第二話「紙のやつと秘密の遊び」
「今日からは、これを履いて寝なさい。」
お風呂から上がった私の前で、そう言い放つ母は、白い下着のようなものを手にしていた。
それを見て私は、すぐに老人の介護用の紙おむつだと理解した。
毎日毎日続くおねしょにうんざりしていたのは私だけではなかったのだ。
私は、朝の後始末が楽になるなら……と一つ返事で了承した。
早速、トイレを済ましてからそれに履き替えて布団に入り、翌朝の綺麗な布団に期待しながら眠りについた。
翌朝、目が覚めるといつも通りの洪水が広がっていた。
量が多く、吸収しきれなかった分が横漏れしていたのだ。
せっかく母が買ってくれたのに、あまり効果がなかったという事に申し訳なさを感じつつも、お股に何かふわふわしたものが挟まっているという感触が気持ち良くて、私は密かに気に入っていた。
その日の夜、また同じようにおむつを履き、寝る前のトイレに行った私は(どうせ寝てる間に濡れるんだから今濡らしても一緒だよね)と思い、ズボンを脱がずに和式の便器にしゃがんで、お腹に力を入れる。
ほわっ、とお股が温かくなる。
殆ど膀胱に溜まっていなかったので、出た量はほんのわずかであった。
私はいけない事をしているという事に背徳感を覚え、放尿の気持ち良さも相まって、弱冠1X歳にして、おむつおもらし遊びの虜になってしまった。
この「秘密の遊び」はおむつが無くなるまでの約2週間、毎晩の楽しみになっていた。
この時から、既に性癖の芽が芽生え始めていたのかもしれない。
しかし、布団を汚さないという本来の目的は達成できなかったので、それ以降はおむつを買ってもらえることは無かった。
第二話「紙のやつと秘密の遊び」おわり。