免許更新危機一髪
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ。
皆さまは運転免許証はお持ちでしょうか?
本日は私が運転免許証の更新に行ってきたよ、というお話。
更新のはがきが届いた。
私は車は持っていないが免許証だけはある。
諸事情があって持っていないと都合が悪いから取得したのだが、結局状況が変わって今は全く車に乗らない生活をしている。
乗っていないので当然無事故無違反、更新すればゴールド免許で、更新時に受ける講習も30分と一番短い優良講習となる。
正直迷った、おそらく運転する機会など今後無いだろう。というか私が運転したら危険だ。
更新手数料もかかるし貴重な時間も奪われる。
よし、やめよう。
あれ……なぜ私はネットで免許センターの予約を取ろうとしているのだろう?
理由はわかっている、ゴールド免許という響きがカッコイイからだ。
それに――――せっかく免許取るのに大金投じたのになんか勿体ないじゃん!!!!
というわけで予約予約……って、行けそうな日全部埋まってるじゃん!?
都合のいい日に行けない予約システムとか最近そんなのばっかりだな……。
結局、更新期限ギリギリの日曜日に何とか予約出来た。
その日の前後めっちゃ忙しいんだが仕方がない。
「まあ……めっちゃ雨降ってるし、予約制なんだからあっという間に終わるはず」
そう気楽に考えていた私を殴りたい。
「……なんか出入り口に人があふれ出てるんですけど……」
おかしい……予約制……なんだよね?
免許センターの中はディズニーランドでした。
おかしいな? 来る場所間違ったかな?
しばらく観察していてようやく理解した。
ああ……これは今は亡きファストパスの劣化版だな……と。
強いて挙げればギリギリに来ても大丈夫というのは良い点かもしれない。まあ……私は一時間前に着いちゃったのに早く来ても列に並ぶことすら出来ないから、一時間立ったまま待ってたけども……。座るところなんてあるわけないし。床は濡れてるし……。
一時間後――――ようやく私の予約した時間帯が来て、やっと並ぶことが出来る。
結局さ、これって列に並ぶ時間を予約してるだけなんだよね……てっきり講習の時間を予約するのかと思ってたからビックリだよ。
「お客様、ご予約ありがとうございます、お列の用意が出来ましたのでどうぞお並びください」
レストラン行ってこんなこと言われたら帰りたくなるよね……列に並んで待つのは慣れてるけど、列に並ぶために待つって新感覚(褒めてない)
しばらく列に並んで最初の関門でいきなり問題発生。
「くっ、なんだこれは……マイナ免許証か通常の免許証を選べ……?」
そんなこといきなり言われても困るんだけど(困惑)
マイナ免許証? よくわからないが、マイナ保険証みたいなものだろうか?
まあ……利便性を考えたら断然マイナ免許証だろう。一枚あれば済むのだから。
だが――――私は免許証は要らないけどゴールド免許が欲しいんだ!!
金色のカードが欲しいんだよ……ああ、一体どうすれば。
そんな悩める私の前に第三の選択肢が!!
「マイナ免許証と通常免許証の二枚持ち……!!」
これだ!! これだよ!! これって――――いわゆる二刀流だよね!!(違います)
はい、正直に言います。私、こういうのにめっちゃ弱い。
二枚持ちとかめっちゃカッコイイじゃん!!
気付いたら二枚持ちを選択していました。
後で気付いたんだけど、二枚持ち余計にお金かかるらしい……いや、おかしいでしょ!! マイナ免許証なんてデータ紐づけするだけなのになんでお金取るんだよ!! マイナ保険証は無料なのに……。
泣く泣くお金を払って――――やって来ました視力検査!!
実は私、視力検査がめっちゃ好き。遊園地のアトラクション並みにテンションが上がる。
ふふふ、私の魔眼の力見せてやろう、なんて思いながら目をカカッって見開いて神速で回答してゆく私……めっちゃカッコイイ。他に自慢できるものが無い、とも言う。
あっという間に視力検査やらなんやら済ませて――――いよいよ免許証用の写真撮影。
普段、服なんて着られればいいと思っている私だけど、長く残るものだし、珍しくちゃんとした服を着て来てしまった……。たしかまだ一回しか着たことないはず。
あれ……? そういえばいつ着たんだっけ? と思いつつ、取り出した免許証を見て私は膝から崩れ落ちそうになった。
や、ヤバい……免許証と同じ服着てきてしまった……。
冷や汗が流れる――――そして同時に記憶が鮮明に甦る。
ああ……そういえば免許証写真くらいちゃんとした服を着て……なんて思ったんだった。
これは恥ずかしい……全身ユニクロでユニクロに行くよりも確実に恥ずかしい。
「お母さん!! あの人免許証と同じ服着てるよ?」
「しっ、やめなさい可哀想でしょ」
「マジかよ、さすがに無いわ」
「わ、私は別に良いと……思いますよ?」
幻聴が聞こえる……違うんだ、そんなつもりじゃ……!!
お、落ち着け、これだけ数をこなしているんだ、気付かれるはずはない。流れ作業だしいちいち確認なんてしない――――
そんなことなかった……めっちゃしっかり確認してるやん。
(一応説明しておくと、私、極度にテンパると似非関西弁と福岡弁が混ざった人格が出てきます)
もう駄目だ……なんて言い訳しよう――――タイムリープしたとか?
マスクしても服同じだし、そもそもマスク外さなきゃだし……
あんなに遅く感じていた列の進み具合がめちゃめちゃ速く感じる。
やばいやばい、これ以上脱げないし、何か着替え持って来れば良かった――――って、待てよ、あるじゃん!!
私は急いでレインコートを着た。
言い訳させてもらえば、ぱっと見レインコートっぽくない可愛いヤツだ。
「なんか冷えてきたな……」
聞こえるか聞こえないくらいの小さな声で、ボソッとさりげなく。
自分で言うのもなんだけど、完璧なまでに自然だったと思う。昔から劇団四季入れば良いのにって言われるくらい演技力には自信がある。
問題があるとすれば――――センター内が冷えるどころか蒸し暑かったことくらいだろうか。
「次の方、どうぞ」
かくして――――私の名誉は守られたのである。
皆さま、免許証を更新の際はお気を付けて。念のため羽織るものを持って行きましょうね。
余談、講習で流れるご遺族の方のメッセージ映像でめっちゃ泣いた。ハンカチもお忘れなく!
そして――――被害者にも加害者にもならないように安全確認大事だと再認識した私でした。
エッセイ最後まで読んでいただきありがとうございました(*´▽`*)
ゴールド免許ホルダー二枚持ちのひだまりのねこでした、またね。