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20 ボクと契約してヒーローになった少年

最終回です。

知っていますか。

 この世に神はいるのです。

この世界をお作りになられた全知全能の神。

彼はやがてこの世界の外側から来た異邦人達から我々を守る加護をくださいました。

それが……そう、ヒーローです。

皆さんもご存じのはずです。

しかし、初めてのヒーローが悪と戦った際、この世界は破壊され、人々はその多くが命を落とされました。

神はそのお姿を真似られて作られた我ら人間が多くの命を無惨にも散らしたことを大変悲しまれました。

そして、二つ目の加護をくださいました。

神がそれを望むと人々はたちまち息を吹き返し、世界は元の姿に戻りました。

それから私達は正義と悪の戦いにおいて命を落とすことがなくなりました。

初めは神に反発した者達もいましたが、やがて彼らも神を認め、祈りました。

人類の長きにわたる平安と、神からの恵みを求めて。

さあ、皆さんも祈りましょう。

信じるものは救われるのです。


幼い少年は本をパタンと閉じると、小さく笑った。

「ふっ、くくっ、」

「また笑ってる。そんなに面白いのか」

「ああ、面白い。ボクは神様は嫌いだけど、神様を一生懸命信じる人間は大好きなんだ。」

「ふーん」

少女はつまらなそうに相槌をうつと、またスマホの画面に顔を戻した。

そこに一陣の風が吹く。

マントをはためかしてヒーローのご帰還だ。

スマホをかまっていた少女さえ、間近で見るその姿に思わずスマホを手から落としそうになった。

「来客中か。すまんな。」

「別に良いよ。キリエ、彼がヒーローだ。」

「しっ………知ってるよ。……マジか!え、知り合いだったのテツちゃん。」

「まあね~。神様だから。」

「え~!!早く言ってよ!ヒーローさん、写真オッケイですか?」

「おう、良いぞ!」

「マジか!Twitterとか上げても良いですか?」

「むぅ、まあ、良いか。楽しくピースとかするか?」

「良いっすね。はい、チィーズ!」

カシャリと音がして写真が撮れる。

最近の機械の技術なのか二人とも妙に色白く目がぱっちりと大きかった。

「むぅ、まるで別人だな。」

「そうかな?マジ盛れてると思いますよ!!」

画面を暫く眺めていた少女が、思い立ったように立ち上がると、鞄を肩にかけた。

「よしっ、じゃあ、ありがとうございました。テツちゃん帰るね~。」

「うん!願い決まったら教えてね。」

軽やかに手を振るとヒーローに一礼して坂の下へかけていく。


「新しい子?」

「うん。彼女はなかなか面白い、どんな願いでどんな悪になるか楽しみ!!」

「悪趣味な。」

「え~。それはお互い様。君だって、そうでしょう。ヒーローさん。」

筋肉質な肩をすくめると、なんともいえない表情を浮かべた。


「確かに、いえるほど良いことはしてきてないかもな。」

「そうさ、あ、そうだ、君の最後の戦い、もうすぐだよ。もう冬も終わる。春が来たら決戦だ。」

「………集まったのか…?」

「うん、ざっと二百人。君の六年間の歴史達が結集されるのさ。」

「何故春に?」

「だって………」

にこっと笑う。

いつか恐れた神の微笑み。

人々を凍り付かせる恐ろしさが垣間見れた。

「春になったら卒業だから、学校からも肩書きからも。そして、子育てからも。」

そうか……。

とヒーローは呟く。

もしかしたら戦ってきた六年間を思い出しているのかもしれない。

「しかし、最後までしっかり生き残らせてもらうよ。」

「どうだか?今回はほんとに手強いよ。何だって………」



「賢い子がついてるからね。」



風が吹いた。

まだ冷たい風はほんの少しだけ、春の香りがした。



***

こんにちは!まりりあどす~。

いや、終わりですよ。

なんか、三週間程度で書き上げましたが、長かった気がします。

お付き合いありがとうございました。

誤字脱字等ありましたらいつでもお知らせください、

意味分からな~い話ですが、皆さんなりに考えて楽しんでいただけると幸いです。

中学二年くらいの時に発想した話で、何の計画性もなく筆を執りましたが、なんとか、最後まで書き上げられました。

じつは…ラストは発想当時一度書いたのですか、書いた紙をなくしてしない、また新たに書かせていただきました。

だから、いつか当初のラストが出てきたら、書き直すのもありかと思ってます。

さて、番外編等、書く気は大いにありますので、コメントとか書けるか知らないけど書けたらどうぞリクエストください。

それでは、まりりあさんの次回作にご期待ください!!


2月11日

次回作:もう少し待ってください。

次回作も出すと思うので、その時はよろしくお願いします。



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