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我が身が大事

「クレア助け……って、何やってるの?あぶなっ!」


 兄としてあるかどうか分からない威厳を捨て去り、妹のクレアに助けを求めようとしたが、その言葉はクレアを見て止まってしまった。


「……ふぅ。…何ってお茶を飲んでるんだよ?」


 近くで兄が殺されそうになってるというのにクレアは、影から出したと思われる椅子に座りお茶を飲んでいた。

 しかも出しているのは椅子だけでなく、机にはティーポットとカップ、お茶請けに幾つかのお菓子が置かれており、近くには日焼けしないように日傘を立てるという完全にくつろぎモードだ。


「この状況でお茶を飲むか!?」


「だって、昨日お姉ちゃんと戦うって宣言したでしょ?それに夫婦喧嘩は犬も食わぬって言うから、いくら妹と言っても夫婦喧嘩に手を出そうとは思ってないよ。」


 言い終わるとクレアは手に持っていた紅茶を一口飲み、机に置いていたお菓子を食べ始めた。


「嘘吐け!単に関わりたくないだけ、あぶなっ!?」


「流石クレアちゃん。まだ結婚していないのに夫婦として見てくれるとは、なんて出来た妹なんでしょ。お姉ちゃん、頑張ってアレクを殺すわね。「麻痺毒」」


 そして姉さんはクレアの言い分に感動してさらにやる気を出したようだ。


「魔法を使うな!だいたい姉さんは、夫婦として見られたいのに俺を殺してどうするんだよ!?俺が死んだら結婚出来ないだろ!「ロケット花火」」


「甘い!…そこは大丈夫です。アレクが死ななければ、五年後に結婚出来て私は幸せ。アレクが死んでしまったら、私もクレアちゃんと一緒に後を追い、あの世で結婚。いえ、この場合は冥婚と言うのでしょうか?」


「知らんわ!」


「私も殺されるのは聞いてないよ!?」


 俺は姉さんの疑問に答え、クレアは巻き込まれるとは思ってなかったらしく、食べていたお菓子を吹き出し驚いていた。しかし姉さんは、俺たちの声が聞こえてないのか気にする様子もなく。


「まあどちらにしても、私がアレクと結婚するのには変わりないのですから、死のうが死ぬまいがどちらでも良いのですよ。「睡眠毒」「麻痺毒」」


 結婚が出来るという結果に目が眩み、滅茶苦茶なことを言ってる。


「だから毒はやめろ!クレアァ!ヘルプ!このまま俺が死んだら、クレアも死ぬんだから助けてくれ!」


「了解です!私は長生きして美味しいものを食べつくす使命があるんだから、こんな所で死ねない!「加重」」


 もう一度クレアに助けを求めると自分も殺される事が分かり、今度は即了承してくれた。やっぱり夫婦喧嘩の話は、助けたくないだけの理由付けか。

 クレアは椅子やらを直さずにこちらへ近づき、魔法を放つも当たる直前で姉さんは避けた。


「あら?夫婦喧嘩に手出ししないんじゃなかったの?」


「たとえ血は繋がっていなくても、お兄ちゃんが死にそうになってるのを黙って見ているなんて妹の私には出来ない!お姉ちゃんには悪いけど、お兄ちゃんを殺そうと言うなら私は守るためにお兄ちゃんに助太刀するよ!」


 剣を構え直した姉さんにクレアは、キリッとした表情で俺の味方をすると宣言したのは良いけど……。


「最初に助けを求めた時にそう言ってほしかったな。」


 正直な感想を言うとクレアは誤魔化すように笑いながら。


「ごめんね、お兄ちゃん。あの時は私も手が離せなかったから助けられなかったんだよ。」


「嘘を吐くな!単に面倒なだけで助けたくなかったんだろ!?」


「もう、妹の兄を助けようというこの純粋な思い。この思いを疑ったら失礼だよ?」


「姉さんに毒された時点で純粋なクレアは消えてしまったわ!今居るのは、純粋から遠く離れたクレアだよ!」


「ちょっと!その言い方だとまるで、私がクレアちゃんを汚した姉じゃないですか!?」


「そう言ってんだよ!純粋や清浄とは真逆の位置にいるくせに自覚がないのか!?」


「自覚するなんて無理でしょ。私もお姉ちゃんに可愛がられてたけど、やってる事が異常と思ったもん。」


「クレアは王都に居た頃から可愛がられてたもんな。」


「お兄ちゃんよりはマシだけどね。あの頃はお姉ちゃんに憧れてたんだけどなぁ……。」


 俺とクレアに好きに言われ、怒りで肩を震わせていた姉さんだが深呼吸をして気持ちを落ち着けるとこちらに笑いかけ。


「決めました。殺す時になるべく痛みを与えては可哀そうと思い、一撃死を狙っていましたがそれはもうやめです。」


「何?諦めてくれるの?」


「そうしてくれると嬉しいな。早く町に行って、お姉ちゃんたちとゆっくりしたいんだけど。」


「いや、その前に屋敷を直す為に兄さんを探さないと。」


「確かにおじさんだったら、潰れた屋敷も直せそうだからそっちが優先だね。」


 勝手に戦闘が終わると思いこの後の予定を話していたら、姉さんは影から魔力回復薬を何個か取り出し。


「あなた達が心配するのは、屋敷の心配ではなく自分の身体ですよ!できる限り惨たらしく殺して、死んでもその体を私の気が済むまで徹底的に攻撃しますからね!」


 そして姉さんは取り出した薬を飲むと。


「「毒蛇・麻痺毒」「毒蛇・腐食毒」さあ、覚悟なさい!」


 二匹の毒蛇を操りながら斬り掛かって来た。

新年あけましておめでとうございます。

今年も本作をよろしくお願いします。。


次回もお楽しみください。

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