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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
85/110

仲を深めるって素晴らしいな




 皆んなの楽しそうな笑いが夜の草原に響く。



 その楽しげな声は三日月と天の川の流れる美しい星空へと吸い込まれていった。





 ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー



 もう陽が落ちた。


 辺りは闇に包まれてる。


 俺達はニケちゃんの大石の棲家のある花の咲き乱れる草原へ帰ろうと向かって歩いてる。


 先頭を少し警戒しながら歩く俺、たまにヴェルさんが道を確認に空へ飛んでいく。


 もう少しで花畑の 


 お腹マジですいた。

 体は全快してるのに全然調子でねーなーー。

 海晴がいなくなったり腹が減ったりで心が疲れてる。。


 小春もヴェルさんも皆んな一言も話してない。


 みんなを元気づけないと。

 そう思った途端、ガサッと物音がした。

「ん!」

 俺は立ち止まって後ろの二人にも止まるように両手をひらげた。

 そしてゆっくりしゃがむ。。



 。。。



 ガサ、、


 ガサガサ、、



 やっぱり何かの足音がする。



 空気がピーーーーンと張り詰める。。



 ガサ。。


 ガサ。。



 足音が重い。

 きっとこの生き物は相当大きそうだ。。


 戦うか。。


 いつでも火の珠を創り出せるように俺は準備した。

 後ろで小春とヴェルさんも戦うための圧を高めてる。。


 

 。。。



 。。。。



 足音がしなくなった。。



 どこか行ったか。。?



 。。。。



 。。。。



 俺はそーっと辺りを見渡した。



 何もいない。



 。。。



 バサ!!!!!

「うわ!!!!!!」


 目の前に真っ黒な物が突然現れた!!


 咄嗟に俺は火の珠を創り出した!

「待て待て!儂だ!」

 キラッと赤い目が光った。

 艶のある黒い毛、長い口から光る牙。


「ネ、ロ??」

「そうじゃ!」


 。。。


 途端に安堵感が俺に押し寄せてきた。

 ビュン!!!!

 何かが暗い森の中を飛んでいった!


「びっくりしたっちゃ」

「危なかったです。。」


 後ろではヴェルさんがパリパリと光る雷の珠を構えていた。

 小春はもう動いた後だった、何かを投げた後の姿勢で止まってる。

 さっき飛んでいったのは小春の氷の大針か。。

 咄嗟に誰にも当たらない所に飛ばしたっぽいな。


「お主らが遅いから迎えにきたのだ」

「そうだったのか、ごめん」

「よかった!ありがとうだっちゃ」

「ネロちゃんありがと」

 小春がネロに近寄って首を撫でた。

 首を伸ばしてまんざらでもないネロ。


 グゥーーーー。。

 安心したらまた腹が鳴った。


「ふふ!翔陽お腹すいたっちゃね!」

「あーもうペコペコ!」

「儂もじゃ!早く帰ろう美味い飯が待っておるぞ!」

「やった!!」

「早く行くっちゃ」

「行きましょう!」

「うむ!こっちだ」



 俺達はまた歩いて花畑の真ん中の住処すみかを目指した!




 。。。。。。




 黒狼のネロが花畑の真ん中にある大石の住処の案内してくれた。


 三日月と信じられないほどの星が天で輝いてる。


 俺達は夜の花畑のを俺達は通りに受けていく。

 夜なのに優しくて甘い香りが香ってくる。

 

 夜空の明かりに照らされる花畑もこれはこれで綺麗だ。。


 夜の花畑を抜けて俺達はニケ達の住処の大岩へ到着した。

「どこだ?」

 住処の大岩の中は真っ暗だ。。

「こっちだ」

 ネロが大岩の横を歩いて行った。

 俺達はネロについていく。


 大岩を回り込むとパッと急に明るさが目に飛び込んできた。

 そこには金銀財宝かと思ってしまうような物が目に飛び込んできた。


「ここじゃ!もう準備はできておるぞ!」

 そこにあった物を見て「うおーーーーー!!」っと俺は思わず叫んだ!

 

 俺たちの見る先には色とりどりの果実に、今取ったばかりであろう魚がいっぱい石の皿の上に並べられてる。

 さらにその奥には新鮮な肉がいっぱい!

 石で丸く積み上げられたコンロの中には赤々と火が焚かれてる!

 枝に刺さった大きなブロック肉と川魚のあゆがコンロに立てられてて、早く美味しく食べて下さいと言わんばかりに良い匂いと湯気を上げてる。。

 だめだ見てるだけでよだれが出る。。

 火の光を浴びて食べ物達がキラキラと光って宝石みたいだ!


「凄いっちゃーー!!」

「美味しそうですねーーー!」

「今日は気力体力をするために遠慮なく食うが良い!」

「うおーーー!ありがとうなネローーー!」

「私感動しましたーー!嬉しいですーー!」

「最高のご飯だっちゃ!!!!」

 俺達皆んなに元気が急に溢れ出した!

 俺と小春はネロに抱きついた!

 わしゃわしゃと撫でるっとネロは凄い気持ち良さそうに目を閉じる!

 小春は美しい黒毛に埋もれてる!

「これ凄いっちゃーー!!美味いっちゃーー!」

「え?」 

 俺と小春はネロから顔を離して石のコンロの方を見ると。。。


 ヴェルさんが肉を手に持って今にも食べそうだ!

「みんなおかえり!」

 大岩の住処の方からニケちゃんとビアが歩いてきた。

 手には瓢箪ひょうたんを持ってる。

 あれは大河ドラマとかでも見たことがある瓢箪の水筒?

「ニケーー!準備ありがとだっちゃ!」

「ああいいよ!今日はご馳走だ!」

「すげーな!めちゃくちゃ美味そうだ!」

「ああ! 凄い美味しいよ!」

「ニケちゃんありがとう!その瓢箪はもしかして」

「これは酒さ!」

「わぁ!お酒もいいんですか?」

「もちろんだ!」

「わぁ!嬉しいっちゃ」

「酒かーー!俺達高校生だけど飲んでいいのかな。。?」

「なんだ?お前達の世界では飲んでrはいけないのか?」

「ああ、酒は二十歳からって規則があるんだよ」

「へーでもこの世界にはない」

「だっちゃ!うちの星でも、もううちの歳だったら大丈夫だっちゃ」

「私のいた村にもありませんでした」

「マジか、まさかの俺が少数派?ははは!」

「お酒を飲めない世界って可哀想だっちゃ!」

「だな!俺も酒は好きだよ!世界も違うし今日は堂々と飲もうぜ!」

「ですね!」

「そうだよ!この世界ではね、酒を飲み交わすとその仲は悠久の仲って言うんだよ」

「あ!それ父ちゃんも言ってました!」

「いいっちゃねそれ!」

「じゃあ乾杯しようぜ!」

「するっちゃ!!!」

 ニケが小さな皿の様な器に酒を注いだ、四つ注いだら、さらに二つ大きな皿の器に酒を注ぐ。

「はいみんな」

 ニケちゃんが酒を渡してくれた。

「キュイ!!」

 バサバサっと恐竜の赤ちゃんがニケちゃんの前でバサバサと羽ばたいた。

「キュイイイ!」

 まるで僕もいるよって言ってるみたいだ。

「ふふふ、お前も欲しいのか?まるで私達のしていることをわかってるみたいだね」

 笑いながらニケちゃんはもう一つ小さな器に酒を注いだ。

「ふふふ、きっと私達と同じことしたいんでしょね」

「動物ってそういう本能があるって言いますもんね」


「じゃあそろそろ」

「俺は酒を手に持った!」

 みんな合わせて酒を持つ!

「かんぱーーい!!」

「かんぱーーい!!」

「かんぱーーいだっちゃ!!」

「かんぱーーい!!」

「乾杯じゃーー!」

「乾杯!」

「キィウイーーー!


 みんなで盃を持って酒を高く上げた!

 それから口に酒を含む。

 フワッとコメの甘みが口の中に広がった。。

「うま!!」

「これ。。美味しいですね!」

「プハ!最高だっちゃ!」

「キュイーー!」


「はぁ。。たまらないね。。」

「じゃあご飯も食べるっちゃ!」

 ヴェルさんが近くにあった骨つき肉を手に取った。

「ヴェルさっきあんた達が取ってきた山岩塩の花びらを砕いてかけてごらん、凄い美味しいから!」

「あ!わかったっちゃ!!!!」

「はいヴェル」

 小春が山岩塩の花をヴェルさんに渡した。

「小春ありがとうっちゃ!」

 ヴェルさんは山岩塩の花から一枚花びらを剥がして肉の上で花びらを砕いた。

 パラパラと山岩塩が骨つき肉に降りかかる。

 すげー美味そうだ!!


 バクッとヴェルさんが肉にかぶりついた!

「ウヒョーひおへほほふはおいひーひゃ!」

「ははは、ヴェルさん何言ってるかわからないって!」

 その向こうでニケちゃんとビアも山岩塩をかけて骨つきにくを食べてる!

「ひょうひょうほほはふほ、ほっほほふっほ!」

「いやヴェルさんだから何言ってるか分からねーよ、ははは!」

「ほひ」

 ヴェルさんが俺と小春に骨つき肉を渡してくれた。

「ありがと!」

「ヴェルありがと」

 俺と小春は骨つき肉をを受け取っった。

「いただきます」

 小春は目を閉じて一つ礼をした。

「いただきます」

 俺も釣られた。

「ただきますっちゃ」

「キュイーー」

 ヴェルさんもゴクンと肉を飲み込んで恐竜の赤ちゃんと一緒に真似していただきますってやってる。

「うちいつも思ってたんだけど、これなんだっちゃ?」

 あ、ヴェルさんはいただきますを知らなかったみたいだ。

 それはそうか、宇宙人だしな。

「ヴェル、私達が食べてるこのお肉とかお魚とかお野菜は生き物でしょ?」

「うん、そうだっちゃ」

「私たちは植物や動物の命を摘み取って私達の命の糧にしてる訳じゃないですか」

「だっちゃね」

「いただきますっていう言葉で、私たちの糧となる命に感謝を伝えているんですよ」

「なるほどだっちゃね。」

「だな!いただきますって感謝の言葉だよな」

「はい」

 小春が笑って頷く!

「わかったっちゃ」

 ヴェルさんは目を閉じた、そして。

「いただきます」

 しっかりと感謝の気持ちを込めてヴェルさんはいただきますを言ってた。

 それを見てニケちゃんとビア、ネロがニコッと笑った。

 

「山葵も持ってきてやったぞ」

 ネロが笹で包まれた包みをの紐を咥えて持ってきた。

「何?食べてもいのかい?」

「今日は特別だからな!」

 ビアがすげー嬉しそうだ!

 そんなにあれ美味しいんかな?

 笹の包みを開くとそこには緑色の太い根をした植物があった。

 俺達が覗き込むとニケちゃんが来て。

「これは山葵だ」

 小刀でニケちゃんは左ヤリシャリと植物の太い根を削った。

 削るとそれは艶やかな山葵そのものだった。

「これを少しだけつけて食べるんだ、美味しいよ」

 焼いた肉をチョンとつけてニケちゃんは口に放り込んだ。

 目を瞑るニケちゃん。


 。。。


「。。っん。。っうまい」

 ニケちゃんは一度閉じた目を見開いた。

「わさびかー!それ絶対うまいやつだよな!」

「うちも食べたいっちゃ!」

「私も!」

 俺たちは焼き上がった肉や魚に山塩を付けて食べた!

「うっまぁ!!」

「美味しいっちゃーーー!!」

「これは、、本当に美味しい。。」

「山葵と山岩塩とのコンビネーション!マジでやばい!!美味すぎ!」

 俺達の今まで食べてた塩にさらに旨味が凝縮された感じの山岩塩に、新鮮で辛すぎないワサビが肉の旨味を引き立ててる!


 マジでうまい!!

 

 俺達はワンピースとかドラゴンボールみたいにガツガツと山ほど肉と魚を食べた!

 体に食べた物がエネルギーとして吸収されていくのが分かる!


 美味くて力になるって最高だな!!


 すると「キュイキュイ」っとヴェルさんにピッタリくっついてる恐竜の赤ちゃんが鳴いてる。

「ねぇ翔陽、小春この子何を食べるっちゃ?」

「んーーー。なんだろうな?」

「恐竜の赤ちゃんですもんね。。」

 すると、ピョンとヴェルさんの膝の上から飛び落ちてテクテクと新鮮な小魚の方へと歩いて行った。

 小魚の元でまた「キュイキュイ」と鳴く恐竜の赤ちゃん。

 ヴェルさんが「これ食べるっちゃ?」っと小魚を差し出すとパクッと小魚を食べた!

「おおー!魚なんだな食べるの!」

「だっちゃね!」

 ヴェルさんは石の皿ごと小魚を取ってキュイキュイと餌をねだる恐竜の赤ちゃんに小魚を食べさした。


 俺達は皆んなで火を囲んで食べ続けた!

 

 俺達は果物まで山積みにされていた全ての食べ物を食べ尽くした! 

「腹一杯だ!」

「キュイキュイ」っと恐竜の赤ちゃんも満足そうだ!

「可愛いな」

「ですねーー!なんか愛らしいですね」

「キュイ?」

 俺達を見て首を傾げる。

 つぶらな目が可愛い。

 ちょこちょこしゃがんでる俺に寄って来て、ツンツンと膝を突いてくる。

「めちゃくちゃ可愛いな」

 ヒョイっと俺は恐竜の赤ちゃんを抱き上げた。

 スッと両手の上に乗る恐竜の赤ちゃん、ピョンっと飛んで俺の肩に乗った。

「この子やっぱり凄いですねーー!ほんとに人懐っこい」

 小春も恐竜の赤ちゃんに興味津々。

 指で恐竜の赤ちゃんの頭を撫でてる。

 恐竜の赤ちゃんは嬉しそうに小春の指にじゃれついてる。


「そういえば、ヴェル、この子に名前つけないの?」

 小春がヴェルさんに聞いた。

「ん?」

 まだデザートのフルーツを口いっぱいに頬張ってるヴェルさん。

「んーーそうだっちゃね。。やっぱり名前あったほうがいいちゃね」

 空を見上げるヴェルさん。

 俺達が見上げた空には細い三日月が黄昏の空に浮いている。


 。。。


 ヴェルさんが三日月を眺めて「んーーー」っと悩んでる。


「決めたっちゃ!その子の名前は!」

「名前は?」

「三日月 宗近むねちかだっちゃ!」


 。。。


「ん?」

「え?」

「三日月?」

「ヴェルさん三日月じゃなくってこの子の名前は?」

「だから!三日月 宗近むねちかだっちゃ!」

「えええ?そんな和風な名前でいいのか?」

「うん、いんだっちゃ!変だっちゃ?」

「いやまぁ、なんかもっと横文字なカタカナな名前かなって思ったよ、ははは。」

 海晴がいないとツッコミが足りねーー。。

 今絶対ツッコミが必要な場面やったよなーー。


 ヴェルさんは恐竜の赤ちゃんに手を伸ばした!

「キュイ!」

 ピョンっとヴェルさんの手に飛び乗る恐竜の赤ちゃん。

 ヴェルさんの顔を見てる。

 ヴェルさんも恐竜の赤ちゃんを見て笑いながら。

「お前の三日月 宗近むねちかだっちゃよ!気に入ったっちゃ?」

 話しかけた。

「キュイ!」っとヴェルさんのほっぺたに擦り寄る恐竜の赤ちゃん。

「ほら翔陽!宗近も嬉しそうだっちゃ!」

「ほんとですね!凄いうれしそう!宗近ちゃん!」

「キュ?」

 小春の声にもちゃんと答えてる。

 この子凄い賢そうだなー。

「おい!宗近!」

「キュイ!」

 宗近がこっちを向いた、なんかもう自分の名前だって理解してるっぽい!

「ヴェルさん、名前呼んだら宗近って名前もはまってる気がしたよ!」

「本当だっちゃ!?」

「ああ!でもなんで宗近なんだ?しかも三日月」

「翔陽は地球人で日本人なのに三日月宗近を知らないっちゃ?」

「三日月宗近?、、うーーーーん。。」

 俺は思い出そうと試みたんだけど全然思いだせない。

 歴史の授業とかも嫌いじゃないし成績も悪くないから多分勉強不足とかじゃないと思うんだよな。

「いや分からないな、多分その名前は習ってない」

「そうなんだっちゃ?三日月宗近はね、世界で一番美しい日本刀だっちゃ」

 ヴェルさんは肩に乗る宗近を見ながら。

「だからお前も世界一美しくって、切れ味鋭い子に育つんだっちゃよ」

 ヴェルさんがニコッと笑って宗近を見た。

 宗近は「クルルル」っと鳴いてヴェルさんのほっぺたに擦り寄った。

 ちゃんと通じ合ってるみたいで凄い。

「本当に親子みたいだな」

「ですね!」

「俺はてっきりサンダーレウスとかミラージュレイアとかそんな名前つける物だと」

「ははは!翔陽なんだっちゃその名前めちゃくちゃダサいっちゃ!」

「え?そうか?いけ!サンダーレウス!とか火炎攻撃だ!ミラージュレイア!とかカッコいいだろ?」

 俺は身振り手振り伝えた!

「翔陽それ、、、厨二病っていうっちゃよ!」

「うるせ!三日月宗近も変わらねーって!」

「あははは!そうだっちゃね!うちも厨二病だっちゃ」

「ふふふ!私はどっちもカッコ良いと思いますよ」

「ははは!小春は優しいなー」

 なんか久しぶりに笑った。

 あーでも海晴のツッコミが足りてない。

 あのキレのあるつっこみがなんかもう懐かしく思える。。


 あ。。

 ダメだ、もう一回その事は忘れよ。

「おい!サンダーレウスこっちに来い!」

 俺は腕に乗って来いって感じでグッと肘を突き出した!

 プイ!

 え?

 うるさいって感じでそっぽを向かれた。

 まじか?

「じゃあ!ミラージュレイア来い!」


 。。。


 次は冷たい目で俺を見てる。

 なんでだよ。

「三日月宗近、頼むから来てくれ」

「キュイ」っと鳴いてピョンっと俺の腕に宗近が飛び乗ってきた。

「お前は三日月宗近なんだな、わかったよ。」

 俺は完全に諦めた。

「宗近おいで」

 ピョンっと小春の肩に宗近が飛び移った。

「この子本当に可愛いしすっごい賢いですね!」

「賢いっちゃ!」

「翔陽くん宗近って名前は日本刀からってヴェルちゃん言ってたじゃないですか」

「うん?」

「サンダーレウスとかって何だったんですか?」

「ああ、ははは、その宗近っていうか、宗近のお母さん恐竜もなんだけどさ、なんか、でっかい爬虫類で恐竜てっ感じもあるけどさ、なんか昔やったゲームに出てきたモンスター似てるんだよな、リオレイアとかリオレウスって言うんだけど」

「ゲームですか?」

「モンハンだっちゃね!アニメであったっちゃ!」

「さすがヴェルさんアニメ好き!」

「でもアニメよりゲームの方が本物の恐竜みたいな感じでこの宗近にすげー似てるんだよな」

「そうなんだっちゃね!でもこの子はもう宗近だっちゃ!リオレウスじゃないっちゃ!」

「分かってるって!そこをもう変える気はないんだけどさ、単純に似てるなーって」

「確かに似てるっちゃね」

 すると。

「宗近おいでー」

 少し離れた所でニケちゃんが小魚をフリフリしながら宗近を呼んだ。

 バサっと宗近は小春から飛び降りてピョコピョコとニケとビアの方に跳ねて行った。

そしてバサっと翼を使いながら、ニケの横で寝転ぶビアの上に飛び乗った。

「キュイ」っと小魚をもらう宗近。

 ニケちゃん達を見る俺たちに、ニケちゃんはふっと笑って。

「よかったら、お前達の世界の話を聞かせてくれないか?私はお前達と仲良くなりたい、お前たちの事を知りたい」

 少しはにかんだ様な表情でニケちゃんは言った。

「キュイ」っと宗近がニケちゃんの膝に飛び乗った。

 ニケちゃんのセクシーな太ももの上でゴロンと寝そべる宗近。

 ちょっと羨ましい。

「翔陽くん、、」

「あ、、ははは」

 小春にジト目で睨まれた。

「はははは。。」


「もちろんだっちゃ!」

「うちもニケと仲良くなりたいっちゃ!」

 俺が馬鹿な事を考えてたら、ヒューーーっとヴェルさんが飛んでニケちゃんの横で座った。

「私もです!」

 小春もニコッと笑ってニケちゃんを挟んで座った。

 嬉しそうにニケちゃんは笑うと、手に持ってた小さな徳利とっくりに入ってる飲み物を飲んだ。

「ぷは。」

 っと息を吐くニケちゃん、少しほっぺたが赤い、、もしかしてそれは。。

「それもしかして?」

 ヴェルさんも気になったみたいだ。

「これか?これは神酒みきだ」

御神酒おみきですか?」

「ああそうだ」

 さっきまでと違う酒だ、御神酒って神様のお酒じゃないのか?

「うちそれ好きだっちゃ」

 ヴェルさんの目がキランっと輝いた!

 絶対ヴェルさんわかってないよな。

「飲むか?」

「飲むっちゃ!!」

 いいのかい!?

「私もいいですか?」

「もちろん」

 そういうとニケちゃんは小さな皿にに注ぎ始めた。

「はい」

「ありがとうございます」

 いいな俺も欲しいかも。

「はい」

「あ!サンキュ」

 さも当然のようにニケちゃんは俺に渡してくれた。

 女子会みたいで少しそこに入るのどうしようか迷った俺には嬉しかった!

 スッと俺もそばに座った。

 宗近にもニケちゃんは御神酒を注いであげてる。

 それから二つの 大きなお皿にも注いでビアとネロの前に出した。

「今日は良き日だね」

 ニコッと笑うビア!

 スッとニケちゃんが持ってる御神酒の入った皿を俺達の方へ出した。

「乾杯だっちゃね!」

「そう」

「いいな!」

「はい!」

「キュゥ」

「うむ!」

「では!」


 みんな御神酒の入った皿を持ったり咥えたりして差し出した。

「私は翔陽、小春、ヴェル、あと、、、海晴に。みんな本当にありがとう、皆んながいなかったらきっと私はここに帰ってこれなかった、私はみんなに感謝してるんだ、ありがとう。乾杯」

 ニケちゃんが少し照れた顔で盃を突き出した!

「乾杯!」

「乾杯だっちゃ!」

「乾杯です!」

「キュイ!」

 パシャンと俺達は盃を当てて御神酒を飲み干した。


 それからみんなで御神酒を飲みながら夜空を見上げた。


 三日月と満天の星々が共存しているうつ串い夜空がそこにはあった。

 天の川がはっきりと見える。。


 綺麗な空を眺めて。

 ほろ酔いでお腹いっぱい。

 幸せな時間だ。。

 みんな久しぶりの幸せな時間に浸ってる。

 

「みな、腹は満たされたか?」

 ネロがスッと話しかけてくれた。

「ああ!お腹いっぱいだ!ありがとなネロ!」

「ありがとうだっちゃ」

「皆さんありがとうございます!」


「体ももう良さそうか?」

 ニコッとニケちゃんが笑う。

「ああ!大丈夫だ!」

「大丈夫ですニケちゃんのおかげ」

「そうだっちゃ!ありがちうだっちゃ!」

「よかった!」


「よかった、回復できたようで何よりだ!それでな、改まってなのだが、皆に聞いてほしいことがあるのだ」

「うん」

 皆んなネロの注目した。


「この森が今急激に奇怪おかしくなってきているのだ」

「だよな。」

「わかるっちゃ」

「うむ、、数日前までは、猫守びょうしゅ様とエックにニケ、神に携わる者がが急にいなくなっておったのだが、今ニケが帰ってきてくれて」

「うん?それ良い事じゃないのか?」

「そうなんだが、ニケはエックとついなのじゃ」

「やっぱりそうなんですね。ニケちゃんエックの事、凄い心配してましたもんね。。」

「うちがいない時の話だっちゃ?」

「あ、そうです、ヴェルが神様を探しに行ってる時、ニケちゃん海晴くんを守りながらそのエックさんの事もすっごい心配してたんです。。」

「そうなんだっちゃね、で、ニケだけいるとダメなんだっちゃ?」

「そうなのだ、ニケは命を生み出しエックは命を終わらせるのだ、もし、ニケかエックが片方になるとどうなるか分かるか?」

「エックさんの場合は命を終わらせて辺りの生物が死滅するとかですか?」

「うむ、そうだ、ならば命を生み出すニケの場合は?」

「すっごい大きい木とか草が生えるとかだっちゃ?」

「違う」

「うーーーん草木で世界が溢れかえる?」

「それも違う」

「もしかして。。」

 ニケちゃんの表情が曇った。。

「草木が枯れてしまうのか、、?」

「そうだ、栄養過多で草木が枯れてしまうのだ」

「お水をあげすぎたお花が枯れるような物ですね」

「それだ」


 。。。


「私はどうしたら」

 ニケちゃんが困ってる。。

 でもこんな時!

 やる事は決まってるだろ!

「エックを俺たちで探しに行こうぜ!二人揃えばなんとかなるんだよな!」

 俺は皆んなの顔を見た!

「そうだっちゃ!」

「そうです!」

「お前達、、」

 ニケが驚いた顔でこっちを見てる。

「なぜお前達、我らを助けてくれると言うのかい?」

 ビアも驚いてる。

「当たり前だろ!この森のピンチなんだろ?」

「そうだっちゃ!ダーリンも言ってたっちゃ『この綺麗な世界を守りたい、この地球にいる皆んなを、俺は幸せにしたいねん』って、、、ダーリンのしたかった事はうちがやるっちゃ!!」

「私たちは世界を救う力と運命がありますからね!やらなきゃです!」

「ああそうだ!海晴なら絶対この世界も助けるって言うぜ!」


「お主達。。」

 黒狼のネロも驚いてる。


「エックとニケが揃えばきっと猫守びょうしゅ様も帰って来られるはずだ」

「そうなのか?」

「ああ、猫守びょうしゅ様は慎重な方だからな、きっと今守ってくれるエックとニケがいないから身を隠してるに違いない」

「そうなんですね」

猫守びょうしゅ様が帰ってきたらダーリンを見てもらうっちゃ!」

「そうだな」

「やる事がはっきりしましたね!」

「ああ!楽しみになってきたな!」

「だっちゃ!」


 ニケちゃんが俺たちの方を見て微笑みながら考えてる。

 それからニケちゃんはニコッと笑った後に俺たちに向かって聞いてきた。

「翔陽、ヴェル、小春、、改めてなんだけど、、あなた達は一体何者なの?海晴もそうだったけど皆んな神様のような力を使う」

「そうだね、あたしも確認した方がいいと思ってたんだよ」

「ああこの力か」

 俺はポッと火の珠を出してさらにボォォォっと手の上で燃えさせた。

「何??なんだそれは?お主ら全員できるのか?」

 ネロが驚いてる!

「出来ますよ」

 小春も氷の珠を創り出して掌の上に浮かせた。

 ッパっと爆ぜさせて手の周りに雪を降らせる小春。

 そんな事も出来るのか?

 俺は小春の出した雪を見て少し驚いた。

「うちも出来るっちゃよ!」

 そう言うとヴェルさんも雷の珠を創り出した。

 そして上空に投げる!

 バリバリっと天に向かって電撃が飛んだ!


「ニケ、ビアお主達、神に繋がる者達を連れてきたのかも知れぬな」

「ああそうかもね」

「翔陽あなた達は一体誰なの?人間?」

「うん、それはな!かなり話が長くなるんだけどいいか?」

「ああ構わぬ!」

「ねぇうちもうちょっと飲んで良いっちゃ?」

 ヴェルさんが御神酒をまた飲みたそうにしてる。

 ってか俺ももうちょっと飲みたい!

「あ、そうだねゆっくり飲みながら聞くよ」

 クイっとニケちゃんは御神酒を飲んだ。

 ぷはっと息をはくと共に二ケちゃんの頬がピンクに染まった。

 綺麗な金髪の長い髪に少し潤んだような青い大きな目、白い肌がふわっとピンクに彩られた。

 日本人離れした綺麗な人だな。。

 どう見てもヨーロッパとかの方の人に見える。。

 

 そしてニケちゃんがまたみんなの盃に御神酒を注いでくれた。

 俺はクイっと御神酒を飲んだ。

 ックっと喉が熱くなるのに口の中に爽やかな甘みを感じる。

「やっぱりこの酒、美味いなー!」

「本当に美味しいですねこれ」

 小春も横で美味しそうに頬を赤らめてた。

 ニケが御神酒の入った土器の徳利を回してくれた。

 俺は受け取って御神酒を注ぐと顔を上げた。

「じゃあ、話していくか」

「だっちゃね!まずはね」


 。。。


 そこから俺たちはここに至るまでの経緯を話した。

 俺達の世界で起きている不可解な事件や災害の数々に宇宙人のヴェルさんの登場。

 地震を起こす真っ黒な海月くらげに、渦巻きを起こす巨大烏賊。

 槍のような雹を降らす黒蘭鋳に、津波を起こして水を操る水馬。

 目を赤く光らす性格の悪そうな黒い大蛇。

 それにそれらの元凶であろうタトゥーの男。

 それらの戦いの話をニケちゃん達は目を輝かして聞いていた。

 

 そして俺達の世界の話で俺たちは大いに盛り上がった!

 ニケちゃんとビアも見てきた俺たちの現世のテレビや車、電車、建物に商店街のネオン。

 ニケちゃん達には全て驚きの連続で、習慣の違いなどでも凄い盛り上がった。

 御神酒の力もあって凄い楽しそうに色々聞いてくれたし、俺たちも楽しく話せた。

 あんなにビアとネロも楽しそうにするんだな、ってくらい本当に楽しそうだった!

 ニケちゃんも小春とヴェルさんと楽しそうに話してて俺も嬉しかった!

 なんかネロとビアのニケちゃんとこうやって火を囲んで楽しく笑う光景が俺には初めてに思えなかった!

 ヴェルさんも「なんかニケといるの初めての気がしないっちゃーー」ってとろんとした目で言いながら抱きついてたし。

 ニケちゃんも「わたしも、、なんだかそんな気がする」そう言ってた。

 俺たち相当気が合うみたいだな!


「あははは!」

「ははははは!」

「ふふふふふ!」


 皆んなの楽しそうな笑いが夜の草原に響く。

 その笑い声は三日月と天の川の流れる美しい星空へと吸い込まれていった。。


 そして俺達の親交を深めた夜はゆっくりと更けていった。




 ーーーーーーーーーーーーー



 どうや?

 準備はできたか?


 もうバッチリ、完璧よ


 ックックック

 あいつらも明日動き出す

 上手いことやるんやで


 もちろん


 ックックック

 楽しみやなぁーーーー





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