

と、再び一哉君。私は苦笑する。

「あはは、意見が割れたね」

「でも何でそんなに言わないんだよ、前来た男の人なんかすごかったぜ、なぁ?」

「あぁ、彼女との事を色々話してくれたよなー」

一体、前の人はなんつー事を彼らに言ったのだろうか…。

「お姉さん、モテなさそうだからどうせ今の彼氏にも遊ばれてるんじゃね?」

からかうように言うのは一哉君。

「あぁー言えてる」

応じるのは万里君だ。

「またまた…ちょっと皆、私の彼氏の話題になるとな〜んか雰囲気変わるなぁ」

「だって、このお姉さんと付き合ってるなんてすごい人だよな」

「だよな!」

洋史君と万里君がいかにもと言うように頷き合っている。

「まー失礼ねー言っとくけど、付き合おうって言って来たのは向こうよ?」

すると海君が」口を挟んだ。

「なぁお姉さん、彼氏の事本当に好きで付き合ってるの?」

そこで私は自信満々に答えた。

「私は好きな人とじゃないと付き合わないよ。

私も好きだったけど向こうから言って来たからあぁラッキーみたいな」

「うわっお姉さんと自分から付き合おうとするなんて、何て勇気のある人なんだ!」

「だな!」

「それしか言う事無いのか!」

海君と洋史君に突っ込む。

するとそれまで大人しく聞いていた正則君が笑いながら突如口を開いた。

「俺、お姉さんの悪行を彼氏にバラして別れさせてやるー」

「えぇっ悪行って何よ?」

「俺達の事、散々ストーカーしてただろ!なぁ?」

「なーっ俺らが暇してないかってずっと見てるしさ」

「そうそう」

「それストーカーじゃないっつの。皆と話したいから暇な時間を聞いたり、

暇そうにしてるのを見つけようとしてただけでしょ。

それに残念、彼氏は実家遠いんだなー」

「チクショーっ」

「つまんねーな」

「あのさぁ、彼氏いい人?」

「ん?私はそうだと思ってるけど」

「ふーん」

「お姉さんと俺、6つも歳違うんだね」

「どーせ皆よりおばさんだけどねーでも年齢ってあんまし関係ないと思わない?」

「そうかな?」

「あっそうだ、皆はどんな人が好みなの?」

「想像に任せますー」

「想像に任せますー」

「ちょっと、これはさっきの話題と関係無いでしょー」

笑いが起きる。

この会話を笑いながら聞いていたけれど、

あまり参加していなかった男の子に話を振ってみた。

「あなたは?やっぱ年上はだめとか?」

彼が笑う。

「人によるー」

「美人がいいとか?」

「それも人によるー」

当たり前なのだけれど、どの子も中々口を割らない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ