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俺の魔法

俺の手に握られているのは柄から刀身まで黒い剣、宮野家に伝わる名刀「戦神剣せんじんけん」。

この剣は刻印から取り出されてからの最初の魔法による攻撃を無効化する能力を持ち、使えば使った分だけ自分専用の剣へと変化する性質を持つ。また、魔法による魔力の消費を抑える能力も併せ持つ。

「これは戦神剣。宮野の家に伝わる家宝さ」

「ホムラサヤオサメと同じか・・・」

俺の言葉に納得する朱音。そして、二人の間に沈黙が訪れる。

(宮野魔拳術一ノ型疾駆)

俺は再び朱音の目の前に瞬間移動する。今度は剣で朱音に攻撃しようとする。

「させるか」

当然のように自分の愛刀で俺の攻撃を防いでくる。だが、それが朱音にとっての最大の過ちとなる。

お互いの剣がぶつかった瞬間、俺は魔力を剣に溜めて開放することで相手の武器を壊す技、宮野魔拳術

四ノ型絶剣ぜっけんを放つ。

「せやっ!」

パリン

「えっ・・・・・」

ホムラサヤオサメが割れ、柄だけが残る。朱音はただ割れた自分の愛刀を見つめている。悪いとは思ったがその隙に俺は宮野魔拳術ニノ型魔拳を朱音に放つ。

「うっ・・・・・」

バタン

朱音は吹き飛ばされて倒れる。ただまだ気絶はしていない。朱音はよろめきながら立ち上がる。

俺はトドメを刺そうとしたが朱音の不思議な行動をし始めたので警戒し足を止める。

朱音は柄だけになったその剣を鞘に収める。そして、それをすぐに鞘から取り出す。

「なっ・・・・・・・」

俺は今起きた出来事に言葉を失う。

なんと刃が吹き飛んだはずのホムラサヤオサメに刃が戻っていた。

「驚いたか、清隆。これがホムラコトオサメの能力だ。この剣は炎系の魔法の魔力の消費を抑え、さっきみたいに破損しても剣の一部を鞘に収めれば元の状態に復活する」

朱音が俺が一番欲しかった情報を伝えてくれる。朱音の説明通りならば壊れた剣が元に戻ったのも頷ける。

それからも俺たちの戦いは続いていた。

「はああああああああああ」

朱音の剣が俺の腹をめがけてやってくる。

「よっ・・・」

俺はそれを剣で受け止める。

「せやっ!」

今度は俺が朱音の腹を狙って剣を振るう。

「やあっ!」

同じく朱音も俺の剣を受け止める。剣による攻防が続く。

キィーン

お互いの剣がぶつかり鍔ぜり状態になる。

「剣の扱いがうまくなったな、朱音。昔は俺に剣道で一度も勝てなかったのに」

「剣道と戦闘は別物だ。それに私だってイギリスへ来てこの一年、魔法と剣術の鍛錬を積んできた。そう簡単には負けない」

そんな会話を済ませ、俺たちはお互いに下がる。そして先に仕掛けたのは朱音。

朱音は八相の構えから大きく剣を振る。

「紅一閃!」

朱音の剣から今まで以上の大きさを誇る火柱が放たれる。

「だったら俺も・・・・」

俺にこの火柱を止める方法は一つしかない。それは魔法を使用すること。俺は明日香との戦い、今までの入学試験では一切封じてきた魔法を今、放つ。

俺の剣の先に青紫色の光が集まる。そして・・・・

悲劇の一光トラジディー・ライト!」

俺は剣を中段の構えから片手で突き出し光を放つ。

青紫色の光と巨大な火柱はぶつからず互いにかすめてそれぞれの対象のもとへむかって行く。

「えっ・・・・なんだか勝てる気がしなくなってきた・・・」

青紫色の光を浴びた朱音の目からは活気が消えてその場に彼女は倒れる。


悲劇の一光トラジディー・ライト

この魔法は光を当てた対象者の活力、気力を奪い一時的な絶望を与える魔法である。

この魔法は魔力を大量消費するため、次が控えている時には使えないため今までの入学試験では使用せず、俺自身もあまりこの魔法が好きではないため明日香との戦いでも使用しなかった。


倒れたのは朱音だけではない。

「俺はまだ倒れるわけには・・・」

俺も火柱を全身で受け倒れた。

結局、俺と朱音の試合は引き分けに終わったのだ。

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