水の災害編 大好きな場所って素晴らしい
球体となった雨粒の中は逆さまに世界が映っていた。
雨粒全てに世界が逆さまに映ってる。
ぷるんぷるんと時々揺れる逆さまの世界を入れた雨粒。
ーーーーーー日向 海晴ーーーーーー
ポツ ポツ ポツ。
風は無く波も殆ど無い海に。
雨粒が落ちる。。。
雨は朝から降り続き、今も小雨が優しく大地に落ちて。
新しく芽吹いた草木を育てている。
海には幾つもの雨の丸い波紋が広がり、その波紋は時にはぶつかり、時には入れ替わり海の上に不思議な模様を描いている。
海に落ちた雨粒は水の中から跳ね上がり、数秒だが海上に水滴として留まる。
まるで雨粒が海の上の波紋で遊んでいる様だ。
雨を受け止める海を眺めながら俺はゆっくりとホットコーヒーを口に運ぶ。
優しい音楽が流れてる。
コーヒーを一口。。
美味い。。
はーーーーー。 。。
大きな息が身体から出て行く。
コーヒーってなんかホッとするんよな。。
海の小さな音とショップで流れる音楽がさらに気持ちをリラックスさしてくれる。
「あーーーー。幸せやなーー」
俺は大きなガラス越しに海を眺めながらバイトの休憩時間の幸せを噛み締めた。
俺のバイトしているここは海の側のウィンドサーフィンショップ。
⦅パイレーツハーバー⦆
ウィンドサーフィンとサーフィンとSUPのショップで。
海から道を挟んで白と青が基調になってる店が有り。
一階は道具置き場とシャワーとトイレ。
二階はのんびり出来るパブリックスペースとショップになっている。
店内に海を眺める大きな窓があり。
その下にはカウンター席になってて海を見ながらほんとにのんびりできる。
俺はコーヒーは初め苦くて飲めへんかった。
でもここで飲んだコーヒーで俺の世界は一つ開いた。
ブラックなのに香りは少し甘く口に含んだ時に苦味より先に深いコクが伝わって来た。
その後にやって来る苦味まで美味しく思える様になった。
このショップで俺は新しい事をいっぱい知った。
コーヒー ウクレレ SUP そして自然の素晴らしさ。
ここが大好き。
俺は朝からこのショップでバイトしている。
基本的には土日はここでバイト。
朝から店の掃除やボードの修理、製作中のウッドデッキの制作に今日は雨の無風波無しでお客さんは3名だった、がそのお客さん達と楽しく会話もして。
雨でお客さん少なくってもやることが尽きない!
ほんまに楽しくて最高のバイトだ。
店長もお客さん達も皆んな俺のことを可愛がってくれてて。
とても居心地が良い。
店長の名前はロッシ!
ロッシとこ言うけど日本人、ロッシはニックネームで、由来はひろしのひが無くなったらしい。
いつも俺のことはロッシと呼んでくれっていつも言ってる。
ニックネームにさんとかもいらねーって。
髪が長くって海の男って感じでかっこいい!
身体は筋肉質で大きいロッシー曰くSUPしてたらこうなるらしい。
ウィンドもSUPも日本でトップクラスに上手い。
英語も話せるし多趣味。
まだまだやりたい事はいっぱいあって人生の時間だ足りねーってよくふざけて言ってる。
マジで凄い。
何よりも毎日楽しそうで、毎日幸せそう。
そこがなんかメッッチャいい!!
俺の憧れの人。
こんな大人になりたいっていつも思ってる。
バイトの後に晩飯もよく奢ってくれるし誰にでも笑顔で優しい。
「海晴今日のコーヒーはどうだ?」
「最高!俺にもコーヒーの淹れ方教えてほしいなーー!」
「ああ良いぞ!今からやるか?」
「うわ!それめちゃくちゃ嬉しい!」
「じゃあやろうか!」
ちょうどその時。
キィ、チャラン。チャラン。チャラン。。
店の扉が開く。
扉に取り付けられた珊瑚で出来たドアベルが心地良い音を奏でる鳴る
これもロッシーの手作りらしい。
「こんにちわー」
翔陽が入ってくる。
「こんにちはだっちゃ!」
「こんにちは」
ヴェルと小春ちゃんも入ってくる!
「おー翔陽!こんな時間からか?」
「いや今日は海晴のバイト姿見に来たんですよ」
「だっちゃ!」
翔陽もこのショップのメンバーでここで海遊びを学んだ!
要するにお客さん!
「君はあの噂のヴェルちゃん?宇宙人の?」
「だっちゃ!よろしくだっちゃ!」
「海晴に色々噂話聞いてるよ」
ん?なんか嫌な予感する。
「こっちの袴姿の可愛い子が小春ちゃん」
俺がロッシーに話してたヴェルの事を、ロッシーヴェルに言いそうなので俺はさっと会話の間に入った。
小春ちゃんは袴姿やった。
きっと今日は光波神社を手伝っていたのだろう。
光波神社での手伝いが、「流石にただってじゃもうダメよね、幽霊じゃないんだし」って麗子さんが言い出して。
安いながらに光波神社でのバイトにするってなったらしい。
やっぱり小春ちゃんには初めて出会った時に着ていた袴姿が一番似合う。
「初めてまして小春です」
「初めましてロッシです、ひろしのひが無くなってみんなロッシって呼ぶから気軽にロッシって呼んでね」
ロッシが握手のために手を差し出す。
「ふふ、ロッシーさんですね」
「いやニックネームだしロッシでいいよ」
「わかったっちゃ!ロッシだっちゃね!」
二人ともロッシと握手をした。
なんかスッて握手の手を出せるのもカッコいいんよなー。
「二人ともよろしくね!で、みんなで海晴のバイト姿見に来たの?」
「そうだっちゃ」
「残念ながらバイトの時間もう終わっちゃっうんだよ、今から海晴がコーヒー煎れるからみんな飲んで行きなよ。海晴のコーヒードリップデビューだからさ!」
ロッシーが笑顔でみんなに伝える。
「コーヒー飲んでみたいっちゃ!」
「ロッシいいんですか?」
「当たり前だろ。じゃあこっちの海の見えるカウンターにどうぞ」
皆んなをカウンター席に連れて行ってくれる。
「海晴出せる様になったか?」
カウンターに向かいながら翔陽が聞いてきた。
翔陽がいつまで経ってもを光の珠を出せない俺を少し心配してくれてる。
「いやまだやねんなーー」
あれから俺たちは毎日修行している!
修行を初めて今日で二週間くらい経った!
毎朝朝練で橋の下の河原で毎日毎日練習してる。
朝はそれぞれ出なくなるまで珠の特訓!
珠のサイズを大きくして火や氷や雷の大きさを大きくしようと努力を重ねる三人。
最近俺は集中して珠を出すイメージをしてる、ってか学校の授業中とかもしてるねんけど。
でも珠が出ない。
皆んな少しずつだけど強くなってる。
珠も大きくなって。
攻撃の威力も上がってる!
クソ!
俺はまだ珠も出せてへんのに。
。。。。
「くそ、俺はまだ珠も出せへん。」
。。。
震える。身体が。悔しい。
「じゃあちょっと待ってってね!海晴こっちおいで!」
皆んなが海を眺める席に座るとロッシはこっちへ来て俺を店の奥のカウンターの中へ入れてくれる。
ポン。
ロッシが俺の肩に手を置く。
「海晴。俺はよく解らないけどさ。何か壁に当たってるんだろ?」
さっきの翔陽との話と雰囲気できっと感じ取ったんだろう。
「え?あ。はい」
「止めるなその足。歩き続けて登り続けたら来れられない山とか壁とかないぞ!それから、いつも壁を超えた先のイメージを持ってな!」
「はい!」
ロッシありがとう!
「じゃあやろうか!」
ロッシがコーヒーの準備を始めてくれている。
ん?なんか視線を感じる。。?
あ、ヴェルが窓際の席から移動して、カウンターから頭をひょっこり出してこっちを見てるやん。
目の前の海なんてそっちのけで何をするんだろうって顔して目をキラキラさせてる。
ヴェルの目が俺に頑張れって言ってる。
ほんまに可愛いなーー。
俺は軽く笑顔でヴェルに手を振る。
ヴェルが笑顔で手を振り返してくる。
「ヴェルちゃん可愛いな、、」
ロッシがニヤニヤしながら俺に耳打ちしてくる。
「ロッシ絶対今までの話ヴェルに言わんといて下さいね!」
ロッシには結構俺の愚痴とか境遇とか色々聞いてもらってる。
だから実はこの今までの事件も全部話してるし。
ヴェルへの気持ちも話してる。
今この状況は俺的に危ない。
「解ってる解ってるよ」
ロッシはポンポンと背中を叩く。
「じゃあじゃあ始めよっか!」
「はい!」
「まずはお湯を沸かして」
コーヒーポットにお湯を入れてガスコンロのスイッチを入れる。
「お湯が沸くまでの間にこのコーヒーミルで豆を挽くぞ。やってみ!」
「はーい!」
「俺も飲むから五人分か一気には無理だから三人分と二人分に分けて作ろうか」
「はい!」
「じゃあこっちのコーヒーミルでこの豆を挽いて、俺はこっちのミルで挽くから」
「了解!」
カリカリカリカリ。
豆を挽いていく。
ああ。芳ばしい豆の良い香りがふわっと届いてくる。
良い匂いや。。。
。。。。
カリカリカリカリ。
。。。。
フワッ。。。
ん?
なんや?
甘い匂い?
コーヒーの匂いじゃない。
甘ったるい。。。
甘いけど良い匂いとは思えない。
コレはコーヒーとは全然違う匂い。
「海晴。なんか変な甘い匂いしないか?」
ロッシは右手で額を抑えてカウンターに着いた左手で身体を支えている。
目にいつもの力が無い。
眠たそうだ。
「ロッシ大丈夫??」
「なんか急に。。何かおかし。い。。」
どさ。。
ガタガタ ドスン。
カウンターにロッシは倒れた。
そのままコーヒーミルや豆の入った缶などを押し除けながらロッシは床に倒れていった。
「どうしたっちゃ!?」
「なんだよこの甘ったるい匂い!」
「これ絶対おかしいですよ。。」
「ロッシが倒れた。」
ロッシの脈を取ってみる。
トン トン トン
脈はある。
息もしてる。
ガッシャーーーーーン!!!!
いきなり外から大きな音がした!
みんな外を見に窓に走る!
俺はガスコンロの火を止めて走る!
「事故だ!」
ダダダ!
ジャラン!!チャランチャラン。。
翔陽が外を見るなり凄い勢で店のドアを開けて雨の降ってる外に飛び出す!!
俺はもその外も見ずにダッシュで翔陽について行く!!
バッ!
店を出た所で状況確認に一回止まる。
「なんだこれ!!」
玉突き事故??
いやそんな感じじゃない!
車同士も当たってるけど自損事故もしてる。
っていうか全ての車が事故ってる!!
「ダーリン!!」
「きゃあ!」
ドン!!ドン!!
「うわ!」
ヴェルと小春ちゃんと俺で玉突き事故が起きた!
ヴェルと小春ちゃんも翔陽に続いてダッシュで飛び出して来たから、急に止まった俺にぶつかってしまった。
フワッ
あかん!!
思いっきり押されて俺は階段から飛び出してしまった。
横でヴェルも空中で飛んでる。
「ダーリンごめんっちゃ!!」
ガバッ!
俺はヴェルに空中でキャッチされた!
そのまま横の駐車場にふわりと着地!
二階の階段の上で心配そうに身を乗り出してる小春ちゃんに親指を立ててグッドマークを送った後道の方へ指を指してから俺はまた走り出した。
「ダーリンごめんっちゃ!」
「大丈夫やで!それより事故死他人達助けんと!」
「わかったっちゃ!」
道の方をを見ると。
「大丈夫ですか?」
翔陽が車同士ぶつかってる車の運転席の人に声をかけてる。
俺は店のすぐ前の防波堤に突っ込んでるお洒落な赤い車を見に行く。
大したぶつかり方はして無いが運転手は気を失ってる。
シートベルトの中で気を失っているのかぐったりしている。
よく見ると運転手はお姉さんだ。
ポニーテールにしている。
シートベルトを外し。
俺はお姉さんを引っ張り出す。
気を失ってはいるけど息はしている。
取り敢えず俺は背中に背負いパイレーツハーバーのパブリックスペースに運ぶ。
翔陽もおじさんを連れて来ていた。
頭をぶつけたのか額から大量の血を流している。
ヴェルも飛んで一人連れてきた。
みんな意識は無い。
でもなんか気絶って簡易じゃない、気絶って言うより、寝てる?
みんなスースー寝息を立ててる。
おじさんなんてゴーゴーってイビキかいてるし、、こんな大怪我してるのに。。
「事故したもう一台に家族が乗ってるんだ。みんな意識が無い」
「よし行こう。」
店を出ようとしたら、小春ちゃんがもう一人漁師の様なおじさんを連れてきた、重たそうや。
翔陽は小春ちゃんを手伝い始める。
俺とヴェルは家族が乗ってるという車に向かう。
事故で車から火が出て爆発でもしたら最悪だし、一様みんな避難さすべきだと思う。
ガチャっと車の助手席側のドアを開ける。
後ろでは子供の男の子と女の子がいる、女の子は助手席側のシートの上でシートベルトを着けたままだ。
男の子は運転席側の後ろシートから足元に落ちている。
運転席側はぶつかってグシャッとへシャケて開きそうもない。
母親であろう人はシートベルトの中でグッタリ。
父親はいない。
呼吸の音が聞こえるからきっと大丈夫だろう。
でもやっぱ寝てるみたいや。
スースー言ってる。
俺はそーーっと運転席のシートベルトを外す。
外したら両脇を抱えて助手席側から引っ張り出す。
女の人をお姫様抱っこの様に抱えパイレーツハーバーの店内へと運ぶ。
あれ?なんやろ。。?
なんか奇怪しい。
俺はなんか今いるこの場に違和感を覚えた。
。。。。
周りを見渡してみる。。
なんやろ。。
辺りにはどこから香ってくるのか、変わらずの甘い匂い。
なんの音もない。
静かや。。
世界が止まってるみたいに感じる。。
なんやろこれ。?
絶対になんかおかしい。。
。。。
あれ?そういえば。
雨の音がない。。。
雨止んだ?
でも俺の身体は濡れてるのに。
必死で助けてたから気にならなかったけど。
降ってるはずの雨の音が無い。
え?
なんやこれ??
俺は些細な変化を気づかなかった。
こんな目の前に奇怪しな光景が広がっていたのに。
俺は目を擦り。
改めて開いた目に映る景色を疑った。
なんでこんな事に。。。
。。。
なんでか、空中に雨粒が浮いてる。。
雨粒がフワフワと漂ってる。
こんなこと有り得へん、、よな。。
いつの間にかあの甘たるい匂いの中。
空中に浮く雨粒。
雨粒はくっついて大きくなったり離れて小さくなったり。
ふわふわと漂ってる。
しかも俺の目の前だけじゃない俺の目視できる世界の雨粒すべて浮いて漂ってる。
戸惑う俺の目の前にフワフワと大きめの雨粒がやって来る。
球体となった雨粒の中は逆さまに世界が映っていた。
雨粒全てに世界が逆さまに映ってる。
ぷるんぷるんと時々揺れる逆さまの世界を入れた雨粒それが信じられない数浮いている。。
ダダダダダ!
驚いて足を止める俺の方へに飛んでるヴェルと翔陽が駆けて来てる。
翔陽とヴェルはこの謎の現象に気付いてないのか、辺りを見て足の止まった俺を人を抱えて追い抜いて行く。
体に浮いた雨粒をぶつけながら事故で気を失い眠ってしまってる人達を運ぶ。
ぶつかって無くなる雨粒やぷるんぷるんと翔陽やヴェルの脇をすり抜ける雨粒。
俺は駆け抜けた翔陽とヴェルを追いかけて振り返ると、顔の前に漂ってる大きめの雨粒があった、その大きな雨粒の中に逆さまで駆け飛び抜けていく翔陽とヴェルが映ってる。。
大きな雨粒の中にいる翔陽とヴェル。。。
不思議や、なんで雨粒の中は逆さまになってるんだろう。
この大きな水滴の中はまた違う世界なんかな。。
っとまた無駄なことが頭をめぐる。
いやそんな事考えてる場合ちゃうやんか、そう思った時。
俺はさらに奇怪しな物を見つけたのだった。。




