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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
75/110

長い長い夜編 皆んな助かったって、、素晴らしい、、


 水平線はオレンジに染まる。


 オレンジからピンク、薄水色、空色から青色と絶妙な色のコントラストは驚くほど美しい。



 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー


 ゾンビとかそんな感じじゃない。


 闇の力を注ぎ込まれて息を吹き返した様なそんな感じ。


 でも恐竜の体を覆う闇の蛇は相当減ってる。

 穴の開いた翼と傷だらけの胸、あとは尻尾を覆う分しか闇の蛇はいない。

 それでもウゾウゾと恐竜の体を蠢く闇の蛇は見てて気持ち悪い。。

 身体中から恐竜は黒い血か闇か分からない液体を空中でだらだら垂れ流し。。

 落ちていく俺達を上空から見つめてる。

 明らかに恐竜の身体もボロボロや。。

 でも、恐竜はまだ確かに生きてる。。

 あの恐竜どれだけ生きる事への執念強いねん。。

 

 グギャァァァァ。。。

 苦しそうに唸る恐竜。


 マダシネナイ。。


 そう言っている様に聞こえた。。


 俺達は300m以上ありそうな高さの崖から落下してる。

 崖の下には決して広くない砂浜が見える。

 くそ、高すぎるやろ!!

 下が海ならこのまま落ちてもまだ生きられる可能性があったのに。。

 とにかくこの落ちてる状況なんとかしないとヤバイ。。

 俺とヴェルだけなら光の珠でなんとかなる。

 でも翔陽と小春ちゃんは絶対助けないといけない、できるならもちろんニケとビアも。。

 俺の光の珠で何とかなるんか?

 

 翔陽の方を見ると翔陽と小春ちゃんはすぐ側で落ちてる。

 小春ちゃんは翔陽の方へ行きたそうや。

 翔陽は地面を睨みつけて何か考えてるみたいや、多分助かる方法を考えてるんやろ。

 すると翔陽が動き出した!

 左手を地面に向かってかざし火の珠を創り出しとする。

 すると小さなの火の珠が掌の上に出来た。


 あれ、なんか火の珠いつもよりちっさくない?

 翔陽は火の珠を爆ぜさせる。

 小春ちゃんの所に行ってまずを小春を捕まえるんやろな。

 ッポンっと火の珠を爆ぜさせる翔陽。

 火の珠に吹き飛ばされ翔陽は小春ちゃんの所に飛びよる。

 ハシッ。

「小春大丈夫か?」

「翔陽君。うん。でも。大丈夫俺が何とかする!」 

 翔陽が小春ちゃんをしっかりと抱きしめた。


 よし翔陽ナイス!


 翔陽はさらに手を地面に掲げて火の珠を創り出そうとしてる。


 。。。


 あれ。。

 でも翔陽の手に火の珠が出来ない。。

 なんでやねん翔陽、頑張れよ!


 でもいつまで経っても何回作り出そうとしても火の珠は出てこない。


 何で??


 もしかして、、、


 翔陽、火の珠を使いすぎたのか。。??

 限界なんか??

 嘘やろ。。


 翔陽はさらにもう一度左手を伸ばし火の珠を創り出そうと力を込める。

 でも手に力が込めれている様には見えへん。。


「な。。。こんな時になんで。。」


 小春ちゃんも手を地面に向けて氷の珠を創り出そうとした。

 でも。

 氷の珠は出来ない。

「うそ。。。。」

 小春ちゃんも呟いてる。。

「ごめん小春。。」

「翔陽君、私もおなじ、もう氷の珠を出せない。。」


 。。。


 地面が近付いている。。

「くそ。。」

 仕方ながい!

 身体ボロボロやけど!

 俺が助ける!

 俺はまだ光の珠を出せる!!


 俺は光の珠を手に創り出した。

 そして光の珠を蹴る!!

 ッパ!!

 光るフラッシュ!


 ッパ!!

 さらに光る!


 ッガシ!

 よし!翔陽と小春ちゃんを捕まえた!

 俺は光の珠を蹴ってさらに下のビーチへとスピードを上げる!


「うわ!!」

 驚く翔陽と小春ちゃん!


 ッパ!!


 地面が目の前!


 クッション代りの光の珠をビーチにぶつかる直前に爆ぜさせた!


 ザザザザ。。


 俺たちは勢いを殺し、砂浜を横向きに滑った。。

 ッパ!

 滑る俺達をさらに光りの珠の勢いで止める。。

 よし!生きてる。。

 翔陽も小春ちゃんも大丈夫。。

 もちろんヴェルも!


「大丈夫か?」

 ニヤリと笑う翔陽と小春ちゃんに向けて精一杯笑った!

 ザザーーーーン。

 翔陽の後ろで青く光る波が崩れ落ちている。

「ヴェルを頼む」

 そっと翔陽にヴェルを預けてた。

「おい!海晴その血大丈夫か?」

 ちらっと足元を見ると俺の腹から出た血でズボンがもう血みどろ。  

「ああ!傷は浅いって!全然痛くないわ!」

 俺は笑った。

「次はニケとビアや!」

 上を見上げると白狼のビアの背に乗るニケがいる。。

 ビアは手足をできるだけ広げて風の抵抗を受けてる。。

 少しでもスピードを落とそうとしているのか。。

 さらにその上から恐竜が急降下してきている!

 ニケとビアを狙ってる!?

「絶対誰も殺させへん。。」

 そう言って俺は崖の方へと走り出す!

 砂浜を駆ける最中に光の珠を創り出し、そして蹴った!

 俺は凄い勢いでニケとビアのいる上空へと飛んでいく!

 恐竜は俺とは逆で上から襲う!

 ニケとビアを挟んで俺と恐竜は突撃していく!

 俺と恐竜どっちが速い。。?

 多分ほとんど同じくらいのタイミングや!

 俺が先にニケとビアを追い越して恐竜に攻撃したい!

 それからニケとビアを掴んで着地や!

 それしかない!!

 俺はまた光の珠を蹴った!


 交差する二人と二匹!


 くそ!俺より一瞬恐竜の方が早かった!

 上右空から重力の助けがあったからか?

 上からの恐竜に襲撃に前足を恐竜に噛まれる白狼のビア!

「離せ!!」

 ドカ!

 俺は恐竜の喉を思いっきり蹴りつける!

 しかし恐竜は離さへん!

 くそ!!

 噛まれながらもビアは体をひねりニケを恐竜の顔へと近づけた!

 短刀で恐竜の左目を刺すニケ!

 ッパ!

「離せ!っおっら!!」

 俺はさらに光の珠を蹴ってサッカーのオーバーヘッドキックの様に足を振り上げ、恐竜の首をもう一度思いっきり蹴り上げる!

 ググゥゥ!

 唸る恐竜、でもビアの足は離さない。

 恐竜は突如羽ばたき落下にブレーキをかける!

「ギャウン!!」

 ビアの体が振られて悲鳴を上げた、ニケは恐竜から離れてしまって落下していく。

 やばいやん!ニケを先に助けんと地面に。。

 するとニケは祈る様に手を胸の前で組み、手の周りを光らす。

 そしてビーチに向かって手をかざした。

 すると砂浜にニョキニョキニョキと大きな植物が生えてくる。。

 砂浜のビーチに生えた草の上に落下するニケ。

 植物には弾力があってビヨーンとニケは跳ね上がった。

 で、しなやかに着地するニケ。

 すげ!

 これで俺はこっちに集中できる!

 俺は空中で光の珠を蹴って落下から反転!恐竜に向かって飛び上がっていく!

 恐竜はビアを掴んだまま俺に向けて下降するスピードをつけていく!

 またも交差する俺と恐竜!

 恐竜は大口を開け俺を噛み千切ってやろうと突っ込む!

 口は開いてるのに前からの風圧で恐竜の口からビアの足は牙に食い込んで外れてへん!

 恐竜と打つかる瞬間!

 俺は体をひねり恐竜の大口を避け胸元に潜り込んだ!

 ビアともすれ違っていく。

「ビア!今助けるからな!」

 ッパ!

 傷だらけの恐竜の胸の前で光の珠を使った全力蹴り!!

「うっおっら!!!!」

 ッダァーーーン!!

 めり込み折れ曲がる恐竜の身体、恐竜はビアを離した!

「よっしゃ!!」

 俺はビアに向かって光の珠を蹴った!

 渾身の蹴りで回転が掛かって空中でのバランスを失なった恐竜!

 ッドッカーーーン!!っと地面に落ちた。

 恐竜の周りで砂煙が舞い上がる。。

 それを眺めながら戦闘態勢を取るニケ。

 俺は離されたビアへと飛びよって受け止めた。

 皆んなを助けるため力で全力ルスロットルや!!

 空中でビアを両手で抱え。

 着地の寸前で光に珠を爆ぜさせる。

 ッザ!

 ニケのそのすぐ側にビアを両手で抱いて着地できた。。

 恐竜の落ちた砂煙をバックにニケの大切な相棒と降り立つ俺。

 多分ニケはその物凄い光景に見惚れて言葉を発する事もできてないんやろ、呆然としてる。

 さすが俺やな!

 ははは!

 ちょっと前までの珠を出せなくて苦しんでた俺とはおさらばや!


 翔陽と小春ちゃんの少し離れた所に俺達はいる。

「海晴!!」

「海晴君!!」

 叫ぶ翔陽と小春ちゃん!

 ッフ!

 少し笑って軽く手を振り返す!

 どやーー!

 多分俺今めちゃくちゃドヤ顔してるわ!


「海晴。。」

 白狼のビアも俺に声をかけてきた。

「ビア今ので足、大丈夫か??」

 優しい笑顔で笑いかける。

「ぐう、、、痛いが命に関わることはない。しかし、もう今は走れぬ」

「そっか。。」

 俺は青く光る波を見た。

 そこには常識では考えられへん波があって、それを見た瞬間俺は理解した。

 よし、多分俺ももう少しで光の珠を出せんくなる、何となく分かる。

 やし皆んなを助けるために最後の力を使って。。。

 俺は両手に光の珠を浮かした。

 右手の光の珠を顔の前に持ってきてフッと息を吹きかける。

 ふわふわと飛んでいく光の珠。。

 その光りの珠は翔陽達の方へと飛んでいく。。



 ふわふわ。。。



 翔陽達の前にたどり着く。


 俺はもう一つの光の珠をニケとビアの掲げる。


「みんなちょっとだけ待っててな!」

 俺は全力で笑顔を作った。


 ッパ!!


 途端に翔陽と小春ちゃんの前で光爆ぜる光の珠。。

「うわ!!!」

「何??」

 ッパ!

 ビアとニケの前でももう一つの珠が光爆ぜる。

「え!?」

「なんじゃ!!」

 光の珠の力で吹き飛ばされる翔陽と小春とヴェル。

 さらにニケとビアも飛ばされてる!


 ザブン!!

 吹き飛ばされて青く光る波の中に放り込まれる四人と一匹は放り込まれた。


「なんしてんだよ!!??海晴!!」

 翔陽が慌てて波の中から出ようとしてる!

 ボイーン。。

 翔陽は波から弾かれて尻餅をついた、やっぱそこからは出れへんのか。

「なんだこの波!!??」

 波の壁の中から翔陽が叫んでる。

 海の中のはずなのに声が聴こえるってことは息も出来てるってことよな。

 波は固まったまま全然崩れへん、そこだけ時間が止まってるみたいや。。

 ほんまに奇怪おかしい波やな。。

 まぁでもこれで終わりじゃないんやろ?

 恐竜!

 俺は恐竜の方へと目線を向けた。

「海晴!!」

 ボヨンボヨンとする波の膜を叩く翔陽!

 小春ちゃんもニケもビアも波の壁の側に駆け寄る!

 ボヨン。。

 ボヨンボヨン。。

 誰も波から出られない。

「海晴!!」

「海晴君!」

「おい海晴勝手なことをするな!」

 翔陽に小春ちゃんが、それにニケも叫んでる。


 俺は皆んなに背中を向けて親指を立てる!


「そんな怪我してんのに何してんだよ!」

 叫ぶ翔陽!

 大丈夫って伝えたほうがいいよな。。

 俺はニカっと笑い振り返る、でもう一回親指を立て大丈夫と態度で表した!

 いくぞ恐竜!!!

 俺は思いっきり恐竜へ向けて駆け出した!

 まだ砂埃で恐竜の姿は見えへんけどまだ生きてるんやろ!!



 夕方からヴェルを抱えて街中を走り周り、そこにいるニケとビアと戦い、さらには朝になるまで恐竜とまで戦かった。

 正直言って俺の身体は傷ついて限界やし体力も限界に近い。


「おい海晴!もう身体ボロボロだろ!!もういいから!こっちこいよ!死んじまうぞ!!」

「そうだよ海晴君!!」

「海晴!」

「海晴。。」



 四人とも俺の動きに驚いてる!

 大丈夫!

 もっと俺を信じろって!


 俺はどんどん四人から駆け離れる。


 ギャオオオオオオ!!!!

 砂煙の中から恐竜の咆哮がこだました!

 ドシン。ドシン!

 恐竜も俺の動きに呼応してる!

 バフっと砂煙の中から現れて海をバックにしている俺の方へと向かって駆けてきた!


 俺の駆けた後の足跡は血で真っ赤に染まってる。

 同じく恐竜も走りながらぼたぼたと血を流し走ってる、走り方も足を引きずってる。。

 グアゥ。。

 恐竜も最後の力や。

 走りながら口を開ける恐竜!


 口の中に大きな黒い炎の玉がメラメラと燃えている。。


 俺も負けじと掌の上に光の珠を二つ創り出す。。

「ハァァァァァァァァァァァァァァ!」

 小さい光の珠じゃ負ける。。

 俺は翔陽の見よう見まねで全力を注ぎ込み出来る限り一つの光の珠を大きくする。。


 もう夜が明ける。

 太陽がビーチの右側から顔を覗かせそうだ。。

 周りはもうかなり明るい。

 空はもう黒ではなく青く、雲はピンクに染まり、

 水平線はオレンジに染まって。

 オレンジからピンク、薄水色、空色から青色と絶妙な色のコントラストは驚くほど美しい。

 見入ってしまう様な朝焼けの空をバックに、どんどんと距離を詰める俺と恐竜!

 もう俺達の距離はほとんどない!


 ッパ!

 ボン!!


 交錯する直前!

 俺は二つ作った光の珠の一つを蹴り飛びかかる!

 恐竜はそれを見てすかさず真っ黒な火の弾を打ち出した!!

 俺は走りながら大きくした光の珠を体の前に掲げ黒い炎の弾へと突撃していく!!


 ドッカーーーン!!!

 ぶつかり合う両者!

 金色の光と黒い炎が弾け爆発する!


「海晴!!」

「海晴君!」

 みんな心配そうに波の膜に手をかけ俺の闘いを眺めてる。

「頼む海晴死ぬな。。」

 みんな祈る様に見つめてくれてるのがなんとなく伝わってくる。


 俺達の衝突で大きな爆炎が上がるビーチの上。

 ぶつかり合い左右に吹き飛ばされる俺と恐竜。

 ゴロゴロゴロ。。

 受け身も取れず転がる恐竜!

 俺はすかさず光の珠を創り出し恐竜に飛び寄る!


 飛び寄る最中光の珠をもう一つ創り出した!!

「これで最後や!」

 恐竜はまだ立つことが出来ていない。

 この隙を逃したらあかん!俺は突っ込む!


 翔陽が勝ち方を教えてくれた!

 俺は絶対お前を倒して皆んなを守る!!

 俺は翔陽がやったように恐竜の胸に光の珠を突っ込んだ。

 その瞬間恐竜は鋭い牙が並ぶ大きな口を開けて俺に噛みかかる。

 あかん!

 やばい。。

 手が恐竜に刺さってる、これは逃げられない。。

 くそ!

「爆ぜろ!」

 俺は光の珠を爆ぜさせた!

 突然恐竜の噛みかかる勢いが緩んだ。


 ッパ!!!

 そして光の珠の光で体の中から光を漏れ出させる恐竜!!


 グァァァァァアアァァァァァァァァァァァァァァ!!


 恐竜の叫び声とともに身体の中から黒い闇の湯気が立ち昇る!

 俺は恐竜の横にストっと立った。


 闇の蛇達が光でかき消されていく!

 光がおさまると恐竜の体から力が抜けた。

 もう恐竜の力は残ってない。。


 俺はみんなを救いたいんや。。

 そっと俺は恐竜の首を抱きしめた。

「恐竜、お前も来たくてここに来たわけじゃないんやろ、、、やりたくてこんな事してる訳じゃないんやろ、、せめてこの闇を消し去ってやるからな。。」

 俺の手には意識せずとも光の珠が出来てた。。

 いつもより大きい光の珠が俺の掌の上で浮いていた。

 きっとこれは俺の思いの大きさ。

 グルルルルル。。

 恐竜が優しくゆっくりと薄い呼吸をしてる。

 俺を見る恐竜の目も優しかった。

 俺はそっと光の珠を恐竜の体に当てた。

 当てると恐竜の中に光の珠は吸い込まれて恐竜の体がパァッと輝いた。


 そして、その時、太陽が少し顔を出した。


 闇を全て祓うように辺りが一気に明るく照らされていく。

 

  

 。。。



 ドサン。。

 力なく倒れる恐竜。。


 グルル。。。ルル。。


 呻く恐竜。


 アリガ。。トウ。。


 恐竜がそう言ったように俺は聞こえた。。


 。。。


 恐竜は目から光を失いそうや。。


 光の珠のお陰なんやろう、恐竜の体は闇が取り除かれて元通りの恐竜の色に戻ってる。。

 そっと元に戻った恐竜の頭を俺はそっと撫でる。


 グルル。


 恐竜は今まででみた事ない優しい目をしてる。

 しばらく目が恐竜とあった。


 恐竜に何かを託された様なそんな気がした。。


 ドサ。。

 恐竜の首から力が抜けビーチへと落ちる。。

 眼から生気が抜けた。。


 すると突然俺の目の前に時空の尖は現れた。。

 くそ。

 コイツのせいで恐竜はこんな事に。。

 俺は悔しい思いいっぱいで時空の尖に触れた。

 

 時空の尖は霧散した。

 俺の目には恐竜を想う気持ちのせいか涙が溢れた。

 この恐竜も必死に何かを守ろうとしてた。

 俺はその恐竜を。。


「くそ。。」


「海晴!!勝った!!」

「凄い!海晴君!」

「海晴。やりおったな。。」

「凄いやつだ。。」


 驚き喜ぶ翔陽と小春ちゃん、それにニケとビア!


「海晴!早くこっち来い!」

 そうやんな。

 皆んなの所に行かんとかん。。

 

 俺は涙を拭ってチラリとみんなの方を見る。

 それから、やったぜ!ってスッと笑顔を作って腕を上げた。。


 出を下ろすと自分の手を見る。

 まだ一つだけやるべきことがある気がする。。


 俺は力を込めて光の珠を創り出した。

「これが最後の。。」

 最後の光の珠やな。。。

 もう限界なんやろな、小さな光の珠しか作る事が出来ひんかった。


「海晴君!それで早くこっちへ!」

 小春ちゃんも叫んでる。


「ああ。もうちょっとや。。皆んな、全員助けるんや。。」

 俺は光の珠をフッと恐竜の方へと飛ばした。。


 ッパ!!


 そして爆ぜる最後の光の珠。

 爆ぜた光の珠の勢いで恐竜は飛ばされていく。

「海晴君なんで?。。」

 みんな驚いてる。

 飛んでいくのは俺じゃなくて恐竜やもんな、そら驚くよな。。

 

 ザブン!!

 波の中に恐竜が飛び込んだ。。

「海晴!なんで!」

「海晴。。」


「お前!!太陽が全て出たらこの波が崩れるぞ!早くこっちへこい!!」

 ニケが海晴に叫ぶ!

「海晴!!早くこい!!」

「海晴くーーーーーん!!早くーーー!!!」



 。。。


 あ、あかん、意識が飛びそうや。。


「おい海晴!聞いてるのか!?」


 ああ。。みんなが呼んでる。。

 そっちやな。

 みんなの声の方に行かんと。。


 ニケの世界へ行かんと。。


 。。。


 あーー体が重い。。


 少し休みたい。。


 血を流しすぎた、わ。


 あぁでも良かった。。

 

 ちゃんと全員助けられたやん。。


 あとは俺がそこまで、波のとこまで行けたら。。


 ッザ。。


 足を一歩、皆んなの方へと踏み出す。。


 ボタボタ。。

 脇腹から血が溢れ出てボタボタと砂浜に落ちる。

 右脇腹の爪が刺さった傷がひどい。。

 多分毒もある。

 体が熱い。。

「ッグ。。」

 もう大丈夫だと笑って誤魔化すのも限界やわ。。。


 さっきまではめちゃくちゃ痛かった脇腹、歯を噛み締めて痛みに耐え痛みを隠したんやけど。

 なんでやろ今はもう痛くない。。


 毒で体が熱い。

 やのにおかしい、めっちゃ寒い。。

 痛みは無くなって今は熱いし寒い。

 どうなってるんや。。

 体が思う様に動かへん。。


 うう。。。。

 足が前に出ーへん。


 ドサ。。


 俺は膝から力が抜けて崩れ落ちた。。

 あかん。。

 俺が皆んなのとこに行かんと。


 うう。。くそ。。


 後少しやんか。。


「かいせーーーい!!!おい!!何やってるんだよ!! 立てよ!立って早くこっちに来いよ!!」

「海晴君。。」

「海晴。。あいつ死ぬのか。。」

「ニケ!海晴が死ぬわけねーよ!!縁起でもないこと言うな!おい海晴!!早くこっちへ来い!!」

「海晴君!!こっちへ!!早く!!」

 ダワンダワン。。

 俺の方を向いて波の膜を叩く翔陽と小春ちゃん。



 ッグ。。。。。


 みんなの声が聞こえる。。

 戻るんや。。

 みんなの所へ。。


 みんなの方へ腕を伸ばす。。

 そして腕で体を引き寄せる。

 いつのまにか俺倒れてた?

 くそ。。


 ズルリ。

 

 足がもう動かない。。

 このまま手で這っていくしか。。


 もう一度みんなの声が聞こえる方へ手を伸ばす。。。


 。。。。


 ズルリ。。


「あとはみんなの所にさえ行けば。。全てが。。良くなる。。んや。。」

 前へ向かい顔を上げる。。

 唇を噛み必死に体を動かそうとする。。


 ズルリ。。


 こんなに体が動かへんの初めてや。


 ほんまに限界が近い。。

 

 でも。


 諦めたら、あかん。。。


 ズルリ。。


 ズルリ。。


 まだ行ける。。

 あと10mくらいかな。。

 恐竜に捕まって脇腹に刺さった爪から入ってしまった恐竜の毒が。。

 それと同時に闇の浸食がある。。

 だから暑くて寒いんか。。


 体の中の色々な物が俺を死へと誘っている。


 腕が重い。。

 体が重い。。

 全てが重い。。」


 ズルリ。


 ズルリ。。


 体がビーチにの砂達に掴まってるみたいや。。

 右脇腹から浸食する闇が俺の右手を封じ始めた。。

 右手が動かへん。。

 でもまだ左手があったらなんとか進める。。


 ズル。。リ。。


 ズル。。。リ。。


 砂浜が冷たい。。

 砂がもう海水で濡れている。


 あと5mくらいか?


 皆んなの、所まで。。


 行ける、のか。?

 



「海晴!おい!海晴!がんばれ!」

「もう少し!海晴君頑張って!!」

「海晴もう一息じゃ!!」

「諦めるな!海晴!ここまでこい!!」

 波の膜が邪魔して皆んな俺に向かって手を伸ばしたいのに手を伸ばせてない。

 

 ちょっと待ってや、、


 ちゃんと。


 そこまで。


 いく。


 から。。


 ズル、、リ。。。。


 俺の這い進んできた後には信じられないほどの血が赤い道を描いている。。


 くそ。重たい。。


 ドサ。。

 俺の頭が砂浜に落ちる。。

 

 くそ。。


「ヴェル。。。」




 。。。。。



 俺の瞼も目に蓋がかかってきた。。



 。。。。。。



「ダ。。。リン。。。」


 途端にヴェルの声が聞こえた。

 ヴェルの気配を感じる。。


 俺は閉じた目を開けて波の方を見る。


 ヴェルは力なく翔陽の腕をほどき倒れた。。

 倒れ込みうつ伏せで俺に手を伸ばそうとするヴェル。

 崩れない波の膜にヴェルの伸ばした手も遮られてる。。


 ヴェル。。

 

「よかっ、た。。」


「ヴェル。。」


「ダリ。。。ン」


 俺はゆっくり目を開く。


 ヴェルがいる。。


 気配通りヴェルは俺に手を伸ばそうとしてた。。


 あかん。。


 あそこまで行かんと。。


 ヴェルのとこまで。


 もう少し。。


「ヴェ。。ル。。。ごめん。。待って。。な。そっちへいくか。。ら。。」


 ズルリ。。。


「海晴!ここまで絶対こい!私なら助けられるんだ!!」

 必死に叫ぶニケ!

 全員しゃがみ込み俺に向かって叫んでくれてる。。


 ズルリ。。


「ダ。リ。。ン。。どこに。。も。。いか。。。。ないで。。」


「ヴェル。。。」


 ズル。。。。。リ。。。。


 うう。。


 ドサ。。

 俺の頭がまた砂浜に落ちた。。

「おい!海晴!!何やってんだよ!!もうちょっとだろ!早くこいよ!!」

「グ。。。」

 俺はもう一度力を振り絞り左腕を伸ばした。

 ズサ。。

 腕は砂を撫でただけで体を進める事ができなかった。。

 もう青く光る波までの距離は2mもない。。


 もうちょ、と、 なんや。。


 ズサ。。

 また左腕が砂浜を撫でる。。

 体が進まへん。。


「海晴。。」

 翔陽も膝から崩れた。

 ドンドンドン。。

 波の膜を叩く翔陽。。

「おい海晴。。」


「ダ。。リ。。ン。。。」


「ヴェル。。。。」


 俺分かってん。。。。


 ヴェルの闇の払い方。。


 俺やねん。。。


 ヴェルの闇を払えるのは。。


 さっき。。


 恐竜の闇も払ったんやで。。。。



「ヴェ。。ル 。。」



「海晴!」

「海晴君」

 ずっと翔陽と小春ちゃんの俺を呼ぶ声も聞こえてる。


「しょう、よう」


「こは、る、ちゃん」


 。。。。


「海晴しっかりせい!!」

「海晴この女を助けるんじゃなかったのか!!??」


「ニケ、、ビ、、ア」

 


 そうや。。。


 絶対、ヴェル、を、助ける。。。。



 ニケとビアも俺を呼んでくれてる。



「ダリ。。。ン」


 ヴェル。。。。


 いくよ。。


 ちょっと待ってな。。


 今、そこへ、いくから。。


 ッザ。。


 ズザ。。


 少しだけ前に進んだ。。


「そうだ海晴もう少しだ!」


 ッザ。。


 ズ。。。


 。。。


 ッグ。。。



 。。。。。。。




 ああ。。


 あかん。。


 動かへん。。


 腕が。。


 両手とも、、動かなくなってしまった。。


 毒か。。

 闇の浸食か。。


 ああ、、くそ、、動けへん。。


 手を伸ばしたまま動けなくなってしまった。。


「ダ。。リン。。だめ。。だ。。ちゃ。。」


 ヴェル。。。。


 動けへん。。


 でも俺、絶対助けるから。。。。


 絶対。。


 助ける。。から。。




 。。。。。




 ヴェ。。



 ル。。。



 

 み。


 んな。。




 。。。。。






「ありが、とう。。」














 。。。。









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