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鬼ごっこ決着

 氷の剣で母さんが斬りかかって来るのを俺らは左右に跳んでギリギリ避けた。


「危ねぇ…。本当に殺す気で来てるな。それに動きがおかしいだろ。」


 距離が離れてたのに踏み込みだけでその距離を縮めるってどんな身体能力だよ。


「それは氷化状態だからだよ~。」


「氷化状態?」


 ネフィーさんが氷化状態について教えてくれようとするが、それを阻止しようと母さんが斬りかかるもネフィーさんはそれを危なげなく避けていく。


「……ネフィーは良い子だから、避けないで大人しく斬られてくれないかしら?」


「う~ん……。嫌だよぉ、だ。べ~。」


 遠慮なく斬りかかる母さんも凄いけど、それに舌を出して拒否するネフィーさんも凄いな。普通そんな事したら、相手が怒ってもっと酷い事になるって分かるだろうにさ。


 現に母さんの斬るスピードは上がってきてるが、ネフィーさんはスピードが上がっても変わらずに避けていく。


「で、氷化状態だけどねぇ。」


「その状態で説明するの!?」


「こんな太刀筋じゃ、目が見えなくても余裕で避けれるから大丈夫だよぉ。遅すぎて欠伸も……ふぁわ~~。…むにゃむにゃ。……出ちゃいそうなくらいだしね~。」


「出ちゃいそうじゃなくて、出てるから!欠伸!」


 既に母さんの太刀筋は俺の目では追えないけど、よく欠伸しながら避けれるなこの人。それも目隠しをして避けれてるんだから、この人も母さん並みにおかしいだろ。

 ただ、母さんの方は馬鹿にされて額に血管が浮き上がるくらいキレてるから、この怒りが俺にこないか心配だな。


「分かってくれたなら説明するねぇ。氷化状態は氷化と言う魔法で、身体能力を上げて氷や雪と一体化してる状態なんだよぉ。でぇ、その状態になると氷や雪のある場所だったら好きな場所に移動出来るんだ~。」


「それで俺に追いついた、と。」


「そうだね~。」


 ああ、それでか。転移で結構離れていたのにすぐに追いついたのは氷化状態になって、ここも凍っているからここに転移できたという事か。でもそれって。


「もしかして、この森の中だったらどこにでも現れる事が出来ません?」


「正解。おめでとう~。」


「そこは外れてほしかったんだけど!」


「正解したアレクちゃんには追加の情報をあげるね~。」


「えっ?今の状態でも嫌なのにまだあるの?」


「まだあるよ。と、情報を上げる前に…ごめんね~。「停止」」


「……!」


 ネフィーさんが母さんではなく俺に魔法を使ったら、瞬き一つ、指一本動かす事が出来なくなった。まさか俺を母さんに差し出すためにこうしたのか!?


「あら?アレクを差し出して、自分は助けてもらおうという考えかしら?」


 母さんも俺と同じ考えらしく、今は手を止めている。しかしネフィーさんはその言葉を否定して。


「まさかぁ。ただ時間になりそうだったから捕まえただけだよ~。」


 時間?


「アレクちゃん。これで鬼ごっこは私たちの勝だね~。」


 ………あっ、忘れてた。

 母さんも鬼ごっこの事を忘れていたらしく、今思い出したような顔をしている。


「ねぇヴィーちゃん。町の人に恥ずかしい記憶を見せる罰は勘弁してあげないかな~?」


「……いや、それとこれ――。」


「駄目?それなら――。」


 母さんは拒否しようとしたが、ネフィーさんが母さんの耳元で何か話すと。


「本当にいいのね?」


「うん。いいよぉ。」


「……そう。ふっ、ふふふ。期間があるとはいえ、私の願いが叶うなんてね。その約束守ってね?」


 何か確認した後、先程とは違う怖さの顔をして何かの欲望で濁った目をしてネフィーさんにそう言った。


「勿論だよ。私がヴィーちゃんとの約束破った事があったかな~?」


「……覚えてる限りでは、約束した数の割に守られた約束が両手の指にも満たないのだけれど?」


 ジト目で見られたネフィーさんは顔を逸らし、誤魔化すために俺に話かけた。


「あ、そうだ。アレクちゃんもそのままはつらかったねぇ。今解除してあげるね~。」


 そう言われ解除されると今まで動かそうにも動かなかった体が途端に動く様になった。


「はぁ。やっと動ける様になった。急に動けなくさせられて、てっきり母さんに差し出すのかと思ったよ。」


 俺は固まった関節をほぐしながらそんな事を言うとネフィーさんは頬を膨らませて。


「もう、そんな酷い事しないよぉ。私を何だと思ってるの~?」


 そんな事を聞いてきたので俺は。


「自分が楽しむ為に友達を売る人。」


 とネフィーさんの印象を答えると、可愛らしく怒っていた。


 それを見て俺と母さんは笑うと母さんはこちらを見て。


「今回はネフィーの頼みで許すことにするけど、もし次にやったら蘇生無しで殺すからね。」


 言い終わり氷の剣を振ると前髪が何本か斬られた。


「返事は?」


「はい!」


「よろしい。それでは、ルーベルの元に行ってイントアと元山賊を解放してあげないとね。」


「あれ?リマルが山賊って話したっけ?」


 会ってから一言も山賊なんて言った覚えはないんだけど?


「クレアから聞いたわよ。廃坑に住んでる山賊の事も凍らせた山賊の事も全部。」


「ああ、それで。」


「で、あなた達が探してた材料やらも取り返して持ち主に返し、あの山賊も足を洗って無料奉仕の罰を言い渡したわ。」


「そんなのでいいの?もっと厳しい罰を与えるのかと思ったよ。」


 具体的には町を引き回して磔にしたり火あぶり、斬首だったりとか。


「何か失礼なことを考えてるようだけど、…まあいいわ。そこは初犯だし、ここまで来るのに人助けをしながらだったからね。人柄的にも山賊は向いてないから、今回は大目に見る事にしたのよ。」


 母さんも意外と優しい所があったんだ。


「それと無料奉仕の責任者はアレク、あなただから責任持って面倒見るのよ。」


「ちょと待て!聞いてないよ!?」


「今言ったからね。」


「だからって何で俺!?」


「拾ったのはあなたでしょ?だったら面倒はちゃんと見ないといけないでしょ。」


「拾ってないわ!」


「もう、だから言ったでしょアレクちゃん。野良に餌をあげてはいけませんよぉ、って。」


「言ってないし、言われても無い!それに餌をあげた覚えも無いわ!」


 そもそもあの山賊は拾ったペット扱いかよ。ああ、でもセマリは犬みたいだったからあながち間違いじゃ、ない?


「もう決まった事だから、あなたが何を言おうが覆る事はないけどね。」


「母さんを説得出来れば、もしかして?」


「されると思う?」


 無理だな。


「頑張ってペットのお仕事を探してあげてね~。」


「……はい。」


 ネフィーさんの中であの三人は、ペットで決定なんですね。


 俺はその言葉に力なく返事して、兄さんの所へ行くため皆それぞれ移動魔法を使った。

お読みいただきありがとうございます。


次回もお楽しみください。

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