長い長い夜編 実戦発揮って素晴らしいですね
小春目線の為にカタカナがひらがなになってます
黒い模様の蛇が空気中へと飛び出し、大きな円を作る。
そしてその蛇の円の中が漆黒の闇に染まっていく。
円の中は鏡の様になってその中は宇宙の穴の様な渦を巻いていた。
ーーーーーー 絹川 小春 ーーーーーー
ッザーーーーーン。。
ッザーーーーーン。。
海の側で周りを見渡す。。
ここにヴェルちゃんと海晴君はいないのは分かってる。
ッザーーーーーン。
でも海晴君達の行きそうな所は全部見たよ。
学校も家もうぃんどさーふぃんのお店も。。
何回も何回も何回も見て回た。
今が何時かもわからない、私達はがむしゃらに全力疾走で街を走り回った。
そして思い当たる所、私がこの時代に来ていった所を全て見て回って最後にここに帰ってに来た。
海晴君達から掛かってきた電話越しに波の音が聞こえなかったし。
海晴やヴェルちゃんがここに居なかった事は分かってるんだけど。。
でもここに居なかったら何処にいるって言うの??
自転車もここの近くの駐車場に止まってたのに。。
「くっそ。。」
翔陽君が疲れた足を休ませるためか、悔しいのか、元気に必死に走り回ってた膝は崩れ落ちて砂浜についた。。
疲れたよね。。。
私も疲れたけど、道中はずっと翔陽君が私を後ろに乗せて自転車を漕いでくれてたもんね。。
ごめんね、ありがとう。
私は一緒に屈んで翔陽君の背中を屈んで摩る。
きっと翔陽君体っていうよりも精神がきっと疲れてる。
親友の海晴君の危機に助けに行けずに苦しんでる。。
ッザーーーーーン。
波打際、波が届かないギリギリの所に居たはずだけど大きな波が来て私達の足が波を被る。
打ち寄せた波が海晴君がいなくって不安が立ち込めた下向きな気持ちに、更に拍車をかけてくる。。
悔しそうに背中を震わせる翔陽君。
「翔陽君。。。」
。。。
「本当に海晴君たち何処行ったんだろ。。」
。。。
「生きてるよな。。?もう死んでるなんて無いよな。。。」
海晴君が生きてるいるのか?もしかして。。。。?
ってきっと思ってはいけない不安が翔陽君を襲ってる。
口に出した瞬間その不安は急激に大きくなって、その不安という影に体を囚われ動けないし、声の出せない。
思考も不安のことしか考えられなくなる。。
いいえ。
実際は体は動くし声も出せるんだけど。
でも心が精神が囚われて動けないし声も出せないの。
不安の原因の海晴君が生きていないことばかり考えてしまう。。
「翔陽君、、大丈夫、海晴君は生きてますよ」
私は根拠の有りもしない言葉をかけるしかなかった。
「生きているのに!なんで、なんで!あれっきり連絡もなくってどこを探してもいないんだよ。。」
「えっと、、それは、、ね、、」
膝をつき両腕をダランと垂らし力無くて波打ち際で項垂れる翔陽君。
私は翔陽の左側から肩を抱き心配そうに焦点が合わず力の入ってない翔陽の顔を覗き込む。
。。。。
初めは小さかった不安が、、、
海晴君を探し回り体が疲労していく事で心も疲労していく。
不安は疲労に取り付き、不安はドンドン大きくなり。
ついに絶望までこちらへと引き寄せてくる。
不安に引き寄せられ近づいてくる絶望が、翔陽君に海晴君が死んでしまってる事を想像させて、更に思考を鈍らせる。
最悪な状況の想像がさらに不安を煽って大きくなって、それを糧にゆっくりゆっくりと絶望が這いずり近づいてくる。
そして。
心を不安に侵食されてる翔陽君にもう一つ近づいてくる物が。。。
何か変な感じがする。
そう思った瞬間。
「あれ?こんなとこで何してるのー?君ー?大丈夫?」
急に人の声がした。
「誰?!!」
突然聞こえた声に驚き、声を掛けてきた物に対して私は反射的に振り返った。
驚いた。。
突然として自分のすぐ側に人が立ち。
私と翔陽君を見下ろしていた。
背が高い。。
凄い上から私達は見降ろされてる。。
翔陽君は全く反応出来てない。。
今の今までこのビーチには人なんていなかった、それに足音も何もなかったのに、なんでどうやって?
ヒョロッとしている様なのにとても大きく見える。
通常ではありえないほどの猫背で手足がとても長い。。
その手をずぼんのぽけっとに突っ込んだまま覆い被さる様に翔陽君を嬉しそうな顔で覗き込む。
上下で真っ黒な革のズずぼんと上着を着てる。
まるで不思議な箱で見たかっこいい歌方さん(ロックミュージシャン)の様に着こなして、その上着には鉄の棘のような物がいっぱいついてる。
髪の毛は短く坊主の真ん中だけ真ん中だけ黒く天を刺す様な髪型は爬虫類のトサカを想像しちゃう、首から左頬にかけて蜥蜴の黒い模様がが入っていて、眼の瞳が大きく真っ黒。。。
漆黒のような瞳の色はまるで全てを吸い込み無かった物にしてしまう宇宙の穴みたい。
何よりもなんか凄い雰囲気を纏った人だ。
凄い怖い。
私の側に立たれてるだけで。
その雰囲気に飲み込まれてしまいそうになる。。
ゴクリ。。
威圧されて動けない私の喉が鳴る。
「あーーなんや?怖いんか?心配いらへんよ。僕は君たちの敵やあらへん、なんや?この男の子めちゃくちゃ苦しそうやんか、大丈夫なん?僕ねー、一回起きてしもたらそこから寝れなくなってしまうんよー、それでなぁ散歩しとったっら、君達を見かけたんや、これは大変やーー。助けてあげなあかんわーーー。って思ってね。」
暗闇の中でギョロリとした顔が頰を釣り上げ笑顔を作る。
大きな口からは真っ白なっ整った歯がギラリと見える。。
怖い。
この人は絶対良くない、ダメな人だ。。
「僕ほんまに心配やわーー。大丈夫かいなこの子。。」
翔陽に黒い男の人は手を伸ばす。
私の目の前を男の右手が通り過ぎて行く。
男の右手は白く細くまるで鍵盤の楽器を弾く様な綺麗な手。
その手に。。
左頬に描かれてた黒い模様の蜥蜴が。。
男の差し出していく右手をパパパっと歩いてる。。??
何か奇怪しい!
この男の手に翔陽君に触れさせてはいけない。
それだけはっきり分かる!!
「ダメ!!」
私は男の腕を体当たりをする様に体を使って全身で払いのける。
少し、少しだけ翔陽君に触れてしまったかもしれない。
「え?何これ????」
手に触れた瞬間、私の体に思い出したくも無い記憶が凄い勢いで流れ込んできた。。
これは前山のてっぺんで見た。
私の過去??
それが早送りで、何倍もの凄い速さで視野の中を駆け巡って行く。。
。。。
思い出したくもない過去の映像が激流の様に流れ過ぎて行く。。
そして私は人身御供になる為に滝に飛び込み、目の前の景色が夜の砂浜戻ってきた。
「この豚女!何邪魔してるねん!」
視野が戻るとそこには、男が立ち上がりこっちを睨みつけていた!
急に男の周りから闇の霧の様な物が溢れる。
「あなた一体誰?」
私は臨戦態勢を取りながら問いただす。
「死に損ないの豚女にそんなん関係ないわ!邪魔すんなや!!あれじゃ闇が足りてへんやないか!」
左頬に居たはずの蜥蜴の黒い模様がいない。
男は私に構わず翔陽君の方へと駆け寄ろうとする!
「させない!」
氷の針を男に向かって投げる!
ピタッと止まって氷の針を避けた、氷の針は男の前を通り過ぎて行く。
「お前。。。僕の邪魔を。。するなや!!!!!」
男はこっちに向きを変え手刀を私に向けて突き出してくる!
大丈夫私落ち着いてる。
なんとなくこっちに攻撃してくることが予測できた。
「えい!」
私は男に向かって手を伸ばして氷の針じゃなく氷の丸い板を掌の前に出した。
ガン!
男の手刀は氷の盾に阻まれる。
お鍋の蓋くらいの氷の盾に止められた男の手の上にはおかしなかことが起きていた。
上の。?いや。中のかな。とにかく手に居る黒い模様の蜥蜴がいて。
その蜥蜴がバタバタと氷の板が邪魔だと言わんばかりに暴れている。
その暴れている蜥蜴、良くみるとの尻尾が切れてる。
黒い模様ががなぜ動いて暴れてるの??
「お前、なんやそれ!なんで戦い慣れてるねん!」
恐竜と戦ってからずっと毎日翔陽君と氷の珠の扱いを練習してきた。
それに色んな状況を想定して修行してきた。
早速修行の成果が出た!
今は兎に角この男に触られない方がいいと思う!
翔陽君には絶対触らせない!
まだもう一つ練習してた物があるの!!!
翔陽君を守りたい!
私は片手を氷の盾から手を離し、その掌の上に氷の珠を作った。
「えい!!」
その氷の珠をッバンと氷の盾に打つける様に入れた!
ズバッ!
「っうわ!!」
氷の盾から棘の様な物が飛び出た!
やった、練習では出来ていたけどちゃんと今回もちゃんと出来た!
長さは果物ナイフくらいの物だけれど。
驚いて蜥蜴の男は後ろへ飛び退いた。
黒い男は手の甲から血を流している。
「お前なんで、氷の形を変えられる様になっとるんや?ちょっと前までは出すだけやったやろ!!」
男が思いっきり前傾姿勢になる!
突撃してくる!?
させない!!
「えい!えい!えい!!!」
シュッ!シュッ!シュッ!
私は氷の大針を飛ばす!!
牽制とかではなくしっかり黒い男に狙いを定めて当てにいった!
でも大針は何にも当たらず空をただ切るだけだった。
男はバックステップしながら軽々と私の大針を避けた。
そして思いっきり駆け寄ってくる!
そこへ全力の大針!
氷の珠の練習していて分かった事がもう一つある!
思いっきり力を込めて大きく作った大針は力が込もっているからか小さな大針よりも飛んでいくスピードも速くなる!
これは当たる!!
私は確信を持って思いっきり大針を飛ばした!
前のめりに駆け出してる男に向かって凄い勢いで大針が向かう!
ズバン!!!
やった!当たった!!
男は避けることも出来ずに立ち止まった。
そしてだらんと両手と頭を垂らす。
。。。
「この針、、出すのも速くなっとるな。」
改めて黒い模様の男はグリンんと顔を上げる!
!!!!
右目を中心に真っ黒なってる。。
穴があい。。ちゃった。。。?
いや違う。。
よく見ると右目が真っ黒になってるのではなく、右目の前に真っ黒の蛇が出てきていて、その蛇が目の前で円を描き、円の中は宇宙の穴の様に混沌の闇を写している。
蛇も真っ黒だから宇宙の穴と同化分からなかった。
その男の首から飛び出してる蛇の尻尾側は、襟の中から黒い模様で描かれ、首を通じて頬骨あたりで肌から実体化し空気中に飛び出してきて目の前で円を作っている。
見ただけでは小春はどうなってるかわからなかった。
「おまえなんか強くなってって危ないなぁ、ほんまにギリギリやったわ、お前、やっぱりもうここで殺しとこか。。」
黒い蛇が肌に吸い込まれる様に入っていく。
黒い蛇がただの蛇の黒い模様に戻った。
そしてなんとその蛇の黒い模様が這いずる様に首もとから服の中に入っていく。
攻撃されても反撃できる様に右手に大針を作る。
構えながら男を集中して観察する。
静かな睨み合いが始まる。
「海晴。。。なんで。。。」
翔陽君がうつ伏せて何か呟いてるのが聞こえて来た。。
私は一瞬心配して翔陽君を見る。
体全体が脱力してて目も何かおかしい。
気になる!
きっと。。
翔陽君は前の私みたいに闇の霧に影響されて、見たくも無いもの見せられてるんだと思う。
「翔陽君!海晴君を信じて!!海晴君は絶対大丈夫だから!!!」
「プ!プププププ!きっしょ!!無駄や無駄無駄!そんなことで僕の闇の力に勝てるわけないやん!もうその男は不安と絶望にに飲まれて終わりや!さよならさんや!」
「あなた一体、、誰?何の為にこんな事を??」
「なんで君にそんなこと教えないとあかんの?教えるわけないやんかぁ〜」
顔を上げギラリとこちらを見る。
猫背の体を起こしながらこっちを指差す男、暗闇の中、男の真っ黒な瞳がギラギラと光ってる。
「お前はもういらんわ。あんなの大きな闇を抱えてたから使えるかと思ったんやけどな。ちょっとした興味で氷の中から出したったのが違いやったわ」
「何を言ってるの??」
「せやね、うん、もう失敗作は消そか、邪魔なだけやわ」
すっと男が小春に向けて指を指す。
ぎゅっと私は身構える。
男は動かない。。
少し男と距離がある。
私は氷の大針を投げる事もできる、でもきっと投げた氷の大針を避けて突撃してくる。。
だから今投げる訳にはいかない。。
男はニヤリと笑いながらまだ私に指を刺してる、凄い挑発的、私に攻撃してこいと言ってるみたい。。
私は男が動いてから動くべきよね。。
ガブ!!
「痛!!」
急に右足に痛みが走った!
痛みで驚き足を引こうとしたが足が固定されてるのか動けない!
男は動いてなかった。
なんで?
ちらりと足元を見ると右足に何か巻きついてるテカテカした黒い綱みたいな。。
私の足に絡みついてる太い綱は私の脚に噛みつき赤い目を光らしていた。
「蛇?」
足には地面から這い出て足み巻きついてる真っ黒な蛇が噛み付いていた。
ッザ!!
私が黒い男から目を離した隙を男は見逃さなかった。
動けない私に向かって飛びかかる。
「油断したらあかんわーーー!!」
ッドッス!!
「あ“。。。!」
私のお腹に思いっきり膝蹴りが入る。
足が固定されているため私は吹き飛ぶこともできず砂浜へ叩きつけられる様に倒れ込む。
「がはっ!がは!がは。。」
お腹を蹴られ息ができない。。
「あかんやろ、また隙だらけや!」
その私に馬乗りになり男は小春の首を左手で掴む。
そして右手で殴る。。
ガン!ガン!
これはダメよね。。
私はどうした良いか考える。
「使えへんおもちゃは壊してしまわなあかんわ!!」
男は思いっきり右手を振り上げる!
考える暇も隙もない。。。
男はその手に黒い闇のオーラを纏わした!
この攻撃は当たったらダメなやつ。。
そして振り下ろされる右手。
「ダメ。。!」
私は慌てて顔の前に氷の盾を出した!
ガシン!
男の拳は小春の顔面ギリギリで止まった。
氷の盾は男の腕を捕まえる様に手首の周りに出来ている。
盾を突き抜けた訳じゃなくって、ギリギリで生成された氷の盾が腕を止めた様な形になっちゃった。
盾が出来るより少し男の拳の方が早かった。
本当にギリギリで盾は拳を受け止めてくれた。
私は右手で盾を触り盾から氷の棘を出そうと氷の球を作りながら手を伸ばす!
その瞬間、黒い男は後ろへと飛び退いた。
氷の盾は男の腕に張り付いたままになっている。
私は慌てて立ち上がる。
足の蛇はまだしっかりと巻きつき小春をその場から動かしてはくれない。
シシシっと口の奥で笑う大きな蛇。
私はその場で左手に氷の大針を作り姿勢を落として臨戦態勢に入る。
蹴られたお腹も痛くて、殴られて脳震盪なのか少し頭がクラクラする。
そして右手が少しおかしい、あの闇を纏った拳で攻撃は盾を作った私の右手に掠った。
顔は殴られなかったけど、右手の人差し指と親指に当たっていた。
「お前。。弱いくせに。。そのまま殴られとかんかい。。」
男は左手で顔の左半分を隠し中指と薬指の間からギョロリとした目を覗かしている。
「海晴、なんで死んでしまったんだ、悲しい、、苦しい、、、」
翔陽君が何かぶつぶつ呟いてるのが聞こえてきた。
まだ翔陽君は膝を着いて蹲まったまま頭を抱えてる。
翔陽君、完全に何か奇怪しい。。
「翔陽君!海晴君を信じて!!海晴君は絶対大丈夫だから!!!」
私は翔陽君に叫んだ。
グァァァッァァアアァァァッァア!!!
突然道の方から大きな唸り声が聞こえてくる。
何か聞いたことのある鳴き声。。
鳴き声の聞こえた道の方へと振り向く男。
すぐに男は私に視線を戻した。
「もうあっちもクライマックスみたいやな、終わらせよか、もうお前なんかいらへんからもう早く、死ね!!」
男が小春に指をさした瞬間手の甲から黒い模様の蛇が空気中へと飛び出し、大きな円を作る。
そしてその蛇の円の中が漆黒の闇に染まっていく。
円の中は鏡の様になりその中は宇宙の穴の様な渦を巻いている。
私は明らかな悪意と、このままでは危ないという危機感に襲われ、体は強張と震えに襲われた。
「ほな。さいならや。」




