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深夜2時  作者: まさみ
3/5

意外と高い

事故物件に越してきて一か月、特に何も起きない。


「事故物件て何があったの?殺人?自殺?孤独死?」

「さあな。前の住人はすっげえドケチなおっさんだったって大家が言ってたけど」

人の口に戸は立てられないもので、近所の住民の噂で前の人がものすごい守銭奴の倹約だったのは知っていたが、死因を聞くとさすがに口を濁す。

とはいえ俺も大学生、毎日学業とバイトで忙しくしてるうちに部屋の過去は忘れてしまった。

その日は飲み会で遅くなった。足取りが覚束ないほど酔っていたので、友人に送ってもらうことになる。

「ったく世話が焼けるなー」

「マジ感謝。今度おこる」

玄関口に立った友人がワンルームに這ってく俺に声をかける。万年床の布団にダイブすると同時に暗闇が包む。帰り際に電気を消してくれたみたいだ、有難い。

翌日、二日酔いに顔をしかめながら大学に行くと友人が迎えてくれた。

「よ。酷ェ顔色だな」

「昨日は色々すまなかった。電気まで消してくれて」

「は?俺じゃねえよ」

友人が固まる。

俺も青ざめる。

よくよく考えてみれば玄関に突っ立ってたのにスイッチを押すのは不可能だ。

お互い顔を見合わせてやれ霊障だポルターガイストだの騒いでた時、スマホに保存されたメールの下書きに気付く。

「撮った覚えねえぞ」

「霊界からのメッセージか?」

固唾を飲んで開いてみると、たった一言メッセージが記されていた。


ケ ン ヤ ク


以来、寝る前には必ず電気を消している。

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