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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
62/110

長い長い夜編 新たな出会いって素晴らしい?



 まるで狐に騙されてたり。

 

 異世界に来てしまってるんかとか。


 走りながら不安になってしまう。




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー



 公園の街頭の下で俺はヴェルをしっかりと抱きしめた。


 ヴェルの温もりが俺の腕の中にある。。


 俺たち空から落ちたのに。。


 よかった。。。


 グスッ。グスッ。


 ヴェル。。

 手まで黒くなってきてるやん。。

 俺はヴェルの左手が闇に侵食されてきていて、侵食により黒くなってきている事を気づいた。


 黒い闇に侵食されたヴェルの手を触ってみる。


 ヴェルの手が冷たい。

 

 何でこんな事に?

 絶対この黒い闇のせいでヴェルの体調が悪くなってる。


 次は俺がヴェルを守ると誓ったんや。


 絶対守る!


 まずはこの闇を祓う!!

 俺にはこの闇は払えへんし払い方が分からへん。。

 霊とか払うのはやっぱり神社とかやろ、やし、光波神社にヴェルを連れて行って麗子さんに見てもらおう、あの人なら何か分かるやろ。


 じゃあまずヴェルを抱いて光波神社へ行く。

 その為にまずは自転車を置いた海沿いの無料駐車場に行かなあかん。

 俺は考え終わるとヴェル抱き抱えて立ち上がって、走り出した!


 俺達の大浜町は基本的にどこも海に向けて降りになってる。

 だから坂を下って行ったら海に出て、海岸線沿いに出たらどこか分かるからいつもの駐車場に行ける!


 ヴェルを抱えて緩やかな斜面を降り走る俺。

 街はもう真っ暗で完全に夜になってる。


 ハァハァハァハァ。


 ヴェルを抱えて走ってるけど、あの毎日毎朝光波山の山頂まで走って登ったあの修行がめっちゃ生きてると思う!

 このまま走り続けて海沿いまで出て自転車まで行ったら。

 次は光波神社に向かう。

 早く光波神社に行かなんと!

 ヴェルが冷たくなってきてる。。

 光波神社には多分、翔陽と小春ちゃんんがいて、それで麗子さんに見てもらう!

 

 翔陽と小春ちゃん。。。

 いつもいつも四人やったのに今日は二人がいない。

 いつもいない奴らが居ないと心細いな。


 小春ちゃん、そうやな、小春ちゃんも一回闇に侵食されたよな。

 それやのに小春ちゃんに侵食した闇の霧も無くなったんや。

 絶対ヴェルの闇も払えるわ!

 うん、大丈夫や絶対助けられる!


 よし、さらにポジティブになったわ!


 元気出てきた。

「ヴェル、光波神社でこの闇を取り除いたるからな、もうちょっと我慢してな。。」

 急いで光波神社へヴェルを連れて行く!!


 あ!でも。

 ちょっと待って!

 俺今携帯持ってるやん!

 翔陽に電話したら助けに来てくれるやん!

 ってゆうか携帯で今いる現在地を調べたらいいやん!

 携帯の存在忘れてたわ!!


 俺は誰もいない住宅街の街灯の下で立ち止まった。

 そーっと道路に膝をつきヴェルを住宅街の塀にもたれさせる。。

 俺はヴェルと向かい合ってヴェルが大丈夫か確かめる。

 気を失ってるヴェルは変わらず闇の侵食を受けてて黒い闇の痣みたいなのがゆっくり侵食してる。

 早く光波神社に連れて行ったげなあかんな。。

 俺は携帯を出そうと手をポケットに突っ込んだ。

 自分の携帯を見るといつの間にか俺の携帯の待ち受けが、俺とヴェルの二人の写真が待ち受けに変わってた。

 ヴェルがものすごい可愛い笑顔で写ってる。

 昨日までは普通にウィンドサーフィンの写真やったのに。

 少し困惑した表情の写真の俺。

 俺に抱きついてきているヴェル、本当に本当に可愛いやつやな。

 今更もっと笑顔で撮ったら良かったと目の前のヴェルを見て少し後悔してしまった。

「ダ、、、リ、、ン、、」

 あ、ヴェルがしゃべった!

「どうしたヴェル?」

 ヴェル、意識があるのか?

「ダ、、メ、、て、、は、、」

 何?ヴェルは何を伝えたい?

 て?ヴェルの手を見るとジワリジワリと闇が侵食してるのが明らかに見て分かる。

 ゆっくりだけど確実に広がってる。。

「て、、を、、な、さな、、、い、、で、、、」

 手を離さないで?

 ヴェルの手の上に俺は手を被せた。

 あ。。

 ヴェルを侵食していた闇の動きが止まった。。

 グッ。。っとヴェルが俺の被せた手を握ってきた。

 力が無い。

 俺が触れていると闇の動きが鈍くなる。

 ヴェルに触れてる事で闇の侵食が遅くなるなら。


 俺は絶対ヴェルの手を離さへん!!


 俺は心に決めた。


 その時。


 ワオーーーーン!


 どこかで犬が吠えた!


 大きい犬の遠吠え!

 声めっちゃでかいな!!

 狼の遠吠えみたいや。。


 ワンワンワン!

 キャンキャンキャン。


 その遠吠えに続いてめちゃくちゃ犬が吠え出したやんか。

 まぁいぬが吠えるくらい何ともないか。 

「よいしょ。」

 ヴェルの手を離さないように俺は隣に座る。

 右手でヴェルの左手を握り締めながら。

 翔陽に電話する。


 トゥルルルルル。。


 トゥルルルルル。。


 翔陽電話でーへんなー。。


 ワンッワンッ!!

 ヴゥゥゥーーーー!!

 ガウッガウッ!!


 なんかめちゃくちゃな数の犬の声がするけど。

 今はそれ処じゃ無い。


「海晴!!」

「あ!翔陽!」


 ワンワンワン!!

 ガウガウガウゥ!!!

 ギャンギャンギャン!!


 犬ちゃん達よ五月蝿すぎひん?

 電話してるんやけど。。

 かなりの数の犬が吠えまくってる。

 家で飼われてる飼い犬達が吠えまくっているんやんな。。

 怯えているような声も聞こえるし。

 威嚇している良いな吠え方をしている気もする。。

 とにかく。

 電話してるのにめちゃくちゃうるさい、少し静かにしてくれんかなわんちゃん達。。

 電話中やからさ。

 

 でもこの犬の吠え方は普通じゃない気がしてきた。

 俺は携帯を一旦耳から離し俺は周りを見回した。

 別になんてこと無いただの住宅街。。

 犬が犬の鳴き声に呼応して吠えてるだけか?


 ワォーーーーーーーーン!

 大きな遠吠えが夜の住宅街に響いた。。


 途端にする歳ほどの吠えていた犬達が静かになった。。


 え?

 何や急に?

 不自然すぎる静寂が俺を襲った。


 なんの音もしない。。


 何やこれ空気が張り詰めてる。。

 急にに張り詰めた空気を原因を探ろうと俺は体を振って辺りを見回す。


「おい!海晴聞こえてるのか??おい!」


 手をだらんと下ろしているのに携帯電話から翔陽の声が聞こえる。

 

 今いるこの世界に違和感を覚える。

 せっかく翔陽が電話に出てるのに、俺はその翔陽と電話で話すことができなひん、今はちょっとそれどころじゃない。


 何で突然として静寂が訪れた?

 何で急にあんな五月蝿かった犬達が静かになった?

 何でこんなに空気が張り詰めてるんや?


 今この状況、絶対的に奇怪おかしい。。

 振動もドクンドクンと音を立てて胸の中で大きく脈打ってる。


「おい海晴!聞こえているなら返事しろよ!!」

 不自然なほどの沈黙の中、俺の手に持ってる携帯から翔陽の叫んでいる声がまた聞こえる。

 

 なんかいるよな。。。


 俺を狙ってるやつが。


 俺は意味もなく何かの存在を確信した。


 何やろ、全く何にも気配がない、いつもは何いていうか世界が騒がしのに、全く何もない。

 そう、だからこそ何かの気配があるってことやろ。

 何もないのにこの張り詰めた空気は出来ひん。。


 この静けさは何かに作り出された静けさなんやから。。


 何か、絶対いる。。


 俺は片膝をついて前のめり。

 いつでも立ち上がれる姿勢になる。


 ジャリ。


 ジャリ。


 なんや?

 久しぶりに聞いた音は何かの歩み寄る音やった。

 短い間やったんやろうけど、俺にはめちゃくや長い間音のない時間が続いたように思えた。


 ジャリ。


 ジャリ。


 この足音。。

 何か近付いて来てる。。。

 でもこの足音は足音が人間じゃない気がする。。

 人間より大きな動物の足音に聞こえる。

 爪の音も混じってる?

 もしかしてあの恐竜か。。?

 いやあいつは山の中だけで町には来ないはずや。

 あの恐竜は人工的な物を恐れてると麗子さんも言ってた。。。

 やから恐竜ではない。。

 じゃあ何の足音や?。。

 さっきまで犬が吠えまくってたよな。。

 犬。とか。?

 そういえば大きな犬に乗った女の噂も有るわ。。。

 まさかその大きな犬やったりするんか。。


 ジャリ。。


 ジャリ。。


 隣の街灯の向こうの暗闇に何かいる。。


 目が光ってる。

 凍るような青白い光。


 あれは絶対人間じゃない。。


 ジャリ。。


 その足音の主は歩みを街頭の下まで進めてきた。。


 犬の頭と前足が街頭の光に照らし出される


 白い、真っ白な犬。


 体がめっちゃでかい。。。


 あれは、ほんまに犬なんか?

 体の大きさだけで言えば熊ぐらいのサイズが有るやん。

 けど熊よりは足や首がシュッとスマートな体型や。。。 

 口が普通の犬より長く瞳が青い。

 顔も目から口にかけて長くカッコいい。

 少し長めの毛で柔らかそうな白銀の毛色み、耳がピンと三角で、耳に向かってシュッと伸びる目が鋭い。

 目の周りから耳の方へ向けて。青白いアイシャドウの様に毛の色が変わってる!

 地面に足を置いてるのにも関わらずはっきりと大きな爪が見える、大きい先の曲がったナイフみたいや。

 青白く氷の様な爪でコンクリートのをチキッチキッと鳴らしている。


 こいつはマジでやばい。。


 直感でそう感じた俺はそーっとヴェルを抱き抱えて立ち上がる。


 キーーーーーンっと空気が張り詰めている。


 チキッチキッ。


 怖い。。


 一体この犬はここに、俺の前に何をしに来たんだ。


 と思った瞬間。

 あ!

 不意に見えた。。

 白い犬の背に誰か乗ってる。。


 何で人があんな大きな犬の背中の上に。。

 俺はその人を注視する。


 多分あれは女や。

 体に男のゴツさがない。

 髪の毛も長そうやし。。

 その女であろうその子は長い槍か棒を持ってるみたいや、手に長い何かを持ってる。

 俺がその女を観察してると。

 バサッと白い犬の背から飛び降りた。

 そして街頭のあかりにぼんやりと照らされる。

 さっきよりも容姿がよく見える様になった。


 その女は、白い犬の民族的な仮面を被ってる。

 その仮面の後ろには白い毛皮が付いているのか?それをも白い地毛なんか。。?

 女の腰まで長い毛が伸びてる。

 その姿は彼女の側に凛々しく立っている、白い犬に成ろうとしている様にも見える。

 彼女の首の下胸元にはいくつもの動物の牙を使ったネックレス。

 上下共に白がベースで出来た服を着ている。服の生地の端を赤い刺繍をあしらわれた、袖のない巫女の様な袴に。

 靴は皮で作られた簡易の靴。

 小春ちゃんの袴とはまた違う。

 民軸衣装に近い。

 どう見てもこの時代の服じゃ無い。。


 一匹と一人。

 でも奇怪おかしい。

 この女と多くな白い犬の周りには黒い霧が見えへん。

 最近ずっと戦ったり災いを招いた奴は全部黒かったり闇の霧があったりしたのに。

 俺はその黒い霧があるものを不吉だと思い戦うべきものやと思ってたんやけど。。


 でも、この二人にはその気配は感じない。。

 敵じゃないちゃうか、と思いたい。

 けどそうは思えへん、俺に対して物凄いプレッシャーをかけてくる。

 仮面のせいで顔も見えないのに雰囲気がとてつもなく怖い。


 殺気を感じる。

 このままいたら殺されかねない。


 ジャリ。


 ジャリ。


 やばい。


 一歩一歩


 ゆっくりゆっくり


 近づいてくる。


 確実にあいつらは俺達を狙っている。。

 ここから逃げないと!

 逃げないとあかん。。


「っく。。」

 なんでや、体が硬直して言うことを聞かへん。

 思いっきり走り出したいのに走り出すことができひん。。


 ジャリ。。


 ジャリ。。


 白犬と女が近づいて来る、ゆっくりとじっくりと。

 もう街灯の間半分まで来てる。

 逃げないとヤバイ、ヤバイって。

 やのに。。


 動けへん。。。


 これは、彼女らのせいだ。。

 一気に走って追いかけて来てくれたら、俺もその瞬間に走って逃げることが出来るのに。

 けど彼女らはそんな安易な事はしてこてない。

 相手を威圧し彼女らから目を話せない様にしてるんか。。?

 彼女達から目を離さないと、、、離さないと逃げられへん。

 逃げるために走りたいんやけど。

 走るには目を離し背を身蹴る必要がある。

 

 くそ。。。

 蛇に睨まれた蛙とはこの事やな。

 あいつらは獲物を捕らえるすべを持ってるんやろな。。

 雰囲気で分かる。

 あいつらは狩人や。。


 逃げる、逃げなあかん。

 走り出すきっかけが欲しい、走り出したら結構俺は速い。

 やし走りさえ出来たら多分逃げる事が出来る。。

 でも動かんとどうにもならへん。。


 もうかなりあいつらに迫られて距離を詰められている。。


 トゥッルルルル!

 トゥッルルルル!

 途端に携帯が鳴った!!!

 俺は手に握ってる携帯を見た。


 あいつらから目を離すことができた!!!

 俺は思い切り背を向けて走り出した!

 

 ダダダダダ!!!!


 走り出すことが出来た!!

 きっと翔陽が電話を切って掛け直したんや!

 翔陽が助けてくれた!


 ジャ!ジャ!ジャ!

 背後から走る音がする、足音で白犬が追いかけて来るのが分かる。

 コンクリートを爪が引っ掻く音が静かな住宅街に響く。


 走る!


 俺は全力で走る!


 走るのには自信があるんや!

 中学のサッカー部の時は俺の足の速さは県内一やった!

 さらに山を走って登って足腰はめっちゃ鍛えてきた。

 絶対逃げ切ったる!!

 

 ジャ!ジャ!ジャ!


 追いかけて来てる!!

 くそ!

 全力やのに!

 離れてる感じがせん!

 俺は後ろを振り返って見る。

 やっぱり離れてない!

 足から火が出るくらい走ってるのに!!


 くそ!


 でも逆に返せば追いつかれてないってことや! 

 離される事はないけど追いつかれる事もない。

 俺と同じくらいの速さっぽいな。


 っていうか俺かヴェルかどっちが狙われてるんや?

 俺か?

 なんで俺を、ヴェルの方が納得できるか。

 宇宙人やし。

 なんか惹きつける物があるとか?

 あの恐竜も闇の霧を纏っていた石を追いかけてたし。

 でも今はそんな物はないよな。。

 

 あ、闇を纏った物?

 俺はチラリと腕の中のヴェルを見た。

 あ。。

 今ヴェルの中に闇がある。。

 もしかして。。

 この白犬と女もヴェルに取り憑いてる闇を追いかけてるんか。。。?

 と言うことは、あいつらの狙いはこのヴェル。。?


 。。。。


 くそっ!!

 絶対ヴェルは渡さへん!!

 訳分からん!

 何で闇を追いかけるんやこいつら、恐竜も女も白犬も!

 くそ!

 今の俺はとにかく逃げるだけや!


 俺と白犬は走るスピードは同じ。

 じゃあ!

 次はアジリティーで勝負するか!!!

 住宅街の角を急に俺は曲がる、そして曲がったら速攻でスピードを上げる!!

 敏捷性!

 中学校の時サッカーで俺の速さに加えて一瞬の加速の敏捷性を上回る奴なんていなかったんや!

 バっ!また次の角を曲がる!

 そしてまた!

 ジャ!ジャ!

 まだ白い犬の足音は聞こえて来る。

 でも、少し離れたか?


 ハァハァハァハァ。。


 走ったり止まったりするこの逃げ方は体力的にきつい。

 息が切れてきた。

 

 でもここで休める訳ない!!


 バッ!!

 また角を曲がる!予測されない様に右へ左へランダムで。

 適当に曲がってる、俺もどこへ向けて走ってるか分からへん。

 ただただがむしゃらに逃げてる!

 角の曲がりぎわにチラッと後ろを見たら。

 少し、少しだけどあの白犬を引き離してる!

 よし!

 これを繰り返し続けてあいつらを引き離すんや!


 ハァハァハァハァ!

 

 交差点を曲がり、曲がってからダッシュ!

 さらに交差点を曲がり、曲がったらトップスピードで次の交差点へ!!

 いい感じや。

 住宅街で入り組んでるから曲がり角が多い!

 ここ逃げるのに良い!

 ハァハァハァハァ。。

 細い裏路地に駆け込む、そして走り抜けていく。

 だいぶ白犬と距離が開いて来ている。

 白犬が交差点を曲がった時に俺が見えない状態になったら俺の勝ちや、次どこに曲がったか分からへんくなるやろ!

 もう少しや!


 ハァハァハァ。


 足が限界に近い。

 でも絶対この走るスピード緩める訳にはいかへん。

 バッ!!

 角を曲がる!!

 曲がる時にチラッと後ろを見る。

 よし!あいつら来てない!!

 確実に白い犬の姿は見えへんかった!

「よし!」

 これで向こうからもこっちは見えてなくってどっちに行ったか分からへんはずや!

 あとは何処か隠れる所が見つかるまでこのまま走り続けて。。


 ハァハァハァ。。

 

 何処かで隠れて。

 一旦休憩を。。

 めちゃうちゃ足が疲れてきてる。

 何回も何回も何回も。

 何回も何回も何回も。。。

 ダッシュを繰り返してもう身体が悲鳴を上げ始めてる。。

 早く一旦休みたい。。

 そこで翔陽と小春ちゃんに電話して、もし可能なら麗子さんに迎えに来てもらう。

 光波神社でこのヴェルの闇も。。


「ヴェルもう少し頑張ってくれよ!!」


 ッバ!

 角を曲がる!

 俺のスピードは落ちてへん。

 絶対このスピードを緩めたらあかん。

 まだ、もうちょっと頑張れ俺の足!!

 ッバ!

 また角を曲がる。

 そしてスピードを上げてダッシュ!

 くそ。。

 隠れれる様な所がない!


 ダダダダダダダダダダ!

 ハァハァハァハァ。。


 ッバ!

 っくっそ!どこに行ってもどこを曲がっても街灯と塀ばっかりだ。


 ッバ!


 ッバ!


 ない。。

 隠れれる場所。。

 同じ景色の所をずっと走ってるみたいや。。

 まるで狐に騙されてたり、異世界に来てしまってるんかとか、走りながら不安になってしまう。


 ッバ!


 ハァハァハァハァ!


 ッバ!


 あ!!

 曲がった先に植物が多く植えられた公園が目に飛び込んできた。


 あった!

 公園!!


 俺は公園の中に駆け込む!


 後ろを見ても白犬は来てない!

 ガサガサ!

 俺は思いっきり公園の中の木の生えてる茂みに飛び込んだ!!


 はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!


 はぁはぁ。。はぁはぁ。。。


 静かに息をしんと。


 はぁはぁはぁ。。


 バレる。。


 すぅーーーー。はっあぁぁーーー。。


 ヴェル。。

 ああ。

 少し闇が侵食している範囲が増してる。

 左手はもう真っ黒や、左足も黒い闇が侵食して来てる。。

 くそっ。。


 ゆっくり木にヴェルをもたれさせて俺も横に座った。

 はぁ。。。

 やばい。

 脚ガクガクや。。

 疲れた。。

 ヴェルの手を握ったまま右手でまだ侵食されてない右の頬っぺたに触った。


 ふぅーーーーーー。。

 大きな空気が体から抜ける。

 ヴェルの可愛い横顔を見ると今まで走って疲れた体が何となく軽くなった様に思えた。

 

「ヴェルもう少し。もう少し頑張ってくれよ。。絶対助けるからな。。」


 俺はヴェルの頭にそっと手を置いて一旦目を瞑った。。




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