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書斎に行こう

続きを読んでくれて嬉しいです。まだ慣れてないないので誤字、脱字があるかもしれませんが最後までお楽しみください。

  夢の中でルーベル兄さんと神様に誕生日プレゼントとして四個の魔法を貰った翌日。鳥の鳴き声で目を覚ました俺はどういう魔法名があるのか確認しようとすると、ちょうど扉がノックされた。


「アレク様、朝食の用意ができました。旦那様と奥様もすでに食堂でお待ちです。アレク様も食堂にお越しください。」


 この声はシュページ父さんの付き人で、確か名前はダックスだったな。魔法の確認は朝食を食べた後でいいか。


「分かった。すぐに行く。」


 扉の向こうから聞えた声に返事を返すと、急いで着替えダックスと共に食堂へ向かった。食堂に行く途中で気になった事があったので聞いてみることにした。



「今更だけどダックスの使う魔法って何だっけ?」


「本当に今更ですね。」


 朝起きて魔法の事を考えていたからか、使用人達が使う魔法の事を聞いたことがないと気づいた。

 そんな俺の質問に若干呆れた声で言いながらもダックスは答えてくれる。


「まあいいでしょう。いくつかありますが、私がよく使う魔法は測定魔法と言います。簡単に言うと数を数える魔法ですね。」


「……それ魔法?」


「一応は魔法ですね。」


 本でそんな魔法は書いてなかったけど、正直必要かその魔法?俺みたいな反応は慣れているのかダックスは付け加えるように話した。


「まあ聞いたらそんな反応をしてしまいますよね。でも、この魔法があるからシュページ様の仕事を手助け出来たりします。」


「数を数える魔法で?」


「はい。数を数えると言ってもこの魔法があれば、村の人口がすぐに分かったり、測量をせずとも土地の広さが分かったりと色々な事がはかれるのです。」


「へー。名前の割に結構大事な魔法だね。」


 だからシュページ父さんが村の視察に出る時にダックスを連れて行くのか。


「名前だけで判断すると痛い目に合いますよ。」


「うん。覚えておくよ。」


 そんな会話をしていると丁度食堂についたのでダックスがノックをしてドアを開く。


「旦那様、アレク様をお連れしました。」


「ありがとうダックス。おはよう、アレク誕生日おめでとう。」


「おはよう、アレク。今日で五歳になったから魔法が使えるようになったわね。何か覚えたら見せてね。」


「おはようシュページ父さん。ヴィクトリア母さんもおはよう、問題なく使えるくらいになったら見せるね。」


 シュページ=ナルスタック。

 ナルスタック家の当主で爵位は子爵。髪は青みがかった黒で見た目は気の弱そうな見た目をしている。魔法は土系魔法を使うとこをよく見る。

 よくヴィクトリア母さんにお仕置きをされたりしているが夫婦仲は悪くない。


 ヴィクトリア=ナルスタック。

 シュページ父さんの妻で公爵令嬢だが何故シュページ父さんと結婚したのかは謎である。髪は白銀で顔は童顔、背丈も小柄で知らない人からは子供と間違えられやすい。魔法は氷魔法と封印魔法をよく使っている。


「全員揃ったから朝食を運んでくれるかな?」


 シュページ父さんがそう言うとダックスは厨房に戻り他の使用人達と朝食を並べていく。今日の朝食はパンに目玉焼きとベーコン、サラダと定番の朝食だ。

 全部並べ終わり朝食を食べているとシュページ父さんが聞いてきた。


「アレクは五歳になったから、今日にでも教会に行くのか?」


「今日は家にある魔法の教本を読んで明日行こうと思ってるけど。」


 この国では、五歳になると教会に行き神に祈ることで一つ魔法を与えられ、信者に魔法の使い方を細かく説明される。五歳を過ぎるといくら祈っても魔法は覚えられないので、他の魔法の覚え方は魔法の教本で学ぶか持っている魔法を使い続ければ派生魔法が覚えられる。


 教会、正式名称を魔法研究教会と言い、魔法を与えてくれる神を信仰しており神が与えた魔法を全て知らぬは罪、と考え魔法を日々研究している。礼拝等もなく新しい魔法を見た時、情報提供さえしてくれれば後は自由に過ごしていいと聞く。解りやすく言うと魔法以外は興味を持たない人の集まりだ。


「あら?あんなに魔法を楽しみにしてたのにすぐには行かないのね?」


「少し自分で調べてから教会に行くことにしたんだ。」


「事前に調べるのはいい事だ。後で使用人たちに教本を探させて部屋に持って来させよう。」


「いやいいよ。他にどんな本が置いてあるか見てみたいから自分で行くことにする。食べ終わったから書斎に行って部屋に戻るね。」


「書斎で本を探すなら高い所は見えないから誰か使用人を連れて手伝ってもらいなさい。」


「はーい。誰か適当に手の空いてる人がいたら連れて行くね。」


 シュページ父さん達と話している間に朝食を食べ終わったので、そのまま書斎へ行く。朝は皆忙しいはずだから、暇そうな人が見つかればいいけど。


 誰か暇そうな人は居ないかと書斎に行きながら探すけど、予想通り皆朝から忙しそうに働いている。しょうがないから今日は低い位置にある本だけ見て、高い所はまた別の日に読もうか、と考えていると前の方に暇そうなメイドを見つけた。


「何してるのシアン?」


 見つけた人は少し前に雇った新人メイドのシアンだった。働き始めた時は緊張からか変な敬語を使っていたせいで何を言ってるのか分からなかったが、我が家は公式の場で無い限り緩い話し方を許してるので最初に比べて何を言ってるか分かるようになった。


「あ、アレク様。おはようございます。今から書斎の掃除をしようと向かってた所ですよ。」


「なら丁度良い。今から俺も書斎に本を取りに行くけど、探すのと部屋まで運ぶのを手伝ってくれない?」


「手伝うのはいいのですが、書斎で読まれないのですか?」


「今書斎は大量に送られた本が山積みになって、ゆっくり読めないからね。」


 うちの書斎は小さく。王都からルーベル兄さんが本をよく送ってくるので、そろそろ書斎に本を入れるのが限界になっており、増築する話が出ている。少し前まで本は高価でお金に余裕のある人しか買えなかったが、今は兄さんが大量生産できる方法を伝え庶民にも広まりつつある。


「そういえばシュページ様が二週間に一回大量の本が送られてきて、書斎に入りきらないから書斎を増築するとか先輩たちが噂してましたね。入りきらないと聞いてましたが山積みになってますか……。」


「ルーベル兄さんは何でこんなに本を送ってくるんだろうね?どうせなら王都にある魔道具や名産品を送ればいいのに。」


「そう言われましても、私達凡人ではルーベル様のお考えは分かりませんから。ですが私も、送られてくるなら王都の美味しい物の方が嬉しいですね。」


 シアンは笑いながら答え、その後も適当に話していると書斎の前に着いたので中に入る。


 中に入ると予想以上に本が山積みにされていて、一部の山は天井に届きそうになっている。通り道も一人通るのがやっとの狭さだ。


「…この中から探さないといけないの?」


「…本が入りきらないとは聞いてましたけど、こんな事になってるなんて思ってもいませんでした。こんな状態で掃除なんて出来るんでしょうか?」


 この部屋の惨状を見て、やっぱり使用人に持って来させれば良かったと後悔していた。シアンの方を見ると書斎の中が予想以上だったのか、この部屋を掃除することを考えて暗い顔をしている。

 その気持ちはよく分かる。俺もこの部屋を掃除しろと言われたらそんな顔になる。


「取りあえずここで立っていても仕方ないから、探してる本を教えるね。」


「はい。掃除の事は、今は考えないようにします。」


 どうやらシアンは、書斎の掃除をする事から今は目を逸らす事にしたらしい。シアンの頑張り次第では手伝ってあげようかな。と、今は掃除より本が先だな。


「探してる本は魔法の教本だからシアンは上をお願い。俺は下の方を探すから。他には面白そうな本を見つけたら教えてね。」


「上を探すと言われましても梯子も架けられないのですが?」


「なら見える範囲でいいから上の方の本棚と山積みになった本をお願い。探す時は本を崩さないように気を付けてね。」


 この本の山。少し体が当たるだけで揺れて崩れそうになってる山が所々ある。崩れて大量の本が降ってきて本に押し潰される。なんてそんな経験したくはない。


 シアンに注意事項を伝えて二人で目当ての本を探し始めた。

最後までありがとうございます。良ければ次回も楽しんでください。


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