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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
72/110

長い長い夜編 お互いの事を知り合うって素晴らしい

 

 崖から小川の水は止め処なくこぼれ落ちていっている。


 崖の先にある海の上の空が少し明るくなってきていた。


 水平線の上ににかかる赤から群青色に向かうグラデーション。

 

 朝が近づいている。

 

 まだ俺の頭の上には星々が輝いてる。


 俺は失われていく黒い世界に少しだけ意識を奪われた。



 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー


「ヴェルぅぅーーーー!!」

 俺は出せる限りの声で叫んだ。

 今俺は全力で山の麓の森を駆けている!

 体が悲鳴を上げている

 光の玉がふわふわと凄いスピードで木々の間を縫いながら飛んで行く。


 それを全力で追いかける。

 光の珠を蹴りながら行くのだが木々が邪魔して真っ直ぐ追いかけられへん!

 なかなか追いつくことが出来ひん。。

 ガサガサ!

「くっそ!ヴェル!」

 枝に引っかかり俺は地面に立ち止まった。

 さっきから木に打つかりかけたり、枝に引っかかったりでなかなか思うように追いかけられない。

 もどかしい!

「ヴェル!」

 それでも諦めるわけなんてない!

 俺は光の珠を蹴り出す!

 ッパ!ッパ!

 突然目の前に大木が現れる!

「うわ!」

 慌てて光の珠を創り出し、崖の時もやったように、打つかる衝撃を光の珠で受け止める。

「っっくっそぉーーー!!!」

 木の横へ飛び出すとまた光を追いかけようと、光の珠を作り出して蹴る!

 ッパ!!


 バサ!ゴン!!!!!


 次は出っ張った枝に頭から突っ込みバランスを崩す、空中でぐるぐる何周も回る!

「うわぁーーーー!!」

 ザザ!ゴロゴロゴロ!!

 受け身も取れず地面を転がり止まる。

「っくっそ。。痛って。。」

 打つけた額をさする。

「あかん。。俺。。落ち着け。」

 かなり離れてしまった光を見て焦る自分に言い聞かせた。。

 慌てたら追いつけるものも追いつけへん。。

 前が見えてないことが問題や。。

 光の珠で前を照らせへんかな?

 手の上に光の珠を創り出しその掌を前へ掲げる、手の甲は自分の方を向いていて光の珠の光は俺の目に入ることはない。

 しかしその代わりに俺の目には山の木々が飛び込んできた!

 月もなく真っ暗だった山の木々が照らされ。

 これでどこへ飛んだらいいのか分かる!

 うぉし!元気が出てきた!

 光の珠をさらにもう一つ創り出し思いっきり蹴る!!

 ビュッン!!

「ヴェル待っててくれよ。絶対追いつくからな!!」

 ッパ!!

「うわ!!」

 でも飛ぶスピードが速すぎて木々や枝を掠めてしまう。

 あかんもっと優しく俺が反応できるスピードで行かないと。。

 少し蹴る勢いを緩める。

 ッパ!ッパ!ッパ!

 っサッサッと木々の間を抜けていく!

 いい感じや!

 かなり調子が良い!!

 掴んだ!

 コツ!

 これなら光に追いついていける!!

 ヴェルがいるであろう光が少しずつ近づいってきてる。

 ッパ!ッパ!ッパ!

 今日の夕方か俺はどれだけの時間の間追われて追いかけてるんやろう。。

 ガサ!

「う!」

 あぶな、枝が頭を掠めた。

 あかん!集中!!

 ッパ!!ッパ!!ッパ!!

 集中を高めて追いかける。

 かなり追いついてきた!

 あのヴェルの目印の光も疲れているのかスピードが落ちた気がする。

 ッパ!!ッパ!!ッパ!!ッパ!!ッパ!!

 きてる!

 もう目の前や!

 光の中で白い物が靡いたのが見えた!

 ヴェル??

 チラッ!

 また木の先に見えた!

 あれは。。

 白狼の尻尾!?

 と言うことは白狼とニケと名乗る女がヴェルを連れて行ったんか!!

「っく!待て!!」

 光の珠を蹴る力が強くなる!

 集中力が上がる!

 さっきまで対応できなかったスピードに対応してきている。

 集中力のおかげや!

「ヴェル!!!」

 白狼の全身が見えた!

 白狼に跨るニケと名乗る女の前にヴェルがうつ伏せで乗せられてる。

 光の珠が辺りを照らすようにヴェルの上で浮いている。

 見事なステップで木々の間を駆け抜けて行く白狼!

 女が一瞬こっちを向いていた。

「待て!!」

 光の珠を蹴る!蹴る!!

 もう追いつく!

 その時!

 途端に白狼のスピードが上がった!

 ッパ!!

 バッ!!

 俺の目の前が一気に開けた!!

 光波山の森を抜けた!!


 光波山の海側は海に面した断崖絶壁、その上には船が迷わない為の灯台がある。 

 俺は今その灯台の前に広がる広場に出た!!

 灯台の前の芝生の広場の真ん中を小川が流れてる。

 ッザーーーーン。。ッザーーーーーン。。

 波が打ち寄せる音が聞こえてくる。

 流れていく小川の先は何も無い、多分あの先は崖なんや。

 崖から小川の水は止め処なくこぼれ落ちていっている。

 そして崖の先にある海の上の空が少し明るくなってきていた。

 水平線の上ににかかる赤から群青色に向かうグラデーション。

 朝が近づいている。

 まだ頭の上には星々が輝いてる。

 朝と夜の狭間。

 俺は失われていく黒い世界に少しだけ意識を奪われた。


 ああ、こんな時間になるまで俺は走り回ってたのか。。

 バシャバシャ!

 白狼が小川を走り渡った。


 そんなことよりヴェルや!!

「っ待てーーっい!!!!」

 ライトの代わりにしていた光の珠を俺は白狼に向けて思いっきり投げた!

 光の珠はみるみる白狼に近づき、さらには追い越した!!

 ッパ!!

 顔の前で弾ける光の珠!


 !!!!!!


 突然のあまりの眩しさで目を開けれなくなる白狼とニケ。

 目を閉じたままでは走れへんやろ!

 やっぱり立ち止まる白狼。


 クゥゥゥゥ。。。


 チャンスや!!

 ッパ!

 光の珠で俺は飛びよった。


 ゆっくり目を開ける白狼とニケと名乗る女。


 俺は白狼の右側からヴェルに向かって手を伸ばす!

 ヒュン!

「あ!」

 開ききっていない目をそのままに白狼は後ろに跳びのき、空中で一回転。

 バッシャン!!

 小川の真ん中に着地する!


「クゥゥゥゥ、、、」

 やっとしっかり見え始めた目を開き俺を目視する。。

 俺の手には光の珠を両手に掲げている。

 

 白狼は後退りしながら小川から上げる。。


「くそう。もう少しで行けたものを!」

「ビア。。足は大丈夫。?」

「ああ、なんとかまだ行けるよ、こんなもので走れなくなる私ではない!」

「ビアありがとう。。帰ろう我らのあの森へ。。」

「ああ。当然だだろう!」

「ビア、あいつをどうやって抜く?」

「難しいな。あいつはいつの間にか変な力を手に入れてる。。」

「何なんだろうね、急に光の力。、まるで神の力。」

 ニケはヴェルの上に浮いている光の珠を見つめてる。

「この光。。優しい光。。見つめているだけで体の中にある怒りとか憎しみとかそう言った物を沈めてくれてる気がする。。。」

「その光で飛ぶ様に速く移動してたね、街で追いかけてた時はそんなの使えなかったよ、使えたんだったらもっと違う逃げ方が出来ただろうしね。。」

「ああそうだね。」

「私たちがやってきた海まで直ぐそこなんだよ、作戦なんてないけどね、一気いっきに突破するよ!私の全力にあの小僧がついて来られるわけないさ!!」

 前足後脚を曲げいつでも飛び出せるように姿勢を落とす白狼!


「おい!待て!戦う気はない!!」

 俺は叫んだ。

 あいつらの声が静かな広場のおかげで少し聞こえた、あいつらはやっぱり何か訳があってここにいる様にみたいや、で帰ろうとしてる。

 でもなんでヴェルを連れていくんや?

「俺はお前たちを止めたいわけじゃない!話を聞かしてくれ!力になれるかも知れへん!」

 俺は白狼のビアと、ニアと名乗る女に叫ぶ!

 そして掌の上の光の珠を手で握り消した。


「小僧。。」

「話を聞いてみよう。あいつは悪いいやつじゃない。」

 

 あいつらも戦う意志はなさそうやな。

 俺はゆっくりと白狼と女に向かって歩いていく。

 

 俺達は川を挟んで向かい合う。

 目と目が合う、真剣な面持ちの女と白狼。

 お互い表情や格好で相手を探る。

 


 ッザーーーン。。ッザーーーーン。。

 波の音だけが灯台の広場にこだまする。


 しんと少し緊迫した沈黙が流れる。


「ヴェルを返してくれ、俺にもこの世界にも大切な人なんや」

 真剣さと悲しみが入り混じったような表情で訴えた。

「すまない、私達にもこの女は必要なんだ」

 ニケと名乗る女は顔を俯け答えた。


「なんで、なんでヴェルが必要なんだ?」

「この女が私たちを連れてきたんだよ、この世界にさ」

 白狼のビアが答えてくれた。

「ヴェルが?」

 ニケと名乗る女がこちらへとこを向ける。

「そうだ!その女に誘われてここへ来たんだ。我らは神秘の森の神を支える者。その守る神様も今は力が弱くなってる私達を必要としているだ。それにエックも。。。だから早く帰らないといけないんだ」

「そうなんか。わかった。俺はお前達を帰らさないなんて絶対言わへんから心配せんでいい。。。でも、そこにいるヴェルは俺にとっては世界一大切な人やねん。ほんまにヴェルを連れて行くしかないのか?」

「私達はこの世界に来てからいくつもいくつも何度も何度も私達の世界の帰る方法を試したんだ!!でも帰ることができない。そして確信したんだ、こっちへ来る時に一緒にいたこの女がいないから私達は帰る事が出来ないんだって」

「なるほど、でも、ちょっと待て、そこにいるヴェルは。。宇宙人やで!この世界に来て一ヶ月しか経ってないし、それに俺とヴェルは毎日一緒にいたから、やからそっちの世界に行ってあんた達をこっちの世界へ連れて来るなんて出来るわけない!」

「な、、でも。。」

「あんた達はさ、一体どうやってこっちに連れて来られたんよ?」

 それは。。



 ーーーーーーニケがこの世界に来た経緯いきさつを語るーーーーーー



 ッザーーーーーン。。ザーーーーン。。


「そうして私達はこの下の浜についたんだ!」

 ニケと名乗る女がここまできた経緯を説明してくれた。

 この白狼とニケと名乗る女はどうやら別の世界から来たみたいや。

 そんな事ってあるんやな。

 神隠しってそう言うことなんかもな、別の世界に行ってしまった的な。


 ッザッザーーーーーン。。


 たまに灯台の下の崖から波の音が聞こえてくる。

 朝が近づきオレンジ掛始めてる水平線を一回見る。


 朝焼けが近づいて来てる。。


「私達は色々試したんだ、でも、帰れない。何度この大きな湖に飛び込んだと思っう?何度飛び込んでも帰れない、私達は帰らないといけない!!私がいないと神秘の森のバランスが取れなくなって、そうすると私達の世界が。。滅びるかもしれないんだ。」

「バランス。。こっちの世界と同じで崩れているのか。。」

「あの黒い影の女が、あの女がいないと元の世界には戻れない、だからこの女がいる。この女がいたらきっと私達は帰れれるはずなんだ」

「ちょっと待て、だからってヴェルを渡すわけにはいかへん。。こっちの世界も今バランスが崩れててヴェルがいないと困るんだ」

 あーでも、白狼達が帰らないと向こうの世界が、、、こっちと同じ様にバランスを崩して崩壊するかもしれないと言っているのに。


 ほんまにいいのか?

 ヴェルを奪い返して向こうの世界が崩壊しても?

 できるなら両方の世界を。。。


 。。。


 どうしたら。。

 

「もう行く!この女は闇に呪われてる、太陽の光に当たると消えてしまう」

「待て!!わかった!!ヴェルを連れて行っていい!!その代わり俺も連れて行ってくれ!!」

「な。。に。。!」

「お前も来るって言うのかい?我らの世界に」

「ああ、そっちの世界もこっちの世界も俺は救いたい!」

「ビア、どうしよう。。?」

「いいんじゃないのかい?私達が帰ったらその後この男とヴェルと呼ばれる女だけをこっちの世界に送り返したらいいじゃないか、この女は助かる確率は相当低いと思うけどね」

「そうだよね。じゃあ連れていいこう!」

 ニケと名乗る女はこっちをきっと見た。

「わかった!一緒に行こう、私達の世界に」


 俺と白狼と女は神秘の森の世界へ行く事に合意したのだった。。


 





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