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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
87/110

綺麗な小川って素晴らしいです




 私、今、青空の中にいるみたい、空気まで少し青く見える。。


 明るい青い森に差し込む光芒、その周りの空気がもう青く見える。


 私は青い光芒の先を追いかけて、空を眺めるように顔を上げた。




 ーーーーーー 絹川 小春 ーーーーーー


 


 私達は森の中を走って進んでいた。


 太陽が高く登ってもう昼になってる。


 エックさんがいるって言う死の谷を目指す。

 ずっと同じ様な景色の森の中を私達は走り続けた。

 

 ネロちゃんが走りながら色々教えてくれた、今、私達が目指している死の谷は崖の底で生物が全くいないらしい。

 それでね、エックさんの力はニケちゃんの命の力と反対に位置していていて、死の力を体に宿してるらしいの。。。

 それって凄い怖よね、死の力とか。。


 エックさん死の力を身に宿してるとかどんな気持ちなんだろう。。

 私には全然想像できない、死の力が宿ってるとか本当に辛いんじゃないのかな?

 海晴君の真似じゃないけど私は死の力を宿すエックさんを助けたいって思った。

「きっと苦しいんだろうな、エック、早く助けてあげないとな。。」

 横で走りながら翔陽君も真剣な面持ちで話してた。

 私と同じ事考えてる。

「翔陽君、絶対助けようね!」

「ああ、絶対助けないとな!」

 私達は気持ちをギュッと引き締めて森の中を駆けた!


 それにしてもニケちゃん、ビアちゃん、ネロちゃんは見事な足捌きで走る。

 根っこや岩だらけでガタガタの走りづらい森の地面の上を高速で駆けていく。

 邪魔な物を的確に見分け足で捉えて踏み出していく。

 見てて気もち良いほど軽やかで爽やかに走り抜ける姿はまるで疾風みたい。

 凄いかっこいい。

 それに比べて私は追いかけるのに必死。

 ヴェルちゃんは飛んでるから全然楽そうだな。

 飛べるのが羨ましいな。

 宗近ちゃんもヴェルのと一緒に飛んでる。

 私も幽霊だった時は飛べたのになー。

 また飛びたいな。

 あ、ぼーっと考えてないで頑張って走らないと! 

 きっとニケちゃん達は私のペースに合わせて走ってくれてる。

 エックさんもきっと待ってるし頑張らないと!


 どんどん走り続ける私達。

 

 はぁはぁはぁ。。

 疲れた。

 でも早くエックさんの所に行かないと。

 森もエックさんも守りたいんだから。

 頑張らないと。


 はぁはぁはぁ。。


 はぁはぁはぁ。。


 グゥーーーー。。。

 え?何の音?

 お腹の音?


「あ、聞こえたっちゃ?」

 私はお腹の鳴る音に思わず反応して音の方を見るとヴェルちゃんがてへっと少し恥ずかしそうにしてる。


「ヴェルちゃんお腹すいた?」

「うんお腹すいたっちゃ」


 グゥーーーー。。。

 翔陽君のお腹も鳴った。

「あ、ははは、俺もお腹空いたみたいだ」

「ふふふ」

 照れるヴェルちゃんと翔陽君が可愛くって私は笑った。

「腹が空いたのか?もう少し行くとちょうど良い小川がある、そこで休憩とご飯にしよう」

 ニケちゃんが笑って振り向いた。

「おお!昼飯!」

「わぁ!嬉しいです!」

 こんな自然の豊かな森でのご飯てなんだろ?

 春の山菜に清流のお魚?

 木の実のスープ?

 ふふふ、考えるだけで楽しみになってきた。

 疲れも少しだけ軽くなった気がする。。


 はぁはぁはぁ。


 そうれから少しだけ走り続けるとニケちゃんの言っていた小川が見えてきた。

 苔むした木々や岩々の間を流れる清流。

 すごい綺麗なお水。。

 澄んだ水の中に泳ぐ魚達が見える。

「凄い綺麗な川だっちゃ!」

 ヴェルちゃんも嬉しそう。


 はぁはぁはぁはぁ。。

 すっごい疲れたぁ。

 汗が滝の様に流れてる。

 せっかく昨日の晩御飯の後に洗ったはかまも汗で湿ってる。。

「小春大丈夫か?」

 翔陽君の声を聞いて、顎からほっぺたにかけて流れる汗をぐいって腕で拭った。

「うん、大丈夫ありがと」

 私はニコッと笑った。

「小春疲れてるっちゃ、本当に大丈夫だっちゃ?」

「大丈夫大丈夫」

 ヴェルちゃんにもに笑った。

「小春、ここの水は飲めるし疲れの回復にいいんだ」

 ニケちゃんも心配な面持ちで声をかけてれくれた。

「飲めるんですか?」

「飲めるっちゃ?」

「ああ。ここの水は飲める。疲労回復にも良いんだ」

「そうなんですね、もうすっごい喉が乾いてたんです」

 私はニケちゃんにニコッと笑った。

 光芒(光の差し込む線)が照らす小川の手前で私は膝をついて片手で水を掬った。

 髪の毛が濡れない様にもう片方の手で髪を抑えながら水を口に含んだ。

「凄いこの水、、冷たいし、、美味しいです!」

 ん?翔陽君とニケちゃん達が私を見てる。

「あ、ごめん小春に姿が綺麗でさ、目を奪われてたよ」

「白い肌に青い綺麗な長い髪、この森の雰囲気も相まって何だか神々しく見えたっちゃ」

「光芒の中で小春の体の水分が光ってなんかもう絵みたいだ」

「あ、え?何だか恥ずかしいですね。。」

 皆んなの見惚れた様な驚いた様な視線がすっごい恥ずかしかった。

「小春お主何か過去にあったりしないのか?常人にはない気配お主の体の中にがあるぞ」

「あ!」

「そうだっちゃ!」

「そういえばまだ伝えてなかったですね」

「そうだな」

「あ、でもこの話は長くなっちゃうからまたお昼ご飯の時に話した方がいいかな?」

「だなそっちの方がいいかもな」

「そうか」

「わかった」

「やはり何かあるのだな」

 横でネロとビアも水を飲み始めた。

「翔陽も飲んでおけ、でないと疲れが取れないぞ」

 ネロちゃんが翔陽君も心配してる。

「ああ、サンキュー」 

 翔陽君も水を飲み始めた、横でヴェルちゃんも恐竜の赤ちゃんの宗近ちゃんも飲んでる。

 私ももう一度手で水を掬って飲んだ。。

 冷たい水が口の中をひんやりと冷やしてくれる、なんて爽やかな水。。

 その水は喉を通りすぎて体に吸い込まれていくのが分かる。

 なんて美味しいお水。

「ぷはぁーー、生き返るーー!」

 翔陽君が隣で天に向けて思わず叫んでた。

 それほどにこの水は爽やかで美味しい。

 ヴェルさんも隣で「美味しいっちゃ!」って言ってる。


「そしたらみんなでお昼ご飯お準備をしよう」

「ああそうだな!急にお腹が空いたよ、昨日あんなに食ったのにな、ははは」

「本当にそれだっちゃね、ははは」

「食べた方がいいよ、そういう時は体が力を求めてるんだ」

「だよな!」

「キィキィキィ!」

「宗近もお腹空いたって言ってるっちゃ!」

「ははは、ヴェル恐竜と話せる様になった?」

「そうだっちゃ!うちと宗近はもう心の通いあった中だっちゃ!」

「あははは!お前達を見てたら私も元気になるよ」

 ニケちゃんも楽しそう。

「ふふふ」

 私も楽しくて笑っちゃう。


「じゃあ私は山菜を探してくるね」

「あ、ニケちゃん私も山菜探してみたいです」

「いいよ行こう」


「我らは魚を獲っておくぞ!」

「あ!うちも魚取りしたいっちゃ」

「じゃあヴェルはあたし達と魚を獲ろう」

「そうするっちゃ!」

「ははは!みんな元気だな!!俺もって言いたいけどきっとここは俺が火を起こしておくのが一番いいよな!」

「良いのか?」

「ああまかせろ!」

「一人っていうの良くないな、ではわしは翔陽と火の準備をしようか」

「そうだね」

「じゃあうちとビアで魚取りだっちゃ!」

「そうだね、じゃあヴェル早速行こうか」

「キュウ!」

「いくっちゃ!宗近も魚取りしたそうだっちゃ」

 肩の上で宗近ちゃんが嬉しそうに羽をバサバサはためかせてる。

「そうだね、魚は宗近の好物だったね、いいじゃないか!宗近にも魚の取り方を教えてあげるよ!」


「小春気をつけてな!」

「うん大丈夫」

 そして私は山菜取りにニケちゃんと一緒に森の中へ入って行く。


「今から行くのは青い森、凄い美しい森なんだ」

「そうなんだ、青い森、、森が青いの?」

「ああ青い、とても多くの生命が溢れる森だ」

「そっかっ楽しみ」

 青い森に向かう途中でニケちゃんは色々この世界の事を教えてくれた。

 話を聞いていると、ここ世界は私達のいた世界よりも神様の影が色濃い世界で、神様もちゃんと存在しているみたい。

 私達の世界では神様は私達から見る事も話す事も出来ないのに、こっちでは出来る。

 少し私達の世界とは違うように感じる。


「さぁ着いたぞ!」

 ッタっとニケちゃんが駆けるスピードを上げた。

 ニケちゃんを追いかけるように目線を前へと向ける。

 

 そこには山の中では信じられないような青い世界が広がっていた。。。


 今までは苔むした地面だったのに青い小さな花が地面に咲き乱れてる。

 それに何でかな?

 この青い森凄い、私今青空の中にいるみたい、空気まで少し青く見える。。

 明るい青い森に差し込む光芒、その周りの空気がもう青く見える。

 私は光芒の先を追いかけて、空を眺めるように顔を上げた。

「っあ。。」っと息が漏れた。

 そこの木々の葉っぱも少し青い。

 木々の薄い葉っぱを光が通り抜けて青い光になってるんだ。。

 フワッと私の髪を風が通り抜けた。

 なんて爽やかな世界。。

「凄い。。」

「凄いだろ。ここの森は美しいんだ」

「ありがと、こんな凄い景色につれて来てくれて」

 私はニケちゃんに心の底から感謝した。

「あはは!こんな景色ならいつでもいいよ!もっと色々な景色がこの森があるよ」

「ほんと?色々見たいな!」

「あははは!小春は可愛いな」

「そう?ニケちゃんの方が可愛いよ」

「そうか?ありがとう!」

 ニケちゃんがニヒッと笑った。

 ニケちゃんってこんな顔で笑えるんだって私は嬉しくなった。

「じゃあ山菜取ろう」

「はい!」

 それから私達は青い森で新緑の森ならではの新鮮な山菜を取った。

 私も子供の頃によくお母ちゃんと山菜取りをしたから、何だか懐かしくって凄い楽しい。

 ニケちゃんとゼンマイやワラビ、タラの芽にふきのとう、までニケちゃんの言う通り凄いいっぱい山菜があった。

 きのこ類も椎茸やしめじ、あと私の知らないキノコもいっぱい、ニケちゃんが食べれると言う物をいっぱいとった。

「私達は時々ここに山菜を取りにくるんだ、ここの山菜は美味いからな」

「そうなんだ、確かにここの山菜とかキノコは栄養がすごい詰まってそうですね」

「ああ、それに美味い」

「食べるの楽しみですね!」


「ん?」

 すくっとニケちゃんが急に立ちあがった。

「どうしたの?」

「ああすまない、私最近ずっと誰かに見られているのだ」

「そうなの?誰が見てたの?」

「それが分からないいんだ、見られてるのは分かるんだけど、誰からかどこからかかわからない、こっちの世界に帰ってきてからずっとなんだ。。」

「そうなんだ、今も見られてる?」

「いや、今は見られてない」

 私は青い森を見渡した。


 。。。


 何の気配もない。。


「そろそろ帰る?いっぱい山菜も取れたし。。」

「そうだね。。」

 ニケちゃんがキョロキョロ辺りを見渡す。。

 何かの気配を感じてるのかな。。

 私も動かずスッと目を閉じて音や気配を静かに探した。


 カサ、、カサカサ、、


 あ、、何かの音が聞こえる。。


 カサ、カサササ、、


「ニケちゃん、何かいますね」

「ああ」

「小さい何かが。。」

 ニケちゃんは上の葉が生い茂る木々を眺めてる。

 私も同じ様に見上げる。

「上に何かいる、神に使える私にこんな敵意を向けるな者今までなかった、、」

「そうなんですね」

「やっぱり何か奇怪おかしくなってる、この森は。。」


 。。。


 私達は臨戦体制をとりながら警戒を続けた。

 私は氷の珠を掌の上に浮かした。

 ニケちゃんは腰に携えていた二本の短刀を両手に持った。


「小春、このままじゃ埒が明かないから、威嚇する、何があるか分からない、小春も気をつけてね」

「わかった」

 私はこくんと頷いた。

 するとニケちゃんは臨戦体制を解いてスッと立った。

「そこにいる者は誰だ!?我は命の神の守護者ニケ・ヴィクトリア!こそこそせずに顔を晒せ!」

 

 ババッバババッババッバッバッバッバババッバッッババババッババ!!!!


 突然信じられない数の目が現れた、葉っぱ越しの逆光で見づらいけど、それは小さな生き物の頭。

 頭の大きさの割には目がおっきい。。

 ギラギラ光るおっきな目の全てが私達を見てる。

 ッハっと私とニケちゃんは凄い数の敵意に息を飲んだ。

 逆光だからかな、おっきな目の動物達は黒く見える、、黒い生き物、、嫌な予感しかしない。。


 。。


 息をするのも辛いほどの緊迫した空気が辺りを包み込みむ。

 きっとこの緊迫は何かの小さなきっかけで弾ける。。


 あの大群の動物に攻撃を仕掛けられたらどうしたら。。

 

 。。。

 

 氷の盾で守る?

 でもあの数は多すぎるよね。。

 絶対防ぎきれない。 


 どうしよう。。。


「小春、これは分が悪い、引くぞ」

「はい」

「ゆっくり目を逸らさずに下がるんだ」

「はい」


 ズリズリっと私達は後退して行く。

 まだあの子達は私達を見つめて動かない。。


 ゆっくりと下がる。


 横にいるネロちゃんの迫力がすごい。。

 さっきまで優しかったネロちゃんとは全然違う。。

 鬼気迫る表情で木々にいる生き物を威嚇している。

 襲いかかってきたら全て殺すと表情が物語ってる。。

 横にいる私ですら怖い。。


 ゆっくり後退る私達。。


 そしてどうにか私達は青い森を抜けた。。


 目のおっきな生き物の気配が遠のいてからは辺りを警戒しながらみんなと別れた川の方へ帰った。


「さっきのあの生き物なんだったんだろ?」

「私にも分からない、今までこの森にあんな雰囲気の生き物はいなかった。。」

「ちょっと翔陽達が心配ですね。。」

「ああそうだな。ネロとビアがいるから大丈夫だとは思うけど、急ごうか」

 

 私達は軽く走りながら川へと向かう。

 

 そうかからずに川のそばまで私達は走ってきた。。


 翔陽君。。


 ヴェルちゃん。。


 小川の側の集合場所が見えた。


 そこには火を囲んで魚を焼く翔陽君ヴェルちゃんにビアちゃんとネロちゃんがいる。

 皆んなで火を囲んで楽しそうに笑ってる!

 よかった!!

 安心した途端、私達の足は止まった。

 ハァハァハァハァっと荒れた呼吸を大きく深呼吸して空気を吸い込む。


 はぁーーーー。。


 こっちの皆んな何ともなくって良かった。

 少し心配したよ。

「小春どうしたっちゃー?もう少しで魚焼けるっちゃよーーー!」

 ヴェルちゃんがもう少しで焼けるらしい魚をブンブン振り回してる。

「ふふふ」って笑っちゃった。

 肩の上で同じ動きをしている宗近もすっごい可愛い。

「小春おかえり!」

 翔陽君も手を振ってる!

 本当によかった!

「ただいまです!」

 私達は皆んなの側に行って収穫した山菜とキノコを見せた。。

「すごいっちゃ!」

「本当にいっぱいだな!」

「すっごい自然豊かな森があって、その森、空みたいに青かったんです!」

「青いっちゃ?」

「はい!地面には青い花が咲いて葉っぱも青みがかっていてその葉っぱから差し込む光ががまた青くって」

「青い森か。。すごい世界だな」

「本当にっすっごい綺麗な森でした」

「うちも行って見たかったっちゃ」

「俺もだ」

「ニケうちも連れて行ってほしいっちゃ!」

「いいよ、だけどそれはまた今度、さっき奇怪おかしな者がいたから」

「何だって?それは何だい?」

 むくりと寝そべっていたビアが顔を上げた。

「何か不吉な黒い小さな猿が青い森に大量にいたんだ、初めは分からなかったんだけど急に姿を現して私達に襲いかかって来そうだった」

「青い森にかい?そんな生き物はいないはずなのにね」

「むぅ、やはり今この森は奇怪おかしくなっている、ずっと何かに見られている様にも感じるしな」

「襲って来たのかい?」

「いや威嚇しながら引いたら襲って来なかったよ」

「そうか。。」

 神妙な雰囲気が辺りに流れる。


「これもう焼けてるっちゃ?」

 ヴェルちゃんがすっごい笑顔で話で割り込んだ。

 もう魚を早く食べたい雰囲気出てる。

「はははは」

「あはははは」

「はははは」

「わはははは」

「ん?どうしたっちゃ?」

「ヴェルの明るさには我らは助けられるな!」

「そうだね、深く考えても状況は変わらないしね」

「今はしっかり食べてエックの所へ行こう」

「ああ」

「よし食べようじゃないか」

「食べれるっちゃ?」

「ヴェルもう食べれるよ」

 ニケちゃんがニコッと笑ってヴェルちゃんに言った。

「やった!みんなも食べようだっちゃ」

「はい!」

「食うぞー!」

 みんな焼けた魚を見てきらりと目を光らせた。


 そして私達はいっぱい魚を食べた。

 焚き火の周りには何人分?って言うくらいのお魚が枝に刺さって立てられてた!

 それも小川の力なのか鮎や岩魚もすっごい大きい!

 まるで鮭みたいな大きなの魚がいっぱい!


 焼き過ぎだよ、食べきれないよねこれ。。


 って思ったんだけど!

 私達は見事に全てのお魚を平らげた!


「お腹いっぱいだっちゃーー!」

 ヴェルちゃんがまだ焼き魚を齧りながらお腹いっぱいって。

「ふふふ」

 ヴェルちゃん、元気が出てきて良かった。

 

 本当にみんなお腹いっぱい。

「移動する前に、私は小春のことを聞きたい、小春は過去に何があったんだ?」

 ニケちゃんが私の方を見てくる。

「あ、えっとね私少し前まで幽霊だったんです」

「んん?どう言うことだい?」

「何だと?」

 ネロちゃんとビアちゃんが驚いてる。

 ニケちゃんの私を見る目も真剣な目になった。


 そこから私は相当昔の時代に生まれ育って翔陽君の世界で生き返った話をした。

 氷の神社の奥に私の遺体があって生き返れた所まで。


「小春。。」

「あんたそれ、一時いっとき神様としてその世界を守っていたのではないのか?」

「え?そうなんですかね??」

「神社に祀られていたんだろう?」

「はい私の遺体は」

「記憶はあるのかい?」

「いえ、ないんです」

「ああ、、神様だったのかな小春は?でも確かに神社とか小春の為に作られてたんだもんな」

 翔陽君も神様だったとは思ってなかったみたい。

「はい、お父さんとお母さん、そして村の皆さんで作ってくれたんです。」

「小春お前は死んでいたのに何で分かるんだい?」

「えっと、、私が幽霊になってから初めて翔陽君ヴェルちゃんと海晴君でその神社に行ったんですけど、その時に私、自分で見たんです」

「うむ、そうか、人身御供で氷に包まれてて、最近になって黄泉帰よみがったと言うわけか」

「はい」

「人身御供をし幽霊で彷徨っていたか、それとも神様だったか、か、、」

「分からぬが、あたしは人身御供だけで神様になれるとは思えないね」

「だよな!俺が初めに小春を助けた時、母さんは幽霊って言ってたよ」

「うむ。。」

「まぁ真相は小春の記憶がないと分からんちゃね。。」

「そうだな、全て推測になってしまうな」


 。。。


「私、記憶を戻せるように頑張りますね」

「幽体の時の記憶は夢の様に朧げだというが、まぁ期待せずに待つとしようか」


「っていうか!いいんだよ別に幽霊でも神様だったとしても!今は小春は人間で今まで辛い思いをした分これから幸せになるんだから!過去なんて別にどうでもいいだろ!」

「翔陽君。。」

「翔陽。。そうだっちゃね!」

「ああ、そうだね。。信じられないくらい壮絶な過去。それなのにその世界の、そこの人々のために自分も犠牲して。。」

 ニケが私を抱きしめたくれた。

「これから幸せにならないとね」

「はい、私は今幸せです、皆さんがいるから。」

「ああ」

「エックさんを見つけて私も皆さんを幸せにしたいです、あと、、海晴君も、、私みたいに何とかならないかな。。」

「ありがとう小春。。」

 ニケちゃんがさらにぎゅっと私を抱きしめた。

「海晴。。」

「ダーリン。。」

 翔陽君とヴェルちゃんが木々の葉っぱの揺れる空を見上げた。

「海晴のことも我らができる限りをするよ」

 ビアちゃんも物思う顔で空を見上げた。。

「じゃあ行こう。私達に止まってる時間はない」

 ニケちゃんが立ち上がった。

「そうだな」

「ダーリン。。」

 すくっと皆んな立ち上がった。

「行こう!」 


 ニケちゃんの声と共に私達は新緑香る光芒の中私達は少しだけ大きくなった気持ちに押されて一歩を踏み出した。




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