理不尽
「はぁ。」
私最低だ。
鈴木の事を都合よく使ってる。
鈴木の気持ちは、凄く嬉しい。
でも、だからといって気持ちに応えられるか?っていったらそうじゃない。
私の心には隼人がいる。
時計を見ると23時30分過ぎ。
肌のこと、学校のことを考えたら完全に夜更かしコースだ。あり得ない、いつもなら23時までには寝てるのに。明日は病院にだって行かなきゃだし。
「全部あの女のせい。」
イライラが落ち着かないで、寝れそうにもないからヒーリングミュージックをかける。
それにしても、菊川さんの何が良いのかわからない。いつも教室で絵を描いたり、小説を読んでいてお世辞にも可愛いなんて言えない。
クラスのみんなからは変わり者扱いされているし、友達といた所も見た事がない。
コンコン。
「はーい、どーぞ。」
「千裕まだ起きてたの? 音楽が流れてたから消し忘れたと思って来てみたら···明日は、病院に行かなきゃなんだから早く寝なさいね。」
「うん、わかった、おやすみ。」
「おやすみ」
パチンッ。
······死ぬ時って、こんな風に突然真っ暗になっちゃうのかな?誰の存在も感じなくなって、ずっと真っ暗なこんな部屋みたいな所に閉じ込められた感覚を、生まれ変わるまでずっと感じるのかな?それとも何も感じないのかな?好きな人──隼人──の事も忘れちゃうのかな?
怖いよ。
凄く怖い。
どうして私なんだろう。
どうして······。