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11 過去

こんにちは!ちょっとここから三連続で過去編はいりまーす。では、どうぞ!

この世に神はいました。

 しかしそれを人間達はすっかり忘れていまいました。


ここに小さな小さな男の子がいました。

黒い髪 健康的な浅黒い肌 緑の目 

幼く愛嬌のある顔立ち

しかし、彼はそう長くは生きられません。

神に愛されていなかったからではありません。

ただ少し不器用だったのです。


その頃人々は小さな村を作り、互いに助け合いながら狩りや少しの農業をして暮らしていました。


「ねえ、兄さん。ボクらいつまでこうして麦の穂摘みしなくちゃいけないの?」

「全部積み終わるまでだろ。特に今年は量が少なくて大変だから、一粒でも残すなよ。」

「うん。」

これをしないと両親に怒られる上、自分たちの食生活に困ることになるので、遊びたい盛りの彼も、仕方なくちまちまと麦の穂を摘み続けるのでした。

二つ上の兄はその少年とは違い大きな背丈と、隆起した筋肉が男らしい、色黒の青年でした。

少年の何倍ものスピードで穂を刈ると、余った時間だけ空を見上げて寝そべっていました。

その間ものろい仕事しか出来ない少年は額に汗かき作業を続けます。

「おーーい!にいさーん。」

「あ!****だ!おーい!」

そこに可愛らしい少女がその体よりも大きい牛を連れてやってきました。

「牛の水やりか?」

「ううん。水浴びさせてたの。体がかゆそうだったから。」

と言って近くの川の方角を指さす。

「そうか、気持ちよかったか?」

少年の兄が大人しい牛の頭をそっと撫でると、牛はモーと一つ鳴きました。

「まあ、この子ったら、兄さんのこと好きなのかしら。」

「流石にうし相手に婚約は出来ないな。それに、俺にはもう相手がいるからな。」

談笑する兄弟を尻目に少年は稲穂刈を続けます。

結局、日が暮れる頃まで終わることはありませんでした。


「相変わらずどんくさいな。」

「うう……、また母さん達に怒られるよ…。」

三人の兄弟と一匹の牛は日の傾いた道をとぼとぼと歩いていました。

「**兄さんはこんななのに」

「うるさい。人には向き不向きがあるんだ!」

「たしかに、こいつの道具作りの腕は逸品だからな。そこは褒めてやれ。」

「そうね。」

背の高い兄にガシガシと頭を撫でられ、少年は恥ずかしそうに頬を染めた。

「子供じゃないんだよ。」

「そうか?俺からしたらまだまだ子供だ。」

「むぅー」


後ろからクスクスと笑う声がして、三人は振り返ります。

そこには金の長い髪を草の茎で可愛らしくゆったり年頃の女が立っていました。

「***さん。いたんですか。」

「こんにちは。**さん。今日も兄弟仲良くて羨ましいですわ。」

「煩いだけですよ。」

恥ずかしそうに謙遜するがその顔はだらしなく歪んでいた。

「相変わらず兄さんは***さんにベタ惚れだなぁ。」

「煩い!****!お前も少しは彼女を見習って女らしくなれ。」

「酷い!*****兄さん。兄さんは私のこと女らしいと思うよね。」

落ちていく夕日を無意味に眺めてめいたら急に話し掛けられた。

「うぇ?あ、あ、うん。そうだね。」

「あー、今の絶対聞いてなかった!!」

「ふふ、本当に仲がよろしいのですね。」

女らしくお淑やかに笑う彼女

やはり、何所までもこの人は美しい。

まあ、彼女は兄の婚約者であるから、自分がどう考えても一緒にはなれないのだが。

別に好きでもないのだが…、

「で、あの、今日は、うちで食べてく?」

「いいの?いつもお邪魔しちゃって」

「いいよぅ。母も喜ぶし。」

「そう……孝行しなくちゃなぁ。私の残された親だもの。」

「そうだなぁ……。」

悲しそうな、しかし、元気に見せようとするような、そんな笑顔を浮かべた彼女。

彼女の家族は皆三年前の伝染病が流行ったときに亡くなった。

残された彼女は小さな家で一人生活をしている。周りの人々が何度引き取ろうと持ちかけても、決して彼女は首を縦に振らない。

いつも、「私ももう一人でどうにか出来ますから。皆さんにご迷惑をお掛けするわけにいきませんから。」といいように断られてしまう。

だから時々、こうして会ったときはご飯のお誘いをするのだ。

彼女ご家族が生きていた頃からの許嫁である兄の居る家に。



「ただいま!!」

「お邪魔します。おばさま。」

彼女の声を聞いてか、母が中から出てくる。

「あらあら、いらっしゃい。ほら、入ってはいって。」

兄が彼女に椅子を薦めるが手伝いにと台所の方へ走って行ってしまう。

「兄さん。彼女といつ結婚するの?」

今朝途中で投げていた編み込みの籠の続きを作り始めたら妹が兄にそんなことを聞いた。

それは殺生な。

兄だって悩んでいるんだ。

「………、近いうちにな。」

「えー、私早くお姉さんが欲しいよ。」

「煩い。」

恥ずかしいのかポリポリと頬をかくと、兄もこちらに来て小物を編みはじめた。

不器用で綺麗なものは出来ないのだから、無理してやらなくても良いのだが。

恥隠しだろうか。


いただきますの声が家に響く。

小さな机の上には所狭しと皿が置かれた。

***さんがいるといつも夕飯が少しだけ豪華になる。

幼い少年からしたらそれはとても喜ばしいことだった。



***

こんにちは。まりりあです。

いきなり始まりました。

さて、もう少しこのよく分からない話にお付き合いください。

誤字脱字ありましたらお知らせください。



過去編続きます。

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