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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
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湯に咲く花って素晴らしいな

 



 白い木々に丸く囲まれあたこの空間は、なぜか真ん中だけ湯気が煙突のように、大木のように立ち昇っている。


 周りの木々はあいも変わらず真っ白で、さらに足元から真っ白な岩の上をサラサラと透明な温泉が流れていて。


 真ん中に進むにつれて、棚田たなだの様に何段も何段もお湯だまりの温泉があって、この白い木々に囲まれた広場、その広場の真ん中が一番高くなってる。


 流れる温泉の水が光をキラキラと反射させて広場が輝く。


 よく見ると小さな白い鳥と白い蝶々が飛んでさらに空中で羽をキラキラと光らせて飛んでいた。




 ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー




 俺達はエックを探す前夜の夕食ように、山岩塩を探しに出発した。

 山岩塩やまがんえんがある温泉が湧き、白い湯気の立ち昇る林を目指し始めた。


 俺と小春、ヴェルさんと恐竜の赤ちゃんと四人で進んでいく。


「このまま、まっすぐだっちゃーー!」

 空からヴェルさんが湯気の場所を教えてくれてる。

 

 俺達は走らずにしっかりと地面を踏み締めて進んでいく。


 空を見上げると少し陽が傾いてる、でも明日に向けて体力は温存したい。

 俺は俺自身に慌てないで大丈夫だ、と言い聞かせながら不思議な森を歩いていた。


 パシャパシャと足元の水が撥ねる。

 俺達は今、水の流れる森の中を歩いていた。

 不思議な森だ。。

 

 緩やかな傾斜の斜面を澄んだ透明の水が流れていく。

 辺りの木々は碧く、葉っぱの間から傾いた太陽の光をキラキラと降らしていた。

 小魚や水中の生物達も元気に俺達の足元を泳ぎ回っている。


 その魚達を狙ってか色々な種類の鳥達が飛び回り、きつねたぬきも堂々と歩いている。

 何よりも俺達の目を奪ったのは美しい翡翠ひすい色の羽を持つ翡翠かわせみ

 色の名前に使われるほどの美しい色の羽は光の辺り具合でエメラルドグリーンに見えたり濃いディープブルーの見えたりで俺達の目を引き寄せた。

 この森の鳥達は警戒心が薄いのか翡翠かわせみは恐竜の赤ちゃんと仲良く戯れていた。


 幻想的な水の流れる森で、飛ぶ宝石って言われてる翡翠かわせみと古代の生き物の恐竜の赤ちゃん。

 それに宇宙人のヴェルはさんも嬉しそうに飛んでて、なんだか俺はファンタジーの世界に迷い込んだ様に俺は思えた。


 まぁ俺も火の珠とか創り出すんだから俺自身も現実離れしてるんだけどな。

「はははは。」

「翔陽君、どうしたの?」

「あ、いやなんだか現実離れした世界だなって思てさ」

「ふふふ、ですね、私の生きていた世界からしたら翔陽君達の世界も、この森の世界も考えられないことばっかりです」

「まぁそうだよな。小春は、生き返って俺達の世界に来たんだもんな、どっちかっていうと俺達の世界の方がびっくりするよな!ははは!」

「そうですよ、ふふふ」

「翔陽、小春、楽しそうだっちゃ!どうしたんだっちゃ??」

 ヴェルさんだ飛んできた。

「いや最近さ、俺達不思議な世界にいるなーーって思ってさ」

「そうだっちゃ?」

「ああそうだよ!」

「ふふ、ヴェルにはきっとこの世界も普通なんですね」

「ある意味すげーよな!」

「どういうことだっちゃ?」

「いやまたヴェルさんの星の話とか聞かせてくれよ、これが普通って思えるってすげーよ!」

「そうだっっちゃ?じゃあ湯気の林までうちの星の話をするっちゃ!」

「いいですね!気になります」

 小春も興味津々だ。

「じゃあうちの家の周りにいた動物の事から話すっちゃ!」


 俺達はヴェルさんの星の話を聞きながら湯気の林を目指して歩いた。




 。。。。。




「あ、ここっぽいな!」


 そうかからずに俺達は湯気の林の前に着いた。


 もやもやとした湯気がもくもくと吹き出して、森の木々に上へと抜けていく。

 湯気に包まれた森、すげー迫力がある。

「確かにこの森に一人で入るのは勇気がいるな」

「だっちゃ!」

「この先に温泉があって安全だってわかってても入りづらいですね」

「そうなんだっちゃ、上から見ても白いもくもくにしか見えないんだっちゃ」

「そっか、でも安全らしいし、行こうぜ!」

 俺はもくもくした湯気の中にボフンっと入っていった。

 小春とヴェルさんも少し怖がった雰囲気で俺の後ろに続いて入ってきた。


 森の中はさらに見た事のない幻想的な光景だった。


 美しい真っ白の苔が生えた木々は白い世界の中に生えていて木々の葉っぱの間から光が差し込んでいた。

 

 暖かい。

 森の中が暖かい。


 この森。

 湯気だけじゃなくって全部が白い。

 白い湯気と白い苔、それに植物の葉っぱも白い。

 足元を暖かい水が流れていく。

 きっとこの水全部温泉だな。。

  

「すっごい白いっちゃ。。」

「白いですね。。」

「視界が狭いからみんな離れるなよ」

「わかったっちゃ」

「はい」

「でもどこに向かったらいいか分かりづらいっちゃね」

「だな。。」

 俺は狭い真っ白で狭い視界の中で辺りを見渡した。

 これは自分がどこにいるかも見失いそうだ。


 俺は子供の頃一度だけ深い霧に覆われた山の中で迷子になったことがある。

 怖かったあの時の記憶が蘇ってきた。


 顔を落として俯いた俺の目の前には温泉のお湯が流れていた。

 チャプチャプと俺の足に温泉のお湯は当たり後ろへと流れていっていた。


 あ。

「俺源泉の場わかる。」

「ほんと?翔陽君?」

「本当にだっちゃ?」

「ああ!わかる、帰りも迷わず帰れる!」

「どうしてわかるんだっちゃ?」

「源泉はこの下の流れるこの温泉の出どこだろ?だからこの温泉の流れを遡れば源泉がある、そして温泉の流れる同じ方向に向かえば帰れる!」

「確かに!そうですね!」

「だっちゃ!じゃあこの温泉を遡っていくっちゃ!」

 ヴェルさんが楽しそうに飛び始めた!

 俺達もヴェルさんについく。

 恐竜の赤ちゃんもヴェルさんのすぐそばを飛んでる。

 俺達はどんどん真っ白な森を進んでいった。


 。。。。。


 コポコポコポっと辺りからお湯の湧き出る音がし始めた。


「もう少しっぽいな!ヴェルさんここからは歩いて行こう!」

「ん!わかったっちゃ!」

「温泉のいい匂いもしますね」

 俺達は流れる温泉の源泉を目指して歩いた。

 すると俺達の前に白い木々の壁が現れた。

 木々の隙間がすごい少ない。

 これは木々の壁。。


 足元を見たら温泉のお湯は木々の間から流れ出てきている。

「これどこから入るっちゃ?」

「わからないな」

「ここからは、入れないですね横に歩いて入れる場所を探しませんか?」

「だな」

「だっちゃ」

「行きましょう」

「小春なんかウキウキだっちゃね」

「だよな、小春なんでだ?」

「あ、私、温泉大好きなんです!」

「温泉!そんなに良いんだっちゃ?」

「はい最高なんですよ!ヴェルは温泉入った事ないの??もう、ずーーーっと浸かってたくなるの、それにお風呂上がりの肌がすごいツルツルになるんですよ!」

 ニコッと小春はヴェルさんを見て笑った。

「それはすっごい楽しみだっちゃ!!」


 俺達は生い茂って壁の様になっている白い木を横目に歩いていった。


 すると目の前の白い湯気が光をこぼしていた。

「あそこなんかあるんじゃないっちゃ?」

「ですね!」

 小春とヴェルさんが駆け出し始めた。

「お。」

 俺も慌てて追いかける!

 小春とヴェルさんが湯気の中に消えた。


 ボフン!


 濃い湯気の中に飛び込んだ。


「うわ。。」

 真っ白の世界だ、完全に何も見えない。

 俺はその場で立ち尽くしてしまった。


 。。。


「あ、、」


 真っ白な世界の中で、横から光が差し込んでいるのを見つけた。


 なんでこんな濃い湯気の中で?


 俺は少し心配な思いのままゆっくり歩いていく。

 ハァハァハァっと息が切れてる。

 この湯気の中で聞こえるのは俺の息切れの音だけだ。。


 息を整えながら俺はゆっくりと差し込む光の中へ入って行った。


 ボフ。。


「あれ?」

 急に視界がひらけた。

 並んで立っていた木々の壁の間から俺はその中に入っていた。


 フワァーーーっと上から風が俺の体を吹き抜ける。

 壁になっていた木々の中ははっきりと景色が見えた。

 

 真っ白であたりを隠していた湯気が周りに無い。

 久しぶりに周りが見える!


 白い木々に丸く囲まれあたこの空間は。


 なぜか真ん中だけ湯気が煙突のように、でっかい大木の様に立ち昇っている。

 小くて真っ白な温泉がだんだんに棚田の様に何段も何段もお湯だまりがあって、この白い木々に囲まれた広場、その広場の真ん中が一番高くなってる。

 一番高い所からサラサラコポコポと源泉が湧き出ていて、湧き出た源泉からすごい量の湯気が上空に向かって上がっていく。

 きっと真ん中の源泉の温度が高いんだろうな。

 熱さから上昇気流が巻き起こってる。

 その上昇気流のせいで広場の周りは空から新鮮な空気が吹き込んでるみたいだ。


 今までなかった太陽の光が注ぎ込んでる。

 流れる温泉の水が光をキラキラと反射させてる。

 よく見ると小さな白い鳥と白い蝶々が飛んでさらに空中で羽をキラキラと光らせて飛んだいた。

 真っ白な源泉は本当に美しいところだった。


 また今まで見たことのないファンタジーみたいな世界だ。。

「すげーー。。」


「すごいっちゃ。。」

「。。。」


 俺の前で小春とヴェルちゃんもこの源泉の美しい景色に魅了されていた。

 棒立ちで立ち尽くす小春とヴェルさん。

 かく言う俺も棒立ちで立ち尽くしていた。


「本当にすごい森なんですね。いっぱい幻想的な景色が。。」

「だっちゃね。。」

「俺達凄いところに来てるんだな」


 。。。


「そろそろ山岩塩探しますか?」

「だな」

「探すっちゃ!」


 俺達は一歩ずつ前へ歩き出した。

 白い蝶々がひらりひらりと時折俺達の所へ飛んでくる。

 人差し指を立ててヴェルさんが蝶々と戯れて笑ってる。

 小春もその姿を見て嬉しそうに微笑んでた。

 なんかいいな。

 ここに海晴もいてくれたたらな。。

 

「クエッ」と俺の足元で恐竜の赤ちゃんが鳴いた。

「はは、俺を忘れるなってか?可愛いやつだな」

 俺は両手で恐竜の赤ちゃんを抱き上げて肩に乗せた。

「クエェ」っと恐竜の赤ちゃんは嬉しそうだ。

 俺はさらに一歩一歩と源泉の方へと近づいた。

 段々になって続く温泉に落ちない様に棚の様になってる端を歩きながら登って行った。

 棚になってる源泉のところは湯気で中心が見えない。

 足元の温泉は上に上がるほど熱くなってるように感じる。


 そして中心の側の最後の棚を登った。

「うわ」

 一気に気温が上がった。

 湯気が目の前だ。

 そっと立ち昇る湯気に手をのばした。

「熱っ!」

 湯気すげー熱い!!

「どうしたっちゃ翔陽?」

「この先すげー熱いな、湯気さわれないくらい熱いよ」

「ほんと熱いですね」

 汗を拭う小春。

「この先に行くのは危ないっちゃね。。」

「だなーー。。」


「でもニケ達は危なくないって言ってたからきっとここら辺にあると思うっちゃ」

「ですね!」


 俺達は暑さから何段か温泉の段を降りた。


「でもここ凄い温泉だっちゃねー。真ん中から温泉が沸いて、段々の温泉の湯船がいっぱい、凄いっちゃ」

「ですねーー疲れてるしこの温泉に入ったらきっと癒されるんでしょうね。。」

 小春が凄い温泉に浸かりたそうな寂しい目で温泉を見ている。

 いや、、小春が言うなら良いよって言いそうだったけど、流石にダメだろ、ニケ達が待ってる。

 しかも腹が減った。

 そう思った途端、グゥーーーーっと腹が鳴った。

「あ、ごめんごめん!」

「私こそごめんなさい、山岩塩を摂って早く帰ってご飯にしましょう!」

「だっちゃうちも温泉に浸かりたいけど何よりもお腹減ったっちゃ!」

「ニケちゃん達も持ってますからね」

「だな!」


「持って帰らなきゃな山岩塩ってどんなんだっちゃ?」

「いや、、わからないな、、」


 俺達は足元を注視した。

「ん?」

 温泉の上に花びらの様なものが浮いている。

 それが湯船になってるのうち側に張り付いて花が咲いているみたいになってる!

「すげ、花が咲いてるみたいだ」

「すっごい綺麗だっちゃーーー。。」

 ヴェルさんが改めて温泉のあるこの景色に見惚れている。

「これは湯の花ですね」

「ゆのはな?だっちゃ?」

「そうです。温泉の成分が凝縮してできるのがこの湯の花なんです」

「小春よく知ってるっちゃね!」

「ふふ、昔一度だけ父ちゃんが持ってきてくれた事があったです」

「そうなんだ、俺もテレビで見たことあるよ」

「じゃあこれがニケ達の言ってた山岩塩だっちゃ?これを取って帰ったら良いっちゃね?」

「だな!」

 ヴェルさんがひょいひょいっと湯の花を温泉の棚から取った。

「ヴェル全部取っちゃダメだよ、十輪もあったら大丈夫だと思うぞ」

「わかったっちゃ!」

「クエェ」っと恐竜の赤ちゃんも一輪とってた。

 ヴェルさんが五輪、俺と小春で四輪、恐竜の赤ちゃんは一輪摘んだ。

「よーし!暗くなる前に帰ろうぜ!」

「お腹空いたっちゃ!」

「ですね温泉入りたかったけど、今日は帰りましょう」

「また温泉は入りに来ようぜ!」

「だっちゃ!!」




 そうして俺達は幻想的な真っ白な温泉を後にしてニケさん達のいる花畑の棲家へと向かった。




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