長い長い夜編 助け合うって素晴らしい
見上げた空は漆黒に染まっていて、星々がキラキラと煌めいている。
綺麗に輝く星々の中にチラチラと幾つも小さな炎が浮いていた。
暗闇に浮かぶそれを俺はかっこいいと思ってしまった。
ーーーーーー タトゥーの男 ーーーーーーーー
あれ?
あれあれあれ?
なんなん?
劣勢なん?
なんやそれ。
あかんやろ。
なんであの恐竜が負けかけてるねん。。
そんなん僕が考えたプランと全然違うやんか!!
あかんわ。
絶対あかん。。
。。。
僕の考え方が甘かったんか。。
あかんかったみたいやわ。。
まさかアイツらが手を組むなんてな。。
修正。
修正せなあかんわ。。。
問題はあの恐竜が強過ぎたからなんや。
誰も勝てる訳の無い最強の恐竜やったのが問題やったんや。
でもその問題はあのゴミ虫どものお陰で解決したわ。
ニヤリとゆっくりと笑う男。。
ほんなら解放や!!!
競り合わせて削るのは止めや!
すぐに殺したらおもんない思って僕が掛けたリミッター!!
今、解放してあのゴミ虫ども死んだらええんや!!
遠くの屋根の上から見ていた俺は恐竜の方へと手を伸ばす。。
俺の腕で元気に蠢く蛇達を三匹産み落とした。
「くっくっくっく。本来の力使わしてあげるわ。ゴミ虫ども殺してもらわなあかんしなぁ。」
真っ黒な空に溶け込みながら俺はこの後の結果を楽しみに喉で笑った。。
ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー
ギャウ。。。。
恐竜はあちこちから血を流している。。
確実に弱ってる!
尻尾をダランと垂らし、胸や喉からはドクドクと血が流れ出ている。
「いける!押し切るべきだ!」
翔陽が叫び恐竜に向けて駆け寄って行く!
それに呼応して小春ちゃんも仮面の女のニケも白狼のビアも翔陽に続き突撃していく!
俺は、何故やろ動かなかった。。
それはヴェルを腕の中に抱いていたからか。
それとも今日の夕方からの疲労とダメージで足が動かなかったか。
それとも。。
恐竜に何か小さな生き物が飛び込み、そこから小さく捲き上る黒い闇の煙が目に飛び込んできたからか。。。。
ビュアァ!!!
突風が襲った!
「うわ!!」
俺は一回転後ろに転がり飛ばされそうになる所を膝をついて耐える。
ゴロゴロゴロ!!
突撃していった三人と一匹がカウンターで突風に飛ばされ凄いスピードで転がってくる!
特に恐竜の近くにいた翔陽が凄い勢いだ!
俺に向かって転がってくる。
片手をヴェルから離し翔陽を受け止めた!!
「翔陽大丈夫か???」
「ああ。。」
ああと言いながら右腕を抑える翔陽相当腕が痛いのか。。
小春ちゃんや仮面の女のニケ、白狼のビアは飛ばされたあと四つん這いになり風に抗っている、それでも恐竜からかなり距離が空いている。
翔陽は片腕をやられているからか抗うことができず、突風になすがまま飛ばされていた。
小春ちゃんが俺と翔陽を見て。はぁ〜。と一息漏らし目を瞑ってから恐竜へと向き直す。
小春ちゃんの目線の先、この風の吹いて来る先にいる恐竜は。
なんでこんな風が?
俺も目を細めて恐竜の方を睨んだ!
あれ??
さっきまでいた恐竜がいない?
なんでや?どこいった?
移動した足音も聞こえへんかったし。。
「っは。。。」
小春ちゃんが息を呑む声が聞こえた。
小春ちゃんの方を向くと何故か小春ちゃんは空の方を見上げている。
吹いてくる風も空の方から。。
俺は空を見上げた。
見上げた空は漆黒に染まっていて、星々がキラキラと煌めいている。
綺麗に輝く星々の中にチラチラと幾つも小さな炎が浮いていた。
暗闇に浮かぶそれを俺はかっこいいと思ってしまった。
夜空に飛んでいたのはさっきまで戦っていた恐竜なんやけど、さっきまでの恐竜じゃなかった、さっきまで折りたたんで使っていなかった大きな翼を広げて空を飛ぶ恐竜。
な、に??
なんで??
姿形が今までの恐竜とは全く別物になってるやんか!!!
この風はあの恐竜の羽の羽撃きやったんか。。
ギャオオォォォオオオオーーーーーーォォォ!!!
今までの最大級の恐竜の雄叫び。
確かに今まで背にぴったりくっつけていた翼の様な物はあった。
けど今までは全く飛ぶどころか広げもしなかった。
あの翼は使えない物とばかり思っていた。
恐竜には退化して翼はあるけど飛べない種もいるって聞いたこともある。
ダチョウとかエミューとかも翼があるのに飛べへんしそんな感じなんかって。
でも違った。
あの翼は使ってなかったか使えなかったかそれだけやった。。
それに、仮面の女ニケに槍を突き立てられ潰れた目も何かおかしい。
白目の部分は黒く闇に落ち、その中にある瞳は闇に浮くルビーの様に赤く、真っ赤に光っている。。
胸についたいくつもの傷からはオレンジ色の光が漏れている。。
なんであいつ目とか胸が光ってるんや。
体内からオレンジ色の光が漏れるなんて。。
まるで。。
俺の頭に嫌なイメージが過った。。
そのオレンジが漏れる恐竜が口を開けた。。
口の中もオレンジ色に光ってるやん!!
ドン!!!
「うっそやろ!!!」
恐竜の口から大きな炎の玉が吐き出された!
ものすごい勢いで俺達の方へと飛んでくる炎の玉!!
「えい!!!」
横から小春が暴風から抗いながら俺達を助けるために、炎の玉を落とす為に、に氷の大針を投げた!
ジュ!!
炎の玉に氷の大針が刺さったかの様に見えた。
けど炎の玉は関係なく俺達に向かって飛んで来る!
氷の大針は炎の玉に当たる前に熱で溶けた。
小さくなった氷と溶けた水が炎の玉に被っただけやった。。
炎の玉がいかに高熱か、いかに危険か、溶けた氷の大針が物語っている。。
「ダメーーーー!!!」
小春ちゃんの叫び声を横耳に。
俺はヴェルと翔陽を抱えたまま思いっきり横へと飛びのく!
ッドッカァーーーーーンン!!!
立ち上がる爆煙。
バラバラバラ。
空からコンクリートの雨が降った。
「翔陽君!海晴君!ヴェルちゃん!!!!!」
小春ちゃんの声が闇夜へと響く。
ギャオーーーーーーー!!!
バッサバッサバッサ!
炎の玉を吐いた後。
恐竜が大きな翼を羽ばたかせ上空に上がって行く!
恐竜の姿の変化や炎の玉を吐いた驚きで体が硬直してしまっている白狼と女。
上空に上がっていった恐竜が突如として羽ばたきを止める。
体の向きを変えて落下して行く。
大きな翼を広げ落下の力をコントロールしてる!
恐竜が小春ちゃんに向けてものすごい勢いで突撃して行く!
小春ちゃんは慌てて氷の盾を創り出す!
ガッシャーーーン!!!
「きゃ!!!!」
恐竜の翼で氷の盾が割れる!後ろに吹き飛ばされる小春ちゃん!
あの恐竜の突撃には小春ちゃんの盾は貧弱すぎた。
小春ちゃんは受け身が取れる姿勢じゃない。。
「あかん!!」
恐竜に激突された衝撃で意識が飛びそうになるところを必死に耐える小春ちゃん。
ドン!!
頭から地面に叩きつけられた!
と思ったその時!
巻き上がった土煙の中から現れた翔陽が小春を受け止めた。
あれ?いつの間にあいつここからあそこに!?
全然気づかへんかった!
「翔陽君。ありがと。。」
小春は振り返り翔陽を抱きしめた。
「大丈夫か?」
翔陽は小春の体温に違和感を感じた。
「え?小春。手が冷たいぞ」
翔陽は小春ちゃんの肩を持ち自分の目の前に立たせる。
「な。。」
小春ちゃんの右手の掌の半分くらい迄黒い闇のような痣ができていた。
右脚の脹脛にも直径15cmくらいの歪な黒い闇のような痣がある。
「小春この手と足は。。?」
「えっとこれは。。」
ッバサッバサ!!
さっき凄い勢いで小春ちゃんにぶち当たり通り過ぎていった恐竜は勢いそのままに上空に舞い上がり、バサバサっと上空でホバリングを始める。
風圧が地上にいる俺達ところまで届きハッとは恐竜の方へと目を向ける。
体の傷から漏れるオレンジの光。
「あの蜥蜴は。もしかしてまた神の。。力を。。」
ニケと名乗る仮面の女が訳の分からないことを呟いている。。
ギャオーーーーーーー!!!
叫ぶ大きな口からニケと白狼のビアへ炎の玉が発射される!
「おい!避けろ!!」
俺の声が響く!
「っく!!!」
思いっきりコンクリートの道路を蹴り出し駆け出す!
「なんで硬直してるねん!!!」
俺は体で思いっきり白狼にぶつかる!!
白狼が俺ののタックルで横へふらふらとよろけた。。
ッドッカァーーーーーンン!!!
炎の玉が道路に打つかり弾けて辺り一体に爆煙が上がる。
爆煙のの勢いで俺とヴェル ニケ 白狼のビアが吹き飛ばされた。。
白狼の背からニケ離れて。
「あ。。」
更にヴェルも同じく俺の腕から放り出される。
一人で宙を舞うヴェル。
「ヴェル。。。!!!」
俺は受け身なんてかけらも考えずにヴェルに手を伸ばす!
ヴェルの闇に侵され冷たく黒くなった二の腕にギリギリ手が届いた!
グッと引き寄せる。
そしていつ地面に落ちても良い様にヴェルを抱きしめ丸くなる。
ッドン!!!!
地面に落ちた!
ッドン!!
ッドン!!
ゴロゴロゴロ!
俺は自分の背中を盾にヴェルを守った!
バンバンバン!!
「ガハッ!」
「ギャン。。!」
海沿いの防波堤に思いっきりぶつかって止まる俺達。
「がは、、」
打つかったもの凄い衝撃が俺を襲った。。
。。。。
。。。。。。
「うあ。。」
。。。。。。
「は!!!」
やば!一瞬意識が飛んでた。。
俺は身体を動かそうとする。
ビキッ!!っと体が悲鳴をあげた。
くそ、、あちこちが痛い、痛い箇所が多すぎてどこが痛いかもう分からへん。
あ!!
ヴェルが腕の中にいない。
「くっそ。。ヴェル。。どこや!?」
辺りを見回してヴェルを探す。
あ。
いた。
俺の足の上にヴェルがいた。
よかった。。
俺はヴェルが怪我をしてないか確かめる。
大丈夫。
怪我はしていない。。
でも黒い闇の侵食がまた進んでるわ。。
この闇の侵食は光波神社でなんとかするしかない。
やから今考えても仕方ない。
いそいで体制を整えないと恐竜の追撃が来たらやばい。
白狼のビアもニケと名乗る仮面の女も必死に立ち上がろうとしている。
彼女らもダメージが有るのかなかなか中体が動かせない。
ギャオーーーーーーー!!!
上空にいるの恐竜は大きく鳴いた後に一気に下降を始める!
もの凄い勢いで下降して来る!!!!
でも俺らから少し離れている!
と油断したら、ビュンっと乗ったスピードはそのままで俺たちの方へと方向を変え、道路の上を走るかの様に飛び寄ってくる。
俺達の方へともの凄いスピードで突っ込んでくる!
あかん!こっちはまだ!体制が。。
ダダダダダ!!!!!
高速で飛ぶ恐竜に駆け寄る人影が一人!!
「はっはっははは!!」
何故か笑っている!
姿勢を低くして両腕をだらんと力を抜いた姿勢で走り駆け寄る!
「っおっら!!!!!!!」」
ドッカーーーーン!!!
高速で飛んでいた恐竜の顔面で爆発が起きる!
恐竜の進行方向が変わる。
バキバキ!!!!!
恐竜の翼が電柱に当たった。
バキバキバキ。。
電柱は恐竜の翼の勢いでへし折れていく。。
ギャウ!
突進の勢いで横に二回転する恐竜。
ガガガ!
道路に爪を立て勢いを殺す。
「はっはっは!!」
こんな状況で笑うのはやはり翔陽。
やってやったぜ!どうだこの野郎って悪い顔でニヤリと笑う翔陽。
あの走り方で笑って、あの山で恐竜と戦った時と同じ感じや。
「ッチ!」
くそ。今ので翼くらいは壊れたと思ったっと悔しそうに舌打ちする翔陽。
あの恐竜のやつ電柱が折れて平気ってどんな強さの翼なんだよ。。
顔面への攻撃も翔陽の全力の一撃っぽかったのにな。。
恐竜の様子を伺う翔陽、息遣いから一挙手一胴足まで集中して観察している。
少し息切れしている恐竜も翔陽を観察している様に見える。
俺も負けじと恐竜の様子を観察して次の動きを予測する。
恐竜の身体からオレンジの光が漏れていないという事はすぐにあの炎の玉ブレスは来ないやんな。
シュゥゥゥ。。。
ん?何か。。
恐竜の足元から音がする。。
大きな音じゃないでもなんか。。
少し白い煙が恐竜の足元で上がっている。
あの煙絶対なんかある。。
「翔陽君!」
小春ちゃんも翔陽の側に駆け寄ってくる!
「小春!恐竜の足の爪も気をつけろ!」
翔陽が小春ちゃんに叫んだ途端に恐竜が片足を持ち上げ、後ろ回し蹴りの様に脚を振り回した!
キラッ!
何かが光った!
「小春避けろ!」
「はい!」
小春は氷の盾を創り出し体の前に突き出し守った!
翔陽は後ろへと飛び退いた。
ピシャ!
恐竜の蹴りと共に俺達の前に何か液体がまかれた!
その液体は白い煙を上げシューっと小さく音を鳴らしている。
「酸?毒?」
氷の盾で受けた小春ちゃんの盾からも白い煙が上がっている。
ガシャ!
道に捨てられ割れる氷の盾。
「翔陽君!」
「ああ!絶対あの液体には触るな!」
あの恐竜、使ってなかった翼を突然使って飛んで、更に炎の玉をを吐けるようになって、更に更に爪から毒の酸まで。。
急にどうなってるんや。。
「ははは。。」
またも笑い出す翔陽。
「でもこんな逆境が燃えるんじゃないか!!」
「翔陽君。。」
小春ちゃんが心配そうや。。
「はぁぁーーーー!!」
翔陽は火の珠を創り出す!
いつもは片手に一つづつなのに片手がやはり動かないのか翔陽は右手に火の玉を二つ作り出していた。
「いくぜ!!」
前のめりで突撃していく翔陽。
小春は後ろで氷の大針を左手で構えていつでも投げられるようにしている。。
ドンドーーーン!
翔陽達が戦ってくれてる!
俺もしっかり立たないと。。
痛みと疲労で震える脚に喝を入れる。。
ズキン!
「っぐ。。。」
ドサン。。
俺は急激な痛みでまた防波堤にもたれて座り込んだ。
あかん立ち上がれ。
グググ。。
ズキン!
「いったい!!」
くそ、脚の痛みで立ち上がれない?
足が痛い。
でもそんな事気にしてる場合じゃない。
無理に立ち上がる。
立てた。
なんとか、ぎりぎりや。。
白狼の方を見ると。
ガッフ!ガッフ!
無理に立ち上がった白狼のビアが口から血を吐き出していた。
かなりヤバそうだ。
白狼はその場に血を吐きへたり込んでしまう。
「ビア!動いちゃダメ!!待ってすぐに治さないといけない!!」
白狼の側にいる仮面の女のニケが慌てて駆け寄り白狼の側で膝をついて手を祈るように組む。
するとうっすら緑色に体が光り始めるニケ。
その光はだんだんと組まれている手に集まっていく。
なんて力強くて優しい光なんや。
ニケは白狼のすぐ側の地面に光る手をつける。
すると白狼の周りが光り始めた。
ゆっくりと光は強まり半球体になっていく。
あの光は俺も入った事のあるあの光。
ザワザワ。
緑の光の中で植物が芽を出していく。
ほんまにあの光どうなってるんや??
ッドッドーーーーーーン!!!!
爆発の音が辺りに響き渡った。
ギャオーーーーーーーンンン!!
恐竜の叫び声も響く!
ッバサッバサッバサ!っと恐竜が上空に避難する様に飛び上がっていった。
ッタッタッタッタッタ!
「おい海晴大丈夫か?」
恐竜が空へ飛び上がっていった隙をついて翔陽が駆け寄ってくる。
「あいつはマジでやばい!どこかのタイミングで逃げることを考えたほうがいい!」
小春ちゃんも追って駆け寄ってくる。
何か走りづらそうにしている。
「小春ちゃんどうしたん。。。?」
問いかけそうになった俺は息を飲む。
小春ちゃんの右脹脛が闇の侵食されてる。。
ああ。右手もや。。
「小春ちゃんそれ大丈夫???」
「あ。これ。。変な人に会って。」
「変な人??ヴェルも闇に蝕まれて。かなりひどいねん。多分あの学校の昼間の時だと思う。」
小春ちゃんと翔陽がヴェルを覗き込む。
「な、ヴェルさん。」
「ヴェルちゃん大丈夫???」
真っ黒く闇に侵されたヴェルを見て二人は驚愕する。
ッビュン!!
風切り音!
「恐竜がくるぞ!!」
翔陽が叫んだ!
防波堤に沿って横薙ぎに全員を狙って恐竜が突撃してきた、辺り一帯を刈り払う下降からの突撃!
あんな電柱をへし折る恐竜の翼に打つかったら一溜りもない!
「伏せろ!」
翔陽が叫ぶ!
防波堤上部をガガガガガと削るように突撃してくる恐竜!
俺ははヴェルを抱いたまま伏せる!
小春も伏せて回避する。
防波堤があって助かった。
防波堤より低くなれば翼に当たる事はない。
翔陽も悠々伏せている。
恐竜が翔陽の上を通り過ぎる。
その時!
ザッシュ!!
翔陽の背中に衝撃が走った!
「ガハッ。。」
前へ倒れ込む翔陽。。
下降からの突撃を囮に通り過ぎざまに恐竜の爪が翔陽を引っ掻いた!
「翔陽君!」
背中が恐竜の鋭い爪に傷つけられている。
「くっそ。。」
血が流れ切り裂かれた服がみるみる血に染まっていく。
しかし片腕をつき立ち上がろうとする翔陽。
もうボロボロなのが見てわかる。
「翔陽君立っちゃダメ!」
小春ちゃんが心配そうに翔陽の肩を触る。
「ガ。。。」
翔陽はバタンと力なく道路に倒れ込む。
なんか翔陽が奇怪しい、あの爪からでてる毒か。。。
翔陽の口から白い泡が出てくる。
バッサ!
翼で羽撃き距離を置く恐竜。
「翔陽!!」
「翔陽くん!!」
「あの爪から出てた液体は。毒なんか。。?」
「翔陽君!どうしたら。。。」
俺と小春ちゃんが翔陽を心配したその時。。
ッパ。
突然辺りが明るく照らされた。
俺と小春ちゃんは光の方を見る。と。。
そこには空中でバサバサと羽ばたきホバリングしながら恐竜が開いた口の中で炎の玉を作り上げている。
大きい!!
さっきのよりかなり大きい!
これはマジでやばい!!
逃げんと!
ヴェルと翔陽も動けないから俺が担がないと!
俺が翔陽の側へ行く。
ドン!
逃げる暇も与えず打ち出される炎の玉!
ダメや速い!!
翔陽を担いで回避する時間がない!
逃げないと俺達全員がやばい!!
このまま翔陽をほって行くわけには。。
小春ちゃんも危険とわかって翔陽を担ごうとする!
「う。。」
しかし担ぐことは叶わず右膝をついてしまう。
小春ちゃんの右足の闇の侵食が力を奪っているのやろう。
くっそ。。
何でこんなに。。
迫る炎の玉!!
「しかたないね。。。」
口から血を流し立ち上がる白狼。
「ビアまだ!」
ガフッ!
血を吐く白狼。
「あの子にはさっき助けられた借りがあるからね」
ザシュ!!
ニケを置き去りに白狼が駆け出す!
炎の玉が俺達にさらに迫る!
バッ!!
「アンタ達死にたくなかったら捕まりな!!」
翔陽を口に挟み!
白狼が戸惑う俺と小春ちゃんの二人を鼓舞する!
もう目の前まで炎の玉が迫ってる!!
「早くしな!!!!!!」
慌てて白狼を掴む俺と小春ちゃん!
「ビア!だめだよ!早く逃げて!!!」
ニケの必死の叫び声が聞こえる!
ッドッカァァァーーーーーーン!!!!!!
物凄い爆発が巻き起こった!
その爆発は防波堤のコンクリートを吹き飛ばし海岸沿いの道にも大穴を開けた!
「ビアーーーーーーーー!!」
ニケと名乗る女の声が闇夜に響き渡る。
パラパラパラ。
仮面の女ニケの所にコンクリートの破片の雨が降る。
ぼふっ!!
爆煙から四人と一匹がバラバラに飛び出した。
「ビア!!」
白狼に掴まり、皆んなギリギリで炎の玉を避けることができた!
避けれた!でもすぐ側での爆発の炎と爆煙の衝撃に俺達は襲われた!
吹き飛ばされたコンクリートの破片が俺達にバンバン当たって、爆発の中で空中で全員四散した。
四散した中でも俺は薄れる意識の中でヴェルだけは離さないとしっかり抱きしめた。
吹き飛ばされ爆煙から飛び出る俺とヴェル。
その爆煙から飛び出た!
着地を、、
そう思った途端!
ドン!!
俺は恐竜に思いっきり体当たりされた!
「ガハッ!!!」
空中で体当たりされ吹き飛ぶ方向が変わる!
意識が飛びそうや。。
。。。。
ドン!ゴロゴロゴロ。。。
ビーチに吹き飛ばされ転がる。
それでもヴェルは絶対離さへん。。
「う。。」
止まった時に俺は体を起こし周りを確認する。
ヴェルは俺の腕の中にいる。
体が痛い。。
バッサバッサ!!
恐竜が空から俺の上に降りてくる。
「くそ。。」
身体が動かへん。。
ドスン!
「ぐあ!」
俺の両足の上に降り立つ恐竜!
大きな恐竜の右足一本で俺の足を押さえ込めてしまう。
抑え込まれてる、逃げられへん。。。
ジューーーー。。
爪から流れ出る液体が砂浜の砂に流れ白い煙を上げている。
恐竜はそのまましばらく俺をを見つめてから、口を開けてヴェルを掴み。
俺から引き剥がそうと思いっきり引っ張る。
「おい!やめろ!!!」
無理矢理俺の腕の中からヴェルをむしり取った。
抗おうとしたけど俺は何も出来ず。
ヴェルが恐竜に奪われてしまった!!
ギェエェェエエ!
おかしな鳴き声を発し、
恐竜は羽を羽ばたかせヴェルを咥え飛び上がって行った。
あ。。。。。。。
ヴェル。。。
ヴェル。。。。。
絶対助けるぞ、ヴェル。。。
気づけば俺は恐竜の足にしがみついていた。
徐々に上空へ上がって行く恐竜。
「ヴェルを返せ。。。」
けどどう考えてもヴェルを取り返せる方法が浮かばへん。
何より俺の力が足りな過ぎる。
今、恐竜にしがみつくので精一杯やし戦う術がない。
あんなに修行したのに意味を成してない。
チラッと恐竜が俺の方を見た。
フイッと前を向き直す恐竜。
俺はまるで相手にされていない。
恐竜は上空から一気に大きく羽ばたき下降するスピードをつけ始めた!
「ぶわ!!!」
その恐竜が下降するため大きく羽ばたく瞬間!
恐竜は脚にしがみついてる俺をもう片方の足で蹴り飛ばした!
俺は恐竜から振り落とされてしまった。。
蹴り飛ばされ落下していく。。
落ちながら後悔の念が頭に噴き出してくる。。。
ああ。。
ちくしょう。。。
ヴェル。。。
ごめん。。。
また。
離してしまった。。




