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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
93/110

ついに、ついに出会うって素晴らしい。




 静まり返る世界。。


 朝を迎えようとしている世界は平穏そのものに見えた。。




 ーーーーーー ニケ ヴィクトリア ーーーーーー



 早く!



 早く速く!!!



 速く速く速く!!!!



 エックの所へ!


 翔陽に小春、ネロにヴェル、宗近も、私達を先に行かすために体を張ってくれてる。。


 その気持ちに応えないといけないし、何よりもエックが心配。。!

 死の谷へ行ったって事はもうエックの死の呪いが抑えきれなくなってるんだ。。

 私とネロは必死に駆けた!

 ザァザァと雨の降る真っ暗な森の中を走っていく、雨を霧散さしていくほどのスピードで。


 黒い武装した猿達の気配はない。。

 きっとヴェルが上手く戦ってくれてるだ。


 エック。。


「あ!」

 私達は脚を止めた。

 木々が枯れている。

 木々だけじゃない、草も動物も全部死んでる。。


「これは。。」

 ビアが立ち止まる。

「これはきっとエックの死の呪い。。」

「この状況は相当悪いようだね!」

「止まってる場合じゃないね、行くよ、、」

 ビアが枯れた草木の間をまた駆け始めた!

 この枯れた道はエックの進んだ証拠!

 きっと死の谷に辿り着く前に死の呪いが漏れ出したんだ。。


 私達は慌てて枯れた林の中を駆け続ける。。


 葉っぱが枯れてしまっている分視野も広がって駆けやすい!

 死の谷の方へと近づくにつれて枯れた草木の範囲が広がってる。。。

「エック。。」

 もう相当死の呪いが暴走を始めてる。。


 ゼハゼハぜはゼハゼハ。。

 ビアの呼吸がおかしい。

「ビア、怪我痛いと思うけどもう少し、もう少し、頑張って」

「ああ、もちろんだよ、、」

 私はビアの背の上で生命の光を創り出した。

 ビアがすっぽり入るくらいの大きな生命の光。

 ビアも相当疲弊してる。。

 少しでも癒してほしい。。


「ニケ、ありがとうね、、でも、あの猿達が追い付いて来た方が私達は苦しくなるんだよ、わかってる?」

「ああ、わかってる、、でも、、」

「きっと私はもう猿達に囲まれたら逃げきれない」

「わかった。。」

 私は生命の光を消した。

「さぁこの世界を救いに行くよ」

「ビア、そうだね、、いこう」

 私達は進むべき前を向いた。


 ゼハゼハゼハゼハ。。

 ッザッザッザッザ。。

 私たちはボロボロの体に鞭打ってまた駆けだした。

 

 ッザッザッザッザ!!

 空の雰囲気が変わってきてるきっと朝が近づいてる。。


 ッザッザッザッザ!

 もう少しで死の谷だ。。


 ボト。。

「え?何んだ??」

 私の上に何かが落ちてきた。。

 首筋に何かいる!

 ひるか?

 私は首にある何かを掴んだ。

 そして見るとそれは黒い蛇だった!

 見たこともない蛇!

 シャーっと威嚇してくる!

 この蛇に絶対に噛まれるのは良くない!

 そう思って私は慌てて蛇を掴み横へと投げた!

「なんだ?」

 ビアも何かを感じたみたい。

 ボトボト!

 さらに何匹も黒い蛇が降ってきた!

「ビア黒い蛇が上から降ってきてる!」

「何!?」

 ズザザザザザザ!!

 ビアが横滑りをするように急激にブレーキをかけた!

「ビア!!前から何か来てる!」

 前方の景色を見て思わず私は叫んだ。

 私たちの前から信じられない数の黒い蛇が襲いかかってきた!!

「逃げてビア!」

「ガウ!!!」

 横向きだったビアはそのまま横向きに駆けた。

 バッと横に飛び出したその私たちの後ろでドババババババ!っと大量の黒い蛇が落ちていた!

「今のはなに??」

「わからぬ、でも我らの敵だね!回り込んで駆け抜けるよ!ニケは辺りを警戒しておくれ!」

「ああ、わかった」

 私達は死の谷の目の前で枯れた道を出て遠回りをするように横向きに駆けだした!!

 そのまま走って死の谷の方へとまた方向を変えた。

「このまま一気に谷に飛び出すよ!」

 方向を変えた途端、私の目に赤い小さな光が飛び込んできた。

 赤い光の周りには光沢のある鱗。

 それを纏った大きな蛇がいる。

「大きな蛇!大きな蛇が木の裏から頭を出してる」

 シッシッシッシッと赤い目の何かが笑った。

「ニケ!何かいる!黒い大きな蛇?」

 ビアも同じタイミングで気づいていた。

 ズザザザザザザ!ッとビアは地面を滑って急ブレーキをかけた。

 

 ザザザザ。。

 止まらない。。

 ビア、疲れて踏ん張りが効かなくなってる。。


 ザザ!

「ギャン!」

 ビアは止まりきれず枯れた大木にぶつかった。

「ビア大丈夫!?」

「ガフガフ!」

 ビアが咳き込みながら口から血を吐いた。

「ビア!」

 

 私は黒い大蛇を警戒しながら生命の光を創り出した。

 ビアをしっかり覆う。

 死んだはずの地面からも植物が芽吹き始めた。


 もう少しで谷へ降りられる。


 木の向こう側に谷が見えてる。


 木々の向こう側に駆け出したいのに不穏な黒い大蛇が私達を前へは進ましてくれない。。


 さっき見えた赤い目の大蛇はもういない。。


 消えた?


 どこへ?



 。。。



 ザァザァザァ。。



 雨が木々を鳴らしている。。



 ザァザァザァ。。



 ックックックック。。


 

 降りしきる雨の中で掠れた笑い声が響いた。



 こんな時にだれの笑い声。。?



 ドサ!!!


 辺りを警戒したその時!

 頭の上から真っ黒な大蛇が降ってきた!


「!!、、さっきの、大蛇、、?」

 驚きのあまり驚きで硬直した私を見ながら黒い大蛇はっシッシッシッシッと笑った。。

「えい!」

 ボト!

 黒い大蛇は私の剣撃を避けるために地面に落ちた!

「ガウ!」

 ビアも噛みつこうとしたけどぐにゃっと体をしならせてさらに避けた。

 そのままッシッシッシッシっと笑いながら真っ暗な森へ消えていく。


 ックっクックック。


「今良いとこなんやよ。。」

 え?人の声???

 バッと前を見ると闇が降る木々の下の男が立っていた。

 猫背で真っ黒な影みたい、大きな目と口だけが浮かび上がって怖い。


「貴様いつの間に!」

 男はゆっくりと木々の間へと歩く。

 傘をさしてる。

 背が高くて。

 悪い目をしている。

 雰囲気でわかる。

 この男は良くない。。。

 身なりもこの世界の人間のものじゃない。。

 男の肌に奇怪しな黒い刺青が入っている。

 信じられない数の刺青。

 真っ黒な皮の上着から銀色の棘が数えきれないほど出ている。。

 ズボンのポケットの片手を突っ込み、もう片手で傘をさしている。

 私達が不気味さに目を囚われていると。

 男はックックックッと大きな口を横に引き裂くように笑った。

 


「グルルルルル」

「お前は誰だ!?」

 声をかけるとギョロッと大きな目で男は声に反応してこっちを見た。

 目を細めてニヤニヤ笑いながらこっちを見ている。


「ビクが誰かってー?なんで君らに僕のこと言わなあかんの?」

 さらに不気味な男は口角を吊り上げてニヤリと睨む。


「お前この世界の者じゃないね!」

「ああ、わかってるやないの、なんでわかってるのにそんなしょーもない事聞くん?」


「翔陽達と同じ世界から来たのか?」

「ックックック、さぁねぇ、どうなんやろうねぇ?そうなんかもしれへんし、そうじゃないかもしれへんねぇ」


 。。。。


 くそ、邪魔な。。

 こんな男はどうだっていい、早く死の谷で苦しんでいるエックの所へ行かないと。

「ビア。」

「わかってる」


「君らなんでこんなに危ないところにいるん?危ないから早くお家へ帰りぃ」 


 。。。


 子供に話かるかのうような口調で話しかけてきた。

 馬鹿にしている。

 

「いくよ。。」

「ああ、突破しよう」


 ジリッと緊迫感がました。


 ックックックック。

「そうか、わかったわ、ほなね、、」

 体を横向けたまま傘をさす男はニヤニヤ笑いゆっくり元来た方へ歩いて戻った。

 

 威圧をされてる訳じゃない。

 なのに私とビアは不穏な空気のせいで動けない。。

 

 不気味な刺青の男は後ろの木の影に隠れた。

 傘の端っこが見えてる。


 隠れてるつもりなのか?

 隠れきれてない。

「行こうビア」

「ああ」

 ックックック。。

 笑い声がまた聞こえる。

「もうちょっと僕とおしゃべりしてたらよかったのになぁ、君らの為におしゃべりしてたんよ僕は」


「ぐァぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「あ!!!!!」

 谷の下から苦しそうな叫び声が聞こえた!

 エックの声だ!

「エック、、、、!!!!」

 私達はエックの所へ叫んでがむしゃらに駆け出そうとした。。

 でも私達は駆け出すことが出来なかった。。


 ヒタリと冷たい何かが私の首を掴んでいた。。


 驚きと突然湧き出してきた恐怖で動けない。。


「ググゥ、」

 ビアの首にもあの大きな大蛇が巻き付いていた。

「ビア」と呼びかけたいけど声が出せない。。

 

「ほら慌てんと、僕ともう少しおしゃべりしようや!」

 男が私の前にギョロッと顔を出した。

 ひんやりするものは男の手だった。

 男に私は首を掴まれてる。

 強くは握られてない、どっちか言うと触れてるだけって感じ。。

 なのになんで?動けない。。

「もう少しでええんや、もう少ししたらちゃんと離してあげるから、ックックック。。」

「なんで私達を襲う。。?」

「襲ってる分けちゃうよ」

「じゃあなんだこれは」

「この先の谷は危ないから止めてあげてるだけやんかぁ、この先は生き物が生きていける場所じゃなくなるんやでぇ、ックックック。」

「私達はそれを止めたいんだ」

「ックックック、そうやろねぇ知ってるよ」

「じゃあ、」

「ックックック、行かす訳ないやろぉ?僕がわざとあの死の呪い?暴走させようとしてるんやからねぇ」

「お前!!!」

 私はその言葉に我を忘れて持っていた刀で男を刺した!


 ニヤリ。

 男はそれでも笑った。


 男は急激に色を失った。

 そしてボトボトボトッと崩れ落ちる。。

 黒くなって落ちたそれはビアの上で這い周りだした。

 ビアの上を何匹もの黒い蛇が這い回ってる。

 噛まれてはいけない!

 そう思って私は反射的に「っく!!」ッと喉を鳴らしビアの背から飛び降りた。


「あっ、、」

 飛び降りた先の足元も黒い蛇の坩堝るつぼだった。

 ビアの四本の足にも大量の蛇が巻きついている。

 首にはあの黒い大蛇が。。

 ッシッシッシッシっと赤い舌出して笑った。

「ビア!!」

 私は必死にビアに巻きついてる蛇たちを切り剥がした!

 シャァ。。

 っと鳴きながら蛇たちが塵となって消えていく。

 黒い大蛇に斬りかかろうとしたその時、大蛇が私に噛みかかった。

 真っ赤な口を開けて迫る大蛇、やばい、私は身を倒して避けた!

 そして蛇の首に短刀を刺そうと突き出した。

 なんと大蛇はぐにゃっと胴体を曲げて私の攻撃を避けた。

「何!」

 回り込んで大蛇の牙が私の背中を狙って襲いかかる!

 逃げ、、!

 避けようとした時私は驚いた、足が動かない!

 足元の蛇たちが私にも巻きついて動けない!

 くそ!

「ニケ!」

 ビアの声とともになぜか黒い大蛇が上空に飛び上がった。

 なんで?

 目で追いかけると、ビアが黒い大蛇を連れて飛び上がってた!

 ッシャ!!っと声を荒げながら黒い大蛇はビアから離れて上空から落ちてきた。

 上空から牙を剥き私に迫る黒い大蛇。

 私は足元の蛇たちを刀でザクザクさして蛇を外した!

 私はもう絡みつかれないように思いっきり飛び上がった!

 このまま空中で落ちてくる黒い大蛇を切ってやる!!

「おい!ヘビ!!!!何勝手に戦ってるねん!!!!」

 草木が揺れるほどの大きな声が響き渡った!

 私は驚きながらももう交錯する黒い大蛇に向かって刀を振った!!

「これは殺れる!!!」

 私は確信を持って刀を振り抜く!

 スカッ。。

 確信を持っていたはずなのに私の刀は空を切った。

「何!?どこに?」

 黒い大蛇を探すとそばの木にぶら下がっていた。

 尻尾で枝を掴んいた!

 私と大蛇は上下入れ替わった!

 私も別の枝を掴んで、逆上がりのようにクルンと枝の上に立った。

 ビアも側の枝にいる。


 ッシッシッシ!

 笑う黒い大蛇!


 ニュルンっと幹を回りながら地面へと下がっていく。

 それと一緒に下の蛇たちもザワザワと何処かに隠れて行く。。


 途端に静寂が訪れた。


 聞こえるのは未だに降り続く雨の音。。


 ザァザァザァザァ。。。


「ぐぅあぁぁぁぁぁぁ。。」

 苦しそうな声が谷の底から響く。。

「エック。。」

「ニケ時間がないよ!」

 ッザっとビアが私の乗る太い枝へ飛び移ってきた。

「わかってる、でもどうしたら。。」

「ニケこのまま枝を飛び移って谷へ抜けるよ!」

「ああ、わかった!」

 私は相当動揺してるみたいだ、判断が遅い、、自分で分かる。。

 私、必死すぎてパニックを起こしてる。。

 落ち着け私。。


「いくよ!」

 ビアに発破をかけられた!

「ああ!行こう」

 ッザ!

 ビアとともに私達は太い枝から枝へと飛び移った!

 さらにッダっと次の枝に飛び移ろうと飛び出した!

「え?」

「なに?」

 私達は空中でグニャンっと何かに引っかかって止まってしまった!

 そしてバラバラと引っかかった物と共に落ちる。


 これは黒い蛇??

 一緒に落ちているものを見るとそれは黒い蛇だった。

 黒い蛇たちが繋がって網のようなり私達の行手を塞いだのだった。。

 暗くて黒い蛇は闇に同化して全く分からなかった。。

 

 ドサドサ!

 地面へと私達は黒い蛇と共に落ちた。

「くそ!」

 私達はすぐさま体制を立て直し、駆け出して死の谷へと飛び出そうした!

 の、だけど。

 また目の前に男がふらっと木の幹から歩み出てきた。

「もうやめときぃって僕を抜いて先へ進むなんて無理やから」

 ニヤリっといやらしく男は笑った。

 まだ男は傘を刺してポケットに片手を突っ込んでいる。

 猫背でギラついた目が恐怖を煽る。

 男の向こうの谷の空が少し明るく白んできている。

 

 明るい希望の方へは行かせない、お前たちはずっとこの闇の中にいるんだと、男が言っているみたいで私は唇を噛んだ。。

 

 どうしたら良いんだ。

 この男、不吉すぎる。。

 きっとこのまま突っ込んでも突破できない。


「うわぁぁぁぁぁぁぁああ!」


 エック。。

 また悲痛な叫び声が。。


 ックックックックックックっとまた男が笑う。。

 

 絶望が押し寄せてくる。

 景色も心もなんでだろう。黒く染まっていく。。

 この暗い中から抜け出したい。。


 。。。


 暗い。。

 私の力でこの暗さをなんとかかき消せないかな?


 そう思った。

 

 そう思った瞬間!

 私は手を地面に付いていた。

 そしてありったけの気持ちで大地の呼びかけた!

「お願い私にちかっ、カハッ」

 急な衝撃が私を襲った。

「ニケ!貴様、、」


 目の前の景色が一気にぼやけてそして暗転した。。





 私の力が足りなかった。。




 

 。。。。。





 。。。。。





 。。。。。







 オキテ。。





 。。あ。。





 ハヤクオキテ。。




 。ん。。。。





 ハヤクオキナイト、タイセツナヒトガ。。。




 大切。。?




 ソウ、タイセツナヒトガ。。





 エッ、、ック、、?




 エック。。。




 私は目を開いた。。




 そこは真っ暗な世界だった。



 また真っ暗。。

 私は目の前の景色を見てさらに絶望した。。



 エックを助けないと。。



 タスケタイノ?



 誰?



 ダレデモイイ。




 助けたい。。




 アナタニハムリ。




 。。。。




 どうしたら。。



 エックを助けないと。。。




 ダカラ、アナタニハムリ。。




 無理とか無理じゃにとかじゃない。

 とにかく助けるの。



 フフ。




 ソノオトコヲタスケテ、ドウスルノ?




 どうする、、?

 エックを助けてから、、?




 。。。。。。




『この綺麗な世界を守りたい、この地球にいるみんなを、俺は幸せにしたいねん』




 声が聞こえてきた。。



 海晴。。?



 そうだね、私も。。。



 フフフ。。



 誰かわからない声が笑ってる。。




 その時、急に世界は明るくなった。

 私はあまりの眩しさに目を瞑った。



 まぶたの裏にも暖かい光が届いてる。


 瞼を開けるとそこは見たことのある景色だった。


 私達は崖の上に立っていて目の前には大きな海、そして水平線を境に空が広がってる。

 朝焼けを迎えようとする空は少し色付いて。

 闇を消し去っていくかの様に夜の暗闇を照らし始めていた。

 まるで今日一日の真っ暗な出来事の終わりを告げているみたい。

 海も空に呼応して色づき始めてる。

 自然の創り出す芸術がその時の私の心に刺さったからよく覚えてる。

 あの時、私は感動的な景色にもう一度心を奪われた。


 そしてその時に私が決心したことを思い出した。




 サァ、、ドウスルノ?



 今、この世界は奇怪おかしい。


 この世界だけじゃなくって別の世界も。


 私はエックもこの世界も好きだし大切にしたい。。


 私は!!


 この世界を守りたい!!!!


 世界をエックを守る力が欲しい!!



 フフフ!


 ワカッタワ。


 ソノコトバワスレナイデ。



 アナタニチカラヲサズケマス!



 突然美しい空が弾けるように光った。


 私はまた目を瞑ってしまった。



 。。。。



 瞼の向こうはまだ明るいまま。。


 私はそっと瞼を開けた。


 瞼を開けたそこは植物が生い茂る空間だった。


 瑞々しい植物たち。


 足元には多種多様な苔が生い茂り、澄んだ綺麗な水が流れている。


 植物についた水滴が光り見たことのない美しい空間が出来上がっている。


 植物の水滴に光が集まってキラキラ光ってる。


 その空間の中で幸せそうに多種多様な動物がリラックスして寝ていたり歩いていたり。


 虫たちも静かにふわふわ飛び回ってる。。


 なんて不安のない世界。


 

 。。。



 ザッと周りの動物たちが立ち上がった。

 クンクンと私が気になるのか寄ってくる。。

 そして私の周りに動物たちが集まった。


 なんだろう掌が暖かい。。

 私は掌を見た。


 あ。。

 掌が光ってる。

 クンクンと大きな雄鹿が私の掌に近づいた。

 雄鹿はスッと私に擦り寄ったと思ったら急に光に変わり私の掌の上で光の珠になった。


 優しい黄緑色の光の珠。 

 

 どんどんと動物たち自ら光となって黄緑色の光の珠に飛び込んでいった。

 辺りの虫達も。


 そして最後は植物達が空間と一緒に押し寄せてきた。


 空間が縮んでいく。。


 黄緑色の光の珠の中に全てが入っていく。


 サァーーーっと縮む世界。

 

 。。。。


 そして私の周りは暗い世界になった。


 だけど掌の上の珠があるから怖くない。。



 この珠は、、?



 。。。。



 ソノタマハ、アナタノチカラ。


 サァイキナサイ。


 サッキノコトバ、ワスレナイデ!



 忘れない!



 私はエックをこの世界を救いたい!!



 !!!!!



 ッパと私は目を覚ました。


「ニケ!貴様!」

 ックックックッと不気味な男が私の上で笑ってる。


 攻撃されてのし掛かられたんた!

 時間が経ってない!?


 掌が熱い!


 手の中にあの黄緑色の珠がある!!


 私はお願いっと願いを込めて黄緑色の光の珠を大地に押しつけた。


 ブワッと黄緑色の光が広がった。


 これは。。


 私の命の光。。


 黄緑色の光の地面から妖精のユンが這い出てきた。


 あ。


 帰ってからずっと見てなかったユンが。。


 命の光のエリアはぐんぐん広がった!

 広がった光のエリアの中でユンももにゅもにゅと生まれてくる。


「うわ!何これ!?きっしょぉぉぉ!!!!!」

 男が立ち上がって体を左右にぶんぶん振りながら顔を押さえてた。。

 

「急になんやねんこれ!!」

 不気味な男の刺青いれずみが体の上で動き回ってる!

 足元のユン達を払い退ける不気味な男。

「あかんあかん!!」

 男はそう叫びながら谷の方へと走っていった。

「もう十分!良い感じや!あの女うまくやりよったな」

 そう言うと、男は谷へと飛び降りた。


 私が出した命の光の中で今一気に草木が育っていった。


 すぐに私の身長をも超えて前の視野を遮った。

 

「ニケ!」

「ビア大丈夫??」

「ああ、この光のおかげで少しだけ良くなったよ、さぁ早く追うよ!」

「うん!」

 私はビアの背中に飛び乗った!

 草をかき分けて死の谷の方へ!

 

 ッバっと死の谷へと出た!!


 ビアと二人で谷の底を眺めると。

 谷の底にはエックと誰かもう一人いる。。


 あれは。。。


 私??


 エックと私がいる。。


 エックの様子が奇怪おかしい。


 偽物の私に抱きしめられながら痙攣けいれんもがいている。。


 ちらっと偽物の私がこっちを向いた。


 あいつ私達に気づいてる!


「ビア行こう!!」

「ああ!」


 バッと私達は崖を駆け降りようとした、その時!


 ドババババババ!!

 崖のしたから噴水のように黒い蛇が何匹も何匹も噴き上がってきた!

「しつこいね!」

 ビアはバク転をするように宙を舞い黒い蛇達を鼻先にかすめながら避けた!


 黒い蛇達は上空へ舞い上がりさらに上から雨と一緒に降ってきた。。


 バク宙で崖から少し遠かった私達は降り迫る黒い蛇を避けるためにさらに後ろへともう一度飛んだ。


 ドシャドシャっと地面に落ちた蛇達は落ちてからもうぞうぞと私達に向かって這い寄ってくる。


 でもあの蛇達、大したスピードじゃない。

 これなら回り込んで谷へ飛び出せる!

 

 。。。。


 飛び出すイメージをしたとき、急に不安がよぎった。

 飛び出した瞬間また崖のしたから攻撃されたら。。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 またエックの声が響いた!

 谷の底に信じられないほどの力が溜まっていることに私は気づいた!

 エックの苦しさを感じる。。


「いくしかないよ」

「うん!行こう!!」


「ワオォォーーーーーーン!!!」

 ビアが吠えた!そして崖から飛び出した!!

 

 ブワァァァァァァッ!!!


 やっぱり!!

 崖の下から黒い蛇達が飛び上がってきた!!

 落下しながらその黒い蛇達の中に私達は突っ込んだ!


 バチンバチンと体に当たった蛇を私は払い退けた!!

 ボフンっと黒い蛇達の裏側へ飛び出る!

 何匹か黒い蛇が肩や腕に噛み付いてる、私はその蛇を引き離し、ビアに噛み付いてる蛇も払った!


 ッダン!っと崖に生えていた枯れた木の上にビアは飛び乗った。

 上を見上げると不気味な男がいる。


「ックックック、あいつ行きよったか、もう無駄やのになぁ、ックックック」

 男は私達を見て笑っていた。

「それにお前らももう終わりやわ、アホな山犬どもや、ックックックック」


 ズズッ、、ガラガラガラ。。

 枯れていたからか、ビアの乗った木が崩れ出した。


 ビアは崩れ落ちる木を蹴り谷の壁面へと飛んだ。

「いくよ!」

 そして壁面を駆けるようにように降っていく。


 ビアの背からエックを見て私は息を飲んだ。。

 エックの体から死の呪いがすごい勢いで噴き出ている!

 黒いドロドロ液体がエックから流れ出てエックを包んでいく。。

 

 ザン!!

 私達は谷の底についた!!

「エック!!」

「エックゥ!!!」

 エックがこっちを見た。 

 ドボン!

 その瞬間エックは死の呪いの中に取り込まれてしまった。

「くそ!エック!」

 ブルブルブルブルっと黒いドロドロの死に呪いは震えた。

 そしてどんどん大きくなっていく。

 きっとエックから溜に溜め込んだ死の力が溢れ出しているんだ。


「死の水。。」

 私は死の力を見てポツリとつぶやいた。


 絶望だ。。


 だめ。

 まだ絶望じゃない。

 エックはまだ生きてる。

 まだ私にも出来る事はある!

「エックーーーーー!!!」

 私は兎にも角にもエックを助けないといけない思いで死の呪いに駆け込もうとした!

 きっとエックを抱きしめて命の光で包むときっと良くなる。

 きっと間に合う!!

 

 私は思いっきりエックに駆け寄っていった!


 ッドン!!

 何かが私にぶつかった。

 ザザザザザザ。。

 ぶつかった何かに引きずられる。。

「ニケ!今あの黒い水に触れたらニケであろうと死ぬぞ!」

 ビアが私の服を掴みエックから離そうと引っ張っていく。

「でも。。。!」

「助けるなって言ってるんじゃないよ、機を見るんだって言ってるんだよ、今言ったら本当にただの犬死だよ」


 。。。。


「わかった。。」

 私は身を翻してビアの背に飛び乗った。


 ビアはッザッザッザっと崖に走っていく。

「登るよ!」

 枯れた木や崖の壁面の凹みや出っ張りを利用して飛び上がっていく。


 死の水の増殖よりビアの方が断然速い!

 ビアは難なく谷の上にたどり着いた。


 私達は辺りを見渡して警戒した。

 もしかしたら不気味な男がいるかもしれない。

 不意をつかれて谷に落とされても困るし。

 私はこの事件の元凶があの男にしか思えなかった。

 だから捕まえたい気持ちもあった。

 

 辺りを見渡しても辺りには誰もいなかった。


 静まり返る世界。。


 夜が終わり朝を迎えようとしている世界は平穏そのものに見えた。。


 ガッガッガッガ。。

 何か谷の下から音がする!


 なんの音??

 私たちが谷の下を覗き込むと死の水が信じられない事になっていた。。


 ボコンボコンと卵の形の死の水が大きなあぶくを浮き上がらせていた。

 信じられない程大きい。

 今まで暴走しそうなエックを何度か見たけどあんな大量の死の水を見たのは初めて。。

 

 ボコンボコン!

 ボコボコ!!


 ボコボコボコボコ!!!

 どんどんあぶくの量が増えていく!


 ポコポコ。。


 あ、泡が収まってきた、、?


 ポコン。。。


 

 。。。。



 静かだ。

 どうなるの?


 バシャン!!


「何あれ!??」

「これは相当良くない状況だね!!」

 卵形の死の水から急に手のような物が生えてきた!

 黒い死の水で出来た手それがザブザブっと伸びて肩まで出てきた。


 ッバッシャン!!

 さらにもう一本!

 あれは腕。

 なぜ死の水から何か出てくるの??


 バシャ!

 あ!頭まで出てきた。。

 まるでエックみたいな顔の形。。

「一体どういうこと。。?何が起ころうとしている??」

「わからないが、不吉な予感しかしないね。。」


 卵形の死の水が縮み始めた。

 どんどん縮んでいく死の水は胴体と下半身をかたどった。。

 

「エック。。」

「エック、もう死の呪いに取り込まれてるね。。」


 ボォォォォォオオオォォォォ!!

 そして死の水が吠えた!


 大きな大きな悲しみに満ちた声が辺りに山々へと響き渡った!!

 一気に全ての鳥達が上空へと飛び立った!

 動物達の吠え声や虫達の逃げ惑うさざめきが響き渡り。

 辺りは一気にパニック状態になった!!


 私たちも驚いて後ずさりををしてしまった。 

「エック。」

 私は朝近づくの雨の空を見上げた。

 まるで朝が来たのに雲に覆われて朝が見えない。

 希望が見えない私達を表したような嫌な空。。

 冷たい雨がザァザァと私達を打ちつけた。


「ニケ諦めるんじゃないよ!」

 そうだ、強い気持ちを持つんだ!

 エックを助けるんだ!

「ビアありがとう!」

 私はまた谷を覗き込もうとしたその時!

 急に目の前に何か黒い物が出現した!

「な、、!!!」

 私は思いっきり後ろへ飛んだ!

 さっきの黒い蛇達とは違う!


 飛び出してきたそれは死の水で出来たの大きな大きな手!

 後ろに飛んだ私追いかけ握ろうと、死の水の手が追いかけ襲ってくる。


 やばい。

 死の水に触れてしまう。。


 ッザシュ!!

「あ!」

 ビアが私の服を掴んで横へ引っ張り出してくれた。

「ニケ!気をつけな!」

「ビアありがとう」

 バシャン!!っと死の水の手は地面を叩いた。

 ボコンボコン。

 死の水の手の中が炭酸水のように泡だった。

 私の命の光で生えた周りの草木が命を吸われるように枯れていく。。


 ボオォォオォォ!


 叫び声と一緒に死の水の頭が顔を出した。。

 おっきい。

 頭が出ただけなのに見上げないといけない。。

「エック」

 見ればみるほどエックのシルエット。。

 あれはやっぱりエックなんだ。。


「エック!どこだーーー!」

 私は死の水に向かって叫んだ!

「エックは私達の事をわかってないよ!ニケ!」

「エックーー!!」

 バシャン!

「ニケ!」

 ビアに衣服を引っ張られた!

 死の水のもう片方の手も出てきた。

「悩んでも仕方ない!いくよ!」

「ああ、、」

 ッザッザッザッザ!

 私は無理やりビアの背に乗せられて。

 エックから離れていく。。


 ボォォォォオオオォォ!!

 叫ぶエック。。

 私はどうしたら。。

 何かできないのか。。?


 そう考えながら私はビアの背で呆然とエックを見ていた。

 

 エックは人型なのに赤ちゃんがハイハイするように四足歩行で私達を追いかけてきていた。


 私達を追いかけてくるエックが触れた物は一瞬で枯れて茶色に染まった。

 死を引き入れて少しずつ大きくなっている様に見える。。

「ああ。。」

 絶望的な未来しか見えない。。


 ゼハゼハゼハゼハッとビアの乱れた息遣いが聞こえる。

 ビアも夜通しで走り回ってもう限界だよね。。

 私は生命の光でビアをまた覆った。


 エック。。

 どうしたらいいか本当に分からない。。

 私達はとにかくエックから逃げるように着た道を戻った。



 エック。。


 どうしたらあなたは元に戻るの、、?


 私達はどうしたらいいかも分からずに走り続けた。。



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