とにかく突破するって素晴らしいな
不思議な感覚だった。
漆黒の墓地の中に一筋の光が落ちて、、その中にいるような。。
真っ暗な深い深海の中で、、ゆらゆらと発光した泡の中に包まれているような。。
ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー
俺達は風の様なスピードで駆けた。
美しい湖の横を湖面が猛スピードで駆ける俺達を逆さまに映している。
空から降る雨粒が俺達の姿をかき消そうと水面を撃っていた。
俺達はその雨を切り裂いて駆けていく!
駆けるネロの背の上は全然揺れない。
もっと激しく上下運動するのかと思って構えたのに、驚いた!
すげースムーズに走るんだなって。
きっと俺達のためにも揺らさないように走ってくれてるんだろうな。
こんな風を切るように走ってるのに揺れないなんて凄い。
見る間に対岸に陣取っている黒い猿達が見えてきた。
俺達が突撃しそうな場所にどんどん集まってきている!
「ヴェルさん小春!!」
「はい!」
「いくっちゃ!!!」
まずヴェルさんが雷の珠を投げて電撃を放った!
俺達の行くべき方向を指し示すかのように電撃が走った!
バリバリバリバリ!!
「よっしゃだっちゃ!」
厚みを作っている黒い猿達が電撃で痺れた!!
それを見て周りにいる猿達も怯んでいる!
「えい!!えい!!」
さらに小春が続いて氷の珠を連続で投げた!
氷の珠は十本の大きめの氷の針に分かれて猿達に飛んでいく!
二発目の氷の珠も同じように十本に分かれた、合計二十本の氷の針が黒い猿達の群れの中へと飛び込んだ!
ギャウ!ッギャギャ!?ギィ!
猿達の悲鳴も似た声が響いた!
いい感じに猿達にダメージが入ってるな!
「ヴェルさん小春どんどん続けて!!」
俺達は黒い猿達の近くまで駆け寄ってきてる!
俺も両手に火の珠を創り出す!
「前だけ見えたらいいよな!!」
そう俺は叫ぶと火の珠を左右で燃え上がらせた!
ビアとネロは俺の創り出した火の壁の間を駆ける、俺の手から炎が上がってるからどれだけ駆けても火の壁はずっと側にある。
これで左右から黒い猿達は攻撃してこないだろ!?
ずっと燃やし続けられないから火の力が落ちたら、もう一度火の珠から創り出さないといけいないけどな。
「火の壁から猿が飛び抜けてきたらニケ頼む!」
「ああまかせろ!」
うん、これはなかなかいい連携の突破だろ!?
俺も遠距離で攻撃できたらいいにな。
なんで掌の上から離すと俺の珠の威力落ちるんだよ。。
バリバリバリ!
ヒュンヒュンヒュン!!
ヴェルさんと小春の攻撃が飛んでいく!
もう黒い猿達が目の前だ!
「スピードを上げるよ!」
ビアが叫んだ!
途端にッガっとスピードが上がる!
進行風の風圧がすごい!
「突撃するところに黒い猿が集まっていっぱいいる!横にずらして数の少ないところを狙った方がいいっちゃ!」
ヴェルさんと宗近が少し俺たちに寄って来て叫んだ。
そしてバリバリバリっとヴェルさんは湖側に電撃を放つ!
「こっちの方が猿が少ないっちゃ!」
「む!わかった!」
「ヴェルさんナイス!」
「しっかり捕まりな!飛び込むよ!」
ギュッとビアは向きを変えて突撃しようとしていた所から右にそれた場所に狙いを定めた!
「えい!」
小春が氷の大針を投げる!
それに合わせてビアとネロが跳んだ!!
俺達は感電する黒い猿達を飛び越えた!
前には小春の氷の大針が先導するように飛んでる。
ガサガサガサ、ギャギャギャギャ!!
「やばい!!」
俺たちを捕まえるぞと赤い目を光らせた黒い猿達が一気に木々から飛び降りてきた。
「上にもいたのか!?」
「っちゃ!!!」
ヴェルさんが前方に雷を飛ばす!
ギャァァァァァ!
前方の猿たちが感電した!!
氷の大針もドスドスっと前方の猿に刺さった!!
二人ともナイス!!
「うお!」
感電した猿達が俺達に降ってくる!
「小春!気をつけろ!」
「うん!」
ドカッドカッと黒い猿達に打つかりながら俺達は降って来る黒い猿達を払い退けて進んだ!
ここを突破してエックの所に行くんだと俺達の心は団結していた。
ウギャギャギャギャギャァァァァッアアア!!!!!
太くて大きな声が辺りに響き渡った。
ッビッカ!!
稲光が光った!
明るい!
これはヴェルさんの電撃じゃない!
大粒の水滴を降らしている大空を見上げると、ゴロゴロと鳴り光る雲に俺は違和感を感じた。
「あ!」
顔に大粒の雨が打ち付ける霞んだ視界の奥で雷雲の光をシルエットに俺達を睨みつける黒いもじゃもじゃがいた。
俺と目が合ってニヤリと笑うっと、ギャァァウ!っと叫んだ!
すると途端に木々から木の枝や石が投げつけられた!
俺達は猛スピードで駆け抜けようとしてる。
上げた顔にぶつかる雨粒でさえ痛いのに石や枝が打つかるなんて絶対痛いじゃすまない。
それにこれ俺の炎が意味を成してない。
邪魔なだけだ。
俺は炎を消した。
「えい!」
小春が目の前で駆けるビアの上で氷の盾をまた一つ作り出した。
「ヴェルちゃん」っと叫ぶ小春。
「受け取って!」
小春ちゃんが創った盾を宙に投げた!
「小春ナイスだっちゃ!」
「翔陽くんにも」
小春は慌てて氷の盾を作り始めた。
ガンガンガン!
バララバララララ!
ゴンゴンゴン!
石や枝が降る弾幕の中に俺達は飛び込んだ。
ッガンッゴス!
頭を守る俺の腕に石や枝が当たる!
「くそ!いってぇ。。」
「翔陽君!」
小春が俺に向かって氷の盾を投げてくれた。
枝や石の降るなか氷の盾も飛んでくる。
これどうやって取ったらいいんだよ。。
考えてる場合じゃないな。
俺は枝や石は無視して思いっきり氷の盾に手を伸ばした。
ガスゴス。。
「ぐあ。」
額と頬に石が当たった。
後ろにのけぞって飛ばされそうになるのをなんとか踏ん張った。
「くそ。。」
でも氷の盾を取れた!
ガンガンゴンっと氷の盾が俺達を守ってくれてる。
ネロも守ってあげれるように俺は氷の盾を前に突き出してネロの頭の上に掲げた。
俺も石が当たらないように氷の盾の上部の中に低く伏せる。
ビア、ネロの駆けるスピードが少し落ちている。
くそ、一気に突破しないといけないないのに。。どうしたらと悩んだ途端!
「危ないっちゃ!」
「危ないよネロ!!」
「キュイ!」
ヴェルさんとニケの声が響いた、宗近まで、なんだ?俺は氷の盾と前を走るビアで全然見えない。
目の前で駆けていたビアが突然飛び跳ねた!
ビアの足元から横なぎに飛んでくる大木が目に飛び込んできた。
「うあ!ネロ!!」
「っく!」っとネロは喉を鳴らしながら跳びあがった。
俺は氷の盾をネロの頭に打つけない様に必死に耐えた。
でも氷の盾はネロの鼻頭の上に乗っていた。
ガガガガガッと氷の盾に石や枝が当たる!!
これネロ前が見えてないよな、って思った瞬間!
ッバン!!
何か大きいものがネロに当たった!
空中でバランスを崩したのがネロの背を通じて伝わってくる。
ネロの体が空中で横に回っていく。
くそ!
俺の横から前方の景色が見えた!
それは石や枝を投げた後で黒い猿達が一気に飛び掛かってきてきている壮絶な景色だった。
無数の黒い猿が赤い目の光を輝かせて飛び掛かってきている。
目の前全部黒い猿とビア達しかいない。
きっと俺たちにぶつかった猿は初めに飛び出した猿、その猿に続いて飛び出した猿が今目の前に迫ってる。
まるで黒い猿の津波が襲って来てるみたいだ。。
こんなのどうしたらいいんだよ、っと思った途端、バリバリっとヴェルさんが電撃を放った!
ギャギャギャっと目の前の猿達が感電する!
「ビアあそこだっちゃ!」
「む!わかった!」
その感電して動けない猿達のところに、ビアは空中からザザッと着地した後にまた飛び上がり猿達の穴に飛び突っ込んだ!
感電する黒い猿達を押し退けて突破する!
続いてヴェルさんと宗近も飛び込んだ!
ヴェルさん達は突破できた!
次は俺たちも!
俺の目の前にビアとヴェルさんが突破した猿達の穴がある!
その穴に続きたい!
なのに、ネロはまだ空中な上に体がぶつかった衝撃で横方向へと回されてしまってる。。
ザザッと着地した時ネロはもう一度飛び出せる姿勢じゃなかった。
やばいな!
俺はネロの上に立ち上がった!
そして火の珠をできる限り大きく創り出して構えた!
「ネロ突っ込め!なんとかする!!」
飛びかかってくる黒い猿達の方へとネロは全力で飛び掛かった!!
俺とネロ、黒い猿達が交錯する!
その交錯する刹那の瞬間に目の前に迫る黒い猿に火の珠を叩きつけた!
ドッッ!ッカーーーーーン!!
っと火の珠が周りの黒い猿達も吹き飛ばして爆発した!!
よし!手応えありだ!!
俺達はボフンと飛び出した勢いそのまま黒い猿の津波の裏へと飛び抜けた!
「よっしゃ!!」
「翔陽よくやった!」
「ネロ!」
俺は立った状態から体を倒しネロの背中にしがみついた!
「いい判断だったぞ!」
「ああ!」
ザザッとネロが地面に着地する。
「ただもうあの盾はいらぬ、前が見えづらくてしょうがないわ」
少し笑ったような顔してネロが振り返った、なんか一緒に戦い始めて仲間な感じが伝わってきた。
「だよな!すまない」
俺は少し笑ってネロ謝りながら、先に抜けたヴェルさん小春、ニケちゃんビアを探した!
「翔陽くーーーん!」
小春の叫び声が聞こえる。
「こはっ、、、!」
だけど俺は小春の声に答える事ができなかった。
みんなを探したその視野の中に信じられないほどの赤い小さな光がこっちを見ていた!!
さくらんぼの様な粒が信じられない数が木の上にいる。。
俺は一瞬何かわからず思考を止めてしまった。
「むぅ。」っと横でネロも呟いてる。
バリバリバリ!ヴェルさんの電撃が走った!
そして俺は理解した、俺達に降り掛かろうとする小さな赤い光は猿達の目だった。
黒い猿の津波の第二波がくる!!!!
バリバリバリバリ!
ヴェルさんの電撃でも怯まずに黒い猿達は牙を光らして木の上から同時に飛び出してきた!!
「ニケ!俺達は置いてエックの所へ!」
俺は二つ火の珠を創り出してさらに大きくしながら叫んだ!!
どうしたら良いかなんてもう考えにはなかった!
ニケをエックの所に行かせないと、この森が、この世界がエックの力でダメになってしまう。
だから行け!
森の破滅を防ぎたいただそれを回避したいっていう一心だった。
「でも」
ニケは迷ってる!
「いいから行け!ビア!走れ!ヴェルさんも!」
俺はそう言うとネロの背から思いっきり飛び上がった!
そして火の珠を爆発させてさらに上空に飛び上がる!
これ飛び上がったっていうより爆風で吹き飛ばされた感じなんだけど。。
左手の火の珠を爆発させたから俺おもっきり空中で回されてしまってる。
くそ、これもっと練習しないと!
でも、なんとか俺は今、真上に飛び上がっていってるっぽい!
なら回ってしまってても関係ないだろ!
交錯する瞬間に。。!
タイミングを合わせて。
「おら!!」
一番迫っていた黒い猿を大きくなった火の珠ごと殴りつけた!
ッボッカーーーーン!!
っと火の珠は爆発して辺りの黒い猿達は爆炎に吹き飛ばされた!
俺はボフンと爆炎から飛び出して黒い猿達の裏へと抜けた!
火の珠を使って飛び出した上昇の勢いが衰えてきた、そろそろ下降へと向かうその一瞬のタイミングでまだニケ達が迷いながら俺を眺めているのが見えた。
「ニケビアぁ!速くエックの所へ行けって!俺はここをなんとかするから!ヴェルさんも!!」
「翔陽!すまない!」
「わかったっちゃ!」
そう言うとくっとニケ達の顔に力が入った!
ヴェルさんとビアが背を向け駆け出していった!
俺は冷たい雨がザァザァと降る中、雨と一緒にネロの所へと落ちていく!
ドサドサドサドサドサドサドサ!
っと黒い猿達が地面に着地する!
ネロは真上にいた黒い猿達をしっかり牙で迎撃していた!
周りに着地した黒い猿達は一斉にネロに襲いかかろうとしてる。
前後左右から猿達の輪が一気にネロに向かって収縮していく!
「ネロ上だ!」
「む!」
ネロは上空の俺を見上げるとすかさず思いっきり飛び上がった!
来る!
火の珠を構える俺とネロがすれ違った!
下でまたこっちに飛びかかろろうとする黒い猿達!
でも俺の方が早い!
着地する瞬間に火の珠を爆発させた!!
辺りがドカン!っと爆発する!
黒い猿達と俺の着地した場所の地面が周りに吹き飛んだ!
俺は爆煙の真ん中で立ち上がった。
そしてまた火の珠を創り出す。
爆煙で周りが見えない、いつ黒い猿が襲いかかってくるのかわからない、集中しろ俺。
「翔陽!」
ッザン!
俺の隣にネロが着地した!
「ネロ!」
「よくやった、次はわしの番じゃ!ちょっそこでまて!」
そう言うとビアが駆け出した!
ッギャッギャ!!!っと猿達にの叫び声が聞こえてくる!
だんだんと爆炎が治まり辺りが見える様になってきた!
ネロが俺の周りを回る様に駆けてる!
俺に黒い猿達が襲い掛からないように仕掛けていた!
黒い猿達は俺に突撃したいのにビアがグルグルと走るものだから、前に踏み出すと突撃と牙で散らされて攻めあぐねている。
「すげーー!」
ッキッキッキっとまた鳴き声がした!
上から黒い猿達が赤い目を光らせた!
また来る!!
ッバッッバッバっと空中に黒い猿が飛び出した!
しかも四方八方から!
「くそ!」
俺は腰を落として全ての猿を殴り落ちそうと構えた!
との途端!
ギャ!ギャ!ギャ!ギャウ!
ダダダダ!!っと飛びかかる黒い猿達に何かが襲った!!
「翔陽君!」
「小春!」
小春の氷の大針だ!
助かった!
小春がこっちに駆け寄ってくる!!
黒い猿達の囲みの外にいる小春に、黒い猿達の視線が一気に向いた!
チャンスだ!俺から猿達の意識が外れた!!
俺は降り掛かってくる猿達を避けるように小春の方へ向けて駆け出した!!
そして目の前にいる黒い猿を火の珠で殴り飛ばし爆発させた!
ギギギギィ!!
辺りの黒い猿達がネロと小春と俺の攻撃で動揺してる!
挟み撃ちの様になって猿達はパニックを起こした。
爆煙の中俺は素手で黒い猿達を殴り飛ばしながら小春の方へ走った!
ボコンボコンっと殴るたびに爆煙が上げる!
このまま黒い猿達の囲い込みを突破してやる!
ネロもこの突撃に、、っと思った瞬間!
ッバっとネロが俺の後ろから現れた!!
「翔陽良いぞ!乗れ!」
「ああ!」
俺はネロに飛び乗った!
さすがネロ!囲まれた時の突破のタイミングとか分かってる!
俺も秦の国の中華統一する漫画で学んだんだ、天下の大武将に俺はなる!ってな!ははは!
俺は漫画で勉強してたけど何も情報もなくちゃんと突破のタイミングを見極めたネロは凄いな。
ネロはバシバシ!っと目の前の黒い猿達を吹き飛ばしながら駆けていく!
俺は両手に火の珠を創り出してさらに手の周りを燃やした!
飛び掛かって来る黒い猿達を殴り飛ばす!
俺に殴られた黒い猿達は火に包まれて後ろへと消えていった。
もう少しで囲いを抜ける!
小春も「えいえいえい!」っと氷の大針を飛ばして俺たちの突破の道の直線上にいる黒い猿達に攻撃してる。
中華統一の漫画によると挟撃されるのが一番指揮が落ちて混乱するらしい。
まさに猿達はそん状況だ。
突破が容易い!
ネロの背から見る景色。
もしかしてこれが大将軍の見てる景色なのか?
ははは!
俺ちょっとだけ余裕あるな!
こんなこと考えながらも体は動く!
襲い掛かる黒い猿達を効率的に殴り落としてる!
ははは!マジで大きな矛を持ちたい気分だよ!
ドカン!
ッバっと目の前が開け小春が見えた!
「よっしゃ!死地を抜けたぞ!」
「うむ!翔陽、シチ?とはなんだ?」
「あ、ははは、なんでもないよ!それにしてもネロ凄いな!!小春のところへ!」
「ああ!」
小春の方へと駆けるネロ!
俺は体を外に出して小春の方へと手を伸ばした!
サシュザシュッと猛スピードで駆けるネロ、周りの景色が後方へと溶けるように流れていく、俺達は風になってるかの様に空を切ってる。
遠くにいた小春がみるみると迫る!
その小春が氷の珠で出来た何本もの大針を俺たちの方へと投げた!
氷の大針は信じられないスピードで向かってきた、そして見事に俺とネロに木から飛び掛かる黒い猿達を捕らえた!
ッガッギャッギャっと黒い猿達が後ろに消えていく。
「小春!」
俺は氷の大針を投げたその小春の手を掴んだ!
小春の手を引きながらグッと俺の後ろのネロの背に小春を乗せる。
「翔陽くん」
小春がぎゅっと俺の背中に抱きついた!
よし合流できた!
「小春ありがとう!小春のおかげで助かったよ!!」
「小春よくぞ戻ってきた!」
「はい!助けになれてよかったです!」
「よし!ネロ!ビアを追いかけるぞ!」
「ああ!そしてエックを。。」
「だな!」
バリバリバリバリ!
遠い前方の空に電撃が走ってる!
ヴェルさん達も何かと戦ってるのか??
黒い猿達を突破した俺達は猛スピードで駆け抜けて行く!!
ネロは見事に木々を避けて駆ける!
黒い猿達が左右にから飛び掛かって来るけどネロの速さにはついてこれず俺たちの横から後ろへと流れて行ってしまってる。
俺も両手を燃やして叩き落とす準備してるけど意味ないなこりゃ。
このスピードで行けたらすぐにニケちゃんやビアに追いつける!
ふわ。。
っと思った瞬間!
俺達は宙に舞った!
ギャンっとネロの声が響いた。
「え?」
「何??」
さっきまで溶ける様に流れていた景色が変わった。。
突然訳がわからなくなった。
横に小春も転がる様に宙を舞ってる。
ネロは?
あ、俺の後ろで地面を転がってる。
着地をしないと!
って、やばい!
俺たちの飛ばされていく前に大木が迫ってる!!
「小春!」
俺は小春を掴み抱き寄せた。
そして火の珠を手の上に創り出す。
海晴が朝焼けの中崖から落ちた時に着地した方法を俺は覚えてる。
光の珠の弾ける力で落ちる勢いを殺してた。
方向は違うけど俺もできるはずだ!
片手で小春を抱きしめながら迫る大木に俺は火の珠を突き出した!
ッボン!っと大木にぶつかった瞬間に俺は火の珠を爆発させた!
ッドン!
「グハ。」
ドサ。。。
「くそ。。」
俺は勢いを殺しきれず大木にぶつかった。。。
くそ、これもダメだなもっともっと火の珠の練習しないとな。。
「痛ってぇ、、」そう呟きながら俺は小春を起こした。
「翔陽君、大丈夫??」
「ん、大丈夫」俺は背中の痛みなんて何とも無いぞ!って自分に言い聞かすように小春に答えた。
爆煙の中で小春がそっと俺を抱き上げてくれる立ち上がる。
そばにネロもゴロゴロと転がって来ていた。
ググググっと立ち上がるネロ、立ち上がるのが辛そうだ。
足が痛いのか?俺達が吹き飛ばされた事もあるし何かあったのか?
「ネロ。。」っと声をかけようとした瞬間に。
ッギャッギャッギャ!
っと声が森中に響き渡った。
「みんなこっち来て」
小春が大きな氷の盾を創り出しながら叫んだ、なんか嫌な予感がするよな。
「翔陽君、はい!」
小春に氷の盾を渡された!
俺は盾を構えながら辺りを見渡す!
ガサガサガサガサと当たりの木々が鳴ってる。
ネロが俺たちの側に来た。
あ!
ネロが前足を怪我してる!!
向こう脛から血を流している。
「ネロちゃん大丈夫?まず木のそばまで行って!」
「むぅ、不覚だ、わかった、、」
爆煙で分かりづらいけど何か来てる!
俺達は大木を背に盾を構えた、小春ももう一つ氷の盾を創り出して二枚の氷の盾でネロを守ったその時。
ッガンって俺の盾に何かが当たった。
ゴロゴロ。。
これは拳サイズもある石だ!
ッガンッガン!!
石が降ってくる!
中には枝や木の実も飛んできてる。
「ぐふっ」
ネロに石が当たった!
「ごめんネロ!盾が足りてない」
「うんちょっと待って。。」
「小春がまたもう一枚盾を作り始めた」
霧散し始めた爆煙を切り裂くように石や枝が降って来る。
俺はできる限り氷の盾でネロを守った!
だけど全部防ぎきれない!
バラバラバラバラっと降って来る石や枝が氷の盾をすり抜け俺達の体に当たり、身体と体力を削っていく。
「ネロちゃん!」
小春が新しい盾を創り出して、二枚の氷の盾を持ってネロを守ってる。
ビシビシッと小春に石が当たってる!
小春は身を挺してネロを守ってるから自分を守れてない!
俺はさらに小春を守ろうと小春の前で盾を構えた。
ガンガンと氷の盾を叩く石。
なんとか耐えてる、だけど石や枝が降り止まない。。
耐えてるけど、このままでいいのか。。
ガンガンガンガン
ガンガンガンガン
ってかこの状況は動けない。。
ガンガンガンガン
ガンガンガンガン
くそ、いつまで。。
俺たちが動けないうちにもっとヤバいものを用意してたりして。。
そんな不安がよぎった瞬間俺は動かないとヤバいと確信した!
このままじゃ色々削られていくだけだしな!
ただどう動くのがいいんだ?
動こうにもこの盾を構える俺がいなくなったら小春が。。
とにかく状況がわからないと動けない。
俺は爆煙の治った周りを見渡してみた。
暗くて分かりづらいけど黒い猿達は地面に降りてきてそこいらにある石を投げてるみたいだな。。
それにしても凄い匹数だ、それだけに飛んでくる物も多い、
なんとかこの状況を打開したいのに俺が動くと降り注ぐ石や枝で小春がやられてしまう。。
小春もネロを守るのに必死で身動きが取れてない。
とにかく今は耐えるしかないのか。。
周りにある投げる物が無くなるまで。
とにかく耐えて勢いが落ちた時に反撃に転じるんだ。
そして俺達は耐えた。
永遠と降り続く雨の様に石や枝は相当長い時間降り続いた。。
どれくらい打たれ続けたのかわからない。
俺達の周りにある山の様に積み重なった石や枝が俺達の凌いだ時間を言い表してた。。
俺達の周りの石や枝はクレーターの様に積み重なっていた。
俺達は氷の盾をすり抜けぶつかった石で体が傷つき血が流れている。
でもそれでも俺たちは集中を切らさなかった!
投げてくる石や枝の数が減った。
「っく、よし。。」
今が反撃のタイミングだとはっきりわかる!
俺は周りに積もった石や枝から顔を出す。
最悪の光景が俺の目に飛び込んできた。
「な、んだよ。そんなこと、、、あるのかよ。。」
俺は黒い猿達をみて驚いた。。
黒い猿達はなんと人間の使う鎌や鍬など凶器を手にして今にも俺たちに襲い掛かろうとしていた。
相当な大群だ。
ここいらにいた黒い猿は全部集まってるみたいだ、津波のように飛びかかって来ていた猿達も、もちろん追いついて来てるんだろう。。
それにあいつらただの猿じゃない。。
なんでそんな人工的な物を持ってるんだよ!
これは逃げないとやばい。。
「ネロ大丈夫か?走れるか?」
「ああなんとか走れそうだ。。」
「俺達囲まれてるんだ、だけど俺がなんとか突破口を作るからそこから突破してほしいんだ」
「わかった、殺気をビンビン感じるのだ。今やらないと我らはここまでだ、全力でやるしかない」
「その通りだ!」
「なんですかあれ?なんであのお猿さん達は人間みたいなことを。。」
小春も黒い猿達を見て驚いてる。
「小春ネロの胸に急いで盾をつけてあげてくれ!」
「はい!」
「俺が突撃さたら追いかけて来てくれ!なんとか道を作るから」
「うむわかった」
「よし、じゃあいくぞ!」
こっちから先に動かないともう終わってしま、、ガサガサ、、
ん?今上からガサガサって聞こえた?
俺は両手に火の珠を創り出しながらガサガサ音のした木の上部を見上げた。
片手の火の珠をボゥッと燃え上がらせる!
火の明かりで上の木が見えた。
うわ、上の枝枝にも黒い猿達が集まってきてる。
そうか周りの猿達は上の猿達の準備が整うまで待ってるのか。
くそ、これは先に攻めないと絶対やられる。。
そう思った瞬間上の猿達が俺に気づかれたと慌てて武器を構えながらバババババババっと飛び出してきた!
俺は慌てて火の珠を創りなおす!
「やばい!ネロ、小春行くぞ!」
両手の火の珠を積もってる石や枝の山に当てて、思いっきり爆発させた!!!!!!
ドッカン!!!!と火の珠が爆発する!!!
火の珠の爆発で俺達に投げつけられて積み上げられた石を吹き飛ばした!!!
目の前に積もった石が爆発で吹き飛ばされ、無くなった事を確認して俺はそこから全速力で駆け出した!
ッザッシュッザッシュっと後ろからもネロの足音も聞こえてくる。
俺はボフンと爆煙から俺が飛ばした石と一緒に飛び出した!!
石は礫として前で構えてる猿達に攻撃になれって、少しでも怯ませてビックリさせれたら!って思ってる!
だから火の珠二つを使って全力で爆破した!
その石飛礫を追いかけて俺は全力で駆ける、駆けながらさらに火の珠を創り出す!
ビシビシビシビシ!!っと前方の黒い猿達に石飛礫が当たってる!
ッギャッギャッギャっと黒い猿達が石飛礫に当たって後方へ吹き飛ばされた!
これだったら黒い猿達が握っていた鍬や鎌も意味をなしてない。
「おお!」
すげーいい威力になってる!!
これは今後も使えそうだな!
そう思いながら俺は黒い猿達の中へ飛び込んだ!!
手前の倒れてる猿達を飛び越えて石飛礫に当たらなかった怯んでる猿達に火の珠を叩きつけた!
ボカンと火の珠が爆発して辺りの猿達が吹き飛んだ!
その中に俺は突っ込んでいく!
また火の珠を創り出して爆発させる、さらに火の珠を創り爆発させる、さらにさらに火の珠を創って爆発させる。
俺は全力で駆けながら火の珠を爆発させ続けた。
かなり駆け進んだと思う!
なのにどんどん前から黒い猿達は襲いかかってくる!
まだか?
まだ猿達の囲いから抜けないのか??
くそ!
息が上がる!
爆煙の中で息がしっかり吸えてない。。
体の中の酸素が足りてない気がする、頭がぼーっとしてきた。
くそ、でもこんなとこで駆け止まったら終わっちまう!
「うわ!」
気持ちを持ち直したところで前を見たら前から鍬が襲いかかってきてた!
鍬を飛び越えて避ける!
ドカ!
「何!?」
横から鎌を持った猿に飛び掛かられた!
背中に痛みが走る!
でもそれどころじゃない!前からも別の鍬が。。
ッガ!
「あ、、、」
俺は予期してない衝撃に襲われた。
急に上に引き上げられた!
そして柔道で投げられた時のように振り回された。。
そして俺は吹き飛んだ。。
ドサン。。
何が起こたか分からない。
俺はやられたのか?
あんな混沌とした状況の一瞬後に。
なんだろ。
不思議な事に俺は柔らかい物に埋もれている。。
暖かい、甘い匂い。
ふわふわしてて心地いい。。
ああ、これは奇怪しいな。。
絶望のはずが。
なんか悪くないなーって状況になってる。
奇怪しすぎる。
俺は死んだのか?
っく、ダメだ俺はこんな所では。。
こんな所では終われない。。
死んでしまう事がどれだけ周りを悲しませるか俺は知ってるんだ。
「小春。。」
「はい。」
ん?はい?小春?
俺はボフッと顔を上げた。
顔を上げると俺はネロの背の上に乗っていた。
そして俺はどうなっていたか理解した。
俺はネロに助けられた?
きっと猿にやられて吹き飛ばされた俺を、ネロが見事に飛んで背に投げ乗せてくれた。
そして俺は今この状況。
俺は小春の胸に顔を埋めていた。
ははは。。
「翔陽君大丈夫?翔陽君のおかげでなんとか脱出できたよ、ありがとう」
小春は改めて俺を抱きしめてくれた。
よかった。
俺はじゃらだを起こそうとした。
「っぐ。。」
痛!
背中が痛いし熱くって冷たい。
なんだこの感覚。。
ネロは黒い猿達を吹き飛ばしながら駆けている!
横にネロに跳ね飛ばされた黒い猿達が舞う中、俺は小春に優しく抱擁されてる。
体が重いのに軽い。。
不思議な感覚だ。
漆黒の墓地の中に一筋の光が落ちてその中にいるような。。
深い深海の中でゆらゆらと発光した泡の中に包まれているような。。
ゆっくりと時間が流れて。。
小春の優しさが染み込んでくる。
こんなどうしようもないよう状況なのに、なぜか幸せだったと思う俺がいたのだった。。




