出逢い編 幻想的な森って素晴らしい
海月達の傘から夜が降り注ぎ、傘の下に見事な暗い空間を創り出している。
その森はまるでキラキラと色とりどりの星々が散りばめられた、夜の様に見える。
海月の傘の間から夕暮れ時の日光が差し込み幾本もの光の線を描いている。
その海月達の森の間を、手のひらサイズの小さな海月が夜空の様な森の中をふわりふわりと浮いている。
小さな海月達も真っ黒でキラキラと色とりどりの光の粒を体内に浮かべている。
なんて幻想的。
俺はファンタジーの世界に迷い込んだみたいや。。
ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー
「なんや、、この光景は。。」
「不思議な景色だっちゃ」
「これは、どうなってるんだ、、?」
空から降ってくる海月は黒くキラキラ光り空を覆い尽くす勢いや。
まるで真っ黒な海月夜を創り出してるみたいや。
漆黒の海月が創り出す幻想的な空を、俺達はただただ眺めていた。
「どうなってるや?これ」
「すごい綺麗だっちゃ。これは地球ではなかなか無い事なんだっちゃ?」
「こんな現象。。見た事ないな。。こんな生き物がいるなんてのも聞いた事もないよな」
俺達三人とも海月が舞い降りていくこの不思議な、幻想的な景色に目を奪われている。。
しかしこの感情、、感動に恐怖が入り混じってる。。
空からひらりひらりと降りて来る漆黒の海月達。
そしてその中の一番大きな海月が目の前の大通りに降りて来た。
でかいクラゲや、小さな家くらいの大きさなんちゃうか?
ふわりと目の前の通りの道にその大きな夜の様な海月が着く。
触手は地面の上にぐにゃんと着陸して海に打ち上げられた海月みたいになるんやろな、って思ったんやけど、そうはならへんかった。
スッと漆黒の海月の触手は質量が無いかのように、幽霊のようにすっと道路に突き刺さった。
そして途中まで入るとそこで海月の降下は止まった。
「何?あの海月?実体がないんか?」
俺が疑問を投げかけたその途端!
ゴゴゴゴゴゴゴ。。。
地面が揺れた!
「地震や!」
「急に何だ!海月か!!もしかして、あいつのせいなのかよ!?」
「地球の生物って不思議だっちゃーーー。」
「あんな生物聞いたことないって!」
また別の少し小さな海月が道路へと降りる。。
海月の触手がすっと道に吸い込まれる刺さった。。
「また、揺れるのか??」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
地震の第二波!
揺れがさっきの地震よりさらに強くなった!
また別の海月が道路に降り立つ!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
海月が降り立つたびに第三波、第四波と地震が起こり海月の数が増えるほど揺れも激しくなってる。
黄昏の空から降り立った何匹もの海月達は触手が刺さるとその場で止まり、まるでオブジェの様に堂々と立ってる。
まるでキノコみたいや。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
「あかん!やばいやばい!!」
もう立てないほどの揺れになってきてい
る!
これ以上はマジやばい!!
「なぁ海晴!この地震はあの海月のせいだよな!!」
「うん!地面に立ってるアイツらがやってるっぽいよな?」
「じゃあ海月を何とかしたら地震が止まるって事っだっちゃ??」
「そうやな!」
「おい!被害が出る前になんとかしにいこうぜ!!」
翔陽が道に向かって駆け出す!
翔陽ってこういうやつなんだ。
誰かが困ってたら何の迷いもなく駆け出して行く!
正義感の塊みたいな奴!
翔陽がドアを開けて外へと駆け出して行く!
その翔陽に続く俺とヴェル!
ドアから出た途端地震で地面が揺れる!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
また揺れた!!!
今度の揺れはかなり大きい!!!
この揺れはもう走れへん!
揺れすぎやわ!
身動きが取れへん!!
立ってるのも大変やんか!
部屋の壁にもたれてバランスを取る俺!
「うわ!!」
ゴロゴロゴロ!!
翔陽の声が聞こえた!
ゴゴゴゴゴ。。
なかなか揺れがしずまらへん。。。
。。。。
しずまった!!!
また駆け出して階段を降りるとそこに翔陽が倒れてた。
「え??翔陽!!大丈夫か!!??」
階段から落ちたんか??今の地震のせいか?
俺は翔陽に駆け寄った!!
「何でやねん!大丈夫か翔陽!?」
うそやろ?
翔陽が動かへん意識がない!!
口元に手を当てる!
「翔陽大丈夫だっちゃ?」
心配そうに覗き込むヴェル。
息はしている!
「おい!翔陽!!」
パチ。
目を開けた!
「いってって。。」
翔陽が気を取り戻した!
「翔陽大丈夫だっちゃ??」
「ああ、頭打った。。」
頭をさする翔陽。
「いきなり倒れててめっちゃ焦ったわ!」
「階段降りてる最中に地震が来るなんってマジかよ。。」
ふわり。。
「あ。。。海月や。。」
俺の目の前、翔陽のすぐ側に身長より少し高いくらいの海月が舞い落りてきた。
舞い降りた海月の光る触手が歩道の石畳に刺さる。
漆黒の海月の体内に浮かぶ星の様な光が地面の中へと伝って行くのが目で見える。
途端に揺れる地面。。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。。。
「うお。。!」
「うわ。。。!」
立ってられへん!
さっきよりも揺れがひどい!
「俺より先に海月を!これ以上の地震はマジでやばい!!」
「そうやな!!」
「いくっちゃ!!」
漆黒の海月がいっぱい降り立った大通りに目を向ける。。
「な、なんだこれ。。」
俺はゆっくり立ち上がりながら大通りを眺める。
目の前にある物はいつも通り見慣れている大通りなんかでは無かった。
目の前にある物は。。
夜の森。
そう、森の木々の様に頭を超えるサイズの漆黒の海月が立ち並ぶ。
海月達の傘から夜が降り注ぎ、傘の下に見事な暗い空間を創り出している。
その森はまるでキラキラと色とりどりの星々が散りばめられた、夜の様に見える。
海月の傘の間から夕暮れ時の日光が差し込み幾本もの光の線を描いている。
その海月達の森の間を、手のひらサイズの小さな海月が夜空の様な森の中をふわりふわりと浮いている。
小さな海月達も真っ黒でキラキラと色とりどりの光の粒を体内に浮かべている。
なんて幻想的、ファンタジーの世界に俺は迷い込んだみたいや。。
こんな景色見たことない。
地球じゃないみたいや。
恐ろしい。
俺は美しすぎる夜の森に恐怖を覚えた。
海月の夜の森の真ん中には、一番大きくって、普通の海月よりもさらにキラキラ光る夜のネオン街の様な海月がいる!
他の海月よりも背が高いので一目でどこにあるかすぐ分かった。
初めに地面に到達して一番初めに地震を引き起こした、あの漆黒の海月。
この地震を止める為にはあの一番大きな海月とを何とかしたら止まる!
そんな気がする。。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。。
また揺れた。
地震の最中、漆黒の海月の森の前で茫然と立つ三人。
「これ!早く地震を止めないないとヤバすぎだろ!」
「でもどうやって止めたらいいんやろ。。」
「地面からあの一番大きな海月を引き抜いたらダメなんだっちゃ?」
「ああそっか。そうだな!それや!引き抜こ!あとあの黒い蛇に気をつけないとあかんよな」
「確かにそうだな!」
「あの蛇が一番の原因だっちゃ!あいつを捕まえたら蒲焼きにして食ってやるっちゃ!」
。。。。
ヴェルを驚いた顔で見つめる俺と翔陽。
「ヴェルさんそれは。」
「ヴェル、、蛇を食うってなかなかキモいで。」
「え?そうなんだっちゃ?殺し屋の漫画で食べてたっちゃ!」
「いや普通は食べへんで食べるのはファブルぐらい」
「そうなんだっちゃ??うち食べてみたかったのに残念だっちゃーー!」
「食べることに旺盛過ぎるやろ!」
「ヴェルさんは欲にすな。。。」
『ウウウウ、、、助けて。。』
少し離れた所から誰かの声がした!
俺たちは揃って声の方を向く。
事故した車からドアを開けて一人這い出て来ている。
頭から血を流し目が虚や。
事故した時にぶつけたんやろ。。
その人とは別に近くの道にも中国の高位な人の服を着た人が一人倒れている。
何んなんや?あの服、中国人?一人でなんで倒れてるん?何かぶつかったんか?
「海晴!俺は先にあの人達を助けて来る!海月は任せた!すぐ追いかけるから!」
「おっけ!!じゃあ俺は先に元凶の海月を何とかしに行くな!!」
俺は倒れてる人に少し疑問を持ったけどとにかく翔陽にその場を任せた。
「うちも行くっちゃ!」
俺は海月の森へ向かって猛ダッシュで駆け出した!
作幻想的な海月の森に入って行く。
パラシュートの様にゆっくりゆっくりと降りて来ている幻想的な大小の海月を左右に体を振って避けながら、俺は一番大きな地面に突き刺さっている海月を目指して駆けて行く!
空中にはまだまだ夜空の様な大小の海月がいて、どんどん降って来ている。
この海月が全部地面に降り立って、その降り立った分地震が強くなったとしたら。。
この大浜町が崩壊するんちゃうか?
ヤバ過ぎる。
震災が起きるんか?
ここまでままだ余震なんか?
そうとまで思えてしまう。
あかん、絶対止めなあかん!!
必死に夜の様な海月の森を馳ける俺とヴェル!
あの大きい漆黒の海月が降り立ったのは家の前の大通りの道の真ん中やったんや!
そんなに遠くないやろ!
漆黒の海月の森に入ったら真っ暗でどこに何があるか全く分からなくなった。
どこや?俺はあの一番大きな海月を探しながら俺は走った。
「あ!」
チラッと海月達の間から一番大きな海月が見えた!
もう目の前や!すぐそこにいる!
大きな海月に向かって全力疾走する!
浮いている小さな海月にも触れない様に俺は見事なステップで駆けて行く!
もう少しや!
「あ!くそ!」
ところが、もう少しの所で、俺の目の前には小さな海月が無数に舞い降りて来ていた。
小さい執行の海月は俺を通さない様にしているのか大きな海月への方向で、壁の様に浮いている。
くそ!その小さな海月達の先にはもう地震の元凶と思われる大きな漆黒の海月が見えているっていうのに!
大きな傘のせいか一番大きな海月の周りには普通の海月達は舞い落ちてなくって少し広い広場みたいになってる。
広場の様になっているその空間はもう俺の目の前やのに無数に浮いてる、小さな海月のせいでその広場に入れへん!
向かおうべき方向を塞がれてる。。
俺はどしようもなくってその場で立ち止まる。
ふと頭に不安が過ぎる。
この地震を起こす海月。
触ったらどうなるんやろ。。
小さい奴なら触って平気かな?
こいつら払い退けてあの大きな海月のとこに行けたらいいんやけど。。
いやあかんよな、地震を起こす様な海月や、絶対触らないほうがいいやろ。。
「くっそ!」
仕方ない、横から回り込んでみよ!
そしたら通れる隙間もあるかも知れへんし!
俺は進むべき方向を変えて駆け出そうと一歩、地面を蹴る。
しかし俺は見落としていた。。
今にも道路に着こうとしていた漆黒の海月を。
俺の気づかないとかろで海月が地面に着いた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
駆け出した足元を地震が揺らした。。
地面を蹴り出した途端に足をすくわれた、俺は駆け出した勢いそのままにバランスを崩して、前に飛び転がった。
やばい!
前に小さな海月の群れがある!
俺の体は宙を舞ってしまってる。。
周りの景色がゆっくり流れてるように感じる。
昔あった事故の時みたいや。
「やっば!!」
これやばいのか??
これあの黒い海月に触ったらどうなるんや。。
よくないよな。。
どうなるか想像も出来ひん。。
目の前に小さな海月の群れがもう迫ってる!
やばい。
ぶつかる!
っくそ!!
「っちゃ!!」
ガシ!!
ザザ。ゴロゴロ。。
俺は横から何かにぶつかられて小さな海月の群れに突っ込まずに済んだ。
どうやって俺は助かったんや?
俺の膝の上になんか重みを感じる。
「ヴェル?」
膝の上にヴェルがいた。
「大丈夫だっちゃ?」
ヴェルが起き上がりながらこっちを見つめてニコッと笑う。
可愛い。
惚れてまうやろこの感じ。
「ありがとう!」
俺が転んで海月の群れに突っ込みそうな所をヴェルが助けてくれてた。
ギリギリの所やった!
ヴェルのおかげで助かった。。
「海月に突っ込まなくってよかったっちゃ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「うわ、、」
また揺れた!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
なかなか地震が止まらへん。。
ずっと揺れているのか??
すごい揺れで動けへん。。
「もう目の前なんだから慌てる必要ないっちゃ」
「そうやな」
揺れに耐えながら周りを見渡してみる。
無数に降ってきている漆黒の海月、大きな海月も小さな海月もまだまだ降ってきている。。
フワリ。フワリ。。
これ、、この降ってきてる海月が連続で地面に降り立ったらここ地震止まらへんよな。。
それどころかドンドン揺れが悪化するよな。。
このまま揺れが収まるのを俺は待ってて良いんか?
このまま待ってたら揺れは治る保証はあるんか?
いや。。
そんな保証有るわけがない。。
絶対今行ったほうがいい!!
少しでも早く地震を止めたほうがいい!
ガラガラガラ。。
何かが崩れ落ちた音がした。
地震で何かが崩れたんか?
ゴゴゴゴゴゴオゴゴゴオゴゴゴオゴゴゴゴ!!!
あかん。。。
さらに揺れが大きくなってる。。
「このままじゃあかん!俺行くわ!」
そうヴェルに言うと俺は揺れる森の中を駆け出す為に、足の裏をしっかり地面に密着させ、転けない様に気を使いながら思いっきり蹴り出した!
ッダ!!
よし!走り出せた!
後ろから「気をつけるっちゃ!」っとヴェルの声が聞こえてきた。
ありがとうって俺は心の中で答えた。
揺れで走りづらいけど転けないようにしっかり地面を蹴ることを意識して走る!
ふわふわそこら中にいる海月にも当たらないように気をつけながら、避けながら走る!
木の様に生えている大きな海月がある。
あいつを回り込んだらあの一番でっかい海月の所に行けそうや!
俺は木の様に生えてる海月をぐるっと回り込んだ!
「あ。」
回り込むと少しばかりの明かりがの目に飛び込んで来た。
木漏れ日の様に夕焼けの赤い光が差し込んでる空間に俺は出た。
一番大きな漆黒の海月と、その他の木の様になってる大きな海月は明らかに大きさが違う。
だから傘と傘の間からまだ僅かに残る夕焼けの光が差し込んできている。
夜を落とす海月の傘の下に差し込む赤い夕焼けの光が、さらに幻想的な海月の森を作り出してた。
大きな海月の傘の下はどうなっているか分からへん、けど、何故か空中にキラキラと星が浮いてる様に見える。
その星々の中で泳ぎ回る小さな海月達。
まるで母親の傘の中で楽しく遊ぶ子供の海月みたいや。
ゴゴゴ。。。
揺れ続けていた地震が収まった。
俺は小さな海月の間を触らない様に慎重に通り抜けて、広場の様になっている空間に足を踏み込んだ。
一番大きな海月に恐る恐る近づいて行く。
静かや。。
何でやろこの広場には音がない。
自分の心臓の激しく躍動する音まで聴こえそうなくらい、その漆黒の海月の作った空間は静かやった。
夕焼けの差し込む光の中で俺は足を止めて大きな海月を見上げた。
大きな海月の傘から他の海月には無い、黒い触手が何本も何本もダランと垂れている。
その触手の一部がキラキラ光って、星が傘の下で浮いてるように見えていた。
ほんまに、一体なんなんやこれ。
幻想的すぎる、この世界の物じゃない、異世界みたいや。。。
なんで、どうなって、こうなったんや。
疑問がどんどんと頭の中で湧いて来る。
いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。
地震を止めんと!
フワフワ浮いているいる小さな海月に当たらない様に慎重に大きな海月に近づいて行く。
一番大きな海月の傘の目の前まで来た。
この海月の下が一番夜が濃い。
ゴクリ、と俺は喉を鳴らして慎重に傘の下へと入って行く。
傘の下に入ると、少し傘の下の状況が見えた。
垂れ下がる触手が何本も何本もたら下がっていて地面の中に入っている。
俺は触手と辺りに浮かぶ小さな海月に絶対、触れない様に気をつけて奥へと進んで行く。
遂に目の前に大きな海月の幹となる触手の側まで来た。
黒い夜の様な海月は近くで見れば見るほど大きくって、色とりどりの光が螺旋状に幹の周りを登っていく、下から光をどんどん吸い上げているっぽい。
何をしてるか意味が分からへんけど、とにかくこれは良くない事が行われてるって事は俺にも分かった。
早くこの大きな漆黒の海月を道路から引き抜かんと。。
でもこれどうやって引き抜いたらいいん?
この漆黒の海月を引き抜くには今の俺の目の前にある、海月の一番太い幹みたいな触手の束を手で掴んで引き抜かなあかんやん。
なんか真っ黒な闇みたいで、ピカピカ光る粒もいるし、、それに!
動いてる!
グニョグニョグニョグニョ。
気持ち悪い!
海月ってさ、俺、海で遊ぶから知ってるんやけど、めっちゃ毒あるねん。
うーーー、こいつもあったらどうしよ。。
俺は躊躇してしまった。
ほんまに素手で掴んでいいんかな??
さっきまで小さい海月に当たらない様に危機回避したばっかやのに、それを自ら掴まなんとあかん。
めっちゃ怖いやん。。
。。。
「わ!」
「うわ!びっくりした!!!」
心臓が飛び出るかと思った!
振り向いたらヴェルがいた!
「美、びっくりさせるなよ!」
「ごめんちゃ!で、大丈夫だっちゃ??」
「心臓が飛び出るか思ったわ!」
「あははは、ごめんっちゃ!海月は大丈夫そうだっちゃ?」
「ああ、そっちの大丈夫か、いやどうしたら良いかって、、、」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオゴゴゴゴゴオゴゴゴオゴ!!!!!
「うわ!」
「ちゃ!!」
地震がまた襲う!
「早く止めないとダメだっちゃ!もう二人で一気に抜くっちゃ!!!」
ヴェルには全く躊躇がない!!
「そうやんな!!」
ヴェルに勇気をもらった!!
「よしやろ!!!」
「せーーーーーーの!」
二人で同時に海月の幹に触手を掴む!!
掴めた!
軽い!
抜けそうや!
ズズズ。
少しだけ漆黒の海月が地面から抜けた!
その時!
「うわぁぁぁぁぁああぁぁっぁぁぁぁ!!!!」
「ちゃぁぁっぁぁぁぁああぁぁっぁぁぁ!!!」
触手を持った手から俺の中に何かが流れ込んできた!!!
重たくて冷たい黒い闇の様な物が体に流れ込んで来ているのが分かった。
「あああぁっぁぁぁぁぁ。。。」
これは良くない。。
でも何でや手を離そうにも離せへん。。
怯んだらあかん、とにかくこの海月を抜かんと。。。
「ヴェル、、引っ張ろ、こいつ、抜こ、」
「分かったっちゃ、、」
「せーーー、、の」
ズズズ。。
動く引っ張れば海月はゆっくりやけど抜ける。
「うあぁぁぁ。。。!!」
その度に体に闇が流れ込んでくる。
それでも俺たちは抜くことを諦めずに引っ張った。
ズズズ。。
「ちゃあぁぁぁぁ!!」
ズズズ。。。
徐々に漆黒の海月が地面から抜けてきた。
もう少しで抜けそうな気がする。。。
抜けば抜くほど、身体の中が黒い闇の様なものに満たされて行く。
黒い闇の侵入に抗うことができひん。。
ズズ。
あ、力が入らへん。。
ヴェルも苦しそうや。。
ググ。。
ググググ。。。
あかん。。。
力が。。。
「ちゃ。。。あ。。。」
ヴェルも体に力が入っていない。。
くそ。。
もう少しで抜けそうやのに。。。
これ以上抜く事が出来ひんのか??
くそ。。
力が。。。
何とか、出来ないか。。。
。。。
うあ。。
どんどん黒い闇が侵食して来る。。
くそ。。
どうしようも。。
ないんか。。。
。。。。
ガシ!!!
「おい海晴!大丈夫か??!!」
翔陽の声が聞こえた。
俺とヴェルの間に翔陽が飛び込んで来た!
「俺も手伝うぜ!!!」
躊躇なく大きな漆黒の海月の幹を思いっきり抱えこみ、引き抜こうとする翔陽。
「うおぉぉぉぉ!!」
ズズズズズズ!
めっちゃ動いた!!
抜けていく大きな漆黒の海月!
もう少しや!!
俺ももっと力を!
「うあぁああぁぁ!!」
「ちゃぁあ!」
ヴェルもさらに力を振り絞っている。
ズズズズズズ。。
もう抜ける。
根っこの様な引き抜かれた触手がうねうねしている。
「あと、、、少し!!!」
翔陽が声を上げた!
『キュイィィィィィイイィィィィ!!!』
途端に甲高い鳴き声の様な音が鳴り響いた!
ドッゴオォォォオオオォォォゴゴゴゴゴオオオ!!!!!
揺れた!!
ゴゴゴゴゴゴオゴゴオゴゴオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
ものすごい勢いで地面が揺れてる。。
さっきまで海月の幹を登って行っていた光がドンドン地面へと戻っていってる!
やっぱりこの海月が地震を起していたんや!
にしてもこの揺れは。。
やばい!
めちゃめちゃやばい!
漆黒の海月が抜かれない様に抵抗しているのか。。
闇の侵入も一気に加速した様に思える。
腕がやばい。。
「ぐぅぅぅ。。」
翔陽も苦しそうな声をあげている。
「くそ。。もうちょっとなんだ。!海晴!ヴェルさん!一気に抜こう!最後頑張ろう!!」
ああ。。
分かってる。
返事する力も無いけどとにかくやってみるしかない!!
「いくぞ!せーーーの!!!」
叫ぶ翔陽。。
ズズズズズ。
「もう、抜けそうだぞ、、、もうちょっと、、頑張ろうぜ!!」
「や、るっちゃ!」
「「「うおーーーーーーー!!!!」」」
ズズズズズズ!
ズッパーーン!!
抜けた!
大きな漆黒の海月を三人でバックドロップをするかの様な姿勢で地面から引き抜いた!
その勢いで俺たちは地面に転げてしまい。
そのまま倒れ込んだ。。
動けへん。。
『キュウイヤァァアアァァァァ!!!』
大きな海月が叫んで暴れる。。
この大きな海月から手を、体を離したい!
やのに根っこみたいな海月の触手が俺たちに絡みついて離れられへん!
それに黒い闇のようなものがどんどん俺たちに侵食してくる。。
力が入らへん。
動けへん。。
翔陽もヴェルも動けていない。
目が虚で苦しそうや。。
あかん。。
どうしようもない。。
くそ。。
俺達三人の体は侵食していた黒い闇の様なものに満たされてしまった。




