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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
70/110

長い長い夜編 成長するって素晴らしい! 

 


 黒い霧がぼんやりと恐竜から立ち上がってる。。


 満点の星々が恐竜を優しい光で照らしてた。



 ーーーーーー リム・ラ・ヴェル ーーーーーー


 光が遠のくっちゃ。。。


 あの暖かいダーリンの光が。。。


 ああ、寒い。。。


 身体の芯まで冷たい闇に染められていく。。


 あの暖かい光が冷え切っていく身体をずっと温めてくれていたのに。。


 ダーリン。。。


 ごめんっちゃ。。


 ずっと守ってくれてたのも感じてたっちゃ。


 でも、うち、動けないっちゃ。。


 本当に、ごめんちゃ。。

 

 

 ああ。。。



 寒い。。。ちゃ。。。




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー




 ヴェル。。。



 落ちる。。



 どんどんヴェルから離れて行く。。



 絶対ヴェルを守ってヴェルを離さないって決めたのに。



 。。。。。



 俺は世界を守る様な男じゃなかった。。



 それどころか、ヴェルさえ守れなかった。。



 落ちていく。



 このまま落ちて俺は死ぬやろうな。



 もう体もボロボロであの飛んでいった恐竜を追いかける力もすべもない。



 ゆっくりと目が閉じていく。。



 もう瞼の落ちる力にすら抗えない。。




 オイ!


 ネルナ!

 

 アキラメタノカ?




 え?


 誰。。??



 マダ、、ジブンヲシンジラレナイノカ?



 信じる。。?


 またこれはもしかして。。


 あの巨大烏賊の時に聞こえた声。。



 タスケタインダロ?


 アノ、オンナヲ。



 助けたい。。



 マエノトキハ、デキタジャナイカ?



 ああ。

 あの不思議な海の中で俺は光の珠を出せた。。



 オマエナラデキルヨ。


 シンジロヨ。。



 すっと目を開ける。



 誰かが目の前にいる。



 こいつが話してたのか?


 ってこれ俺?


 少し歳を取っている様に見える。

 でも間違いなく俺や。

 髪が少し伸びてる。



 その俺はニカッと笑いながら、少しぼんやりと光っている。。


『自分を信じろよ!お前ならできる』

 さらにニコッと笑って俺の方を叩く俺。

『頑張れよ!』

 ッス。。

 

 肩を叩いた途端にもう一人の俺は光り輝いて光の珠となった。。



『行け!全てを守ってこい!』


 俺の声だけが響いた。


 俺は目を開けた。


 掌の上に光の珠がある。


 光の珠を出せた?


 なんとなく、自然と、俺は何をしなければいけないか分かった。。


 目の前にある光の珠を浮かしその浮いた光の珠に足を乗せて、俺は思いっきり上空に飛び出すように蹴り出した!


 蹴り出した瞬間!


 その光の珠は光弾けた!


 辺りを光のフラッシュが照らす!

 光の珠が弾けた勢いは俺を思いっきり上空へと押し出す!


 ものすごい勢いで俺は夜空を切った!



 まだヴェルを連れて行った恐竜が見えている!


 そんなに遠くない!


 オレンジの光を体内から漏らし、海岸線沿いを飛んで行ってる!


 失速してきた俺は目を瞑り光の珠をイメージする。


 そして目を開けるとそこにはイメージした光の玉が出来ていた!!


 よし創り出せるようになった!!

 翔陽に自慢せなあかん!!!


 もう一つ光の珠を創り出す!

 その珠をまた蹴り爆ぜさせる!

 パッとフラッシュの様に光の珠は弾け俺を恐竜の方へとを押し出す!

 恐竜の方へと向けてスピードがまた上がる!


 俺が光の珠を蹴る前にニケが目に入った。

 ニケの周りに三つのドーム状の黄緑色の光があった。

 きっとニケが翔陽と小春ちゃんも見てくれていると俺は直感した。

 少し安心しながら俺は目を瞑りもう一つ光の珠を作り出した。

 そして光の珠をまた思いっきり蹴り出す。

 フラッシュの様に弾ける珠!

 俺はその光を後ろに引きながら海岸の上を飛び抜ける。

 風圧でスピードが緩まり重力に引っ張られ落下を始めそうになると俺はまた光の珠を作り出し、蹴り弾けまた加速する。

 それを繰り返しながら恐竜を追いかけていく!

 飛んでいる恐竜の背がどんどん近づいている。


 パッ。。パッ。。パッ。。パッっと海沿いのビーチの上をフラッシュが焚かれていく。

 いつもの家へと向かう曲がり道の前も通り過ぎて、ウィンドサーフィンのショプの前も通り過ぎていく。

 恐竜のに近づくにつれてヴェルを助けるぞという気持ちと、今まで出せなかった光の珠を出せる様になった自信と喜びで、気付かないうちに俺の頬は上がり笑ってしまっている。


 しかし、この時俺は一つ失念していた。

 この海岸線の道の先は行き止まりやんか。

 それどころか、平地と山の境でその境は断崖絶壁の崖となってる! 

 ビーチもそこで終わる。


 恐竜に、ヴェルにもう少しで追いつきそうや!

 俺は本当に必死で追い掛けている。

 どうやって飛ぶ恐竜を止めたらいいのか、翼を思いっきり蹴り飛ぶ邪魔をして落とすか。

 恐竜を落とすならヴェルを傷つけない様に落とさなければいけないよな。

 とか追いかけながら必死に頭を巡らせる。


 ッパ!

 光の珠をさらに蹴る!

 

 ッバ!!

 だが、途端に恐竜が俺の視界から消えた!!

 そして目の前にいたはずの恐竜に代わって突然岩壁が現れた!!

 崖を目の前に恐竜は急激にに上方へ飛び上がっていた。

「うわ!!」

 必死に追いかける俺は恐竜しか見てなくって全然岸壁のことを忘れてた、咄嗟の事すぎて岸壁を回避する時間なんてない!

 やばい!衝突する!!

 俺は両手を顔の前で交差し打つかった時の衝撃に備える。

 不意に俺は掌の前に光の珠を出していた。

 ッパッ!!

 岸壁に衝突する直前で光の珠が爆ぜた!

 ブワン!!

 俺はのけぞる様の跳ね返されて、意もせず後ろに一回転宙返りをしてしまった。

 やば、落ちる!

 もう一つの光の珠をまた創り出しパッと弾けさせて俺は落下のスピードを殺した、そしてビーチと落ちた。。

 ザザザザ、ゴロゴロゴロ。

 後ろ向きに俺はビーチの上を滑離転がった。

 危ないところやった。

 俺に岸壁に衝突したダメージはない?

 なんでや?結構なスピードで打つかったのに。

 まぁとにかく肝を冷やしたとはこの事やわ、危なかった。

 崖に打つかって驚きと焦りから恐竜やヴェルの事は脳裏から吹き飛んでた。

 俺はなぜ岸壁に打つかったのに俺は傷一つなく助かったのか、咄嗟にやったけどどうやって落下の勢いを殺したんか?

 その事で頭の中はいっぱいになってしまった。

 本当に崖に打つかったよな?打つかってない?

 いや俺は打つかった、間違いなく打つかったと思う、でも俺は今弾き飛ばされただけで無傷や。

 なんで?

 打つかる直前に俺は反射的に光の珠を出した、その光りの珠が直前に爆ぜたよな。

 光の珠が岸壁に打つかる衝撃のクッションになったんか?。。

 崖を改めて見る。

 俺が打つかったと思われる岸壁は俺の身体と同じで全く無傷、崩れたり割れたりしてない本当に何もなってない、ぶっちゃけどこに打つかったかその場所すら明確に分からへん。。

 翔陽の火の珠だとこうはいかへん。

 火の珠の爆発なんて起こしたら崖を壊してしまう。

 俺の光の珠は翔陽の火の珠とは違って、何かに打けても直接的なダメージは与えられへんのか。。。

 今からヴェルを恐竜から奪い返すのに。。

 どうしたらいいんや。。。。


 バサッ! バサッ!

 上空から大きな羽ばたきの音が聞こえる!

 慌てて上空を見上げる俺!

「ヴェル!」

 考えてる場合とちゃう!!!

 俺は慌てて、目を瞑り掌の前で光の珠を創り出す!

 その光の珠に足を掛け弾けせ飛び上がる!

 弾ける様な強烈な光を背に俺は上空に舞い上がる。

 でもなんかさっきまでとちょっと違う、蹴り出した瞬間の初速は一緒なんやけど、スピードが落ちるの早い!

 上へとが飛び上がってるからか、重力せいか。。

 俺が思ったほど一つの光の珠で上へと上がれなかった。

「おっとととと」

 失速してから光の珠を作り出すタイミングが遅れる、少し下降してから、再び光の珠を蹴り上げて上昇する。

 くそ。早く追いつきたいのに。。

 焦る、全く光の珠の練習してへんからな。。


 しかし恐竜も真上に上がるのは苦手なんかバサバサと力強く必死に羽ばたいている。

 道路上を横に飛んでる時とは大違いや。

 あのスピードなら追いつける!

 パッ。パッ。パッと俺は必死にいくつもの光の珠を蹴り上げ上昇する!

 恐竜は俺が追いつくより先に崖の頂点へとたどり着き横向きへ飛ぶ方向を変えた、そして山の方へと向かい俺の視界から消えて行った。

「っくっそ!」

 思いっきり光の珠を蹴り飛び上がる!

 恐竜のすぐ後で崖を上がる事が出来た!

 でも早く追いつきたい焦りから力んでしまって崖の端から少し上空へ飛び上がり過ぎた。

 光の珠の強さのコントロールも下手くそやな、俺は。

 上空から恐竜を見下ろす!

 上空から見えたのは恐竜が羽ばたきをやめて地面に降り立とうとしている姿やった。

 恐竜の周りに土埃が巻き上がってる、疲れたのか走って逃げようとしている?

 崖の淵の雑草の生えた天然の広場に着地し、その先にある山の木々の間へと向かおうとしているっぽい。

 俺は光の珠を創り出して、思っいっきり光の珠を蹴った!

 凄い勢いで恐竜へと向かっていく!

 空中の途中で俺は北斗の拳みたいに飛び蹴りをする姿勢とって!

 恐竜に突っ込んだ!!

 ズバン!

 スタ!っと俺は地面へ100点の着地をした!

 地面へと着地する間に、俺は恐竜の翼の薄い膜の部分を体全体で突き抜けた!

 ギャァアァァァァァァアアアア!!

 恐竜の声が夜の真っ暗な世界に響く。

 叫んで大きな口からヴェルが転がり落ちる。。

「ヴェル!!!」

 俺は一歩二歩駆け出すと三歩目を走ったところで光の珠を創り出し蹴った!

 風の様に飛び抜ける俺!

 ビュン!!

 恐竜の足の間を凄いスピードで抜け出した!

 その俺の腕の中にはヴェルがいる!!


 よかった。。

 取り返せた!!

 するとピクリとヴェルと動いた気がした。

 俺は驚き闇に侵食されたヴェルの顔を覗き込む。

 あ、目は開いてへんけど少し表情が動いてる。


「ダ。。リ。。。ン。。」


「ひか。。り。。あたた。。かい。。」


「あり。。がとう。。。。ちゃ。。。」


 ヴェルが話してる。。

 よかった。。


 この俺の光が暖かいんかな?

 掌の上に光の珠を創り出す。


「あ。。。たた。。か。い。。」


 この光がいいんか。

「ヴェルちょっと待ってや」

 俺はすぐ側の大木の元へヴェルを座らせて、足を伸ばして座るその膝の上に光の珠をふわりと浮かせる。

 これできっと闇の侵食がマシになるはずや。

「ヴェルちょっと待ってな、俺はあいつを倒してくるから。。」


 俺は心配そうに優しく語りかけ立ち上がった。

 ヴェルは守る!その決意の上で恐竜を睨みつける!

 にしても変やって俺の頭に違和感が浮かぶ。

 恐竜の口に咥えられたのになんでかヴェルが傷ついていない。

 恐竜もヴェルの事を大切にしてるって事なんか?

 そんな疑問は胸の奥にしまい込み改めて恐竜を睨みつけた。


 ギャァァァァアアアアアアァァァ!


 恐竜が吠えた!

 恐竜の両目が黒く瞳が赤く染まっている。

 もしかしてあいつも闇に蝕まれているんか?

 さっきまでは片目は普通の白い目をしてた。

 

 キィギャャァァァァアアアアアアァァァ!!!

 尻尾を振り乱し首を振り回しがむしゃらに暴れ始める恐竜!

 ガブン!

 側にあった木に恐竜が噛み付いた。

 あれ?俺に攻撃して来るんちゃうんか?

 気を張り詰めて構えてたんやけど。

 俺の事があいつ目に入ってへん?


 バキ!バキバキバキ!!

 ブンブンブン!!


 そのへし折った木をそのまま咥えて振り回して暴れ始める恐竜!!


 ブンブンブン!!!!!!

 バキ!!!

 ザザザ!!!

 ブンブンブンブン!!!


 全てを忘れて全力で暴れ回る恐竜。

 目が見えてへんのか?

 気が狂ったんか??

 あまりの大暴れにただ俺は恐竜を見守る事しか出来ない。


 ブン!


 ブン。ブン。


 ブン。。


 恐竜の動きが少しゆっくりになって来た。


 ガァァアアアァーーーーー。。。。


 咥えられた木が口から落ちた。


 ブハァアァァーーー。。

 ブハァアァァーーー。。。


 大暴れしたからか息を切らす恐竜。


 スゥウーーーーーーーー!!

 ブハァアァァーーーーーーー!!


 スッと黒かった恐竜の片目がいつも通りの目に戻っていく。

 何かと葛藤しているんか?

 大暴れした恐竜はかなり疲労したように見える。


 スーーーーーー。。。。

 ハーーーーーー。。。。


 目の色が戻ったってことはこっちに攻撃してくるか?

 俺は集中するために深呼吸をする。

 気持ちを落ち着かせ冷静に。

 そして頭に酸素を送り込み思考が回るようにせなあかん。。


 理由は分からへんけど、恐竜は明らかにヴェルを狙ってる。

 絶対にヴェルを渡すわけ訳いかへん。

 絶対!絶対勝ってヴェルを守る!!


 けど、、どうやってこの恐竜を倒したらいいんや。。

 俺がこの光の珠を使えるようになったのはさっきやし、実際どういう使い方をしたら良いのか俺にもよく分からへん。。

 分かる事は。

 光の珠はフラッシュをくように弾け、弾けた力で俺は飛び出すことができる。

 光の珠の影響を受けてる俺の脚や衝突した岩壁から推測するには、翔陽の火の珠とは違い俺の光の珠事態に攻撃力は無いっぽい。


 。。。


 攻撃力は無いっぽい。。


 うん、じゃあどうしたら。。?


 でも、俺はあの恐竜の翼を思いっきり破ってる。

 それは恐竜にダメージを与えたという事やろ。。

 あの時、俺は光の珠で加速して突っ込み!

 蹴り破ったんや!

 なら!

 同じように戦うしか無いよな!


 キッと目に力を入れて恐竜を突き刺すように睨みつける!

「あ」

 恐竜の腹部の傷からオレンジの光が漏れてきてる。

 炎の玉を打つ気か??

 やばいヴェルがここにいるのに!

 あの爆発は絶対あかん!!

 俺はすかさず光の珠を創り出すと横に飛んだ!

 横へ飛んだんやけど、後ろには山の木々が立ち並んでる、ヴェルはもう後ろにいんけどさ。。

 ここも燃えたらやばいやんか!!

 山の森が燃えて山火事なんて洒落にならへんって!

 目の前にもう一つ光の珠を創り出し夜空に向かって蹴って飛び上がる!

 ボボボボボボ!

 恐竜の体からオレンジの炎が漏れてる。


 ッボン!!!

 俺の飛び上がる軌道を予測して恐竜は炎の玉を打ち出す!

 迫る巨大な炎の玉!

 でもなんか遅いな。。

 こんなにこの炎の玉って、飛んで来るスピード遅かたっけ?

 前までの炎の珠はもっと絶望的で、もの凄い勢いで飛んできてたのに。。

 俺は手を伸ばして光の珠を目の前に創り出し蹴りさらに飛び上がった!

 ピカッと光るフラッシュ!!

 上から恐竜を見下ろすと、恐竜は眩しそうに目をパチパチさせながら首を振ってる俺を見失ってるっぽい。。

「光の珠にはこんな効果もあるんか。」

 まぁ眩しいしそらあるよな。

 夜ならこれはめっちゃありやな。

 でももっと効果的に相手を怯ますことは出来ひんかな。失明とか出来たら最強やのに。

 まぁでも夜にこの光の珠の力を使ったら居場所モロバレやな、隠れたい時には絶対使えへんわ。。

 あ、でも今のこの戦いって光ってめっちゃ目立ってるから翔陽達ももしかしたら駆けつけてくるんちゃう?なら、今日の逃げ回ってた時も、もし空でこの光の珠を光らしたらまた違ってたんやろうな。。きっと翔陽達が俺に気づいて。助けに。

 あかん、たられば言っても仕方ない。


 なんでやろ、思考が巡る。。

 こんなにいっぱい考えてるのに恐竜はまだ俺を見失ってる。

 時間がゆっくり流れてるみたいや。

 集中力が上がってるんかな?

 戦いや修行の時になってたあのスローな時間、その時間がなんかさらにはっきりした感じ。


 ヴェルを光波神社へと早く連れて行きたいし、あいつを早くなんとか、なんとか倒さんとあかん。

 色々と考えながら光の珠をさらに頭上に創り出して、俺は空中で逆さまに体制を変える。

 恐竜を見降ろし思いっきり光の珠を蹴り!急降下する!

 重力も手助けしてめちゃくちゃスピードが乗ってる!

 ドン!!!

 ベシンッ!

 俺の上空からの蹴りが恐竜の背中を見事に捉えた!

 蹴りの勢いで膝を折り、地面にうつ伏せに張り付けられる恐竜。

 しかしそんな状態でもゴロンと横に体を転がして長い首をひねり、大口で噛みつきに来る!!

「うわ!!!」

 慌てて光の珠を創り、蹴り出し後ろへと逃げる!

 恐竜の後ろに逃げてしまった、もしかしたら尻尾の攻撃がくるかもしれへん!と身構えながら飛んでいく。

 不安になったけど俺を尻尾が襲うことはなかった!

 体を転がして噛み付いてきた恐竜には尻尾を振り回す体制が整ってなかったっぽい。

 恐竜の背後へと抜ける!

 向かう先にには大木がある、クルンと水泳のターンのように空中で身をひるがえす。

 翻したら木の幹の前に光の珠を作りまた蹴った!

 光るフラッシュ!

 俺は恐竜の背後からまた飛びかかった!

 ドン!

 振り返ろうとした恐竜の横腹に両足を揃えてドロップキックみたいに蹴りが入った!

 グラ。

 蹴りの勢いで恐竜は横へとよろめいた。

 けど全然恐竜にダメージが入ってる気がしない。

 くそあの翼が邪魔やわ、あの折りたたんで体に密着させている時の翼が鎧みたいになって恐竜の体を守ってるわ。

 鎧みたいな翼のせいでダメージが入ってない。。

「くっそ!」

 この翼が無い所を狙わんとあかん!

 俺は光の珠は創り出さずに重力に身を任せ地面へと降りた。

 そこへ恐竜の尻尾が襲ってきた!

「やっば!!」

 慌てて光の珠を創り出して、その掌にある光の珠を恐竜の尻尾へと向ける。

「あ」

 途端に不安がよぎる!

「翔陽はこれで腕をやられてた。。」

 もしかしてやばいか。。。

 猛スピードで尻尾と俺の光の珠がぶつかる!

 ッパ!!!

 光るフラッシュ!

 バァン!!!

「うわ!!」

 俺は後方へ思いっきり吹き飛ばされた。

 吹き飛ばされながら腕が大丈夫か確認する。

 大丈夫や何ともなってない!

 コォォォォォーーー!!

 恐竜が息を吸い込んでる、それと共に体からオレンジの光が漏れ始める!

 俺の後ろは森林!!

 こっちに打たれたら山火事やんか!!

「くそ!!」

 ッパ!!!

 光の珠を使って上空へ飛び上がる俺!

 そしてまた俺を見失う恐竜!

 今のうちや!!

 パッ!!

 上空から光の珠を蹴り恐竜の飛びかかる!次は頭を狙っていく!!

 いける!!

 ドン!!!

 俺の蹴りは思いっきり地面突き刺さった。

 見事に空振りした。。

 寸前のところで恐竜は首を曲げて俺の蹴りを避けた!

 フラッシュの所為せいで俺の攻撃の方向と勢いが予測されてしまったんか?

 それともなんとなく?野生のカンってやつなんかな?

 けど俺との距離が近過ぎて恐竜は炎の玉を吐けへん!

 回転しながら突然バサッと翼を広げて翼の骨っぽい部分で殴りかかってきた!

 やば!飛び上がる余裕は無い、俺は翼に打つから無いようにしゃがんだ!

 シャ!!

 翼が俺の髪の毛を掠めて数本飛ばした!

 ギリギリで翼を避けれた!よっしゃって思った途端二撃目の尻尾が襲いかかってた!

 攻撃が低くて下に避ける空間はない!

 やばい!!

 俺は咄嗟に光の珠を作り出して上へと飛び上がる!

 ッパ!!!

 飛び上がるのが早いか尻尾が当たるのが早いか最早分からないタイミングで光の珠が弾けた!

 俺を狙った尻尾は空振りしてその場で恐竜は一回転してしまっている。

 

 打つかる直前に俺は空へと飛び出した!

 そしてまた光の珠をを蹴り出し恐竜へと向かう!

 今度は当たる!

 恐竜の体勢が整ってへん!!

 ドン!

 海晴の蹴りは恐竜の首に付け根に当たった!

 さっき頭を狙って避けられたから頭を狙えなかった!

 また空へと飛び上がりさらに恐竜に向かって蹴りを繰り出し。

 また飛び上がる!

「ダメージが少なければ何度も当てればいいやろ!」

 ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!

 光の矢のように恐竜に降り注ぐ俺!

 けど軽いよな、あんまりダメージが入ってる気がせーへん!

 恐竜はぐらつくし怯むが肝心なダメージが入ってない。

 ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!

 けどこの攻撃をくらって怯んでいる限り恐竜は反撃してこない!

 攻撃の手を休めることなく俺は攻め続ける!

 あかんこのまま上から攻めてもあかん!

 横からも!!

 上に飛び上がるのではなく横に俺は飛び出した!

 そこから直ぐに光の珠を蹴り側面からの攻撃を試みる!

 翼とか鱗のない柔らかい所を狙うんや!

 ドン!!ドン!!

 側面から腹部へ蹴りを入れる!

 重力の助けがないから少しスピードがないことを感じる。。

 それでも一歩二歩とふらついて後退りする恐竜。

 ハァハァハァハァ。

 恐竜と俺、共に息が上がってきてる。。

 それでも止まってなんていられへん!ヒット&ウェイを繰り返して攻める!

 ドン!!ドン!!!

 ハァハァハァ

「くそ倒せへん。。仕方ない。。思い切って攻めないともう俺が疲れてまう。。」

 頭かあの炎のチラつく胸か、胸は翼が邪魔して狙いにくい!

 俺は思いっきり光の珠を蹴って頭を狙いに行った!!

「オォラァ!!!」

 バァン!!

 よし顔面に当たった!!

 頭が横へ思いっきり振られる恐竜!

 ふらつきながらギュムっと恐竜はこけずにに踏みとどまる。

 踏みとどまる恐竜と目があった!!

 飛び離れる!!

 くそ倒れたら柔らかい腹部に思いっきり突っ込んだのに!!

 あの恐竜の目、全然死んでない諦めた目じゃない!

 絶対まだ何か狙ってるわ!!

 しかしこっちも手を緩めるはけにいはいかへんし。。

 攻めるしかない!

 ッパ!!

 しかしもっとビシッと何かダメージを与える方法を探さないと。。。

 思い切ってもう一度顔面を狙う!

 俺はまた光の珠で飛びよった!!

 あ!やばい!

 恐竜にしっかり見られてる!


 ッサ!!

 案の定首を上げられ顔の攻撃は入れられなかった。

 しかし当たった所で大したダメージが入る気もしんわ。。

 この方法じゃあかん!

 ザザザザザザ!

 木々の間の地面を滑ってスピードを殺す。


 恐竜の身体から煌々(こうこう)と真っ赤な光が漏れる。

 さっきまでより漏れ出る炎の光が強い!

 ここまで熱が伝わって来るみたいや。。

 次の炎の玉の攻撃は絶対に当たったらあかん!!

 視覚聴覚に加えてさらに肌で、触覚で感じる攻撃の予兆ってほんまにやばいやろ。。

 この林に恐竜の炎の玉が放たれて山火事になってもまた最悪や。。!!

 いったんこの場所から離れんと!

 手の前に光の珠を創り出す!


 ギャオォオオオオォォォォ!!!!!!!!

 ドキッと一瞬体が大声で硬直する。。

 威嚇してきた!!

 俺を飛ばしたくないんや。。

 でも俺もこの山の方へ向けてあの炎の珠を撃たす訳にはいかへん。。

 あの炎の玉をどうにかするには、空に向かって打たしてしまう、それかさっきみたいに恐竜の懐に潜り込んでしまう、すると炎の玉は撃ってこれへんやろ。。

 空に向かって撃たしてしまいたい空に向かって撃たしけど。

 俺はさっきから飛び上がって上にいたのに全然撃ってこんかった!

 やし空に撃たすのは多分無理なんだと思う。。

 じゃあ懐しかないやん!!

 水を自由に使ってた水馬との戦いとか、翔陽、翼との格闘技の特訓思い出した!!!


 よく考えたら俺はただ飛びつくだけなんて単調な攻撃繰り返してたんや。。

 翔陽とか翼と組み手してる時ただただ殴ったり蹴りかかっても当たることすら出来ひんかった。

 ただ無意味に攻撃しても対してダメージを与えることもできず体力を使うだけやのに。

「アホやな俺は。。」

 ボボボ。。

 恐竜の体の傷口から火が漏れてる。

 どんな体してるのかマジで意味不明やけど兎に角、あいつ体にすごい炎の力を溜め込んでる。。

 パカ!

 あ!こっちを向けて口を開いた!

 やばい!

 口の奥がもう超高熱になってるのが見て分かる!

 あかん!!

 考える間も無く俺は地面を蹴った!

 恐竜に突っ込む!!!

 ッザッザッパ!!

 三歩目には地面じゃなくて光の珠を蹴った!

 あの口にだけ間違ってでも飛び込まない様にせんと。。

 恐竜は俺を食おうとしてるんか炎の玉を撃とうとしてるんか分からへんけど、大きな口を開けて俺を待ち構える!

 真っ赤に燃える恐竜の大口に向かって俺は飛び寄っていく!


 打つかるだけやったらあの恐竜にダメージを与えられへん!

 次の攻撃は今のこのスピードに更に力を加算して攻撃したい!!

 さっきまではただの突っ込みやけど今度はしっかり蹴るんや!!

 俺が今までやってきた、蹴るって動作はいつも片足で蹴ってたしもう片足は軸足として地面についてた!

 なんかいつもの蹴りの感じで光の珠を使ってあいつを蹴り飛ばしてやりたい!

 俺は飛び寄っていく最中に空中で目の前に手を伸ばし光の珠を創る!

 この珠を土台にして蹴ったる!!

 周りの景色がゆっくり流れてる!

 いい感じや!

 めちゃくちゃ集中力が上がってる!!!


 ボボボボボボ!!

 恐竜の口の中から火が漏れ始めてる!

 口の奥に物凄い熱量の大きな炎の玉がもうはっきり見えてる!!

 あかん!

 恐竜は俺を口で受け止めようとしてた訳じゃなかった!!

 俺を炎の玉で打ち落としてこの一撃で終わらせようとしているっぽい!!

 やばいな!!

 でもだからといって止まる訳にもいかへん!!

 光の珠一個が欲しい、もう一個出せるかな?

 出せるやろ!

 そう思った時俺のもう一方の手に光の珠がフワリと浮いた!

 よし!俺もこの一撃で決めるつもりでやったる!!


 俺はまだスピードが残ってる中で更に光の珠を蹴った、少しだけ飛んで行く方向をずらして更に加速させた。

 あいつが炎の玉を打つより先に!

 ビュンと加速した俺は恐竜の横顔にすり抜けた瞬間光の珠のを前へと浮かしからだを反転させて光の珠の上に足を置いた。

 ググググ。。。っと俺の足に飛びよった時の力が貯まる!

 真横に恐竜の顔がある、恐竜は俺を追いかけてこっちを向いてきた!

 炎の玉を撃たれる前にこっちから攻めろ!!



 創り出した光の珠は恐竜の目の前!

 その光の珠にその左足を乗せる!

 炎の玉が今にも喉奥から飛び出そうとしている!!!

 突撃のスピードで溜まった力を解放させて俺は思いっきり恐竜に向かって蹴りかかる!!

 軸足の下でッパッと弾ける光の珠!光の珠も弾けて俺の蹴りにさらに勢いをつける!!

 分かる!

 この蹴りは間違いなくもの凄い勢いや!

 ッド、、!!!

 恐竜の下顎に俺の右足がギリギリギリとめり込む!

 ッズッガン!!!

 恐竜の頭が跳ね上げられる!!

 グルンと頭から恐竜の全身が浮く。

 飛んだ訳じゃない。

 飛び上がったわけでもない。

 俺の蹴りの勢いで浮いた!

 まさに恐竜は俺に蹴り上げた!

「よし!」

 手応えめっちゃ有り!!


 ドッカーーーーーーンンンン!!


 グルンと蹴り上げられた恐竜が突然空中で爆発した!!

 爆炎に包まれる恐竜!

 炎の玉を放つ寸前だった恐竜の口は俺の蹴りで強制的に閉じられ、口の中で炎の玉が暴発したんやと思う!!

 恐竜の頭が爆炎に包まれる。。

 もはや恐竜の頭が吹き飛んでるかもしれない、とまで思える大きな爆発やった。

 俺は恐竜を確認するためにその場を離れ地面に立ち恐竜を見る。


 ドサン。。。

 恐竜が地面へと力なく落ちた!

「よっしゃーーーーーーーー!!!」

 勝てた!

 今まで何度も死ぬかと思った、まともに戦える訳ないほどの実力差やった。。

 その恐竜に今俺は勝った!!

 それがとてつもなく嬉しかった!

 しばらく恐竜を観察する。

 力なくその場で動かない恐竜、傷口から炎がチロチロ漏れている。

 身動きがない、呼吸もしていない様に見える。

 黒い霧がぼんやりと恐竜から立ち上がってる。。

 満点の星々が恐竜を優しい光で照らしてた。

 開いた口からだらだらと地面へとむけて血が流れ、口の中は牙が何本も無くなっている。

 恐竜、、死んだんか。。

 俺は突然として罪悪感に襲われる。。

 

 くるりと恐竜に背を向けた。

「ヴェル!」

 木にもたれさせたヴェルへ駆け出す!

 恐竜に背を向けた途端パチっと恐竜の目が開く!

 ボン!!!

 少し小さいがしっかりと威力の乗った炎の玉が俺に向かって飛んできた!

 走っていく俺に動く気配を悟らせない様に首だけを動かして炎の玉を恐竜は撃った!

 炎の玉の明かりと音で俺は後ろを振り返る!!

「。。っな。。っに。。!!!」

 死んだふりをしていたんか?

 この炎の玉、、避けるか!

 今光の珠を創り出して飛んだら避けられる!

 でも!!

 今はあの炎の珠を回避できひん!!

 なぜなら炎の玉の向かう俺の更に先にはヴェルがいる!

「ヴェル!!」

 俺は必死に地面を蹴りヴェルに駆け寄る!!

 後ろから迫る炎の玉!

 ヴェルを抱き抱えるともう俺たちに打つかる寸前まで迫っていた!!

 もう当たる、避ける間がない!

「くそ!」


 俺はくるりと炎の玉に背を向けた。

 そしてヴァルのもたれていた木に向かって一歩踏み出して蹴った!

 ただ蹴るんじゃなって上へ飛んで木を使ってバク宙した。

 空中でくるんと宙返り。

 宙返りに最中逆さまになっていくにつれて後ろから迫っていた炎の玉が見えてくる!

 やば!結構飛んだつもりやったのにめちゃくちゃギリギリの高さや!

 俺の顔面に向かって炎の玉が飛んでくる!!

 あかんあかんあかん!

 体を逸らしてなんとか炎の玉を避けんと!

 目の前が炎の玉でいっぱいや!

 しかも熱が顔に届いて来る!

 でも、ギリギリ、ほんまににギリギリで炎の玉は海老反りのようになってる俺の顔面の前を掠めて通り過ぎていった!!

 スタ!

 俺は着地した!

 ドカン!!

 それと同じタイミングで炎の玉が木に打つかって爆発した!

「うわ!」

 俺は爆発した炎の玉の爆風で後ろにニ、三周っとゴロゴロ転がった!

「危なかった。。」

 ほっと息をついたのは束の間。

 ギギギギギギギギギ。。

 上から炎の玉に当たった木が倒れてくる。

 まじか!!

 炎の玉で木が折れたんか!

「っく!!」

 俺はヴェルを抱えたまま横へ思いっきり飛び出した!!

 バサバサバサ!!

 目の前で大木が倒れる。

 倒れた大木は俺の足の前すぐそばに倒れてた。

 っあっぶねーーーーーー!!!!

「こっの野郎!!ヴェルにあたったらどうするねん!」

 ヴェルが巻き込まれて傷つきそうになって、俺の頭に沸騰しそうなほどの怒りが込み上げてきた!

 暴走しそうになる自分をちょっと抑えヴェルをまた別の大木にもたれさせる。

「ヴェルもうちょっと待ってな。」

 ヴェルに声をかけ光の珠をヴェルの膝の上に浮かし、恐竜を睨み付ける!!

 ギャオーーーーォォオオオオォォ。。。

 最後の雄叫びの様にかすれた雄叫びを上げる!

 恐竜の目は両眼とも真っ黒に染まっている。

 バッサッと広げられる大きな羽!!

 バッサバッサ!

 徐々に飛び上がっていく恐竜!

 ッパ!

 俺はヴェルから離れるために光の珠を蹴って飛んでる恐竜の足元を通り過ぎる!

 よく見ると恐竜から漏れていた炎がなんでか色が変わってって今度はは黒い炎の様な物が漏れ出している。。

「天照かよ。。」

 あの恐竜も確実に闇に浸食されていってるっぽい。。

 マジでどうなってるんや。。。

 あの侵食する闇は炎まで浸食するんか?

 恐竜がブワッと空から一気に下降して来る!

 来た!!

 慌てるな俺。。

 大丈夫見えてる。

 怖がるなよ俺。。

 さっきの要領で光の珠に軸足を置いて蹴るんや。

 ブワァァ!!

 もう目の前まで恐竜が迫っている!!

 俺は光の珠を創り出し、突っ込んでくる恐竜にタイミングを合わせて。

 左足を光の珠に乗せ恐竜の横顔を蹴り飛ばす!!!

 ズッダン!!!

 恐竜の横顔に右足がめり込んだ!

 グルグル!!

 蹴り飛ばされ空中で駒の様に回される空中で駒の様に恐竜!

 べダン!!

 大きな木に当たって恐竜は止まった。。

 キュウウゥゥウウ。。

 地面にへたり込む恐竜。

 恐竜は苦しそうに首だけを上げた。

 今のうちに!!

 俺は光の珠を蹴り恐竜に飛び寄る!!

 ボン!!

「何!!」

 迎撃しようと恐竜は炎の玉を吐き出してきた!!

 でもいつもとは違う。。

 黒い!

 やっぱり炎にまで闇が侵食してる。

 なんか威力が強くなたりしてるんかな。

 いや!当たらんかったら関係ない!!

 俺は光の珠を創り蹴り上へと避ける!

 方向を変えたから攻撃できひん。

 俺は恐竜の上を飛び抜け。。

 ンガァウ!

 恐竜は飛び抜けていく俺を追いかけて噛みつこうと頭を上げる、けど俺には届かへん!

 噛み付くのが無理ならと恐竜は伏せたまま尻尾を振ってきた!

 頭を越して安心している俺を次は恐竜の尻尾が襲う!

 やば!速い!!!

 俺のスピードも相まってめっちゃ速く感じる。

 集中力も落ちてるんかも、ゆっくり世界が流れてない。

 くそ!

 体を思いっきり広げ風圧でブレーキをかける!!

 ッシュ!!!

 恐竜の尻尾が鼻の頭が擦れて、頬を風が殴った!

「あ。。っぶな!!」


 ッバキ!!!!!

 勢い余った尻尾はそばにあった細い木を見事にへし折った!

 ザザザザ!!

 地面を滑ってブレーキをかける、滑ってる最中に木の根っこに足がかかり俺は止まった。


 ッザ!ッザ!


 一歩二歩と又駆け出す!

 ピカ!!

 前と同じように三歩目には光の珠を蹴り出した!

 狙うは危険な尻尾!

 恐竜は立ち上がってる!

 半分ほど千切られた筈の尻尾は、千切られた箇所にたぷんたぷんと闇を溜めて苦痛もないのか尻尾の先をくるくるぶんぶん振っている。

 尻尾で攻めて来る気満々やな!

 案の定、恐竜は又尻尾を全力で振って来きた!!

 そこへ俺は突っ込む!!

 翔陽は腕の骨を折られて。

 前回の俺は防ぐので精一杯だやった!!

 しかし三回目の今回は押し勝ったる!!!

 光の珠を創り出し足をかける、迫る恐竜の尻尾に合わせて、光の珠の弾けた勢いと共に思いっきり足を振る!!


 交差する尻尾と俺の右足!


 バシュ!!


 。。。


 尻尾が空に舞った。


 ドスン。。

 そして地面に落ちる尻尾。

「な。。。」


 切れてしまったんか。


 グワァァァァァアア!!

 恐竜の叫び声が光波山に響き渡った!!!


 俺の足元には。。

 千切れてしまった。


 恐竜の尻尾があった。


 交差した瞬間、俺の感じた感覚は思ったより軽いっていう感覚やった!

 俺の振り抜いた蹴りは恐竜の尻尾を一刀両断していた。。

 蹴った感覚が軽すぎて俺は驚いた。

 驚きで一瞬惚けに取られたけど、まだ恐竜は倒れてへん!俺はすぐ気を取り直し恐竜へと駆け出した!

 駆け出した俺に向かって恐竜も駆け出した、そして大口を開けて俺に噛みかかる!

 さっきの爆発で何本も歯がない、だからと言って噛み付かれていい訳がない。

 残ってる歯で腕でも足でも噛み切られてしまうやろ。。

 俺はッパと光の珠を使い避ける!

 入れ替わる俺と恐竜、そしてまた恐竜に突進する!

 恐竜も変わらず大口で襲って来る!

 恐竜も俺のスピードに慣れてきているのか。。

 蹴り飛ばそうと向かうとカウンターを狙っているのが分かってるのか確実に大口はすれ違いざまでさえ俺の方を向いてる、蹴りかかったら俺の足に噛みつかれてしまいそうや。

 なかなか俺は恐竜を蹴り飛ばせない!

 だからと言って攻めないと相手を休ましてしまうし。

 攻めなあかん!

 もう一度でも蹴ることができたら倒せそうなんや!!

 倒せるときに倒してしまいたい!!

 俺は何度も恐竜に飛びかかってはすれ違う、それを何度も繰り返した。


 ッパ!ッパ!ッパ!ッパ!ッパ!


 光波山にフラッシュが何度も何度も光る!!


 もうどれぐらい恐竜を蹴り飛ばそうと飛び出したやろう?

 光波山で焚かれるフラッシュの数俺は恐竜に突撃し噛みつき攻撃を回避する、それを繰り返した。

 顔面を大爆発させたり、尻尾を切り落としたりて、この勢いで絶対勝てるって思ったのに。

 何度突撃しても恐竜の噛みつきで近付く事が出来ず、俺はなかなか手出しが出来ない。。

 何度も何度も使って分かったんやけど光の珠は同じタイミングでは創り出せへん。

 5秒くらいのタイムラグがある。

 だから飛ぶ時にも何個も何個も使ってどんどん加速する事も出来ないし、光の珠で避けてすぐに更に光の珠を創り出して攻撃なんて事もできない。

 この短いようで長い5秒が恐竜に対して攻めきれない原因やった。

 もどかしい。

 どうしたらいいんや?

 小春ちゃんみたいに遠距離から氷の大針飛ばしたり出来たらいいのに。。

「ックッソ!!!」

 ザザザザザザザ。。

 後ろ向きに滑りながらブレーキをかける。

 ハァハァハァハァ。。

 息が切れてる。。

 だめだ酸欠気味や。。

 攻めきれへんかった。。


 ゼァゼァゼァゼァ。。。

 恐竜も息が切れてる。

 頭が大きく上下している。。


 。。。


 息を整えようと俺達の動きが止まる。。

 どうしたら勝てる?

 考えるんや。。

 っていうか俺また単調な突撃を繰り返してたんちゃう?

 あかんやんか。。

 じゃあどうしたらあの噛みつきを掻い潜ってダメージ入れれるんや。

 それが出来たら絶対勝てるんや!!

 考えろ!

 さっきまでの突撃を繰り返しても絶対無理やし。。

 蹴りを入れるためには、もっと俺が機敏に動き回れたら。。


 ボボボボボボ。。


 恐竜の口から黒い炎が漏れてる!!

 炎の玉があったの忘れてた!

 もう打ってくる!!

 避けたら山火事。。

 ックッソ!

 行くしかない!!

 できるだけ小回りしたいけど俺の珠を出す速さは。。

 さっきまでのが限界やし。。。

 ガァァァァア。。

 恐竜が口を開いた!

「クッソ!!!!」

 光の珠で飛び上がる!!

 まだどうしたら良いのか決まってないのに。。

 ボン!!

 打ってきた!!

 ッパ!!

 珠を蹴り避ける、そこからさらに光の珠を作って蹴って恐竜に向かう。。

 当然恐竜は大口を開けて

 待ち構える!

 だめだ突っ込んだら噛まれる!!

 ッパと光の珠を使って方向を変える。。

 恐竜の側をまた通り過ぎる。。

 さっきと一緒やんか。

 今光の珠が出せたら攻撃できるのにでもそんなに直ぐ光の珠は出せない。。

 今、まさに今なんや光の珠を出せたら。


 クソ!もどかし。。!!!

 ズガ!!!

「がっ!!」


 俺は考えすぎて注意散漫担ってた。

 恐竜の動向を注意して見れてなかった。。

 切れた尻尾の根本で俺は横殴りされた。。


 ドン!!!

 ゴロゴロゴロゴロ。。


「ッガハ。。痛って。。。」

 脇腹に尻尾が入りそうだったのをギリギリで腕でガードした。

 でも腕も脇腹も苦しいし痛い。。

 腹を抱えて痛みに耐える。

 苦しい。。


 ッス。。


 俺の頬に何かが触れた。。

 冷たい。。

 痛みのせいで閉じた瞳を開いた時、白い光が瞼の中へ差し込んだ。。

 少し驚いて目を開けると目の前にヴェルがいる。

 ヴェルを座らせたすぐ隣に俺は吹き飛ばされていた。。

「ヴェル。。」

 闇に蝕まれながらもヴェルは俺を触ってくれた。。

 心配してくれている?

「ダ。。。。。リ。。。。。」

 何か伝えようとしてくれてる?

 ヴェル。。

 ヴェルはもう片方の手で光の珠を優しく掴み俺に差し出そうとする。

 ドサリ。

 ヴェルの綺麗な白い髪をなびかせて俺の膝の上に倒れてしまった。

 それでもヴェルは掴んだ光の珠を差し出してくる。

 その光の珠を受け取る。。

 そして光の珠を作り出す。


「そうか!!」

「ダ。。。リ。。。ン。。。」

「ヴェル。分かった。分かったわ。。」

「アリ。。。ガ。。。ト。。」

「ヴェル。。俺こそありがとう。」

「ス。キ。。だ。。。チャ。。。。」

 俺はギュッとヴェルの手を握った。

「ヴェル絶対助けるからな」

 そっとヴェルをもう一度座らせる。。

「すぐ光波神社行ってこの闇払おうな」

 スクッと立ち上がって恐竜を睨みつける!


 フッ。。

 光の珠を掌の上に創り出す。

 その珠を右手にヴェルにもらった珠を左手に浮かして俺は駆け出した。

「わかったわ!勝つ方法!!」

 三歩目に光の珠を蹴った!

 

 恐竜は待ち構えてる。。

 口からだらだらと真っ黒い闇の様な血が流れ出ている。。

 ゴッボ。。

 吐き出される真っ黒な大量の血。

 恐竜。。

 かなりきてるな。。


 ギャオーーーーォォォォオォオォ。。

 黒い血を吐きながら恐竜が吠えた!


 多分これが最後や!!

 思いっきりやったる!!


 ッパ!

 光の珠を弾けさせて俺は最後の覚悟で飛びよ寄って行った!!

 ガバ!!

 案の定、大口で噛でみつきでを狙ってくる恐竜!

 俺は更に光の珠を創り出して飛ぶ方向を変えて回避!!

 ッシュ!!

 恐竜の横をすり抜ける。

 ここまではさっきと一緒やろ!

 でも今回はそれだけじゃないで!!

 元々創り出していたヴェルの上に浮かしていた光の珠に脚をかけて。。

 思いっきり!!!!


 バキン!!!!!

 恐竜の首を蹴った!!

 前もって光の珠を創っていたから連続使用ができた!


 ギリギリギリ!!!

 重い!!!

 でも蹴り切れ!!!

 ギリギリギリ!!

 くそ!もうちょっとや!!

 もっとパワーが欲しい!! 

 そうや!回避した時から5秒経ってるはずや!

 出てこい光の珠!!


 。。。


 こい光の珠!!

 ッフ!

 出来た!!

 俺は蹴りの最中にさらに光の珠を創り出した!

 その光の珠を蹴っている足の後ろにスッと投げて。。


 ッパ!!!


 光の珠が弾けた!!

 俺の足が一気に振り抜かれる!!


 ッブワァン!!!


 蹴りきった!!!

 ギャオォォォオォォ!!!

 バキバキバキ!!

 木々の枝をへし折りながら吹き飛ばされていく恐竜!


 バキバキバキバキ!!


 バシン!!

 長い首が大木の幹に当たる!

 しかしそれぐらいでは恐竜の飛ばされて行く勢いは止まらへん!

 グルグルグルグル!!!!

 体はまだ吹き飛んでいる首が大木に当たってしまったが為に凄い勢いの回転がかかってしまっている!!

 回転しながら吹き飛んでいく恐竜!


 ッドッカン!!!!


 。。。



 ズル。。。

 ドサン。。


 胴体が大木に当たって恐竜は止まった。

 それから木の下へとずり落ちた。。



 。。。。。。



 動かない恐竜。。


「よっしゃーーーーーぁああああ!!!!!!!

 俺は叫んだ満点の星空に向けて、輝く星々に俺の声が届くんじゃないかと思うほどの声で!

「ヴェル!やったで!倒した!」

 俺はヴェルに駆け寄る!

 ヴェルの上に光の珠をまた浮かした。

 ヴェルの綺麗な白髪が少し闇に侵食されてる。

「ヴェル。。」

 俺は不安になってもう一つ光の珠を創り出しヴェルの膝の上に浮かした。

 ヴェルに反応がない。

 速く光波神社に連れて行って翔陽のお母さんの麗子さんに見てもらわんと。

 でも。

 その前に恐竜をちゃんと倒したか確認せな。

 さっき後ろから炎の玉を撃たれたし。。

「ヴェルもうちょっとだけ待ってな」


 俺は恐竜の方に向かって歩き始めた。

 ビキ!!

「いだ!!!!」

 急に体に痛みが走った。

 槍を刺された肩なんか、白狼に咥えられた時の肋骨か、恐竜に蹴り飛ばされた時の痛みなんか。

 全身が痛くってもうどこが痛いなんて分からへん。

 ちゃんと俺は歩けてるんかもわからへん。


 俺は少し離れた所で横たわる恐竜のまで足を引きずりながらやってきた。

 我ながらこんなボロボロでよく戦えたなって思う。

 恐竜の様子を見ると、口から黒い血か闇かわからないものをドクンドクンと垂れ流し。

 白狼の女ニケや小春に傷つけたられて、炎の光を漏らしていた胸の傷口からも大量の黒い血がダラダラと滝の様に流れ出ている。

 

 恐竜は。もう。息絶えている。。


 これは死んだふりとかじゃない。


 目を見たら分かる。


 死んでる。。


 。。。


 急に罪悪感に襲われた。


 それにしても。。

 この恐竜には意志があった様に俺には思えた。

 俺を蹴飛ばした時も躊躇してた、傷つけないように一度吠えて威嚇して手放させようとしてたし。

 ヴェルを傷つけることにもなんか躊躇していた様に思える、咥えて飛んでいったのにヴェルには傷ひとつなかったし。

 途中から急に闇に蝕まれていってた、だんだん我を失っていた様に見えた。

 何かきっとこの恐竜にも、理由があって暴れてたんやろな。。

 俺は横たわる恐竜を見て少し後悔を覚えていた。


「ごめん。。。」


 でも、なんであんな必死にヴェルを求めてたんやろ。

 ヴェルを狙った理由ってなんやろ??

 あの闇みたいな霧?

 それにこの恐竜なんでここにいるんやろ。

 いたくていたんじゃないよな。。

 まずどこからか来たや?

 いや。。

 どこからか。。。

 連れてこられたんか?

 タトゥーの男が頭によぎった。


 あの白狼達ももしかして連れて来られた?



 。。。



 あいつらがヴェルを取り合うのは。。


 ヴェルが何らかの鍵とかになっているのか。。?

 ヴェルがいないといけない。


 例えば帰れないみたいな?


 でも何でそんな事に。。

 きっと連れて来られる時に何かあって、だから必死に?

 必死に帰ろうとしてた?

 その恐竜を俺は。。

 殺したんか?


 でも俺も。。


 ヴェルを渡すなんて考えられへん!


「ごめんな。。」

 俺はそうポツリと恐竜に言った


 罪悪感が俺の胸を締め付ける。

 なんとか全員が良かったと思える結果になる方法なかったんかな?


 。。。


 でももうこの結果は変えられへんよな。


「ヴェル。。」

 ヴェルの元へ戻ろう。。


 暗い山の中、俺は脚を引きずりながらヴェルの元へ戻っていく。。


「ヴェル。。一緒に光波神社に。。」


 ヴェルの元に置いておいた光の珠が目印になる。

 ヴェルもうちょっとでその闇を。。


 フラ。。


 木によろけてしまった。。

 うぅ、痛いし疲れてるし、くそ、ボロボロや。。

 でも、光波神社にヴェルを連れていくまでは。。

「頑張らなあかん。。」

 ボヤッとする目を擦る。

 顔を上げてヴェルの方を見ると。。


 フワリフワリ。。


 え。。?


 ヴェルの所に置いてきた俺の光の珠が。。

 動いてる??

 信じられなくってもう一度目を擦る俺。。。

 ヴェルの方を見る。。

 光の珠がフワフワと。。

 ス。。。。!!!

 やっぱり動いてる!!


「な!!!なんで!!???」

 突然光の珠が動き出した!!!

 ヴェルが小春ちゃんの時みたいに自分でどこかに向かってる?

 それともあの白狼とかタトゥーの男とか分からへんけど、誰かに攫われた?

 なんにしろ奇怪おかしい!!!

「ヴェル!!待って!!」

 心臓が突然速く脈打つ!

 俺は光の珠を創り出した!

 痛みが襲ってきたけどそんな物無視して俺は光の珠を蹴り出した!!


「ヴェル!!」

 ッパッパッパ!

 木々の間をすごいスピード飛び抜け!

 ふわふわ浮かぶ光の珠を追いかける!!


 光は光波灯台の方向へと向かっていった。



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