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葵くんと唯奈ちゃん。  作者: あさりんご
1/3

両片思い1

 ある日の朝。

「行ってきます」

 静かに穏やかな様子で男の子が言った。

 彼の名前は家入葵。私立叡凜学院高校の生徒で高校1年生。

頭がズバ抜けて良い訳でも無く、運動もそこそこである。いわゆる普通と言うやつである。オタクだ。だが、彼にも得意なことがある。それはまだ秘密だが。

 そして、塀をはさんでその隣では。

「いってきまーす!」

 元気な声で快活に女の子が言った。

 彼女の名前は如月唯奈。彼女もまた私立叡凜学院高校の高校1年生で生徒会の会計を務めている。

 才色兼備で誰にでも優しく接する彼女の事を他の生徒は叡凜姫なんて言っている。もちろん、本人の前で直接言ったりする奴なんていないが。彼女には、彼らに知られてはならない秘密がある。簡単に言うとオタクだ。

 私立叡凜学院高校──日本最高峰の平均偏差値を誇り、政財界、芸能界などを担う数々の有名人を輩出してきた正真正銘のエリート校であり、運動部、文化部共に盛んで全国大会に出場したことがある部活がほとんどだ。

「おはよっ! 葵!」

 唯奈が後ろから葵に抱きつきながら言った。

「おー。おはよー唯奈。ってか、暑ぃから離れろ」

 つっけんどんに葵が言う。

「あれれ〜? どうしたのかな〜。あーおーい君。叡凜姫と言われている私にハグされてキョドってる感じ〜?」

 挑発するように唯奈が言う。

「うっせ。どこをどう見たらキョドってるんだよ。どあほ。

そもそも、叡凜姫なんて大層な名前はお前にゃ似合わんぞ」

 葵が返す。

「あー! どあほっていた方がどあほなんだー。まぁいいや。とにかく葵、一緒に学校行こ!」

 唯奈が葵を誘う。

「なんだコイツ。まぁ良いだろう。一緒に行ってやらんこともない。てか毎日一緒に行ってるだろ」

「いいじゃーん別に。まぁ、確かにずっと勝手に私の後を付いてくるし私の家にも入ってくるからね」

「間違っては無いけど、その言い方は語弊を生みかねるだろ。それじゃ俺が唯奈のストーカーみたいに聞こえるじゃねぇか」

 葵が唯奈の言った言葉に苦言を呈す。

「えー! 君、私のストーカーじゃなかったの!」

 唯奈が笑いながら葵に話す。

「なんだとてめぇ。そうかそうか、痛い目に会いたいんだなそうなんだな!」

 葵が唯奈の頬をつねりながら言う。

「い、いふぁい〜。ひゃめて〜!」

「ハーハッハッハッ!自業自得だ!」

 葵が魔王のような笑い方で言う。

「うるさいーっ! この厨二拗らせオタクめっ!」

「てめぇも人の事言えねぇだろうが。ばかオタク! はぁー。なんでこんなオタクが姫なんて呼ばれるのだか」

「みんなこの私の美貌に惚れ込んでるんだよ」

 唯奈が自慢気に言う。

「おい、自惚れにも程があるだろ」

 葵がすかさず返す。

「うるさい! だまれ、だまれ、だまれー!」

 閑静な住宅街に男女の和気あいあいとした声が広がる。

「よー! 2人とも。今日もイチャついてるなー」

 爽やかな青年が2人に話しかける。

 彼の名前は柊蒼空。そして蒼空の隣にいる可愛らしい女子が言う。

「本当だよ! これで付き合ってないとか詐欺すぎるでしょ」

 彼女の名前は千年萌咲。柊蒼空とは恋人関係にある。

「何が詐欺すぎるだ。こっちとしては付き合ってないのに付き合ってるとか言われて迷惑なんだよ。馬鹿」

 葵が萌咲を軽くあしらう。

「えーん! 酷いよひーくん。あの葵ていう奴に馬鹿て言われたー!」

「はいは〜い。それは傷ついたね。よ〜しよしよし!」

 葵と唯奈の前で蒼空と萌咲の2人がイチャつく。

「なぁ、唯奈。俺たち、一体何を見せられているんだ」

「見せつけられているなら、こっちも見せつける?」

 唯奈が冗談めかしで葵に言う。

「別に、そんな事しなくても。てか、俺たち別にそういう関係じゃないだろ」

 葵が唯奈に言う。

(へぇ〜。葵は別に私とは付き合いたくないってのね。こっちはずっと好きだってのに……ふ〜ん)

 唯奈は葵の発した言葉に対して少しムッとした。

「? 唯奈、なんだ? なんだムスッとして」

「別に〜!特に何もありませんよ〜。ささ、学校いくよ!」

 この様子をみて何かを察した蒼空と萌咲はニヤニヤしている。蒼空が葵に近ずき言った。

「ネェネェ葵君よ。どうしてさっきはあんなこと言っちゃんったんですかね〜。おたく、唯奈ちゃんのこと好きなんでしょ」

「好きだよ! けど、いざあいつの前で話そうと思うとなんて言うか、こう上手く話せないんだよ。それにあっちは多分俺の事を男として見てないんだよ」

 葵の話を聞いてニヤつく蒼空。

その時に萌咲が唯奈に近ずき話した。

「ねぇ! ゆいちゃんって葵くんのこと好きなんだよね。なーんで、あんな冷たい態度をとっちゃうかなー」

「だって、私は葵に女性として見られたいのに、葵はずっと私と友達としてしか見えてないっぽいし、LoveってよりかはLikeな感じがするし」

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

これを聞いた萌咲は不敵な笑みを浮かべた。

 これは、2人がお互いの気持ちに中々気付かず周りを巻き込みながらも付き合ってその後云々という物語……のはず。


 



 初めまして。あさりんごと言います。今回のこの「あおいくんと唯菜ちゃん。」が初めての投稿作品でありますので、大小さまざまなミスがあると思いますが、そこは長ーーーい目で見守って頂けると幸いです(笑)。

 さて、話は変わりますが、私の後輩が、もうすぐ入試なのですが、皆さんは入試の思い出とかってありますか(話題の振り方が雑w)。私は、志望校にギリギリ受かった記憶がありますね。では、来週はいつになるか分かりませんが、それまでぜひ待っていてください。

 ちなみに、この話を考えたのが7月ぐらいなので、めっちゃ間が空いてます。もしかしたら、月1投稿ぐらいになるかも?

 とりあえず、次の話までお待ちください。

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