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第6話 いきなり現れ禁止令

すみませんι

更新だいぶ遅れました…

m(_ _)m

待ってくれてる方も居ないかもしれないですが…(泣


「…崎?お〜い…藤崎ぃ〜 帰って来〜い…」



叶が気がつくと顔の前で 手を左右に振る竜哉がいた。

どうやら昨夜の回想をしながら 教室の入口にボーっと突っ立っていたらしい。



「んっ?!えっ?あぁ…ごめん春日。なんでもないから…」



「なんでも無いって…、ほんと平気なのかよ?どっか具合でも悪いのか?」


そういうと 竜哉は叶の顔を心配そうに覗き込んできた。



「ほっほんと大丈夫だから…。」



慌てて取り繕う叶を助けるかの様にチャイムが鳴り 叶はいそいそと自分の席に向かう。



もぅ… カイが昨日あんな事言うから 変に意識しちゃうじゃない…。


叶は 少し赤らんでいる自分の顔を押さえながら カイにぶつくさと文句を言った。



「…でも、意識するって事は叶さんが竜哉君を好きになる可能性もあるって事ですよね?」



「っ?!」


急に声が聞こえたので叶が慌てて辺りを見回すと 窓際にある叶の席の隣の窓の外から お馴染みのにっこりスマイルでひらひらと手を振るカイの姿。


3階にある叶の教室にはベランダも無く カイはふわふわと宙に浮かんでいる。



「…。」


いきなり現れたカイに驚きて口をパクパクさせる叶。

いきなり3階の窓の外から声をかけられれば驚くのも無理はない。


叶以外には カイの姿は見えず声も聞こえないので 騒ぎにはならないのは幸いだった。



「どうかしました?」


相変わらずにこにこしながらそう聞いてくるカイに対し…今まで黙っていた叶が口を開く。



「何がどうした?よっ!?いきなりそんな所から現れて話かけてくるんじゃないわよ〜!」


叶は声を荒げて怒鳴った。



「そりゃ悪かったな…」


…ん?


教室の前の方から 聞き慣れた声が聞こえ、叶は恐る恐る前を見る。


すると いつの間にか教室に入ってきた叶の担任である上原が眉間に皺を寄せながら叶を睨んでいた。


どうやら 担任の上原は窓の外を見たまま固まっていた叶を心配して

「どうかしたのか?」

と声をかけていたらしい。

そこへタイミングよく 叶がカイに対して怒鳴ってしまったのだった。



「あはははははは…。すっすいませんでしたぁ。」



慌てて席を立って頭を下げる叶。



「朝から寝ぼけてんじゃないぞ…。夢なら布団の中で見ろ。」


上原が 叶の事を注意すると ドッとクラスから笑い声があがった。




「ちょっとカイッ!居るんでしょっ?!出て来なさいよっ!」



「よ…呼びました?」


苦笑いを浮かべながらビクビクとカイは姿を現す。



「カイの馬鹿〜!あんたのせいで先生に怒られたじゃない。」



「そ…そんなに怒鳴らなくても…」


まぁまぁ…と叶を宥めようとするカイだったが逆効果の様だ。



ここは 学校の屋上。立ち入り禁止の場所である為 お昼休みの今でも 叶の他に生徒は居ない。



「大体人前で話かけるの禁止っていったでしょ。姿の見えないアンタと会話してたらアタシが怪しい人みたいじゃないっ」



「すいません…つい、うっかり…。」


人気の無い屋上に叶の怒鳴り散らす声が響き、カイは苦笑いしながら謝る。


「い〜い?今後一切人前で話かけないでっ。あと、いきなり現れるのも禁止っ!」



ビシッと言い放つ叶の勢いに押されて後ずさるカイ。



「はい…。以後気をつけます。」


ここで逆らったら また天会に帰れとどやされかねないと カイはとりあえず謝まり続ける。



「分かったなら今回は大目に見てあげる。次はないからねっ!」



ビシッと言い放つ叶に平謝りなカイ。


叶のお説教が効いたのか この日はこれ以降カイが姿を見せる事は無いまま放課後になった。



「あ〜もうっ プリントの量あり過ぎ…ι」


今朝の一件で罰として担任に授業で使うプリントを綴じる作業を手伝わされるハメになってしまった叶は 放課後の教室で一人 ホチキス片手にパチパチとプリントを挟んでいく。

折っては綴じるという単調作業にすでに飽きてきていた叶は 残りのプリントの山を見て溜め息をついた。



友達に手伝って貰おうと頼もうとした所 担任に見つかり 罰なんだから一人でやる様にと念を押されてしまい 叶は一人でこのプリントの山を片付けなければならなくなってしまったのだった。



「ちょっと… ねぇカイ…居るよね?」



「…」



叶が呼んでも 常に側に居るハズのカイからの応答が無い



「居るのは分かってるんだからねっ!さっさと出て来なさいよっ」


「ふぅ…都合のいい時だけ呼び出さないで下さいよ〜」


やれやれといった感じでカイはぶつくさ言いながらも姿を現した。


「その様子じゃやる事は分かってるわよね♪」


「わ…分かりかねますが…」


「手伝って♪」


「…やっぱりですかι」


苦笑するカイ。



「もとはといえばアンタが原因なんだから…当たり前よね」



「う゛ぅ…分かりましたって…。ただしプリントに触れなければならないという事は実体にならなければなりませんし…。」



「だから何?やるの?やらないの?」


カイの煮え切らない態度にちょっとイラついてきた叶。

手伝わないという選択肢は既にカイには無い様だ。



「ですから…。実体になると僕の体が他の人からも見える様になってしまいますが、部外者が学校に居ても大丈夫ですか?」


「う〜ん。もう結構時間も遅いし大丈夫でしょ。誰にも見つからないって…。さっさと実体とやらになって手伝ってよ♪」


アンタが見つかって不審者扱いされてもアタシには関係ないし…。

とまでは流石に言葉にはしなかったが…。 叶にはカイがどうなろうが知ったこっちゃないらしい。



…その時


ガラッと 突然教室のドアが開いた。



「誰っ?!」


突然の音にびっくりした叶は勢いよくドアの方へ振り向く。



「うぉっ!そんなに驚くなって…」


見るとドアの所には竜哉が立っていた。

読んで頂きありがとうございます

引き続き頑張りますのでよろしくお願いします

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