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第五話 寝不足の原因

寝ぼけて書いてるので 誤字あるかもしれないです。

叶とカイって微妙にSM?(笑

「眠い…」

ふぁ〜っと大欠伸しながら叶は電車に乗り込んだ。

7月の茹る様な暑さの中エアコンのきいた電車の車内は幾分か涼しく、叶は寝不足の体をドアに預け心地よさそうに目を瞑る。



「おっはよぉ〜♪カナ」


「朝から元気だねぇ…」


朝っぱらからハイテンションで声をかけて来た明日香に対し叶はまたもや大欠伸をする。


「おはようっ!」



「うぅ。分かったってば…、おはよう。」


叶がおはようと言うまで、しつこく朝の挨拶をしてくる明日香に 苦笑いしながら返事を返した。


「どしたの?カナ。寝不足?」


「うん…。ちょっとね。」


まさか 運命執行人とかいう怪しいヤツとずっと話込んでてほとんど寝てないなんて言ってもなぁ。


寝ぼけてんのかと笑われるだろうと思い 叶は適当に返事をした。


まぁ 明日香の場合 きちんと話せば信じてくれるかもしれないが…。


説明すんのも めんどいしなぁ…。

叶は 面倒な事は嫌いだった。


しかし 自分の興味のある事に対しては普段ではありえない程の集中力と根気強さを発揮するというB型らしいところもあったりする。



「あっ! もしかして夜遅くまで追試の勉強してたの?頑張るね〜」


「追試…」


寝不足の上に 嫌な事を思い出し更に憂鬱な気分になる。


家帰って寝たい…。


叶の気分とは関係なしに電車は進み

足取り重く学校へ向かうのだった。




「おはよう藤崎。なんだ?朝から元気ねえなぁ。」


教室に入ると叶は背後から声をかけられた。


「うわっ!?」


「んぁ?どうかしたか?」


「ううん。いやなんでもない…。なんでもない。お…おはよう春日」


叶は慌てて返事をした後 叶は目の前の人物 春日(かすが) 竜哉(たつや)をじっと見つめた。


コイツがねぇ…。


叶は昨日のカイとの話を思いだした。


話は昨日の夜に遡る。


「そもそもアンタ一体何しにここに来たのよっ?」


「アンタって…ι僕にはカイと言う名前が…」


「じゃあ…カイ。一体何しに来たの?」


「うぅ…いきなり呼び捨てですか…ι?」


カイは 見た目20代前半くらい。

明らかに叶より年上だった。


「いきなり不法侵入してくる様なヤツを敬う気はないもん。よってタメ口呼び捨て♪」


「はははは…。まぁ なんでもいいんですけどねぇ…。」


渇いた笑いの後 心なしかうなだれながら カイが続ける。


「だから 初めて会った時に言ったじゃないですか。僕は叶さんの運命を修正しに来たって…。」



「それが分かんないって言ってんのっ。もっと分かり易く説明してよ。」



腰に手を当て カイを指差しながら詰め寄る叶。

迫力に押され たじろぎながら一歩下がるカイ。状況から見て力関係は歴然だった。



「う〜んιあんまり本人に運命を話すのは良くないんですが…。まぁこの場合叶さんの協力を得ないと修正は出来ませんし…。仕方ありませんね…。」


落ち着いて聞いて下さいね。

…と念を押しカイは口を開いた。


「叶さんは、春日竜哉と言う少年と恋に落ち結婚する運命となっているのですが…」


「はあぁぁ〜?」


思わず大きな声をあげる叶。

カイが慌てて また口を塞いだ。


「だから落ち着いて聞いてくれっていったじゃないですか…。」


「ふぉれん。(ごめん)」


口を塞がれたまま叶が謝ったのでカイは手を離し叶の口を開放した。


「春日竜哉って…あの…だよね?」


叶の頭に あるクラスメイトの顔が浮かぶ。

2年になって初めて同じクラスになった竜哉とは 挨拶を交わしたり世間話をする程度の仲でしかなかった筈だ。


「そうです。あの…です。叶さんと同じクラスに居る筈なんですが…。」


「確かに居るけど…。春日と私が結婚っ?!まさかぁ…」


「そのまさかなんですって、運命のシナリオでは叶さんは2年のクラス替えで出会った春日君に一目惚れをし、叶さんの一年の片思い後に二人は交際する事になり、4年後二人は結婚…という事に…」


「ちょっと待ってっ!?クラス替えの時って4月でしょ…。私 別に春日に一目惚れなんてしてないんだけど…。ってか春日の事は単なるクラスメイトとしか思ってないし…。」


「そこなんですよ。運命通りなら、今頃叶さんは春日君を好きになってる筈なんです。ですがその気配すらない。このままでは叶さんだけでなく二人の周りの人の運命にまで影響が出てしまう事になりかねません。ですから僕が修正に…」


ん?ちょっと…待って。

って事は…


「ん〜と。そうするとカイの仕事っていうのは…」


「叶さんが春日君を好きになる様仕向ける事です。」


キラキラと効果音が付きそうな程 にっこりスマイルで言うカイ。


くぅ ま…眩しい…。

いかん見とれてる場合じゃない。



「冗談じゃないわよっ!運命で決まってるから好きになれ?…なにそれっ!?勝手過ぎるっ!」


「そう言われましてもこれが僕の仕事ですし…。」


「大体 運命で決まってるならなんで私は春日を好きにならなかったのよ?」


「いや、どういう訳か手違いが起きたようで…。」


困り果てるカイ。

そんな事はお構いなしに叶は カイを怒鳴り付ける。


「運命だから好きになれなんて無理っ!絶対嫌!諦めて天会に帰ってよっ」


「僕はこの仕事が終わるまで天会には帰れないんです…。」


ショボンとうなだれるカイ。



「そもそも運命執行人って何なのよっ?そんなの信じろってのがおかしいつ〜のっ」


「そう言われましても…信じて貰うしか…」




「じゃあ証拠見せなさいよ。証拠。」


う〜ん。しばらく考え込むとカイは


「仕方ありませんね。」


と言ってゴソゴソと懐から手帳らしきものを取り出す。



「んと、じゃあ…。ちょっと窓の外見てて貰えますか?」


言われて 叶は窓の外を見る。

窓の外は 人通りの少ない路地に街頭がぽつんとあるだけだ。


「なんも無いけど…。」


「まぁちょっと見てて下さい。」




「しばらくすると背広姿の中年男性が歩いてくる筈です。

「只野正一」

45歳。彼は前の家に空き巣に入ろうとしたところ、番犬にお尻を噛まれ通報され捕まります。」


「は?」


なにそれ?…と言おうとした叶の視界に背広を着た男性が映った。

男はきょろきょろした後 人が居ないのを確かめて向いの家の塀によじ登った。

しばらくして…ワンワンという犬の泣き声とともに男の悲鳴が聞こえ 10分後にはパトカーのサイレンが響いてきた。



「ほらね。信じてもらえました?」


微笑むカイ。

叶はまだ納得いかない様子だったが、翌日の新聞の端に『お手柄番犬!お尻パクで泥棒御用』という見出しと『只野正一』の名前を見つける事になるのだった。


「まぁ一応信じてあげるわ…」


叶の言葉に ほっとした表情をみせたカイは


「良かった。ではこれからよろしくお願いします。」


と 言いぺこりと頭を下げた。


「もしかしてずっと私の側に居る気なのっ?!」


「駄目ですか?」


泣きそうな目で 叶の顔を見つめるカイ。


なによぉ なんか私が悪者みたいじゃない…。


「なんでアンタと一緒に居なきゃなんないのよっ」


「普段は迷惑にならない様に影でひっそりとしてますから…この仕事終わんないと天会に戻れないんです…。お願いします〜」


とうとう土下座まではじめた。


「うっ 分かったから そんな捨てられた子犬みたいな顔して見上げないでよ〜」


とうとう 叶が折れた。というか この場合折れるしか無かった。

まぁ断ったところで カイは結局無理やりでも叶の側にいただろうが…。


こうして 叶とカイの妙な同居生活が始まったのだった。



「ところで僕はどこで寝れば…?」


「ちょっと一緒に寝る気なのっ?!…ん?ってか天会の人も寝たりするの?」


「当たり前です。寝ないと疲れちゃうじゃないですか。まぁ食事は取らなくても平気なんですけどね…。…で、僕は何処に寝れば…?」


「…床」


「そんなぁ〜(;_;)」


こうして 長い夜は明けていったのであった。

読んで下さりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします

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