軽くなるって素晴らしいっちゃ
黒い長めの美しい毛を靡かせて、長い足で凛々しく立つ姿はまるで伝説の狼みたい。
青い輝く瞳がさらに神々しさを助長している。。
ーーーーーー リム・ラ・ヴェルーーーーーー
ダーリン、うち、どうしたら良いんだっちゃ。
もうずっとこうやって泣いているけど涙を流す以外どうしたら良いのかわらないちゃ。
止めどなく溢れ出てくる涙よりも、ダーリンとの思い出や気持ちが際限なく溢れ出てくる。
もうどれくらい泣いたのか。。
空がオレンジ色に染まってきてるっちゃ。
ダーリンとは色々な思い出があるっちゃ。
空の上で夕陽を眺めたり。
初めて会った時の思い出も。。。
うちははっきりと思い出せるっちゃ。。
そういえば。
ふっと思い出と共に可能性を思いついたっちゃ。。
「ダーリン。。」
うちは思い出を胸にダーリンの頬を触りながら一つキスをした。
始めた会った時、唇が触れ合ってるその時にうちは目覚めたっちゃ。。
ダーリン。。
起きて。。
お願い。。。
起きて『何やってんねん』って怒ってほしい。。っちゃ。。
ダーリン。。
お願いだっちゃ。。
キスをしてるとうちから落ちた涙がダーリンの頬を伝って流れた。。
。。。
ダーリン。。
バチン!!!
痛!
何か当たった!
ガサガサ!
何かの気配が、、する。。
何かに見らてる。。
『何やってんの!?きもい!!』
『不穏な奴らがおる』
声まで聞こえた!
うちは頭を上げた。。
「誰だっちゃ?」
「誰だ!!」
「誰??」
翔陽と小春もスクッと涙を拭いながら立ち上がり辺りを見渡した。
うちも涙を拭い声のした方へと目を向けた、そこには木の影になっているその中に二つの鋭い光る目が浮いてる。
ダーリン?
んん。。
違うっちゃ。
ダーリンはここにいる。
あんな所にいる訳ないっちゃ。。
二つの目の身体は影の中にいるから全然見えないっちゃ。
なんだっちゃ?
ダーリンを狙ってきたっちゃ?
絶対ダーリンは渡さないっちゃ、うちが守るっちゃ。
うちは岸ぎわで水に浸るダーリンに覆い被さるように抱きしめた。
『本当にきもい』
どこからともなく聞いたことのない女の声が聞こえてきた。
『隠れずに出てこい!』
ザンッ!!
木陰の中から何かが飛び出した!
ッザン!!!
飛び出したそれはうちらとニケと呼ばれてた女と白い狼の間に着地した!
「すげぇ、カッコいい。。」
翔陽が呟いてた。
着地したそのカッコいいという物は、真っ黒い大きな大きな狼だった。
黒い長めの美しい毛を靡かせて、長い足で凛々しく立つ姿はまるで伝説の狼フェンリルのみたい。
青い輝く瞳がさらに神々しさを助長しているちゃ。。
「ネロ!」
ニケと呼ばれている女が黒い狼に声をかけたっちゃ。
「ニケ!やっと帰ってきたのか!一体どこにいっておったのだ?今こっちは大変な事になっておるぞ。。」
「すまない、ビアともう本当に奇怪おかしな世界に行っていた。。本当に帰って来れてよかった。。」
「ビアは大丈夫なのか?」
「大丈夫、でも、かなり傷を負ってる、今はちょっと回復に寝ているよ」
ビアと呼ばれる白い狼は黄緑色の楕円型の光の中で眠っている。
白い狼の周りの草がザワザワ、ニョキニョキと育っている。
不思議な光だっちゃ。。
少しのぞむんが学校で使ってた、クラスメイトを治した光に似てるっちゃ。。
あ、泣いていて気づかなかったけどうちらの周りにも黄緑色の光の中にいたっちゃ。
「あの者達は誰だ?食って良いのか?」
黒い狼がこっちを見た。
絶対ダーリンは食べさせない!
うちはダーリンを抱きしめながらギッと黒い狼を睨みつけた!
「だめよ、食べちゃだめ。あの人達のおかげで私達は帰って来れたんだ」
「そうか、ならば礼をせねばならんな」
「そうだね」
グッと黒い狼がこっちに一歩足を踏み出した。
ッザッザッザッザッザッザッザ。。
黒い狼がこっちへ歩いてくる。
敵では無いと分かっていてもその神々しい風貌がうちらの警戒心を煽るっちゃ。
構える翔陽と小春、うちはダーリンをキツく抱きしめる。
「我は貴様らを襲うことはない、恐れることはないぞ」
「ああ、分かってたんだけど、すごいな、プレッシャーで緊迫してしまったよ。。」
翔陽は構えていた手を下ろした。
「なんて神々しいわんちゃん。。」
小春も戦闘体制をやめたっちゃ。
「誰がわんちゃんじゃ!」
黒い狼が小春を睨んだ。
「あ、ごめんなさい。」
「まぁ良いお主らには恩があるようだしな。」
途端にうちを見下ろす黒い狼。
「だめだっちゃダーリンは食べさせないっちゃ!!」
「食べはせぬ!!!」
「その者は死んでおるのか?」
じっと黒い狼がダーリンを見つめている。
「うむ、、死んでおるな、最後に一度、猫守様に見てもらうと良いぞ。恩人なのだそれくらいは許してやる」
「どういう事だっちゃ?誰だっちゃ猫守様って?」
「その猫守様に見てもらって何かあるんだ?」
「安らかに成仏できるとかですか?」
「成仏か、まぁ外れてはおらぬ」
「えっと猫守様はこの森の神様ですか?」
「小春。神様なんて空想のもので本当にはいないから。」
「そうなんですか?私の時代にはおられましたよ。っていうか翔陽君、家が神社なのにいないって思ってるんですか?」
「いないだろ?神様は人の心の拠り所で、神社も同じくだよ。」
「違います!神様はいます。」
「どっちでも良いっちゃ。猫守様とかに見てもらってもダーリンは帰って来ないんだっちゃ。だったらうちがずっとこのまま付き添っていくっちゃ。。」
「坊主!神様はおるわ!!おらんなど知識や経験が足りておらぬ!!猫守様も立派な神様じゃ!!」
「そう、なのか、、?」
「そうです!」
「それに女!この森は生と死を司る神秘の森じゃぞ!猫守様は本当にごく稀じゃが死んだ者も生き帰らす事もあるのじゃ」
。。。。。
「「「え。。。?」」」
「生き、、返る、、ちゃ、、??」
「ダーリンが、、??」
「生き返ると言ってもワシが今まで見てきた中で生き返ったのは一人だけだがな。そして猫守様に見られた者は死して灰とかし、そして大地に帰り、転生の輪廻に帰っていくのじゃ」
「ダーリン。。」
「ということは海晴はその神様に見られたら骨も埋めてやることもできないのか。」
「そうだ、今まで何百何千という生き物が灰となってこの森へと帰った、毎日毎日猫守様は死んだ動物や植物を見とっている、しかし不幸なことではない。命の廻りに帰れるのじゃからな、時にはもう間も無く離れる命を刈り取ることもあるがな」
「怖いな、死神ってやつか?」
「いやそうではない、生と死の森の神はやはり生と死の神なのだ、もう終わる命を摘み取り新たな命を生み出す、そうしてこの森は豊かな森となっおるのだ。」
「生み出す、生き返すではないの?狼ちゃん?」
「誰が狼ちゃんだ!わしは黒狼のビアだぞ!神に使える黒狼だ!」
小春は怖くないのか少し笑って黒い狼ちゃんを撫でてるっちゃ。
「そうだな、生み出すのか生き返すのかどっちなんだ?」
「むぅ、どっちかいうと生み出すだ、しかし、一人だけ、一人だけ猫守様に見られ灰にならずに生き返った者がいる。」
「一人だっちゃ?」
「そうだ。」
「そうなんですか。。」
「うむ、あやつは特殊な男だったからな、生き返るなど期待せぬ方が良いぞ、その男はもう死んでおるから輪廻に返してやるのが一番の弔だぞ」
「分かったっちゃ。。どうやったらその神様にダーリンを見てもらえるんだっちゃ??」
「ヴェルさん。でももし生き返らなかったら海晴は。。灰に帰って何も残らなくなるんだぜ。」
「だって、、だって、、このままダーリンの体があっても、何もないのと一緒だっちゃ。だったら。。」
うちは溢れる涙と一緒にバチャンとダーリンに倒れ込んだ。。
「ヴェルちゃん。。。」
「うちはダーリンの為に出来る事全部やりたいんだっちゃ。。」
「ふん、その男をそこで腐って朽ちさせるのも、灰となり輪廻に帰してやるのもお主らの自由だ、好きにしたらいい」
「ダーリン。。」
うちは立ち上がった。
「いつまでに猫守様に見てもらったらいんだっちゃ??」
力が湧き出てきた。
一気に視野も広がって体が軽くなった。
「猫守様を探しにいくのか?」
「行くっちゃ!」
「そうか、、その、、」
「どうしたっちゃ?」
ニケって呼ばれてる女が辛そうな顔してる。。
ダーリンの事悲しんでくれてるっちゃ。。?
「すまなかった。私たちがこの世界に帰ってくるためにお前達を巻き込んだ。。それにそのせいで海晴が。。」
「うちヴェルだっちゃ!お主じゃなくってヴェルって呼んでくれたら良いっちゃ、それにここにいる誰も悪くないっちゃ。。
うち闇に侵食されて真っ暗な中にいたんだけど、ずっとみんなの事感じてたっちゃ、ここにいる全員が昨日の事の被害者なんだっちゃ。。あの恐竜もきっと、被害者だっちゃ」
「ヴェル、私はニケだ、あそこの白狼がビア、ニケとビアと呼んでくれたらいい」
「ニケ、わかったっちゃ」
「ヴェル。。ありがとう。」
「ニケもボロボロだっちゃ。休んだほうがいいっちゃ」
「ああ、だけど私は海晴がヴェルを守ったように私も海晴を守るよ」
「分かっちゃったっちゃ、ありがとうっちゃ」
そういうとニケはダーリンに手を当てて目を閉じた。
するとダーリンの周りに淡い黄緑色の光が広がった、ダーリンを包み込むように広がる光。
全身を覆うと光の広がりは止まり、淡い輝きでダーリンを照らした。
二重で黄緑色の光がダーリンを包んでる。
「ヴェルさん俺も神様を探しにいくよ!」
「私も行きます、、」
体から血を流しながらも翔陽と小春も立ち上がってくれた。
でも、ガクッっと立ち上がった小春は膝から崩れ落ちた。
「小春!」
「大丈夫だっちゃ!?」
「うん。。」
グググっと無理に立ちあがろうとする小春。
「小春!?大丈夫か?」
翔陽が小春を支てる。
「うん、でも何か奇怪しいです。。。」
「それは毒だな、毒の匂いがしよるわ」
クンクンと黒い狼が鼻を鳴らした。
「あ、あの恐竜さんの毒、でも、翔陽君もじゃないの?」
「ああ、俺も背中が奇怪しい、でも海晴を。。」
「動かぬ方が良いぞ。動きまれば毒も回り海晴と同じ運命を辿ることになるぞ」
黒い狼が注意すると、ダーリンの側で膝をついていたニケが立ち上がってッザッザッザっと翔陽に歩み寄った。
「お前達が動けるわけないだろ、体も傷だらけでボロボロ、毒も蝕んでる!」
そう言うとニケは翔陽と小春の胸元をガシッと掴んだ!
「お前!何やって。。。」
ニケの掴んだ手からブワッとまた淡い黄緑色の光が広がって翔陽と小春を包んだっちゃ。
「私はお前達にも死なないでほしいんだ。。。」
ニケって女が唇を噛むような悔しい顔で呟いた。
ポタリと涙が落ちる。
きっとダーリンが死んで一番責任を感じてるのがニケなんだっちゃ。。
「あ、ああ」
「はい。。。」
翔陽と小春はニケの涙に驚き、力が抜けてそこでストっと座った。
うちも翔陽と小春の前そばに来た。
「ダーリンはうちが絶対助けるっちゃ!翔陽も小春もうちを助けてくれて本当に。本当に。。ありがとうっちゃ。。」
うちは翔陽と小春に溢れ出てくる感謝の気持ちと共に抱きしめたっちゃ。
「ヴェルちゃんが無事でよかった。」
小春が優しく囁いてくれる。
「ヴェルさん海晴を頼んだ。。」
そう言うと翔陽と小春は眠るように気を失った。。
きっと二人とも相当な怪我と疲労だっちゃ。
「翔陽も小春も私が守るよ」
「ニケ、ありがとうっちゃ、」
そう言うとニケはダーリンのそばに翔陽と小春を連れていったっちゃ。
三人の間でニケは座禅をするかのように座った。
目を閉じて祈るように静かになったらッスっとニケ周りにも淡い黄緑色の光に包まれた。
うちは猫守様って神様を探しにいくっちゃ。
「ヴェル、今すぐい海晴を猫守様を探しに行きたいと思うけど」
「うん、いくっちゃ」
「もう日が暮れる、日が暮れたらこの森は危ないんだ」
「でも。。」
「私はヴェルも守りたい、このままヴェルを行かすのはヴェルを殺すのとも一緒なんだ」
「そんなにもですか、、?」
「ヴェルさん、きっと夜じゃ見つからないし、朝からがいいって」
「わかった、、っちゃ。。」
うちはダーリンの側で日が暮れて日が昇るのを待ち続けた。。




