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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
63/110

長い長い夜編 夜空を駆ける白犬って素晴らしい?



 満天の星の光をバックに白い美しい毛の反射させ。


 闇夜にキラキラ光る大きな犬が空を駆けている。


 


 ーーーーーー 女と白犬 ーーーーーー



 ジャシュ!ジャシュ!ジャシュ!


 ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!


「ニケ、あやつなかなかに速いぞ」


 あの男私たちの威嚇から抜け出せた。

 あの男、見つけた時はだだの普通の男だと思った。

 でも違うな。

 あの走りは本当に人間なのか。

 曲がっては走り曲がっては走り曲がっては走り。。

 さらに人を抱えてあの走りは普通じゃ無い。。

 なぜあんなにも必死にあの女を守る?

 つがいだからか。。?

 だけどそんな事私達には関係ない。

 あいつらの関係なんて考えるな私!

 感情移入してしまったら奪えなくなってしまう。

 私達には絶対に絶対にあの女がいないと困る!

 私達には絶対必要なんだよ!

「ビア、迷ったらダメだよね、、私達は絶対に捕まえて帰らないとね!」

「ああ、早くしないとね!やっと見つけたシッポだ絶対離しやしないよ!」


 ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!


「それにしてもあの人間は本当人間なのか?人間がこの私と同じ速さだなんて常軌をを逸しているよ!」

「ビア、この石の地面じゃ仕方ないさ、走るのに爪まで使えないんだろう?」

「ああ、この奇怪おかしな地面は硬すぎる」

「この世界は本当におかしな世界だよ。空気も奇怪しいしね。夜なのに明るいしね。」


 ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!


「ニケ、あの男家の間をクネクネ曲がってなかなか追いつけない、追いかけづらいったらないよ!本当になんなんだあいつは」

「本当に信じられないね」

 本当にあいつは速いなあんな人間は見た事が無い。

 ビアがスピードで負けるなんてありえない。

 草食動物が必死に食われまいと逃げる姿に似ている。

 この逃げ方は。ああ。。

 うさぎだね。

 なら。。

「ビア!この逃げ方兎とか小動物に似ている!だったらそういう追いかけ方をしたらいいんだよ!」

「兎?小動物?ああ。そう言う事かい!分ったよ!」




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー



 脚がかなり疲れてる、筋肉に乳酸が溜まって張って痛い。


 はーーーーーー。。


 ふぅーーー。。。


 だんだん呼吸が整って来た。。


 もう少し休んで。。


 ザッザッザッ

 ドキ!


 足音がする。。


 ザッザッザッザッザッザ。


 息を止めてバレない様に、四つん這いで顔を前に出してそーっと茂みの向こうを、木々の間から覗く。。


 ザッザッザッザッ。。。

 

 。。。


 サラリーマンのオッチャンが歩いてる。。


 何やねん!!!

 ドキッとしたわ!!

 

 すぅぅぅーーーーー。。

 はぁぁぁーーーーー。。


 あーー緊張した。

 あの白い犬と女かと思った。。


 すっと俺はヴェルの横に座り直した。

 ああそうや!翔陽に電話して助けに来てもらおう。。

 もしかしたらこのまま隠れてるだけで何とかなるかも。。

 携帯を取り出すためにポケットにてをつっこむ。

 その瞬間。


 トゥルルルルル。。

 トゥルルルルル。。


 急に着信音が鳴る。。

 五月蝿い五月蝿い!!

 白犬が来てしまうやんか!

 慌てて携帯をポケットから出す。

 あれ?鳴ってないやん!

 なんで?


 トゥルルルルル。。

 トゥルルルルル。。


 ヴェルの方から聞こえてくる。。

 待て待て!

 五月蝿い五月蝿いって!

 慌ててヴェルの制服のポケットを探る。

 スカートのポケットに携帯が入ってるのが分かった。

 学校に入学して早々に買ったヴェルの携帯。


 トゥルルルルル。。

 トゥルルルルル。。


 プツッ。。


 着信音が切れた。。

 それでも慌ててヴェルのポケットから携帯を取り出す。

 ヴェルの携帯のホームボタンを押す。

 ッパと携帯の灯りがついて周りを照らした。

 いやいや眩しすぎるって。。

 灯りであいつらに俺の居場所がバレるやんか。。

 慌てて携帯の周りを手で覆って出来る限り光が周りに映るない様にする。

 顔の直ぐ前に携帯を持って来てさらに光が周りに映るのを抑える。

 携帯の着信を確認すると掛けて来てたのは小春ちゃんやった。

 何回も何回も翔陽と小春ちゃんからの着信の跡は幾つもある。

 二人とも心配してくれてる!

 俺はヴェルの携帯のロックを外し、俺はそのまま翔陽に電話をかけ直す。。

 目の前で操作していた携帯を耳に当てる。

 トゥルルルルル!

 耳携帯を当てた瞬間眩しかった携帯の灯りが目の前からなくなり、茂みの景色が目の前に飛び込んでくる。


 ガサッ!


 え?ガサッ?

 何かいるんか?


 トゥッルルルル!


「ヴェルさん!?なぁ!今一体どこにいるんだ!?」

「翔陽か?」


 ッガッサ!!!

 ッガッッバ!!!!!!


「うわ!!!!!」

 突然白犬の口が目の前に現れた!

 獲物を捕まえる為に開いた大きな口が目の前に!!

 すごい勢いで迫ってる!

 それも俺に向かって!!

 っやっばい!!


 ゴロン!


 バクン!!!


「ぶはぁ!!」

 危なかった。。

 俺は白犬の大口の攻撃を避ける為に左後ろに仰け反りながら、右手と左手でで白犬の鼻と顎を抑えた!

 危なかった!!

 なんとか白犬に食いつかれなくてすんだ。。

 ガバッとまた白犬が口を開ける。

「あかんあかんあかん!」

 絶対手を離したらあかん、食われる!

 俺は必死に手で食われないように支えた。


 ハァーーーー。

 っと白犬の生暖かい息がかかる。

 目の前全てが白犬の大きな口内や。

 牙が恐ろしい、こんなのに噛みつかれたら俺の肉なんて簡単に食い千切られるやん。。

 ギラリと光る牙。

 ググググ!

 やばい、口を閉じようと白犬が力んでる。。

 やば、、!!


 バクン!!!

「うわ!!」

 俺を噛みちぎろうと白犬の口がすごい勢いで閉じた!

 俺は支えていた両手で口を押しゴロンと斜め後ろに転がって何とか白犬の大口から逃げた。 


 俺は左側にいたのヴェルの上を転がってしまった。。

 木にもたれて座っていたから真後ろに逃げることができなかった。


 白犬を見上げると目の前まで更に危険が迫っていた。


 ヒュ!!


 白犬の背の上から仮面の女が槍を突き刺してくる!

 やばい!!

 くそ!

 左に転がる。

 槍が空を切る!

 ヴェルから離れてしまった。。


 ヒュ!!

 もう一度槍が迫る!

 しかし一回転して避ける。

 

 ザク!

 地面に槍が刺さる。

 俺はヴェルの方へと転がり戻った。

 上から白犬が俺を睨みるける。

 前足を振り上げた!

 あの鋭いナイフの様な前足で俺を切り裂こうとしてる!

 俺は慌ててヴェルを掴んで思いっきり木を蹴った!

 ッシュ!と空を切る音が聞こえた。

 そしてゴロゴロっと俺とヴェルは地面を転がった。


 俺は少し離れた所からヴェルは渡さへん!っと白犬を睨みつけた。


 ガリ!バリ!バリバリ。。

 白犬が何かを噛み砕いてる!

 あれはヴェルの携帯!?

 あーあー、、買ったばっかりやのに。。

 さっき噛み付かれそうになった時に両手で守って思わず手放してしまった。

 その時にきっと白犬の口の中に。。

 まぁいいわ、まだ俺の携帯もあるし!

 その間に慌ててヴェルを抱えて立ち上がる!

 俺は背を向けて思いっきり駆け出した!

 また住宅街の中へ!


 もう追ってくるな!

 そう期待しながら駆けた。


 ザシュ!!ザシュ!ザシュ!ザシュ!


 あかん、付いて来てる!!

 そら来るよな。。



 脚が重い。。

 まださっきの疲れが回復しきってない。。

 重りが付いているのかの様な重い脚。

 いつもの俺の脚じゃない。。

 一歩一歩が辛い。。

 ザッザッザ!

 来てる!

 近づかれてる。。

 ヒュ!!

 槍!?

 っ痛!!!!

「っぐ!」

 俺は視界の端に女の持ってる槍が見えたから体をひねって避けようとしたけど、避けきれへんかった。

 槍は俺の左肩に刺さった!

 痛い。。

「ぐっそぉーーーーー!!!」

 痛いけど俺は止まるわけにはいかへん!!

 絶対ヴェルは渡さへん!!!!

 俺は思いっきり走るスピードをあげる!

 ッザッと一気に角を曲がる。

 チラッと後ろを見る。

 うお。。

 近い!!

 角を曲がってから猛ダッシュしたのに全然離れてない!!

 ックソ!ックソ!!

 近いって、もう追いつかれてもおかしくない。。

 この脚、この身体。

 肩から血が流れて肘から滴ってる。

 もう逃げるのは厳しいんか。。?



『ダーリン!』

 笑顔でヴェルが笑ってる。

「ヴェル。。」

 不意に脳裏にヴェルの笑顔が過った。

 いつも見るたびに可愛いなと思ってたあの笑顔。。


 。。。


 ふぅ。。


 ただの俺の妄想で幻想やけど、少しだけど身体が軽くなった気がする。。


 ウーーーー!ウーーーー!ウーーーー!

 遠くでパトカーのサイレンが鳴ってる。

 なんか別のところで事件でも起きてるんか?

 それともこの住宅街の人誰かが大きな犬がいるとでも通報でもしたんか?


 まぁそんなな事はどうでもいいわ!

 とにかく走って逃げなあかん!!

 バッ!

 角を曲がる!

 思いっきりダッシュ!

 うおぉぉぉーーーー!!

 バッ!!

 また角を曲がるそしてダッシュ!!

 少し白犬と離れた。。

 よし!。。

 バッ!

 ダダダダダダダダ!


 バッ!

 翔陽がきっと今心配して探してくれてる。。

 でも今、俺自身でも何処にいるか分らへん。

 そんな状況で翔陽が俺を見つけてくれる訳がない。

 どこに行けばいいんや?

 海の。

 そうやな。。

 襲われる前に考えてたとこに行くべきや。

 いつものウィンドをするあの海沿いの無料駐車場へ。。


 ハァハァハァハァ。。


 あそこなら自転車もあるし、海沿いの無料駐車場へ行くしかない!

 曲がりながらやし遠回りになるだろうけど。

 めっちゃしんどいやろうけど。。

 もしも出来るならあの白犬から逃げ切って見失わせてから!


 よし!やるしかない!


 ッバ!

 ダダダダダ!


 ッバ!

 ダダダダダ!

 

 ハァハァハァハァ。。


 今ゾーンに入ってる!

 ヴェルの笑顔を思い浮かべてから、しんどかった身体が、石のように重かった身体が、スウーーっと軽くなった。

 やるべき事を確認できたから、それともヴェルを助けたい、絶対渡したくないという強い意志があるからか。。

 とにかくいい感じや!

 ほんまに嘘みたいや、今ならいつまでも走り続けられる気がする。

 サッカーの試合の終盤戦たまにこんな事はあった。

 マラソンとかでもあるらしい。

 良い事やな!

 このまま走り切る!!!!


 ッバ!

 ダダダダダ!


 ッバ!

 ダダダダダ!


 ッバ!

 ダダダダダ!

 曲がって走ってを繰り返していたら、不意に暗い住宅街の十字路の先に明るい道が見えるた!

 あっちの方が明るい!

 俺は明るい方へ走り出す!


 どんどん灯りが近づいて来る!

 いっぱいの人の気配もある!!


 ッバ!!!


 俺は広い通りに出た!

 あ!ここは商店街のビックビーチ!

 やっと自分の居場所が分った!!

 歩道には人がいっぱい歩いて車も何台も連なって走ってる!!

 今の時間は何時か分からへんけど!

 まだ人がいっぱいる!

 このまま上手いこと人混みに紛れ込めば。。

 もしかして。。

 見失ってくれる?

 走るのを止めて俺は人の流れに入りゆっくりと身を委ねる。


 ハァハァハァハァ。。


 スゥーーーー。


 フゥーーー。


 一息ついて周りを見回すと、周りの人が俺をジロジロ見てる。

 それはそうか、俺もヴェルももう日本で一番と言えるくらいの有名人になってるし、しかも俺は今肩から血を流してる。

 あかんか、この状態じゃ俺達目立ってしまってる。。

 そう思って小走りでここから距離を置こうとした、その時。

 

「キャーーーーー!!」

「うわーーーぁあ!!」

「逃げろーーーー!!」


 人々の叫び声が響いた!

 たぶん、白犬と女が俺を追いかけてきてビックビーチに飛び込んだんや!

 大勢の人の叫び声が聞こえる。

 そらあんな大きな犬と変な仮面の人が飛び出して来たら街はパニックにもなるよな!!

 俺があの白犬と仮面の女に威嚇をされながら近づいて来た時は、ほんまに恐ろしかったもんな。

 俺の後ろの方から走る人達押し寄せた来た。

 俺もその流れに合わせて走り出す。

 チラッと後ろを振り返ると。

 仮面の女が白犬の上に立ち上がってキョロキョロしてる、俺を探してるんか。


 繁華街といえど都会でないこの道には隠れれるほど人がいる訳じゃないから。

 逃げ惑う人達の隙間から俺が見えるだろう。

 俺は出来るだけ白犬と俺との間に人を入れて逃げる。


「キャーーーー!」

「こっち来てるぞ!!」

「にげろーーー!!」


 こっちに向かってきている気がするな。

 間違わずに俺の方へ追いかけて来てる。。?

 なんの迷いもなくこっちへ?

 俺はこのままじゃあかんと思って歩道から出て車道を横切って行く。

 車道には車がパニックのせいで詰まり渋滞している。

 車に隠れる様に見つからない様に道を渡り、反対側の歩道へと移動する。。

 バレないように、慎重に速く。。


「そっち行ったぞーーーー!!」


 ドンッ!


 白犬が車の上に飛び乗ってる。

「うわーーーーーー!!」

「きゃあーーーー!!!!」

 目立つ所に白犬が上がった事で一般人の目に留まりさらにパニックを煽った。


 ダンッダンッ!

 白犬が車を飛び移りながら俺を追いかけるように道を渡ってきた。


 クソこっちに来てる。

 そんなにスピードは速くないけど。

 間違いなく追って来てる。

 速く見えないところへ逃げなあかん、大通りの歩道から路地へと入る。

 そこからは、また路地裏をダッシュ!!

 はじめの角を海の方へと曲がる。

 これで大通りから俺は見えなくなった!

 大通りから路地裏に入る瞬間を見られてなかったら見失ってるやろ。

 見失ってるよな?

 俺は後ろを確認した。

 白犬の気配はない。。

 よし、これでとりあえず安全に海沿いの駐車場に行けるやろ。

 ここで追い掛けて来てないってことはあいつらは俺を見失ってるはずや。。


 ハァハァハァハァ。。


 疲れた。

 ゾーンに入って軽くなってた足もまた重くなって来てる。

 刺された 左肩も痛い。


 くそ。。


 でも良かった。

 何とかなりそうや。


 ウーーー!ウーーーー!ウーーーーー!

 パトカーのサイレンがまた鳴り響いてる。

 やっぱ白犬達を警察が追いかけてるんかな?

 まぁそらそうよな!

 あんな大勢の人名前に姿を現したんや。

 警察も動くやろ。


 俺はジョギングのペースで家々の間の坂を下っていく。

 たまには曲がり出来るだけ複雑に住宅街の間を駆け抜けていく。


 今何時なんやろ?

 もうどれくらい逃げ回ったんやろ。


 足が重い。

 もう止まってしまいたい。

 一旦走るのを辞めて一休みするか。。

 誘惑が俺に休憩を薦めてくる。

 いやあかんこんな所で立ち止まったらまた見つかってしまうやんか。。


 それにしてもあの白犬は公園で一回俺を見失ったのにどうやって追いかけてこれたんやろ。。 

 ふと疑問が頭を過る。

 さっきのビックビーチで反対側の歩道へと逃げた時もちゃんとあいつら追って来てた。。

 公園に逃げ込んだ時も、あの時俺はあいつらを完全に巻いたと思ったのに。

 あいつら俺の場所が分っていたかの様に唐突に襲って来た。


 何でや?


 ザシュ。。ザシュ。。


 あ、やばい!

 あいつらの足音や!!


 ダッ!!

 思いっきり地面を蹴り走り更にスピードを上げた!!

 ちゃんと俺を追いかけてきてる??

 闇雲に来てるだけ?

 ほんまは気づかれてない??


 ダダダダダ!

 ッバ!

 もう一つ海方向へ角を曲がる。

 ダダダダダ!!


 ッバ!

 ダダダダダダ!!


 ハァハァハァハァ。。。


 足がやばい。

 でも逃げないと。。



 ッバ!

 ダダダダダダ!!


 

 ッバ!

 ダダダダダ、、



 ッバ。

 ダダダダ、、、



 ッバ

 ッタタッタ。



 。。。。。



 あ。。


 あれ。。?


 いつのまにか走っていた足が止まっていた。


 ハァハァハァハァ。。


 何でやねん。


 ヴェルを守らなあかんねん。。

 走れよ俺。。


 俺はまた走り始めた。。


 ハァハァハァハァハァ。。 

 体の酸素が足りてない。

 頭がぼーっとしている。。

 

 ハァハァハァハァ。。


 肩も痛い。。


 どこかで隠れて一回休憩を。。


 ザシュ。。ザシュ。。


 走ってる音が聞こえる。

 やっぱりあいつら的確に追い掛けて来てる。。

 く、そ。。

 一回休みたいのに。。

 目で見えなくても追い掛けて来れるんか。。

 俺の肩からの血は止まってるやんな?

 多分、血が滴っては無いと思う。

 という事は俺の血痕で追って来てはない。。


 ハァハァハァハァ。。


 じゃあ何で俺を追って来てる。。?

 あいつら一体何を感じ取ってる?


 は。。!

 俺は息を飲む。。

 もしかして、俺達の、に、臭いか。。

 

 じゃあ、じゃあ。。


 俺達はもうどこに逃げても一緒じゃないんか?

 俺は今かなり疲れてる、また全力で追いかけられたら逃げきれないんじゃないのか?

 もう俺はそんなに長い事、走り続ける事は出来ひん。。


 もしかして俺達あいつらに泳がされてる ?

 ヴェルを奪い取るための戦いを楽にするために疲弊した俺を狙おうとしているんか?

 疲れ切った俺を狩るのはきっと簡単やろ。。

 自分達が攻撃を受け、体を痛める可能性も一気に下がる。

 安全に狩るために俺は泳がされてるんか?疲労させられているんか?

 あいつら実は俺の直ぐ後ろを隠れてついて来ているんか?

 絶滅したという日本狼はこういった狩猟をするとTVで見たことがある。


 もし俺の推測が正しかったら、俺としては釣られている魚の気分や。。

 俺は針を引っ掛けられて、逃げようと踠き全力で暴れまわる魚。

 その引っ掛かった元気な魚を慌ててそのまま竿を引き上げたらバレて魚が逃げてしまうやろ。

 もし釣り上げることができても、釣り上げてから元気に飛び跳ねて逃げてしまうかもしれへん。


 やから。

 針が外れる事が無いように、まずは自由に暴れるだけ暴れさせられて。

 暴れ疲れて泳ぐ力が無くなったらそのタイミングで釣り上げられてしまう。。

 釣り上げられてからももう力が無くなっしまってて、逃げようと思えど暴れることも出来ひん。

 捕まったバケツの中からもう飛び出す事も出来ひん。。


 。。。


 やばいよな。

 俺今かなり疲れてる。。


 もし追い詰めらたら今の俺はその状況で何とかする事が出来るんかな。。

 かなりヤバイな。。


 あ、もしかして、携帯を壊されたのも俺に仲間を呼ばさない為にわざと壊した??

 あの白犬と仮面の女は俺の挙動を実は見ているんか?

 でも、そんな事が一体可能なんか?


 道を走っている俺の姿を確認出来る訳が無いやんか。

 ん?道を走ってて。。。


 もしかして、、あいつら今は道を走ってないとか?

 

 ッバ!

 俺は急に止まって後ろを振り向き。

 辺りを確認する。


 うん、今あいつらは俺の見える範囲の道にはいない。

 ほんまに何処にもいないんか?

 俺はあいつらをちゃんと巻いたのか?


 俺は更に辺り広く見る。

 少し見上げると星が出てる、夕陽を見た時は雲が出てたのに。

 俺は空を仰ぎ見る。

 星が綺麗や。

 やっぱり自然はいい。。

 なんとなく心も身体も癒されてる気がする。

 

 ん?

 あれは?

 俺は星空の中に違和感を覚えた。

 家の屋根の上に二つの大きな星がある、そんな星あったっけ?


 パチリ。。 

 え??

 星が瞬きした??

 あれは絶対奇怪おかしい!

 俺はその二つの星を注視した。

 ひょこっとまたふたつ新しい星が現れた。

 な!!! 

 いる!!

 俺は確信した!

 黒い夜空に溶け込む影がある!!

 二階建て民家の屋根の上にそれはあった。


 星空をバックに白いはずの白犬が暗闇で真っ黒になってた。

 気配を消しているからか暗闇やからか直ぐには見えなかった。。

 仮面の女も少し頭を出してこっちを見ている。。

 やっぱりあいつら道を走ってなかったんや。。

 たまに俺のそばを走って俺を煽ったりしてたんか?

 疲れさせるために?

 基本的にはあいつら屋根から屋根を飛び越えながら追いかけて来てたのか。。。

 始めの頃は絶対普通に道を走って追いかけて来てたのに。


 なんでやねん!!


 やられた。。


 もうクタクタや。。





 ーーーーーー 白犬と女 ーーーーーー



 「ビア、あいつ今こっちを見たね」

 「ああ、あいつ今気付いてたよ」

 「ビア疲れは大丈夫?」

 私は大きな首に体をくっつけ優しく美しい星の光の下で、星の光でさえ反射し輝く白毛はくもうを撫でる。

 白銀の毛のビアはすっと美しい顔を満点の星空へ向け。

 スーーーー。。ハーーーー。

 白犬は体を確かめる様に一呼吸し。

「ああ、大丈夫さ」

 ビアは遠くを見つめている。

「本当にこの世界は星が少ないね」

「 ビア、早く帰ろうね」

「ああ、そうだね故郷が恋しいよ、それに心配だしね」

 私は下へと顔を俯ける。

 故郷の心配が一気に押し寄せて来る。

「早く帰らないと。。」

「ニケ、そろそろあの男いいんじゃないのかい?狩っちまおうよ!」

「ああそうだね、もうかなり疲れてそうだ」

「私達が故郷に帰るためだ、行こうじゃないか。。」

「ああ、行こう!」


 ッダ!ッダ!ッダ!ッダーーーーーーーン!

 私達は屋根を駆け下りていく!

 そしてビアは屋根の端から思いっきり飛んだ!


 満天の星の光をバックに白い美しい白銀の毛に反射させ闇夜にキラキラ光る大きな犬が空を駆ける。

 家と家の間の道を軽々と飛び越し、更に空中で体を翻す。

 ストっと家の塀の上に着地すると幅20cm程の塀の上を風の様に走り抜ける。

 クンクン。

「右だね!」

 ビアは走りながら匂いを嗅いで追う方向を確認する。

 方向を確認するとビアは塀から飛び出し、道を超えて斜め右隣の家の塀と着地する。

 進行方向に対して横向きの塀に完璧に着地する様は美しく見事。

 そしてさも当然の様に塀の上を疾駆する!

 本当にビアは凄い。


 キラッ!


 私達の視線の中に逃げる男とその手の中にある光る物が飛び込んできた。

 それを見た時私達は瞬時に閃いた。


 あの男はまた仲間を呼ぼうとしている!!

「あの男また仲間を呼ぼうとしていうね!」

「二つもあの奇怪しな箱を持ってたのか!」

 一度はあの不思議な小箱を壊していたのに。

 あの男が二個も持っていた事を今確認し、想定不足だと自分に言い聞かせた。

 あの箱を早く壊さないと仲間を呼んで絶対面倒臭い事になる!傷つけなければいけない人が増える。それは私達が望んでる事ではない!

 心がはやり。


 自然とビアと私のスピードが上がっていく。

 



 ーーーーーー日向海晴ーーーーーー



 ハァハァハァハァ。。


 俺の場所はバレてる。

 臭いで追われてる、もうどこに隠れても一緒や。

 この状況から逃げ切るにはどうしたらいいんや。

 臭いで追われてるんやったら匂いを消すしかないか。

 俺とヴェルの臭いを消すには。

 水の中?

 あとは煙の中も臭いは紛れそうやんな。

 でも煙はあかんな、二酸化炭素中毒で死んでしまうわ。

 しかも煙を起こす為に何かを燃やしたら結局ここに俺はいますと伝えてる様なもんやしな。。

 煙はあかん絶対無し。

 なら初めのアイディアの水の中。

 もし海まで行く事が出来たら水があるよな、海水が。

 海に浸かれば匂いは消える。

 この追われてる臭いの源は何処からの物なんやろうか?

 もし俺の頭からの匂いなら水に潜ってる間しか臭いを消せない?

 もし臭いの源が俺じゃなくってヴェルなら、、ヴェルを沈める?

 そんなん絶対無理!

 じゃあ水もダメやんか。。

 

 あーーーーもう、どうしたら。


 とりあえず速く走るの止めようか?

 体力が無くなるのをあいつらに待たれてる訳やし。。

 でも止まったら今すぐにも攻撃されるかも。。

 いつ白犬に襲い掛かられても奇怪おかしくないこの状況。。

 一体どうやったら好転できるんやろう。

 何か思い浮かぶまでは走り続けるべきか。

 そうかけっして戦うか?


 戦って勝てたら最高やけど二対一の上にあんなでっかい犬と槍を持った女に勝てるんか?

 

 隠れて虚をついて何とか初撃を当てたら。。。


 。。。


 あ!それや!


 初撃で犬の鼻を潰してしまえば臭いでは追われなくなる。

 そのあと鼻へのダメージで怯んでいる隙に隠れてしまえば。。

 

 なかなかいいやん!

 これしかないな。。

 足も心肺ももう限界や。

 海に向けてゆっくり走り続けてはいるけど、いつ俺の足が止まってしまってもおかしくない。

 今の作戦を早くやったほうがいい。。

 まずどうやって虚をつくかやな。

 疲れた振りをしたら。

 もし俺が疲れて座り込む様な事をしたら。

 当然襲ってくるやろ、ヴェルを狙ってるわけやし。

 でもそれでは座った状態で相手を迎えるから虚をつけへんやんか。。。

 白犬の鼻に攻撃するイメージも出来ひんわ。

 もっと確実に虚をつくには。

 相手が慌てるくらいの事を。。。


 そうや!

 俺まだ自分の携帯があるやん!

 携帯潰されて無い物やと勘違いしていた!

 ならこの携帯で翔陽を呼ぶ。

 電話をして仲間を呼んでいる俺の姿を見せたら。。

 仲間を呼ばれまいと、またも慌てて携帯を壊しに来るんちゃう?

 しかも翔陽に連絡出来て翔陽と小春ちゃん、麗子さんが助けに来て貰えたらそれはそれで良いし!

 それやな。

 そうしよう!

 

 角を曲がるその瞬間に俺は立ち止まり後ろを振り返ってみると。

 満天の星空を駆ける美しい白犬が見えた。

 来てる!

 家々の間を飛び移ってた。

 

 もう一度角を右へと曲がり立ち止まる。

 そしてヴェルをお姫様抱っこから背負おんぶへと担ぎ変える。

 ヴェルを背負うと片手で携帯をポケットから取り出す。

 あ。

 翔陽から何十件も着信がある。

 全然気づかへんかった。。

 俺は翔陽に電話を掛け直す。


 プルルルルルル。


 プルルルルルル。


 こんだけ電話かけてきて出ないんかい!!

 早く出ろよ白犬が来るって!


 ザッシュ!ザッシュ!ザッシュ!

 白犬の走る音が凄い勢いで寄って来てる!

 あかん、翔陽には繋がらへん!

 じゃああの鼻を攻撃する作戦決行や。。


 俺は、また走り出すそして次の角を左へと曲がる! 

 チラッと曲がりぎわに振り向くと、塀の上を走ってる!

 でも釣れてる!

 めっちゃ必死に駆けてる!

 やっぱり焦ってるわ!

 やっぱりあいつらこの携帯が自分達には良くない物って分かってる!!

 俺は曲がった瞬間携帯をポケットに戻す。

 ヴェルを塀の側に一旦下ろして、もたれさせる。

 塀を背にして白犬が飛び出して来るのを待つ。


 。。。


 一瞬のはず。


 もうすぐ飛び出して来るはず。


 ゴクリ。。


 集中が研ぎ澄まされてるせいか時間が長く感じる。。

『おい!海晴何処にいるんだ?!!!』

 電話の向こうで話してる翔陽の声ですら聞こえる。。

 翔陽五月蝿い!

 電話切っといたらよかった。。

 心の中で翔陽に突っ込んだ瞬間。

 ザッシュ!

 白犬の足音が聞こえた。

 来る!!


 バッ!!


 俺の頭の上を白犬が飛び越して行った!

 道を走って来んかったんか。

 今俺は飛んでいく白犬の腹の下に俺はいる、あいつらはきっとまだ俺に気付いてない。。

 俺は思いっきり道を蹴り出して空中の白犬を追った!

 この軌道ならきっと犬は前の塀に着地するんやろ。

 俺は追いかけるように白犬の真後ろを走る。

 ストッ。

 やはり塀の上に見事に着地した白犬。

 着地した瞬間に白犬の着地した真下の塀に背中をくっつける俺。

 今絶対俺の事見失ってるやろ?

 そしてもうすぐあそこに座ってるヴェルに気付くんだろ?。

 白犬が首を振って。。

「っむ!」

 やっぱりな。

 白犬がヴェルに気付いた。


「こっちや!!」

 白犬に不意に声を掛ける

「ん?」

 下を確認しに下を向く白犬。

 その下に向いて来る白犬の鼻先を目掛けて右手で。

「オッラァ!!!!」

 思いっきりアッパー!!!

 ッズドンッッ!!!

「ギャイン!!」

 全力で白犬の鼻先を思いっきり殴った!!

 めちゃくちゃ手応えあり!!

 白犬は頭から跳ね上げられ塀の反対側の庭に落ちた!

「っしゃ!」

 思いっきり鼻にクリーンヒットした!

 これで逃げる!

 きっとすぐには匂いでは追ってこれへんやろ!

 俺はヴェルに駆け寄る!

 ヴェルごめん少し手を離した。。

 闇がかなり侵食ししてる。

「くそ。。」 

 俺はヴェルを抱きかかえ。。。


 ザス。。


「がっ。。」

 前回と同じ左肩に。。

 ヴェルを抱き上げようとした時に背後から何かが刺さった。。

「痛てぇ。。。」

 俺は何が刺さったのか手で触って確かめる。


 ハァハァ。。

 ハァハァハァハァ。。

 突き刺さってるからか動けへん、息が乱れる。


 長い。。

 これは槍か。

 あの女か。。

 確かに犬の背中を確認出来てなかった。。

 追いつく直前であいつら別れてたのか。。?

 ちくしょう。。

 やられた。。


 ガクッ。

 膝が折れる。

 忘れていた疲労と疲労から来る痛みが全身を襲う。。。


 ハァハァハァハァ。。


 ズ。。。

 右手で肩から槍を引き抜かれる。。

「っぐ。。」

 痛い。。

 っくっそ。。

 ドサ。

 座りこむ様に俺は後ろを向く。

 右手でヴェルの手を掴みながら。。


 ヒュ!


 ッドッス!!!ッガ!!


「ッッッッ!!ぐぁぁぁぁあぁぁぁっぁ!!!」


 左肩を肩をまた。。


 今度は貫かれた。。

 抜かないと。

 左手で槍を掴んだ。。

「っぐ」

 槍は動かそうとしても動かない。

 くそ、俺は今壁に貼り付けられてる。

 槍がどうやら壁まで刺さっているみたいや。。


 ウーーーー!ウーーーー!ウーーーー!

 近くでパトカーのサイレンが聞こえる。

 近い。。

 警察でいい。。

 助けてくれ。。


「おい。。」


 ッハ。。

 見上げると。

 そこには仮面の女が槍を掴んで見下ろしていた。

 こんな近いのに視野に入ってこないなんて、俺はなんて混乱していたんや。。

「お前誰やねん。。。?。。。。なんでこんな事を。。。」

 犬の仮面の女に問いかけてみる。


 ッズ。。。


 槍が引き抜かれる。。


「ぐぁぁぁぁ。。。」


 ジャリ。。

 白犬もすぐ側までやって来た。

 白犬の美しい目に怒りが満ちてる。。


 逃げんと。。

 俺はヴェルを引き寄せ、、!

 ッザン!!

「う、、!」

 顔の横に槍が刺さった。

 さらに何もされてないのに左肩の痛みがズキンっと体に響いた。。


「ツッッッッ!!」


「おい。お前」

 仮面の女がまた話してきた。

「その女を寄越せ。そしたらその怪我も治してやる」

「ニケ!ダメだこの男は私が殺してやる!」

 鼻を殴ったからか白犬には怒りが溢れてる。

「ビア!」

「い、犬が喋った!!」

「犬などではない!!!あんな物と一緒にするんじゃないよ!!」

 白犬?は口の上に幾つもの皺を寄せ鋭い牙をむき出し威嚇する。

 耳は前方に傾き美しい毛が逆立っている!

「私は狼だよ!!私に怪我をさせたお前は殺す!!」

「ビア!」

「なぜだ!此奴はこの私を傷つけたのだ!許せないよ!」

 仮面の女は左手でビアと呼ばれる白い狼を牽制した。。

 グルルルルルルル。。

 狼やったんか。

 その白狼がこっちをすごい目で睨んでいる。

「なんで俺を狙うんねん。。?」

「っお前など要らぬ!!!その小娘を寄越せ!!」」

 凄い圧だ!

 ビリビリ来る!!

 やっぱり俺じゃない、ヴェルか。。。

 なら、余計あかんな!

 とにかくヴェルを連れて逃げんと。。。


「この子は白狼のビア、神の力を引いてる狼だよ。だから人の言葉も話せる、私達にはその女が必要なんだ!その女を寄越せ!」

 仮面の女が一歩近付く!


 犬が狼で人の言葉を喋って神で神なのに俺を殺そうとしてて。。

 あーーー。。

 何が何か解らん。。

 ただ解るのは俺は殺されそうでヴェル が連れ去られそうな事や。

 どうしたら。。


 ドクン。。ドクン。。

 左肩が痛い。

 左腕を動かそうと力を入れようとすると激痛が走る。


「おい男!聞いているのか?その女は貰っていくぞ!」

「そんな事!」

 逃げる!

 左足に力を入れヴェルをお姫様抱っこして立ち上がり!

 思いっきり走って逃げる!

 それしかない!


 ッグ!


 ドス!

 左足に力を入れた途端また左肩に槍が刺さる。

「ぐぁぁぁぁぁあぁ。。」

 ックッソ!

 槍が引き抜かれると同時に目線を仮面の女に向ける!

 目の前にいるはずの仮面の女がいない。

 その代わりには大きな鋭い牙が並んだ口が迫っていた!

 うわ!!

 ガブッ!!!

「ぐあ!!!」

 左肩から右脇腹に向けて白狼に噛み付かれた!!!

 避けるようと体を動かす事も出来なかった。

 牙が体に食い込む!!

「痛っだいいぃぃ。。」

 どんどん体に圧がかかり牙が食い込んでいく。

 やばいこれはほんまに殺される。

「ぐぁうぁぁぁぁ。。」

 ボキッ。

 肋骨が。

「ッガハッ。。」

「ビア!」

 仮面の女の声がした。

 その途端、おれは宙を舞った。

 白狼に口で放り投げられたのか。。。

 ッドサ。。。ゴロゴロ。。。

 相当遠くまで投げられたと思う。

 俺は道の真ん中に落ちた。。

 仮面の女がヴェルを抱えて白狼の上に乗せている姿が見える。


 左手が動かへん。。

 体の噛み付かれた所から血が流れ出てるのが見える。

 やばい。。

 ヴェルを助けんと。。

 連れ去られそうや。。

 やばいやばい。。。

 疲労で全身の筋肉が痛い。。

 左手が動か。。

 ビキッ!

「ッグ!」

 動かそうとしても痛くて無理や。。

 息をするだけで肋骨も軋んでる。。


 ボロボロや。

 目の前の景色も霞んでる様に見える。。


 ヴェルを、助けないと。。

 立ち上がれ俺。。

 ググググググ。。

 全身が軋む。

 血が流れ出てるのが感覚でわかる。

 痛い。。痛過ぎてもうどこが痛いか分からへん。。


 白狼が走り出した!

 

 くっそーーー!

 痛みは。。

 引っ込んでろ!!!!!!!!

 俺は無理矢理立ち上がる。


 ッダ!! 

 そして思いっきり地面を蹴って白狼を追う!


 景色が流れる様に見える。

 みるみる白狼が近づいてる!!

「ヴェルーーーーー!!!!」


 俺は思いっきり飛び掛かり!

 仮面の女へとしがみ付く!

「こいつ!!!」

 女が俺を振り払おうとする!

 走る白狼の上で振り払われまいと俺は動く右手で必死に抱きついて離さへんかった。

「見逃してやったのにしつこい男だね。。」

 白狼が呆れたように背の上の俺を見てつぶやいた。

 俺が白狼の顔を見ようと前を向いたその時。。

 な!!

 すると不意に俺の視界にあれが飛び込んできた!

「おい!」

 白狼が向かう先にある交差点から出て来た。

 見た事のあるあれ。。


 なんであいつがこんな所に!!!

 

 ドッッガーーーーーン!!!!


 とてつもない衝撃が走った!!


 ゴロゴロゴロゴロッバン!

 俺は前に吹き飛ばされ転がり電柱に当たった。

 

 ヴェル。

 どこや?


 近くに飛ばされてないか??


 だんだんと意識が薄らいでいく。。


 ヴェル。。


 ヴェル。。


 絶対助け。。。


 る。。。


 から。。



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