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15 人が思うより

「君たちは、気にしなくていいんだよ。」

「えっ……、」

「君たちがやがて来る死を知りながら生きることが出来るように、ボクはいつでも生き続けることにもう、苦痛なんか感じない。」

どこか悲しげに呟く…

それは……だって、死ぬ直前まで死ぬなんて知らないから。

そう言おうとしたが、口から出なかった。

「そうして人はまたボクの真実を知ってボクから離れていく……でもね、ボクはもう生き続けることも知人の死を看ることも嫌じゃないんだよ。君たちが思うほど、ね、」

「そんな……」

「ボクだって元は人間さ、あり得ないと思う?あり得ないことはこの世に溢れてるよ。かつてはただの小さな牙すら持たない最弱の種族が、今や世界中に溢れ高度な文明を動かしている。それこそあり得ないことだったんだ。でもあり得た。そして君があり得ないと思ったボクみたいな存在が存在した。それだけだよ。」

いつになく饒舌だ。

次から次へと小難しい哲学的な話をされる。

混乱すると同時に感じた。彼の戸惑いを


「なにか、言いたいことがあるの?」

「……はっ?」

「わざと難しい言葉を使って僕にこんな世界を見せて、何が言いたいの?僕、テツが思っているほど頭よくないし大人でもない。はっきり言ってもらわなくちゃ分からないよ。」

「それは……」

分かってる。

彼は僕と違って子供じゃない。

素直な気持ちを口に出せるほど子供じゃない。

でも彼は、


きっと大人でもない。


「言いたいこと………ショウタに……」

「うん。僕はテツの気持ちは分からないから、分かりやすく言って欲しい。」


一つ、大きな音が鳴る。

僕等が立っていたビルの残骸が揺れる。

終わったんだ、

今日も聖なる戦いが。


「ふっ……ふふっ……あははは!」

テツは何の前触れもなく笑い出した。

呆気にとられるでもなく、嫌に思うでもなく、僕が最初に思ったのは


「よかった。元のテツだ。」

「やぁ、ごめんごめん。どうやらボクもまだまだ怪物には慣れないみたいだよ。」

顔を被うようにしていた手をすっと前に向ける。

今終わった戦いで壊れた世界が治っていく。

ガタガタと音をたてて、ものの欠片がひかりに包まれて元の場所へと戻っていく。

「ああ、どうやらボクは君のことが思ったより好きみたいだ。」

「え……どういうこと?」

くるりくるりと回る。

楽しげに、

「ボクは夢を見たんだ。ボク自身の夢を、そして思った。ああ、何て君に似ているのだろう!と」

彼の長い長い一人語りが始まる。

「そしてボクは思った。だとしたらボクも君も何て人生を送っていたんだと。人に理解されず、世界に疑問を抱きそして何より……自分自身を世界で1番嫌っている。ああ、何て不幸な人生。よりにもよって一生離れられない、縁を切ることもさよならを言うことも出来ない自分自身を嫌っているなんて。だから君には自分を好きになって欲しかったんだ。でも君は自分の何所が悪いのかも分かってしまっている。自分の特殊性に盲目的に酔いしれるには君は頭がよくて周りを見ることができすぎた。だからわざと周りをよく見させて、自分以外の人間もまた一人の人間であることを教えてあげたわけ。さあ……」


「ボクの気持ちは分かった?君はどう思った?」


ただ一つ。

よく分からないテツの言葉を自分で噛み砕いてなんとか理解したことから言える一言。


「君は……やっぱり人間だね。」

「そうかな。」

「うん、人間。自分の意見を同じ人間として教えてくれる。最高の人間だよ。でも、」


一歩踏み出す。

彼のうっとりしたような興奮気味の顔が見える。

あれだけ饒舌に自分の心を吐き出して、

きっと楽しかったのだろう。

はぁはぁと息をしているあたり、一気に話したおかげで、呼吸すらも忘れていたように見える。

治りつつある世界に僕は笑みを浮かべた。

僕はヒーローが嫌いだ。

ヒーローの戦いで死んでしまうのが怖くて仕方がない。

これ以上彼らの身勝手な戦いで僕の家族が知人がそして僕自身が死ぬのはまっぴらごめんだ。

しかし、

この世界が再生していく姿を眺めることは嫌いじゃなかった。

美しいとさえ思った。

これが唯一のこの世界の美点だと思っていた。

それを見ながら僕は人生で最初の、そして、最後の決断をする。

自分の心に従い。

頭をフルスピードで動かして、足りない経験値を底上げするように知恵を絞る。

さあ、

神さえも欺いて

僕は僕のしたいことを僕の力で成し遂げるんだ。


「僕が君を人間じゃなくしてあげる。」

「ふ~ん。じゃあ、決まったの?」

「うん。」


『しかし、初めてのヒーローが悪と戦った際、この世界は破壊され、人々はその多くが命を落とされました。

神はそのお姿を真似られて作られた我ら人間が多くの命を無惨にも散らしたことを大変悲しまれました。

そして、二つ目の加護をくださいました。』


「叶えて、神様。僕の願いは………」



***

こんにちは。こんばんは。おはようございます!!まりりあです。

ちょっと乗りに乗って書いていたら意味の分からない文章になりかけました。

しかし、書きたいこと、伝えたいことは伝えられるかな?と思います。

さて、ラストスパートです。

あと少しですがお付き合いください。


じつは、次回作も考えてたり……。



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