8.5 思い出
こんにちは。続きです。
「正義と悪の戦いで壊れた世界を癒すための…」
「そう。それ!それがボクの仕事。凄いでしょう!」
えへん、と胸を張る。
薄い胸だ。
幼い男の子。まだ発育途中の男の子として彼は長い間生きてきたのだろうか。
「じゃあ、五千年もの間ずっとその姿のまま…」
「いや、何回か死んでるし、姿は変えられる。」
「はい?」
もう驚くのも疲れた。
何でもありだなこの世界の神様は。
「大っきくなったり、小さくなったり、見た目は自由自在。ボク意外にはなれないけどね。」
「死んだってのは?」
「何回か結婚しててね。そのたびに相手に見守られながら死んだ。真似だから墓から這い上がったけどね、ゾンビの元ネタかもって思ってる。」
こんな明るいゾンビがいてたまるか。
えへへっと笑う少年はどう見たってまだ十数年しか生きていないように見えて…
もしこれが演技なら恐ろしく上手い。
「凄いね。」
「そうかな。まあ、死なないから生きるしかないんだよ。そんなものだよ。」
「そうなんだ。」
なんと言ったらいいか分からなく無った。
きっとテツは何人もの人々の死を見てきている。
ボクが聖戦で見る人より見てきた人より多くの人の死を。
永遠の死を看取って来たに違いない。
そう思ったら彼が可哀想で仕方がなかった。
「じゃあね。」
「うん、ばいばい!」
木の上から手を振ると帰って行く彼も振り替えしてくれる。
見えなくなった頃、大きくため息をついた。
「翔太。驚いただろうな。」
この話をして良い感情を抱いてくれた人間は一人もいない。
みな、顔をしかめてどう接すればいいのかと悩む。
別に気にしなくてもいいのに。
長いこと生きていると、多くのことを知れる。
例えば一度の別れが永遠でないこととか。
何百年も大昔に枕元で看取った人間にそっくりな、もしくは同じ魂を持つ人間は何百年後にひょこっと現れる。
人は死んだら神の世界の小さな花になるのだ、そして神に認められたときまた生き返る。
向こうはボクのことなんか覚えて無いけど心の中で
『お帰りなさい』って言っている。
そういう再びの出会いを楽しみに、そして彼のような気まぐれな縁を楽しみに生きていた。
何百回も春と夏と秋と冬を繰り返したが同じことは一つも無かった。
ともに過ごした人がその年あったことが山々の景色が年により違ったから。
だから木の上から町を眺めているとふとたまにまだここに建物なんか無かった頃を思い出す。
ボロボロの服を着た人たちが一所懸命力を合わせて働いていたときを。
あの頃はまだ、ボクの存在をわりと見える人がいて……
人はもっと自然とともにあった。
山菜や芋を取っては振る舞ってくれた。
そうだ、あのクッキーを食べたとき今から…、そうだな、人々がすべてを忘れてしまうほどの長い長いときの前にたしかに出会った味だった。
名はたしか……
「ユイ…だったっけな。」
いつも髪の毛を適当にまとめた少女。
そうかあいつも生まれ変わっていたのか。
ボクが身を離したすきにいなくなってしまった彼女も、たしかに神々の国に行けたのか。
「懐かしい……なんて、昔を語るくらいいつの間にか年を取っちゃったな…、ボクはいつまで生きるんだろう。いや、人はいつまで生続けるのだろう。」
風が吹いた。
木の葉が舞った。
昔と変わらないのは木々のざわめく音くらいだ。
***
はい。まりりあです。
眠い目をこすりながら書きました。なんで人は温かいと眠くなるのか、昼下がりの転た寝っていいですね。
さて、誤字脱字あると思うので探してください。
後は頼んだ。
では、またの機会に。




