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『僕』の正体

一体どういうことなんだ


僕はもう目の前の現状が飲み込めず、ひたすらに自分の手と周りの景色を交互に見合わせるだけだった

ゾンビ?いやいやまさか、そんなのどっかの映画監督が作り上げた生きる屍だ、そう、そんなの絶対ありえないんだ!


しかしだ 仮に僕が本当にゾンビだとしたら、こんなに意識がはっきりしているもんなのか?もっと、こうウェエエエとか変な奇声を上げて襲ってくるやつじゃないのか?


僕 僕はこんなところにいるのか さっきの人影は僕に全く気づいていないようで、ヒソヒソと話を続けている(僕にとってはありがたい)

これはもう信じざるをえないことなのだろうか、もう、この異臭を何とかしたい、ものすごく臭い




と だ、不意にあちらの声が止むではないか そしてその人影は近づいて・・・

おいおいちょっと待ってくれ、まだ現状すらつかめてないんだから、新しいもんが来ても対応しきれないぞ!

なんて考えてると後ろから肩を叩かれた 勢い良く


ほらもう対応なんて無理、僕は完全に硬直してしまった

なんでもいい 僕を教えてくれ、僕が何なのかを 声で教えてくれ!











「気がついた?今起きたの?自分の名前分かる!?」


はい?すみませんあのどちら様でしょうか? 後ろの方から声、さっきの手の主であろう




「やめなってば、何も分からないんだろうから・・・」


えぇ、その通りです 声の主は二人いる模様 どうやら信用しても良さそうな、幼稚な声であった

もしかするとこの二人もゾンビ(仮)なのか?さっきからねぇねぇと聞いてくる彼らの方に振り向く






逆光 そのシルエットは確かに人二人分の影であって ただその、気になるのは足元で 足が もう一人分足りなく無いかい?と


目を凝らしてよく見ると こちらを見る 少年には緑色の斑点と黒い糸で縫われた跡

その左隣にはもう一人の少年の後ろ頭で、首が そう確かに繋がっているのであった!




「分かる?分かる?ここ、ここお墓だよ!君はもう死んじゃったの!!なのに生きてる!不思議だねぇ!」

「変な言い回しはやめなよ・・・君はゾンビだよ、映写機の中にいるあの生きる屍、君の心臓はもうばくばくともなりやしないよ」



そうか、僕はゾンビなのか




そして僕は確かに、自分の息と心臓が鳴り止んでいることを知った

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