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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
44/110

学校編 不安な精神を乗り越えるって素晴らしい



 海には風が走り、太陽が照りキラキラと光る。


 防波堤の上で大阪にいるはずの家族が俺を見守ってくれている。



 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー



 ただ真っ白な。


 光しかない世界の中で。


 俺は一人立っていた。



「あれ。?何処やここは?」

 さっきまでいた地獄の様な体育館じゃない。

 眩しい程に光に満ち溢れたその世界は俺以外何もない。

 でも俺にはこの世界に見覚えがあった。

 しばらく前に、海の中で俺達は巨大な烏賊と戦って、その時に巨大な烏賊にやられて気失って、そして来たのがこの光の世界、ヴェルと翔陽は俺の見た光の世界とは違う世界だったって言ってたけど。

 でもそんな事は今どうでもいい。。


 俺も皆の所へ行って。。


 戦わんと。。


 ふぅーー。。


 体が疲れて重い。


 くそ。


 後。


 ウッディーも助けんと。。。


 ガクッ。。


 意に反して俺の両膝は折れた。

 崩れ落ち正座をし、薄れていく意識の中で光に溶けていく。

 瞼の裏の暗い闇を見つめる俺。


 あぁ、、意識が、、薄らいでしまう、、、



 。。。



 ダイジョウブカ?


 オマエノ セイシント カラダガ ヒロウシタ。


 ダカラ コノセカイニ オレガ ヒキコンダ。


 誰や??

 この声聞いたことがある。。

 この光の世界の声。


 急に朦朧もうろうとしていた意識が戻ってきた。


 そして俺は気づいた。

 久しぶりに見た真っ白な光に包まれたかの様な世界。

  


 ッテイウカ オマエサ セッカクチカラヲ アタエタノニ ツカワナイト イミナイヤン。


 なんかこの世界の声の主、俺にあきれてない?

 ってか何で関西弁?

 馴れ馴れしいし。。

「いや力って、珠の事??出し方とか使い方が分からへんねんけど。。」


 シンジロヨ オマエジシンヲサ。。

 イッカイ ツカエテタヤン。。


 うわ、完全に呆れられてる。


 ミンナヲ タスケタクテ トッサニウゴケル スガタハ スバラシイ ノニナ、、


「光の珠はめちゃくちゃ俺も創り出したいねんけど。。ヴェルとか翔陽は軽々創り出すし、小春ちゃんも、、けど出来ひんねん。。」


 ダカラ タマヲツクリダスタメニ ジブンヲシンジロッテ。


 ア!

 アカン!!


「どうしたん?」

 

 オマエ アノ オトコニ ナニサレタカ ワカッテヘンノ?


「何って何なんよ??」


 オマエニ ウエツケラレタ『ヤミノタネ』ガ メヲダソウトシテル。

 タイイクカンハ オレガ テツダッテヤルカラ オマエハ『ヤミノタネ』ヲ ナントカシテコイ!


「何?ヤミノタネって?」

 

 セツメイスルジカンハナイカラ ナントカジブンデ ノリコエルンヤ。


「えええ?何を??」


 ジブンヲシンジル イチバンタイセツナコト ヤカラ ゼッタイ!

 ワスレルナ!


 

 ッパ!!


 途端に光の世界はちりじりに霧散した。


 え?青空が見える?

 鮮やかな白い雲と青い空。

 ガバッと俺は目を覚ましたかの様に上体を起こし起き上がった。

 あれ?

 俺はいつの間に寝そべっていたのか。。

 その寝そべっていた俺の周りには背丈の揃った新緑の青々した草。

 (すね)くらいのみじかな背丈の草原が見える範囲全て一面広がっていた。

 フワッと風に髪を撫でられながら立ち上がる。


 そこは見た事のない美しい世界が広がっていた。


 鮮やかな白い雲、吸い込まれそうな青い空、そして暖かな太陽が辺りを明るく照らす。

 スーーっと呼吸をすると気持ちのいい爽やかの空気、その空気と一緒に雨上がりの匂いが身体の中に溶け込んで来る。

 

 なんて気持ちいい。

 

 辺りを見回すと俺はキラキラと光る新緑の草原に中に立っていた。

 足元に生え草原の草は、自分の葉っぱの上のに水滴をいく粒も乗せている。

 その葉っぱの上の水滴に太陽の光を受けてキラキラと輝いている。

 遠くには雪化粧をしたアルプスの様な壮観な山々は美しく立ち並び、草原と山々の間の少し離れた所には(みずうみ)が眺められた、太陽を浴びてキラキラ光る湖はこんな遠くから見ても青く水が澄んでるのが分かる。

 なんて綺麗な景色なんや。

 これはまるで海外やんか、スイスとかヨーロッパ的な、なんかそっちの風景。

 日本じゃないみたいや。

 絶景ってこの事を言うんやなと、俺は息を呑んだ。

 

 美し過ぎる景色に言葉を奪われてしまった俺は、ただただこの景色を頭に焼き付けていた。


 すると。


「おにーーーちゃーーーん!」


 どこからか声が聞こえた。

 俺は声を探して辺りを見回した。

 途端にこの今初めて見たはずの景色がなぜか見覚えのある景色に思えた。

 ズキン!

 頭に痛みが走る。

 俺は突然の痛みで頭を伏せた。

 なんかモヤモヤした物が頭の中で痛みと共に襲ってきた。

 

 片手で頭を押さえながら俺は顔を上げた。

 なんやったんや今のは。

 

 すると目の前の少し向こうに一本、葉を左右に広げた木が立っているのに気づいた。

 木の生えている所は小高い丘になっていて、その丘の一番上にキラキラと葉っぱを光らせる木が立っている。

 なんやろ綺麗なんやけど。

 俺は胸の中に不安がドクンと膨らむのを感じた。


 美しいこの草原の主役の様な木は少しづつグングンと大きく育っている様に見える。

 俺は木の方へとふらりと一歩、歩を進めた。

「おにーちゃーーん!」

 あ、また声が聞こえた。

 ズキン!

 痛い!

 声を聞くたびに一瞬、頭痛と不安の様なモヤモヤが襲って来る。

 頭の痛みを乗り越えて声の方へ目を凝らすと。

 木の木陰に誰か腰掛けて座っている。

 ポニテールを横に出した髪型の女の子。

 小さな小学校低学年くらいの女の子。

 あの独特な髪型なんか見覚えがある、そしてあの俺を呼ぶ声。

 もしかして妹のユズ??

「ユズ!?」

 そう思った瞬間俺は駆け出した。

 キラキラと光る丘を駆け上がる。

 近寄れば寄るほどに木が大きくなっていく、距離感とかそういう問題??

 初めはまだ若い細い木に見えてたんやけど。

 今はもう幹も太くて生えたばかりの若い木には見えへん。

 違和感を覚えながら駆ける俺。

 影か濃い。

 木陰にもたれる妹のユズであろう女の子は影の中にいて光の加減か真っ黒でシルエットしか見えへん。

 あれはユズだと俺の中では確信があるんやけど、なんか奇怪おかしい、体が小さい、俺の妹は今中学二年生。

 やのに、あの影の中にいる女の子は小学校の低学年くらいに見える。

 絶対に中学2年生には見えへん。

 やのに。

 何故か俺にはあの女の子が妹に思えてしょうがない。

 何故か駆け寄らずにはいられない。

 駆け寄れば寄るほどに大きく育つ木とその影。

 俺は躊躇なく大きな木の影の中に飛び込んだ。

 影の中にはには木の幹にもたれ掛かる妹のユズがいた。

 そのユズを見て俺は言葉を失った。

 ユズは何故かまだ小学生の頃の姿で、縄によってその木に縛り付けられていた。

 その光景を見た途端。

 ズキン!!!!

 信じられないほどの大きな頭痛が俺を襲った。

「うわぁぁぁ、、ぁぁ」

 痛い、痛みで頭もあげられない。

 俺の、俺のせいだ!!

 後悔の念が俺の中から溢れ出してくる!

「なんで、、」

 知らず知らずの内に意味も分からず俺はなんでと呟いていた。

 ドス!!

 突然何かが刺さった音がした。

 何が起きたのかと顔を上げると幼い姿の妹のユズがこっちに向かって倒れて来る。

 ガハッとユズは血を吐いた。

 俺は驚き倒れてくるユズを受け止めながら尻餅をついてしまった。

 違和感を感じる。

 前にもこの景色を見たような。。

 ズキン!

 また頭痛が!

「あーあー。順番違うやんか。」

 その声を聞いて俺は頭を上げる。

「足らんわ、お前はお俺に幸せにくれるんやろ?」

 そう言われた俺の体は今の高校生の体の大きさではなく子供の様に小さくなってた。

 頭が痛い。。

 でもこれ。

 なんか覚えてる。

 俺はこの事でめちゃくちゃ後悔している?

 自分の中でデジャブの様な感覚に襲われる。

 何か自分の中で眠っているものが溢れ出しそうや!!

 やめろ!!

 俺は目の前のユズを抱きしめた!

「お、お兄ちゃん、、」

「ユズ大丈夫か???」

 ユズの顔を覗き込んだ。

 ッハ。。。

 俺は息を飲み言葉を失った。

 ユズの顔が黒いどろり倒した液体の様に崩れ落ち出した。

 目玉の無い目から血の涙を流して口からも吐血している。

 俺は思わず突き放そうとしたのに、ユズだったその恐ろしい物は俺に抱きついて離してくれへん。

 ゾクリと背筋が凍った。

「お兄ちゃんヴォ、、ダズけないドぉ、、」

 もう妹とは思えない真っ黒な物を俺は無理矢理引き剥がした!

 やめろ!もう、頭が割れそうや。。

 奇怪おかしくなりそうな自分から逃げるように木陰から逃げようとした。。。

 え??

 目の前には何人も何人も影の中で真っ黒な人が立ってる。

 真っ黒な人の目ははっきりと見える、真っ赤な口も影の中なのにハッキリ見える、なのに体は暗くて見えない、目や口が光っている見たいや、怖い。。

「な、、!」

 俺は木陰から出ることが出来ずそこに立ち止まってしまった。

 男性も女性もいる様に見える。

 その人影達は何かぶつぶつ呟いていた。

「ねぇ、ねぇねぇ、、あなたが私を助けてくれんでしょ?」

「あぁ、本当にこの世界の崩壊を止めてくれるのかい?」

「オマエが世界を救わなかったら俺達は死ぬんだろう?」

 という様な言葉を人影達はそれぞれボソボソと呟いている。

 ボソボソ呟いている、はずなのに!

 俺の頭の中に大きな大きな声として響いてくる。

 やめてくれ。

 俺はやりたくてこうなった訳じゃない。

 ただ世界を救う運命って言われただけやねん。。

 俺に世界を救えるわけないやんか。。

 重たすぎるねん。

 そんなんどうせいっていうねん。。


 いつの間にか俺は体を縮こめてそこで伏せ込んでいた。 

 まるでダンゴムシの様に縮こまり自分だけを守る様に。


「オマエが助けないと俺達は死んでしまうじゃないか!世界守れよ!!」

「あなた私の子供が死んでもいいていうの?助けなさいよ!」

「僕の母さんを助けて!助けてくれないと死んじゃうよ!お兄ちゃんは守ってっくれるんでしょ!早く助けてよ!!」

 人影達は俺を囲んで罵倒するかのように助けろ!世界を救え!と言葉を投げつけてくる。

 もう美しかったあの北アルプスの景色は無く、真っ黒な闇にの中に俺はうつ伏せていた。

 背後から光が合たっているかの様に体の輪郭が白い線の様に浮かび上がる真っ黒な人影達。

 真っ暗な世界なのに目と口だけは大きくはっきりと見える。

 その目がその口がまた俺に世界を救えと強く強く訴えてくる。。

「やめろ!!やめろ!!!やめろーーーーー!!!!」

 俺の心は重い重いプレッシャーでいっぱいになり弾けた。

 ダンゴムシの様に丸まりながら俺は真っ暗な混沌の世界で叫ぶ。

 

 モウ ヤメタライイヨ。

 

 誰?

 聞いた事ない声が響いてきた。

 明らかにさっきまで強制的に救えと罵倒してきた声とは違う。

 俺はその少し優しい声に耳を傾けた。

 不思議とその声を聞いたら頭痛はすっと引いていた。

 不思議な声や。

 

 オシエテアゲルヨ。

 

 その声は語りかけて来る。

 何を教えてくれるんや。。?


 キミモ クルシマナイ。

 コノヒトタチモ クルシマナイ。

 ダレモガ クルシマナイデイイ セカイ二 ナルホウホウヲ。


 そんな事。。

 出来るわけなやんか。

 

 俺が世界を救わないと。。

 じゃないと。

 この地球の人は皆んな死んで。。

 地球どころか宇宙の全てが終わるというのに。。


 そんな事。。

 絶対。。

 俺の力では。。

 

 モシモ コノセカイガ ホロビテシマッタラ。

 キミハ ソノサキニハ ナニガアルト オモウ?


 滅びた先、、?

 いや。

 分からへん。。

 どうなるんや。。


 ソノサキハネ ナニモナクナルンダヨ。

 クルシミモ カナシミモ サビシサモ フアンモ ゼツボウモ ゼンブ キレイニ ナクナルンダ。

 ダレモ クルシマナクナルンダ。


 苦しまない。。


 ソウ キミモ クルシムナンテコトハ ナクナルンダ。

 

 。。。


 俺は苦しんでなんか。

 

 ない。。。


 デモ キミハ サッキノコトバガ コワカッタジャナイカ。

 ソレハ コノサキ モットモット ヒドクナッテイク。


 う。。


 コノセカイデ ホントウニ フマンモ フアンモナク ココロカラ シアワセト オモッテルヒトガ イルトオモウカイ?


 全く不安も不満も無い人。。?

 そんな人いる訳ないやんか。

 不安とか不満なんて誰もが持ってるやろ。。


 ソウ ダカラ ソンナ モノノナイ セカイノホウガ イイジャナイカ。

 ソレコソ テンゴク ト イッテモ カゴンデハ ナイダロ?

 

 言われてみればそうかもしれへん。

 

 コノセカイヲ スクッテ エンメイシテモ ソレハ フコウヲ ナガツヅキ サセテルダケダヨ。

 

 そうか、、?

 そうなんか、、?

 

 ボクハコレカラ イチバンクルシム キミヲ、タスケタインダ。


 う、、ん。。


 ボクト コノセカイヲ クルシミノナイ セカイ二 ミチビイテ クレナイカ、、?


 苦しみの無い世界。。


 俺は今の自分の周りの世界を思い浮かべてみた。


 海でウィンドサーフィンをする俺。

 そこには翔陽もいる。

 海には風が走り、太陽が照りキラキラと光る。

 防波堤の上で大阪にいるはずの家族が俺を見守ってくれている。

 ビーチに上がるとヴェルが飛んできて俺に抱きついてきた。

 確かに生活する事で不満や不安もあるし悲しい時も荒立つ時もある。

 今を思い出しどうしたらいいのか考え込む俺。


 その俺に抱きついてきたヴェルが。。


「ダーリン、何もない世界はうちも翔陽もいないちゃよ。うち、、そんな未来ぜったい嫌だっちゃ!ずっとダーリンといたいしずっとみんなで面白おかしく楽しみたいっちゃ!!」


「ヴェル!!」


 その言葉を聞いた途端俺は目を見開いた。

 真っ暗な世界の中で俺は立っていた。

 周りには人影もいなくてただ一人で。

 そうや、誰もが不安とか不満とかあるけど。

 そんなことは当たり前でそれを超える幸せとか満足があればいやんか!

 何も無いところなんてなんも面白くないやんか!

 山や谷ががあってこそ人生は楽しいや!!

 俺は俺がもしこの世界を救えるんなら!

 出来る限りの事をやってやる!

 ヴェルや翔陽や小春ちゃんや家族や身の回りの人達のために!

 世界の全員の人のためなんて大それた事は言えへんし思えへんけど。

 俺の周りに為にすることでそれが世界の人達のために繋がらならそれでいいやん!

 やから!

 俺は俺のために!

 この世界の崩壊を止めてやる!!!


 俺はの意識はハッキリとした。

 よく見ると俺の体には何かドロドロした黒いスライムのような物が纏わり付いていた。

 もう残りは俺の顔面のみしか残っていない程にへばりついている黒いドロドロ。

 意識がハッキリすると共に俺の体の中から光が溢れ出した。

 やっぱり闇は俺の光に弱いようで、光を浴びて消え去っていく。

 真っ黒な世界も光を浴びて光の世界へと塗り替えられていく。


 ッチ クソ モウチョイ ヤッタノニ。

 ッキッショイナ。


 黒い世界の終わりぎわにタトゥーの男の小さな声が聞こえた。


 俺は最初にいた光の世界に俺は戻ってきた。


 モドッテキタカ スコシ テツダッテオイタカラ。

 

 この声は。。

 あの初めに俺を呆れた声。。


 手伝うって何を?

 

 ジカンガナイカラ モウイケ!


 行けって。。


 ガンバレヨ!オレハオマエヲ オウエンシテルカラナ!


 そう言われると。

 光の世界は俺の前で収縮していった。

 その光を受け止めるように手を伸ばした。

 どんどん光は集まってくる。

 これも前に戦った巨大烏賊の時を思い出す。

 小さなビー玉サイズまで光は収縮した。

 それを俺は両手でギュッと握った!


 光の珠を握った途端!


 世界は弾けるように輝いて世界が変わった!



 世界は変わり地獄の様相だった体育館に俺は帰ってきた。





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