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押し付け合い

 詳しい時間を覚えていないが、本来なら14分台で止まっている筈の爆弾。しかし爆弾の時は止まっておらず、タイマーには9:32と表示されていた。


「おー、本当に減ってる。やっぱり新型爆弾だったね、お兄ちゃん。」


「マジか……なんで毎回、引かなくてもいい所で変な運を発揮するんだ。どうせフラグ回収するなら、恋愛フラグみたいな俺の喜ぶフラグにしてくれよ。」


「だけどアレク様に恋愛フラグを立てると、もれなくイントア様からの死亡フラグが立ちませんか?ことある事に命を狙われますよ。」


「流石シアンお姉ちゃん、実際に狙われてるから説得力が凄い。」


「というより、自由恋愛を推奨する教団のトップが人の、それも弟の恋愛を邪魔するなよ。普通に教えに反してるだろ。」


 今更ながらの矛盾した教えについて、若干の呆れを見せながら聞いてみた。


「確かに教えとは矛盾した行いですが、これが適用されるのは信者や一般人ですからね。信者でないうえに私から敵認定されたシアンは対象外なので、そこら辺は何も問題ありません。」


「姉さんには問題なくても、教えを説く者としては問題があるだろ。例え嫌いな相手でも、困っているなら助けましょうって習わなかったか?」


「私が習ったのは、敵に情けを掛けるな、ですから覚えがありませんね。それよりお兄様、こちらをどうぞ。」


 そう言って俺との会話を切り上げた姉さんは、手に持っていた爆弾を兄さんに渡した。


「……なんで俺に渡す?」


「なんでと言われましても、先程の電話で爆弾を回収するように言われましたよね?だからお兄様に渡しました。」


 ボールを受け取った兄さんの疑問に、不思議そうな顔で姉さんが答える。


「だからって、今の俺の状態を分かってるか?閉運を掛けられて何が起こるか分からない、不運の塊だぞ。もし何か起こって爆発したら、どうするんだ?」


「どうするも何も、お兄様なら爆発の一つや二つ大丈夫でしょ?だから安心して爆発に巻き込まれてください。」


「大丈夫なわけあるか!」


 本当に大丈夫と思っているらしく、少しも心配する素振りを見せずに告げる姉さんに兄さんが叫んだ。


「平常の時なら確かに大丈夫だろうけど、今の状態で爆発に巻き込まれたら、いくら俺でも死ぬ可能性もあるからな!?これはお前が持ってろ!」


 叫び終わると同時に、兄さんは押し付けるように爆弾を姉さんに渡した。


「私だって嫌ですよ。もし影の中に入れて爆発したら、どうするのですか?これは殺しても死にそうにない、お兄様が持っていてください。」


 姉さんが言い終わると、渡された爆弾を兄さんに返す。


「だから俺に渡すな!今の俺とイントアだったら、確実にイントアの方が安全だろ!?という事で、これはイントアが持ってろ!」


「何がという事で、ですか!私よりもお兄様の方が頑丈なのですから、ここは可愛い妹を守ると思って爆発されてください!」


「爆弾を押し付ける妹のどこが可愛いんだ!?可愛いさをアピールしたいなら、出るとこ出てから言ってみろ!だからアレクが逃げてるんだろ!」


「逃げてません!ただアレクが少し、照れ屋で恥ずかしがり屋で自分に素直になれないツンデレなだけです!そうですよね、アレク!?」


「誰がツンデレだ!爆弾を持って、こっちに来るな!」


 爆弾を持ったまま近づいて来た姉さんを俺は肩を掴んで遠ざけた。


「そうだよ。お兄ちゃんなら爆弾を気にせず一緒にいてくれる筈だから、お兄ちゃんを連れて早く離れて。」


「気にするわ、馬鹿!連れて行かれる時はクレアも一緒だからな!」


「何でそうなるの!?どうせなら、私よりもシアンお姉ちゃんを連れて行きなよ!そっちの方が嬉しいでしょ!」


「嬉しくないですよ!?確かにアレク様は大好きでどんなプレイも、昼夜問わず場所を選ばずの子作り開始ドンと来いという気持ちはありますが、流石に爆弾の近くには行きたくないです!」


「断るついでに何言ってんの!?そんな事をこんな所で言うなよ!」


「そうですよ。アレクと子作りをするのは私であって、あなたではないです。少しは恥を知りなさい。」


「知るのはお前だ、イントア。絶対にアレクはそういう意味で言ったんじゃないだろ。」


 シアンの急な発言で脱線し始める会話。そんな俺達を少し離れた位置に移動したクレアとシューリンガンが見ていた。


「アレクさんとシアンさんがそういう関係なのは聞いていましたが、イントアさんとも関係を持っていたのですね。」


「一部の人しか知らない内緒の関係だけどね。聞かれても、絶対にお母さんに話たら駄目だよ。」


「もちろん分かっています。例え拷問に近い方法で聞かれようとも、決して口外はしないと約束します。」


「例えが重過ぎるよ。シューリンガンちゃんなら大丈夫とは思うけど、本当に命の危機だったら話していいからね?」


 友達の命を心配してクレアが言うと、シューリンガンは何も答えず優しい笑みで返した。

お読みいただきありがとうございます。


次回もお楽しみください。

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