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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
43/110

学校編 出し切るって素晴らしいな!



 雪はどんどん降ってくる。


 まるで真冬の様に音もなく、戦って荒れ果てた学校やグラウンドを隠すように積もっていく。


 雪が降っているのにも関わらず、太陽がこの世界を照らしている。


 なんて幻想的なんだ。


 雪降る空に太陽の光も差し込んで雪が輝やいてる。


 綺麗だ。。



 ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー



 小春に助けてもらった!


 小春はこんなに可愛いのに凄いな。。


 あの嵐の様な雹弾を防ぎきるなんて。。


 俺にはそんな事出来ない。


 こんなにクタクタになって。。


 小春ありがとう!

 俺も負けてられねぇ!!


 だいぶん黒蘭鋳は弱ってる


 絶対倒す!


 そしたら終わりだ!!

 

 やるぞ!!


 俺は黒蘭鋳に向かって駆けるために姿勢を落とした。


「翔陽、まぁ慌てるでない」

 望先生にポンと肩に手を置き止められた。

「まずのぅ翔陽、お主は直情的すぎるわい、仲間がいるのに一人で突っ込むのは得策じゃあないのぅ」

「ああ、先生、そうか、すいません」

 だよな、危なかった、まじ一人で突撃するところだった。

 確かに仲間がいるのに一人で突っ込むのは得策じゃないよな。

「もう少しで勝てる。こういう時こそ冷静に確実にじゃ!特にあやつの攻撃は強力だが、雹弾なり黒金魚なりを仕掛けるまでに時間がかかるからのぅ、しっかり考えて動くのじゃ」

「はい。。」

「じゃあ、のぞむんうちらは一体どうしたらいいっちゃ?」

 ヴェルさんも勝つ為にどうしたらいいか興味しんしんだ。

「そうだのぅ、まずはワシらが戦っておって、彼奴あやつの一番嫌な攻撃を出来ないように何とかしようかのぅ、そこでじゃ、お主ら彼奴あやつの一番嫌な攻撃は何かわかるかのぅ?」

「あの氷の弾の攻撃ですか?」

「そうだの、あやつの攻撃のほぼ全てがあの雹弾の為と言ってよい」

「だっちゃね!でもあの雹弾を何とかするって出来るっちゃ?」

「お主達、雹弾の元となっておるあの空に浮かぶ積乱雲、あれが無くなれば雹弾も打てなくなる」

「なるほどだっちゃ!」

「そしてみな!その積乱雲の消し方を知っておるかのう?」


 望先生が空に浮かぶ積乱雲を見上げた。

 俺達も追いかけて見上げる。

 


 。。。。。



「んーーーー。わからんちゃ。」

 俺たちは少し考えたけど答えは出てこなかった。

 いや普通雲なんか消せるわけないじゃん。

「だろうのぅ。ではわしがあの積乱雲を消すところを見せてやろうかのぅ」

「本当にできるっちゃ?」

「ああ理論上は可能じゃ、しかしのわしの力もこれまでの戦いでほとんど残っておらん、この術が最後の術になる、だからのうお主らにはあっちの黒蘭鋳を倒してもらうぞ」

「ああ!元からそのつもりだよ!」

「やるっちゃ!雹弾のない黒いボコボコなんて恐るるに足りないだっちゃ!」

「そうですね!やりましょう!」

「うむ、あやつを倒すにあたってお主らでしっかり連携して三人で攻めよ!わしはまた詠唱をせねばばらぬ、その間、黒蘭鋳や黒金魚を完全にシャットアウトして貰いたいのだ、まぁわしの詠唱が終わるまでにあの黒蘭鋳を倒したらそれはそれで構わんからのぅ」

「任せろ!」

「やってやるっちゃ!!」

「うむ。では頼んだぞ。もうあまり時間がないからのぅ!」

 黒蘭鋳の方を見るとあいつは口をまた開けていた。

 また黒金魚を出すつもりだと俺達はこれまでの経験ではっきりと分かった!

「連携を高めるために大切な事はお互いを知る事じゃ」

 突然俺の方を望先生が見た。

「翔陽!お主はバリバリの近接タイプじゃ懐に入り力で押す事が最適じゃ!」

「はい!」

 間違いなくその通りだと思う。

 

「ヴェル!お主は遠距離タイプじゃ素早く動き回り電撃で黒金魚を撃ち落としていくのじゃ!出来る限り翔陽を援護し黒蘭鋳に翔陽を近づかせるのじゃ!」

「わかったっちゃ!」

 

「小春!主は器用に氷の力を使えておるの、攻撃も防御も出来るマルチタイプと言ったところかのぅ!盾と大針で戦う、近接は盾で味方を守り、大針で遠中距離から攻撃ができる!小春、そして今、守る事が出来る技を持つのはお主だけじゃ、大変だが周りの状況を感じながら戦うのだぞ。翔陽は今防御の(すべ)を持たぬ、お主が翔陽を支えるのじゃ!」

「はい!」

「良いか、皆!周りの仲間の事を常に感じながら戦うこれが一番重要な事じゃ!良いか?」

「「「はい!!」」」

 そうだよな。

 おれはなんでこんな仲間がいるのに今まで協力して戦わなかったんだ。。

 総合格闘技で常に一人で戦ってたからかな。

 その癖か。。


 でも!いける!俺たち三人で力を合わせたら!!

 あんな弱った黒蘭鋳!

 絶対倒せる!!

 体の底から自信がふつふつと湧いて来た!

 やってやるぜ!

 俺は構えた!

 自信が湧きでてて来てどんどん今からの戦いが楽しみになって、目を釣り上げてニヤリと笑う、自分で今の俺、悪い顔をしてるんだろうなって自分でも分かった。


「大いなる生命を守る大氷(たいひょう)、多大なる命を奪う大氷、神ナル氷の(せい)にて世界は変化する、永遠と続く果てなる氷原よりその先を見据える強氷よ、、、、」

 隣で望先生が詠唱を始めた。

 教室で苦しんだ後にいなくなってしまった海晴も気になるけど!

 今俺たちは海晴を信じて、目の前の敵を打ち破るしかない。

 俺達はキッと黒蘭鋳を睨みつける。


「小春!ヴェルさん!行こう!」

「はい!」

「やるっちゃ!!」

 俺達はそれぞれの珠を掌の上に創り出し、三人揃って黒蘭鋳に向かって思いっきり駆け出した!

 それと同じタイミングで黒蘭鋳の大きく開かれた口から黒金魚達がザザザザザザザと泳ぎ出す!

 最終決戦だ!!


 俺達と黒金魚達は。

 駆け寄り!飛び寄り!泳ぎ寄る!


 黒金魚の大きさは全然大きくない遠目だからはっきりしないけど多分、拳くらいの大きさ!

 そんな小さい黒金魚なんて全部叩き落としてやるぜ!!

 俺はさらに地面を思いっきり蹴り出して小春とヴェルさん寄り前へ、両手の上に火の珠を浮かし思いっきり駆け出した!

「っちゃ!!」

 バリバリバリバリ!

 突然俺の頭の上を電撃が走った!

 先手でヴェルさんが電撃を放った!

 電撃に当たった黒金魚達は痺れて動きが止まる!

 ナイス!!!

 そこにさらに小春の三本の氷の大針が飛び抜けて行く!

 列になり動けず空中で痙攣けいれんする黒金魚達を氷の大針は貫き!

 黒いもやへとっす!

 そして氷の大針は勢いを弱める事も無くどんどんと飛んでいく!

 俺は氷の大針の行く末を見守りながら走った!

 数は減ったが、運良く電撃や氷の大針に当たらずにいた幸運な黒金魚は、やられた黒金魚を構う事なく襲ってきた。

 そして俺はその黒金魚を火の珠で直接殴り飛ばして行く!

 殴ると黒金魚は火がついて黒いもやへと帰った。

「いけーーー!」

 俺の後ろから小春の声が聞こえた!

 今にも氷の大針が黒蘭鋳に突き刺さろうとしている!

 すごい勢いだ!あの勢い!絶対当たる!!


 ッバ!

 ドドド!

「なんで?そんな事出来るの?」

 小春の氷の大針は残念だが黒蘭鋳には刺さらず、グラウンドに刺さった、なんと黒蘭鋳は何枚もある綺麗な長いひれでグラウンドを押して身体を今いた場所から上へと押し上げたのだった!

「クッソーーー!惜しかった!絶対当たると思ったのに。」

 あのふわふわした鰭(鰭)はあんな事出来るのか。

 でもそれも分かった、接近戦ではあのひれに注意だな。

 ここから俺は鰭のことも考えて攻撃出来る。

「小春サンキュー!!!」


 パンパン!

 バンダン!

 思いっきり駆けながら火の珠で黒金魚を殴りつけていく!!

 パパパッパ!

 ダンダン!!

 火の珠で叩かれた黒金魚はボォォォォっと燃え上がって黒い靄へと帰っす。

 この走るスピードを落としたくない!

 パンパンバンダン!!

 燃上がる黒金魚の間を駆けていく俺!

 まだまだ黒金魚は泳ぎ襲いかかって来ている。

 この量、、ひたすら叩き落とすしかないのか、結構数が多い。。

 ヴェルさんもう一度電撃を打ってくれないかな。。

 パンパンッパパパ!

 奇怪おかしいな。

 さっきまでのヴェルさんだったら電撃で撃ち漏らしたら悔しがってすぐさまもう一回電撃を飛ばしそうなのに!

 性格的にも電撃を連発しそうなヴェルさんのその電撃が飛んでこない。

 俺はヴェルさんの方へと振り向くと綺麗な白い肌に汗を滲ませ手を見つめ必死に雷の珠を必死に作ろうとしているヴェルさんがいた。

 電撃を撃ちたいのに撃てないのか。。

 ヴェルさんももう限界に近い。。

 さっきの電撃も黒蘭鋳まで届かなかったし。

 俺は襲いかかる黒金魚達を叩き落としながら、黒蘭鋳と接近戦をしようと迫って行く!

 パンパンダン!パンパン!

 バババ!バババババ!

 ック、迫る黒金魚の数が多い!

 数に押されてだんだん黒金魚を撃ち落とす事に精一杯になって来た、さっきまで走っていたはずの足が必死の迎撃で前に踏み出せず、今はもう止まってしまった。

 まだ黒蘭鋳には距離があるのに。

「っくっそ!」

「翔陽伏せるっちゃ!」

 途端にヴェルさんの声が後ろから聞こえた!

 俺はバッと倒れ込む様に伏せた!

 これは電撃が来るな!!

 ヴェルさんの電撃とか絶対くらいたくないし、俺は地面に張り付いた。

 バリバリバリバリバリバリ!!

 俺が伏せた途端に俺の頭の上を電撃が飛んで行く音が聞こえる!

 そして一瞬の電撃音がやんだ途端、俺は飛び上がる様に立ち上がり、臨戦態勢を取る。

 立ち上がった俺のすぐ横に小春が立っていた。

「翔陽君!私達があの黒い蘭鋳さんまでの道を作るから!翔陽君はあの蘭鋳さんをお願い!」

 氷の珠を構えながら小春は言った。

「わかった」

 小春はニコッと笑うと前の黒金魚と黒蘭鋳を睨みつけた。

「いっけーーーーーー!!」

 そして思いっきり氷の珠を投げる!

「翔陽君!あの氷の珠について行って!周りの黒金魚さんが私とヴェルちゃんでなんとかするから」

「わかった!」

 俺は氷の珠を追いかける様に駆け出した。

 氷の珠はすぐに十本数本の氷の針となり、俺と黒蘭鋳の間の黒金魚達を黒い靄へとかえして飛んで行く。

 空中にいる黒金魚はヴェルさんの攻撃で痙攣し、氷の針を避ける事も逃げる事も出来ずに消えて行った。

 俺の目の前には黒金魚が黒いもやっし黒蘭鋳までの直線上が氷の大針によって黒金魚のトンネルが作られていた。

「すげぇ!!」

 俺はそこをただただ思いっきり駆けた! 

 急がないと周りの黒金魚が襲いかかってきてトンネルが閉じてしまう。

 小春とヴェルさんが作ってくれたこの黒蘭鋳への道が閉じる前に!

 絶対あの黒蘭鋳を叩き潰す!

 学校に友達に仲間までめちゃくちゃにしやがったあの黒蘭鋳!

 絶対ぶん殴ってやる!!

 小春に海晴やヴェルさんそれに綾、ウッディーに翼なーちゃんの顔がよぎった!

「無茶苦茶しやがって!!」

 そんな怒りの気持ちを胸に必死に駆ける!

 とにかく思いっきり、猛スピードで!



 ダッダッダッダ!!



 っく!

 でも。

 あの氷の針に付いて行きたいのに、離される。

 

 物体が落下せず飛んでいく、そのスピードに人の足では到底付いて行けない。

 だんだん黒金魚のトンネルが狭くなってきている。

 一匹一匹と小春とヴェルさんが作ったトンネルに迷い込むように、俺に泳ぎ襲ってくる黒金魚が出て来た。

 それでも俺は一切スピードを落とす事はなく、全力で駆けながら黒金魚を殴り道を開いて行く。

 これだけ走ったんだ!

 もう黒蘭鋳までそんなに距離は無いはずなんだ!


 しかし、黒金魚の襲い来る数が見る間に増えてきた!

 俺は走りながら火の珠を浮かした拳を繰り出し、黒金魚を叩き落とし燃やしていく!

 いかにこのダッシュのスピード落とさず行けるか、必要あらば首を傾け回避もする、とにかく今まで近づく事も出来なかったあの黒蘭鋳に近づくんだ!

 近くにさえ行けたら俺の力はあいつに通じるはず!!

 そう自分を信じて思いっきり駆ける!

 途切れる事なく黒金魚達が襲って来てる。

 もう完全に小春とヴェルさんが作ってくれたトンネルは無くなった。。

 くそ、せっかく作ってくれた黒蘭鋳への道を。。

 と思った瞬間目の前がキラッと光った。

 俺は目の前に襲い来る黒金魚を首を(かたむ)けて避けた!

 その黒金魚が最後の黒金魚だった!

 避けた途端に黒金魚達の群れがいなくなり視界が晴れた!

 よし!!抜けた!!!

 キラッと光ったそれは小春の氷の針だった!

 氷の針は黒蘭鋳の胴体に刺さってる!

「やるな小春!!」

 目の前に黒蘭鋳!!

「やっと近くまで来れたぜ!」

 黒蘭鋳の口の少し右側に俺は出た、口から逸れたから上手い具合に、黒金魚の突撃攻撃はなくなった。

 俺の身体は今までの全力疾走でスピード乗りすぎて黒蘭鋳の目の前では止まれない!

 俺は勢いのまま黒蘭鋳の右側面に走り込む!

 顔面を思いっきり殴ってアホみたいに開いたあの口を閉めてやりたかったけど。

 まぁそれはそれで仕方ない!

 まずはここまで来れた事が大切だ!

 

 よし!!やるぞ!

 接近戦!!


 俺はすれ違いざまに黒蘭鋳の横腹に刺さる氷の針を掴んだ!

 氷の針を掴んだ俺の体は勢い余って氷の針を使って鉄棒で逆上がりをするようにグルンと上へ向かって振り上がった!

 足が上へと振り上がった所でその氷の針を離す、と、俺の体は空中に舞い上がった。

 クルクルと空中で二回宙返りをし飛び上がる頂点で体をバッと大きく広げた。

 空中で止まる俺。

 上から黒蘭鋳が見える!

 目をぎょろぎょろ動かす黒蘭鋳。

 黒蘭鋳からしても今の俺の出現は突然の事だったみたいだな。

 今は俺を見失っているようだ。

 少し離れた所で小春は氷の盾でヴェルさんは雷の珠で黒金魚達と戦ってる!

 黒金魚の数が多い!

 二人がヤバそうだな。

 早くなんとかしないと!

 空中にいる俺は火の珠が浮かぶ右手を思いっきり振りかぶった!

 俺の身体は重力を受け落下を始める。

 少しでも火の珠を大きく。。

 俺は火の珠に集中しながら重力に身を任せて落ちる。

 俺の落下していく場所は、、何と見事に俺は黒蘭鋳の頭の上にいる!

 まぁ当たり前だよ!

 そうなる様に氷の大針を使って飛び上がったんだからな!

「この!その馬鹿みたいに開いた口を!閉じやがれ!!!」

 俺は両手にある火の珠を同時にぶつけてやろうと、両肘を引きそのまま思いっきり両手で黒蘭鋳を殴りつけた!

 ッドドッッコーーーン!!

 落下の勢いをつけて両手での掌打!

 俺の火の珠と黒蘭鋳の上顎を捉えた!

 大きく空いた口が強制的に閉じられ火の珠が爆発する!


 ドッシーーーン!

 黒蘭鋳は火の珠二つ分の爆発の衝撃と勢いで見事にべシャンとグラウンドに叩きつけられた!


 ゴロゴロゴロゴロ!

 俺もグラウンドに転がり受け身を取る。

 グラウンドの砂煙が立ち上る中俺はすぐに立ち上がった。

 かなり高い所から落ちたけど身体は問題ない!

 黒蘭鋳が怯んでいる間にもう一撃!

 俺は掌の上にすぐに火の珠を創る。

 しかし火の珠はなかなか出来ない。。

 クソ。。

 早く。。

 

 途端に右目の端に何か映った!

 何か来る!

 ヒュン!!!

 俺は反射的に身体を背後へと反らし、突然襲いかかって来たそれをギリギリで避けた!

 いや正確には避けきれずに、少し左頬に掠った!

 俺に襲いかかったそれは黒い薄い布の様で、俺は黒蘭鋳の(ひれ)だとすぐに理解した。

 あのひれで身体を持ち上げ小春の氷の針も避けてたんだ、もちろん攻撃出できるよな!

 あぁ!

 面白くなって来た!!

 突然砂煙から現れる何枚もの黒鰭くろびれ

 横からどんどん俺を刈り取ろうと襲ってくる。

 ッバ!バババ!

 俺は上半身を柔らかくしならせ、時には飛び上がり華麗に黒鰭を避ける!

 ってか!

 何枚この鰭有るんだよ!

 バ!ッバ!

 しかも速いし!

 土埃の中で見えないし黒鰭の攻撃の予測が立てづらい!

 ッバ!バババ!!

 こんなの避け続けるなんて無理だ!

 ギリギリで避けているから、服や肌が切られていく。


「ックックっク」

 でもよ!

 ワクワクするな!

 この緊迫感!

 アドレナリンが体に巡ってきてやがる!!


 総合格闘技の試合中によく言われてたんだよ!

 相手の腕を見るな、全体を見るんだってな!

 ペロッと頬から伝わる血を舐めた。

 黒鰭を避けながらも俺は火の珠を作ろうと手に力を注ぎ続けていた、おかげで今火の珠がようやく一つ掌の上に現れた!

「よし!」

 俺は一瞬の黒鰭の攻撃の隙を見逃さず、攻撃が一瞬やんだその時に思いっきり地面を蹴って黒蘭鋳との距離を詰めた!!

「くらえ!!!」

 俺は残っていた火の珠を思いっきり黒蘭鋳の右顔面に叩き込んだ!!!

 ドシュ!

 俺の打撃は黒蘭鋳に突き刺さった!

 なんか鱗とか有るのに案外柔らかい!

 前の恐竜とは違う。

「好都合だ!」

 俺は状態で左手の火の珠を爆発させた!!

 ッッボン!!!!!!!

 黒蘭鋳の体内で爆発を起こした!

「うお!!」

 思いもよらぬ爆風で俺は後ろに飛ばされた!

 黒蘭鋳の体内で爆発した爆風が行き場を無くし俺の方へと襲いかかったのか!?

 俺は仰反る様に飛ばされ空中で一回転、回転の最中にグラウンドが見えたから俺は両手両足を地面に着き着地した。

 ズザザザザザザと後方へ流れる体。

 黒蘭鋳から離れたくないのに、くそ!

 止まった!

 足に地面がグリップした!

 その瞬間俺は地面を蹴り出した!!

 ボ、、オォ、、ォォォォ、、

 黒蘭鋳の苦しそうな声が聞こえる!

 右顔面からは黒い靄が上がってる!

 土煙は治まってよく見える!

「まだまだだ!」

 ブォオォ!!!

 黒蘭鋳も負けずに俺に黒金魚を飛ばしてくる!

 生まれたての黒金魚が襲いかかってきた!!

 こいつらどれだけ生み出せるんだよ!!

 大量の黒金魚達!!

 でもさっきの黒金魚よりサイズも小さくなって鈍足に思える!

 やっぱりかなり弱ってるな!

 絶対倒す!!

 倒すなら今だ!

 今が絶対的な好機!!

 絶対的な好機、、、なん、だけど、、、!!


 。。。


 くそ!

 火の珠が創れない。

 俺ももう限界なんか?


 いや、諦めたらダメだ。

 諦めたら負けてしまう。

 皆を守れなくなる。。。


 火の珠が出なくとも俺は黒蘭鋳に向かって走り出した!

 火の珠を作ろうと手に集中しながらも、突撃してくる黒金魚をステップワークで避けながら黒蘭鋳に近づいて行く!


 はぁはぁはぁ。

 息が上がる。

 ここが踏ん張りどころだ、もう少し頑張ったらあのボコボコ野郎を倒せるんだ!


 火の珠を作りながら黒蘭鋳の攻撃も全部避けて!

 そして全力の火の珠で留め刺してやる!

 ヒュッ!ヒュ!ヒュッ!!

 俺は突撃して来る黒金魚を避けながら駆ける!

 やばい!!

 黒蘭鋳の黒鰭が俺に対して横なぎに全てを刈り取るかの様に襲いかかって来た!

 黒金魚達など無視の全力攻撃!

 黒金魚達を黒い靄にかえしながら襲う、刈り払あの様な攻撃!

 それを俺はギリギリでジャンプして避けた。

 いやジャンプしざるえなかった。

 くそ空中では身動きが取れない!

 飛び上がっている俺の左肩と右脇腹に黒金魚が噛み付いた!

「痛って!」

 でもそんな事気にしてる場合じゃない!

 俺は噛みつかれながらも地面に着いた瞬間横に転がった!

 あの黒蘭鋳の口の前に立たなければ黒金魚の突撃は直接置けないだろ!

 黒金魚に対して回り込む様に右斜め横に走る!

 すると途端に黒金魚の突撃のスピードが緩み一気に楽になった!!

 正面から突撃して来ない分、黒金魚のスピードが遅く感じる。

 俺のスピードと黒金魚のスピードが相まってめちゃくちゃ速くなっていたのか。。。

 直接駆け寄らず回り込んだ方が効率的で結果速い。

 こういう方法があるのか。

 いつもいつも正面から、戦い殴り合い蹴り合ってた俺には新鮮だな。

 回り込みながら徐々に黒蘭鋳へと近づいて行く!

 ヒュ!

 前から黒鰭くろびれが横なぎに襲ってきた!

 俺はそれの鰭をゴロンと前に転がり下を潜って避ける!

 転がってその勢いで立ち上がってそのまま駆けて、さらに黒蘭鋳に寄ろうとした!。。。

 のだが。。。

 ビュン!!

 立ち上がったそのすぐ前に黒鰭が上から襲ってくる!

「やべ」

 ザクンと黒鰭が地面に刺さった、黒鰭のせいで俺の足は強制的に立ち止まらされた。

「っあっぶねーー!!」

 くそ!

 さらに二枚同時に鰭が俺に襲いかかる!

 正面から一方と左側からもう一枚!

 どちらか一方の鰭を火の珠で吹き飛ばしたいのにまだ火の珠ができない。

 俺は後ろへとバク転しギリギリ、本当にギリギリでニ本黒い鰭を避けた。

 ズキン!脹脛(ふくらはぎ)に痛みを覚えた。

 避けた!と思った鰭は俺の脹脛をかすり学校の制服を切り裂いていた。

 ヒュ!ヒュン!

 またも黒い鰭が襲いかかる!

 傷を負った脹脛を確認する事も出来ずに俺はもう一度バク転をして避ける!

 ッズッキン!!!!

「っぐ!!!」

 痛ったい!!

 斬られた足がなかなか痛い!

 俺は着地で俺はガクンと片膝をついてしまった!


 ヒュヒュヒュヒュ!!

 次は上前左右から四本の黒い鰭が。。。

 これは確実に俺にトドメを刺しに来ている。。


 やばい。


 これは相当な窮地だ。


 総合格闘技のリングの上じゃ、膝を着いたこんな状況になったらもう試合は負けて終わってしまうだろうな。


 けどな!


 今回は違う!!


「えい!」」


 ガガガガ!


 刺しかかって来ていた黒鰭は俺の前で全て止まった。

 

 俺には仲間がいる!!


 氷の盾を構えて四本の黒い鰭を止める小春が、俺の前に立っていた!

「サンキュー!小春!!」

「翔陽君!間に合ってよかった!」

 俺は身体を張って黒蘭鋳と戦い小春とヴェルさんの珠を作る時間を作り隙を作り出すために戦ってた。

 俺と黒蘭鋳が戦ってる間は二人とも目を閉じて珠を創り出していた。


 まぁもちろん俺は一人で倒すつもりで戦ってだけどな!

 でも一人で倒せなくて、ピンチになってもきっと二人が助けてくれるって信じてた。

 心の底で二人の存在を感じてた。


 黒蘭鋳が俺を殺そうと出した、必殺の一撃の後にこそ大きな隙が生まれる。

 これは総合格闘技でも一緒だ。

 俺はいつもその隙をカウンターでついて勝っていた!

 今回の俺達のカウンターは!


 バリバリバリバリバリバリ!!!!


 ヴェルさんの電撃!!!!!


 クォォォォォオオォォォオオォォ。。。

 もろに直撃した電撃は黒蘭鋳から黒い靄上げさせさらにビクンビクンと痙攣させた!!

「ヴェルさんナイス!!!!」

 俺の掌の上が熱い!

 火の珠が出来た!!

 よし!

 攻め時だ!!

 そう思った俺は小春の氷の盾の裏から飛び出て黒蘭鋳の下顎を思いっきり殴り上げた!

 ボクシングで言うアッパーだ!

 だらしなく開いた黒蘭鋳の口はアッパーの打撃により、かち上げられガキンと良い音を鳴らし閉じた!

「よっしゃ!!」

 そして火の珠から発火しボォォォォォっと黒蘭鋳の顔は炎に包まれた!!

 苦しそうに頭を振り黒い鰭で炎を振り払う黒蘭鋳!

「やったっちゃ!!」

「私も、、」

 小春が俺を守ってくれた氷の盾を肩に担ぐ様に振りかぶっている!!

 「えーーーーい!!」

 小春は人の丈程のありそうな盾をぶん投げた!

 小春。。

 いやいやいやいや!

 力強すぎじゃないか?

 その重たそうな氷の盾を。。

 ドゴン!!

 氷の盾は黒蘭鋳の胴体に突き刺さるかのように打つかった!

 黒蘭鋳の体がくの字に折れる。

 

 クォォォォォオォォォォォ、、ォォ、、ォ、、、


 ズゥゥゥン。。

 黒蘭鋳は力のない声を発しながらグラウンドへ落ちた。

 黒い鰭で支えようとした様だがその鰭にも力が入っておらず支える事が出来てなかった。

 

 グラウンドの上で横たわる黒蘭鋳!

「よっしゃー!やったっちゃーー!」

 ヴェルさんが素晴らしい笑顔で飛び寄って来た!

 

 大変な戦いだった。

 グラウンドの上で横たわる黒蘭鋳は完璧にダウン状態!

 ここまで出来た!

「よっしゃー!!!!」

 俺も天に向かって叫んだ!

 この勝ちは総合格闘技で勝った時以上に嬉しい!

 一人じゃなくて仲間で戦えたことが何よりも嬉しい!

「遠沌にいる我に力を!スプリ!!」

 望先生の詠唱も無駄足だったな。。

 俺が油断していると。


 ギョロ!!

 ボォォォオオォォォォォォォォオオオ!!!

 グラウンドに横たわる黒蘭鋳が目を見開き突然吠えた!!


 ッボン!!!!

 咆哮が収まった途端!

 黒蘭鋳が手榴弾の様に弾けた!


 ババババババッバババッバババババ!


「っちゃ!!」

「うわ!!」

「っわ!!」

 

 イタタタタタタタ!!

 弾けた黒蘭鋳のかけらが飛び散り俺達の体を襲った!!

「何だっちゃ!!??痛、痛いっちゃーー!」

 三人とも両手を顔の前に交差し咄嗟に守った!

 黒蘭鋳のつぶてが当たらなくなった事を確認し腕を下ろした、その腕を下ろした先ににあった光景に俺達は驚いた。


 小さな拳サイズの黒金魚の魚群が俺達の周りを囲んでいた。

 辺りの景色がいっぱいの黒金魚でほとんど見えない!!

 俺達の周りで泳ぐ大量の黒金魚!

 つぶての様に打つかった黒金魚は体の当たった所に鋭い牙で喰らい付いている!

 俺がどうするべきか考え出した途端!


 ギャウワォォォォォオォォォ!

 小さな黒金魚達が全匹同時に天を仰ぎ吠え始めた!!!!


「な!こ、これは、、まさか、雹弾、、?雹弾を呼ぶ叫び声、、??」


 この引数の雹弾を疲労困憊の俺達に集中的に、、??


 これは、

 やばい、、??


 この食いついたり泳ぎ回ってる黒金魚どもに雹弾が撃ち込まれたら。。


「小春!ヴェルさん!逃げろ!!!!この魚群の中から逃げるんだ!!」

「わかったっちゃ!!」

「はい!」

 俺達は三人で魚群の外へと駆け出す!

 くそ。


 黒金魚達も逃すまいと俺達と同じ方向に泳いでる。

 こいつら分かってるんだ。

 積乱雲から発射されるであろう雹弾が届くまで、俺達をこの魚群の中に入れておいたら、雹弾を確実に命中させる事が出来る、このまま囲い込んだままでいる事で俺達が負け、この黒金魚達が勝てるのだと。


 くそ。。


 雹弾は来てるのか??

 振り返り、チラリと空を眺める。


 キラン!

 あ。

 空がキラキラ白く光ってる!!

 雹弾のカーテン???

 やっぱり雹弾が迫ってる!?

 俺達は黒金魚の魚群の中からまだ逃げられてない!!


 これはやばい!?

 っとそう思った、その時!


 突然目の前に誰かの影が見えた!


 海晴か???

 


 いや!

 違う!

 望先生!!!

 くそ、しまった!

 走る方向を間違った!

 先生のいる方向に走って来てしまった、そのせいで望先生まで雹弾の範囲へ巻き込んでしまった。。

「先生!!逃げてくれ!」

 望先生は全然俺の声を聞いてない。

「先生!!」

 望先生は俺の声など聞かず空に向かって何かしている。

 両手を空にある積乱雲に向け、白いキラキラした光線の様な物を放っている!

 望先生は少し辛そうな表情で汗をかいている。

「うむ、お主らよくやったのう。」

 望先生はこっちを向くと辛そうな表情はなくなってニコッと笑った。

「のぞむん笑ってる場合じゃないっちゃ!」

「そうです望先生!逃げないと!」 

「なんじゃ??恐れておるのは雹弾の事かのぅ?確かにこの状態じゃ見辛いのう。ちょっと待て」

 そう言うと望先生は手から出ている白い光線を俺たちに群がる魚群に向けて、そしてぐるりぐるりと回した。

 魚群の黒金魚達は白い光線を受けると悶える隙もなくピキピキと凍り、凍った氷を残して黒い靄へと帰っした。

「すごい魔法だっちゃ!」

 ヴェルがとても目をキラキラさせて喜んでいる!

 そして俺たちに纏わり付いていた魚群は先生のキラキラ光る白い光線によっていなくなった!

 けど!

 状況は変わってない!

 雹弾の白いカーテンが先ほどと変わる事なく覆い被さる様に俺たちに向かっている!


 なのに。。

 望先生は慌てる素振りひとつ見せずに、魚群を排除した後もただ空をへと手を向けて光線を放ち続けている。

 あの雹弾を止める事なんて到底出来るとも思えない!

 やばいって!

 あの学校の壁も破壊する雹弾が迫ってるのに!!


「望先生逃げないと!雹弾が!皆んな!木の裏側まで逃げ、、る、ぞ??」

 

 ふわり。。


「え?」


 俺と先生の間に何か白い物が舞い落ちて来た。


 ふわり。


 ふわり、ふわり。


「これなんだっちゃ。?」

「これ。。。雪。ですね。。」

 小春がそっとその舞い落ちる白い小さな羽の様な物を手の平で受け止めた。


 俺も真似してそっと受け取ってみる。

 白いそれは手の平の体温でスーーっと溶けてしまった。

「雪、だな、、」

「これが雪だっちゃ?初めてみたっちゃーー!凄いっちゃーー!」

 ヴェルさんが飛び跳ねてる。

「ふふ。もう雹弾の心配はせんで良いぞ、雪を降らしたやったからのぅ」

 ニヤリと望先生が俺をみた。

「のぞむん凄いっちゃ!!」

「これくらいは先生なのだからやらねばのぅ」

 望先生、本当に凄いな。

 俺は望先生の笑顔を見て胸を撫で下ろした。

 雪はどんどん降ってくる。

 まるで真冬の様に音もなく、戦って荒れ果てた学校やグラウンドを隠すように積もっていく。

 雪が降っているのにも関わらず、太陽がこの世界を照らしている。

 なんて幻想的なんだ。

 小さな積乱雲から降っているために雪降る空に太陽の光も差し込んで雪が輝き綺麗だ。。

 

風花かざばな。。」

 ぽつりと小春が呟いた。


「小春?」

「あ、えっと、晴れてる中で雪が降ることを風花かざばなって言うんですよ。私の村ではとても神聖な事で、風花かざばなが降った後は物事が良い方に動くと言われてたんです。」

「風の花だっちゃ?うちこれ綺麗で好きだっちゃ。」

 俺たち三人は疲れと美しい景色が相まって体の力が抜けてしまう、降る雪の中ゆっくりと勝利を噛み締めていく。


 それからもしばらく空に向かってキラキラと光る白い光線を放ち続けた望先生。

 雪が深々と降り積もる中で望先生はふーーーーーーっと大きな息を吐き手をだらんと下ろした。

 額の汗が流れ太陽の光でキラキラと光る。

 こんな雪の降ってる中で爽やかに輝く汗に目を奪われ望先生がかっこいいなと俺は心の底から思った。

 信じられないような魔法の連発、本当に凄い事が出来て、さらっと俺達を笑って助けられる望先生を心から尊敬した。

「望先生!凄すぎる!!スゲーかっこいい!!!」

「すごいっちゃ!!」

「本当に凄い、神様みたい、、、どうやって雪を降らしてるのですか?」

 俺達は望先生に駆け寄った!

 小春は本当に驚いたのだろう大きな目をさらに大きくして望先生に質問していた。

「ふふふ、雲を消す為に降らしたと言うかのぅ、雪が降っているから雲が小さくなったと言った方が良いかのぅ」

「あの積乱雲を小さくするとこうなるのか」

 何がどうなってこんな事になるのか訳わからないがとりあえず雲を消そうとすると、こうなるんだと俺は勝手に理解して、先生の言葉をそのまま飲み込んだ。

「それで、のぞむん!この雪どうやって降らしたんだっちゃ?」

 ワクワクした可愛い笑顔で望先生の顔をヴェルさんが覗き込んでる。

 ヴェルさんはいつでも素直で可愛い。


「ヴェル、雪の降らし方がそんなに気になるのかのぅ、まあ良いか、教えようか、わしはお主らの先生だしのぅ!空にある雲とはの、あれは水蒸気の塊なのだ、要するに小さな小さな水の集合体なのじゃ、黒蘭鋳はどうやっていたかは分からぬが、その雲の小さな水滴を集めて凍らせて雹弾を作っていたという訳じゃ、だからのぅ、そうはさせぬとわしが大量に氷の粒を雲の中に送り込み雲の中の温度を一気に氷点下まで下げたのじゃ、すると氷点下の中の水分は凍ってくっつき重量が増すことによって雪として降ってくると言う訳じゃ。」


「あ、ああ。そうなのか。。」

 俺はよく分からないけど、ただただ深々と降り積もる雪を見上げながら先生の凄さを噛み締めた。


「よかった、終わった。。」

 安心感から心の底から脱力し思わず心の声が漏れてしまった。

「そうだの終わったのぅ」

「うちら勝ったっちゃ!?」

「ああ勝ったのぅ」

 望先生も空を眺めた。

 

 雪は学校辺りにだけ降り注ぎ次第にグラウンドを白く染めていった。


 突然襲いかかって来る脱力感と疲労感でそのまま雪でふわふわのグラウンドに寝転がりたいという思いにかられる。

 でもまだだと何故か寝転がりたい気持ちにブレーキがかかる。

 絶対俺達が勝ったと思うだけどな。。

 なのに。。

 何か心の底から喜べない俺がいる。

 大丈夫か?本当に終わったのかと俺は自分自身に問いかけて、辺りを見渡して見る。

 太陽の光を浴びながら雪が降る、通常はどんよりとした曇り空の下で降るはずの雪は目一杯光を受けてキラキラと輝き楽しそうに降りてくる。

その雪は踊っている様で楽しそうで見てるだけで俺の心も弾んだ。

 その雪の中でヴェルさんが「わおーーー」っと叫び楽しそうに飛んで回っている。

 グラウンドは雪に覆われ白く輝く雪原になった。

 

 すげーなーー。。。

 

 信じられないほど綺麗だな。。


 いや、だめだだめだ!

 俺は見た事のない幻想的な景色に目を奪われ、言葉を失い、何も考えられ無くなってた。

 景色を見るんじゃない。

 敵がいるかどうか、もしいたら戦えるかどうか確かめるんだ!

 雪が降り積もるにつれて、雪を降らしている積乱雲はどんどん小さくなっていって、もう到底積乱雲とは呼べないようなサイズにまで小さくなってる。

 もう雹弾の心配はなさそうだな。

 真っ白の雪原、真っ白なグラウンドの上には黒金魚も黒蘭鋳も何もいない、こんな真っ白な世界の中で黒い魚を見逃すなんて有り得ない。

 

「うん、これは勝った。勝ったな!!」

 俺は確信した!

「よっしゃーーーーーぁぁ!!!」

 クタクタで倒れ込みそうな程だったのにも関わらず俺は全力で空に向かい腕を振り上げガッツポーズをした!

 そう!この感じ!!

 ギリギリの戦いで勝つ快感!!

 何度も何度も総合格闘技の世界では体感して来たけれど。

 今日は大きな大会で優勝した時よりも何倍も嬉しい!!

 本当に心の底から嬉しい!!

 ボフ!!

「うわ!」

 天に掲げた俺の脇の下に何かが飛び込んだ!

 それは満点の笑顔で俺を見上げる小春だった!

「翔陽君!私達勝ったよね?」

 泣きそうなくらい嬉しそうな小春。

 可愛い。

「ああ!勝ったよ!!」

 俺は小春の顔をしっかり見て笑い返した!

「やっほーーーー!!勝ったちゃーー!!」

 ボフン!!

 ヴェルさんも俺達に抱きついて来た。

「ああ!!俺たちは勝った!!!!」

 

 ふぅーーーーー。。

 望先生にも凄い疲れの色が見える。

 望先生は大きな息を吐き一旦目を閉じ表情をゆるめた、そう望先生は肩から荷を下ろしていた。

 先生の脱力がさらに俺たちの勝ったという確信を深める!!!!

 

 

 くぅぅぅぅ!!

 心の奥底から湧き出る勝利の快感に浸り始めたその時!


 ッボォォォォォォォォオオオオオオオォォオォォォォォ!!!!!


「な!!!」

 聞き覚えのある声が俺の鼓膜を揺すった。

 全ての毛穴から汗が噴き出し。

 全身の肌が痺れ。

 急激に体温が下がったのが分かった。

 まだ。。

 何かあるのか。。?

 嘘だろ?

 驚きと疲労とこれ以上戦えないという絶望が当然に襲いかかってきた。


 絶対倒したと思ったのに。。

 いや。

 あの黒蘭鋳は確実に倒した。

 なのになんで。。


 考える前に動け。

 そして火の珠を創らないと。。

 

 雪原の上には何もいないのに。

 俺は何度も確認した、この辺りには何も居なかった!

 だから勝ったと思った!

 なのになんでだよ!

 どこにいるんだよ!

 さっきの薄気味悪い声の主はよ!!


 ボォォォォォオオォォォォォオォォォォ!!!!

 するとまた声が響いいた。

 くそ。。

 下っ腹に響く。

 なんて嫌な声だ。。

 声は。。


 上から。。


 ゆっくりと俺は空を見上げた。。


 キラキラと太陽の光を浴びて降る雪の向こうに青空の中小さくなった積乱雲。

 でも何か違う。

 

「う、、」

 俺は息を飲んだ。

 

 積乱雲のから何か黒い長い物がひらひらと生えてる。

 そしてその積乱雲の中から黒蘭鋳が頭を出してた。

 さっきまで抱きつき喜んでいた小春とヴェルさんも身体を強張らせどうしたらいいの?と言うような不安な表情で空を仰いでいた。


「あそこにもう一匹おったのか、なるほどのぅ、そうやって雹弾を作っておったのか。。。」


 その積乱雲から顔を出している黒蘭鋳から黒い霧が吐き出された。

 遠くてよく分からないが、もう何回も黒蘭鋳の攻撃を見てきたからわかる!

 あれは黒金魚の魚群だ。。

「あやつ積乱雲がなくなる前に最後の雹弾を撃ってしまう気だのう。。」

 

「先生どうすれば!?」

 もう力も何もかも出し切った俺は思わず先生に助けを求めてしまった。

「んぎぎぎぎ!雷の珠出るっちゃーーー!」

 ヴェルさんが必死の形相で雷の珠を作り出そうとしてる。

 俺も掌を見つめて集中する。

 が全く力を感じない。。

 クソ。


 

 ボォォォォォオオォォォォォオォォォォ!!!!


 黒蘭鋳が再度鳴いた!

 そして最後の雹弾が積乱雲から発射される。

 速い!

 まだ黒金魚の魚群は遠くにいるのにもう雹弾を。。

 積乱雲が雪になってしまう前に雹弾を打ったのか。。

 黒金魚よりも雹弾の方が速いし俺たちの逃げる時間もその分短くなる。

「良いやり方だな!クソ!」

 まだ誰も珠を創り出すことが出来ていない!

 あの雹弾を撃ち落とすのは絶対無理だ! 

 火の珠を出せない状態でどうやって。。

 殴って壊す。

 同時に大量に襲ってくる雹弾にそんな事できる訳ない。

 全てを避け切る。

 いや、無理だろ同時に大量に隙間なく襲ってくる雹弾にそんな事出来る訳ない!

 クソクソ!

 落ち着け俺、混乱するな。。

 見るまに雹弾が俺たちに迫ってきている!


「ダーリン、、、やばいっちゃ、、助けてほしいっちゃ、、」

 ヴェルさんもどうしたらいいか分からず不安と絶望の入り混じった顔で雪の降る空を眺め力なく立ち尽くしている。


 海晴。。。


 海晴はどこに、、?

 学校?体育館?

 あ!学校?

 そうだよ!

 学校!!

 学校に逃げ込めば!!

 避け切れるじゃんか!!!

「みんな学校に走れ!校舎に隠れてやり過ごすんだ!」

「その通りじゃ!学校の中に一旦避難じゃ!」

 立ち尽くしている小春とヴェルさんの手を掴み思いっきり駆け出した!!

「っちゃ!」 

「あ!」

 二人は急に引っ張られ驚いてたけど、すぐにどうしたらいいか理解して、俺に引っ張られる事を皮切りに全力で飛び駆け出した。

 積もったばかりの新雪が俺達が駆ける事で舞い上がる、クソ!雪のせいで走り辛い!

 もうそこまで雹弾が迫ってる!


 ドドドドドドドドドド!


 グラウンドに雹弾が刺さる音がする!

 ちらっと後ろを確認したら積乱雲の真下のグラウンドに雹弾が刺さっていた。

 黒金魚がこっちに泳ぎよる前に雹弾を打ち出したから攻撃範囲がかなり広がっているみたいだな。

 雹弾のカーテンはグラウンド全てを覆い尽くしてもあり余るほどの広さになっている。

 最後の攻撃なのだろう雹弾の量が半端じゃない!

 積乱雲から一番近い真下のグラウンドから到達し、どんどん雹弾の到達する範囲がこっちにせまってる!!

 まだ距離はある!

 とにかく早く学校の校舎に逃げ込まないと!!!

 望先生も学校に向かって駆けている!!

 俺は先生を追いかける様に走る!

 

 とにかく早く速走るんだ!!

 

 走らないとダメだ、分かってる、なのに俺の足はなかなか速く動かない。

 黒鰭くろびれで切った足が痛いし、体も重い。

 怪我と疲労もあって全身がもうガクガクだ。

 でもそれだけじゃない。

 もう一度後ろを振り向く、今度は雹弾じゃなく小春とヴェルさんを見る。

 小春はもう走れてない、立った状態でただ俺に引っ張られ転けないように足を前に出す事で精一杯。

 ヴェルさんもただ浮いてるだけで俺に引っ張られてるだけだ。

「小春、ヴェルさん!」

 このままじゃ三人とも雹弾に串刺しにされてしまう!!

「翔陽く、、、!!」

 ッガ!ザザザ。。。

 小春は返事をしようとしてつまずき転けてしまった!

 俺の手から小春の手が離れる!

「くそ!」

 俺は立ち止まり小春の方へ駆け戻ろうとしたその時。

「来ないで!」

 小春が叫んだ。

「小春!」

 ヴェルさんも地面に立ち膝に手をつきはぁはぁと呼吸をしてる、相当疲労で苦しそうだ。

「来ないで!来たらもう全員は助からない!二人だけでも!」

「小春。。」


 なんでだよ!!

 ックソ!!!

 俺は思いっきり駆け出した!



 ザザザザザ!!



 俺は小春のに駆け寄り!

 小春を抱き上げた!!


「翔陽君。。。」


 ドドドドドドドドドドド!!

 もうそこまで雹弾が来ている!

 俺は小春を抱きかかったまま思いっきり駆け出した!!

「翔陽君!」

「小春を見捨てるなんて出来る訳ないだろーーーぉぉぉ!!!!」

「足血が出てるし。身体も。。」

「足が痛いだとか身体が疲れただとか、そんな事どうだっていい!!!足は治るし疲れは取れる!!でも!!小春を失ったらもう帰ってこないじゃないか!!!」

 俺はガムシャラに駆け出した!!!

「翔陽君。。。」

「絶対!諦めねぇ!!!」

 必死に全力で学校へ駆ける!

 考える事は走る事だけ!

 痛みも疲れもそんな事知らねぇ!!

「ヴェルさん!飛んで俺に捕まれ!!!」

 俺はヴェルさんの横を駆け抜ける!!

 ヴェルさんは俺の首に両手を回した!

 そのまま飛んで引っ張られるヴェルさん!!

 雹弾はもうすぐそこだ、いつヴェルさんの足に当たってもおかしくない!

 ドドッドドドドドドドドド!!!!

 雹弾がすぐ側まで迫り次々とグラウンドに刺さっていく!!!

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーぉぉぉぉお!!!!」

 俺は今までの人生で今!一番速く走ってる!!

 何故か苦しさは飛んでいった、疲れもない!

 これが火事場の馬鹿力か!

 いける!!

 いけるぞ!!

 ギリギリ雹弾の着弾範囲に追い付かれずに逃げれてる!

 女の子を抱えて首を持たれて重いし苦しい!

 でもそんな事どうでも良いんだよそんなの関係ない!

 俺達はこんなこんな所で死んだらダメなんだよ!!

 積ったばかりの雪を舞い上げ駆ける!

 雪でグラウンドが覆われ雹弾や望先生の地面を突き出す魔法でグラウンドがボコボコしてる!

 速く走るために俺は走る先をとにかく注意して走った!

 ガス!

 ギリギリで走り抜けてるが為に地面に残る雹弾で足を切った!

 でも痛たくない!

 ガス!

 大丈夫!

 全然まだ走れる!!

 そんなことより!

 とにかく速く学校の校舎へ!!

 校舎までもうすぐそこだ!!

 

 ドドド!!

 雹弾は俺達の横に降った!

 な。。!

 クソ!!

 足を切ってスピードが落ちたのか?

 やばい!!

 ドド!!

「ちゃ!!」

 ヴェルさんからの声が!

「ヴェルさん!」

 お俺は一瞬心配し後ろを振り向いた!

 その時。

 何かに躓いた!

 俺の体が前に飛ぶ!!

 転けたら。。

 終わる。。

 降って来る雹弾に襲われて。

 俺達は。。


 ドサン!


 ザザザ!!ゴロゴロゴロ!


 俺が転けてしまい、その勢いでヴェルさんは前方に投げ出されてしまった。


 ドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

 転けた。。


 終わった。。


 ドドドドドドドドドドドドドドドド!


 


 。。。。




「よくここまで来たのう。翔陽よくやった!」

 死んだと思った俺の耳に望先生の声が聞こえた。

 小春が傷つかなように抱き被さっていた俺はゆっくりと顔を上げた。

 そこには優しく笑う先生がいた。

 先生は飛ばされたヴェルさんを受け止めていた。

 そして先生の前には大きな丸みを帯びた氷の盾が。

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 

 先生は降る雨を凌ぐ傘のように、丸く優しい氷の傘で俺達を雹弾から守ってくれていた。

 

 ドドドドドド、、ドドド、、


 そして雹弾の雨は降り止んだ。

 空に残るのはフワリフワリと降り続く雪と太陽だけだった。


 ドシンっと先生は氷の傘を横に置いた、何本も何本も剣山の様に雹弾の刺さる氷の傘は横に置いた途端ガラガラと崩れた。

 

「先生!」

「翔陽よくやったの!」

「翔陽、のぞむんありがとうだっちゃ。。」

 ヴェルさんが疲労困憊の表情でこっちを見る。

「翔陽君。ごめんなさい。。」

 小春は相当困った顔して俺を見る。

「小春、俺はお前がいなくなるのが一番嫌だからな!だから!あんな事絶対言わないでくれ!」

「ごめんなさい、でも、私、絶対翔陽君にいなくなって欲しくないから。。」

「じゃあどんな時でもさ。一緒に生きれる道を探そう。。」

「あ、、はい。。」

 小春は頬を赤く染めて頷いた。

「うちも、、ダーリンと一緒に生きる道探すっちゃ」

 ヴェルさんが少し羨ましそうにした後、海晴を探して辺りを見ていた。

 俺はそっと小春を雪の上に立つ様に降ろした。

 くそ、もう小春を抱き上げる腕の力も無いのか?

 腕がって痙攣けいれんしてる。

 足もガクガクだ。

 切った足に集中するとズキンズキンっと痛みが襲ってきた。

 痛い。。

 俺を含めてみんな体の全ての力を出し切ってもう限界。

 珠を作り出すどころか体を動かすこともギリギリだ。

 望先生は俺の肩に手を当てて「よくやった」って笑ってくれた。

 そう、なんとか、なんとか最後の雹弾をしのぐことができた。

 でも、まだ積乱雲のあった所にはもう一匹の黒蘭鋳が。。

 あいつを倒さない限りこの戦いは終わらないんだ。

 そう思った途端。

 もう黒蘭鋳を覆い隠す事も出来ない大きさの積乱雲から、ボフンと黒蘭鋳が飛び出しこっちに泳ぎ出した。

 周りに美しい長い鰭を靡かせ猛スピードでこっちに泳ぎ寄る!

 顔もボコボコでずんぐりむっくりの体なのに速い!

 遠くにいたはずの黒蘭鋳が見るまに大きくなり迫ってくる!

 いつもと変わらず口からはまた黒金魚を吐き出してる!


 望先生はこっちの様子を見た後。

「そうか、仕方ないのぉ、もうこれをするしか、、」

 スーーーっと思いっきり息を吸い込み詠唱を始めた。

「明るく漆黒の中で見守る人よ、壮大なる大煌星の主よ、命と生命を糧に結ぶ深淵の黒力よ、、」

 先生。。

 あんなに大きな魔法を連発させてさらに雪まで降らしたのに、まだ魔法使えるか。

 凄すぎる。。

 

「う、ぐ、、」

 詠唱を始めた先生は突然胸を押さえ、膝を折り塞ぎ込んだ!

「先生!」

 俺は先生に駆け寄るために立ち上がろうとした!

 ドサ。

「あぁ、くそ。」

 足が言う事を聞かない。

 俺は起き上がろうとした小春の上に倒れ被さってしまった。

「あぁ、小春ごめん、」

「私は大丈夫、、先生は、、?」

 俺達のすぐ側で苦しそうだ。

「ぐ。。はぁはぁはぁ。。。」

 胸を押さえ荒々しく息をつく望先生。。

 

 先生。。

 あんなに凄い先生も力が。。

 そりゃそうだよな。。

 先生が一番凄い事をやっていたから。

 ポタリポタリと先生の額から大量の汗が流れている。

 あんなに凄い魔法ばっかり使って、もしかして何か体に負担がかかっていたのか。。

 一体、、どうすれば。。

 俺達はもう珠が出せない。。

 そして先生も魔法が使えない。。

 

 俺達は全力を出し切った。。

 少しでも何かできないか、せめて火の珠ができたら。。

 今ある力を振り絞って手に力を集めようと力んでみた。

 クソ。。

 どれだけ力を振り絞っても手に何も集まって来ない。

 足もガクガクして立って立つこともできない。

 すっからかんだ。。

 ヴェルさんも飛ぶ事も出来ず膝をついている。

 小春も必死に自分の掌を眺めながら集中して氷の珠を作ろうとしているのだが、なかなか創り出せないでいる。

 何もできず、動くこともままならない俺達は、もうただの人って事か。。

 もう今の俺達に黒蘭鋳や黒金魚の攻撃をされたら避けられないし耐えられない。。

 そして俺達から攻撃をする術もない。

 

 本当にもう、なす術が無い。。。


 どうしたら。。


 オオォォォォオオォォォオオォォォ!!!!!


 二匹目の黒蘭鋳と多くのまぐろサイズの黒金魚が大きな口を開けて俺たちの方へ泳ぎ寄って来る。

 金魚達のくせに鋭い牙が見える!

 

 どんどん迫ってくる!

 今度は先生の助けも。。

「もう本当にやるしかないのう。まだや事がいっぱいあるのだがのぅ」

 先生がグググッと立ち上がった。

「皆。これから先どういう状況になっても冷静に良い未来を見据えるのだぞ!」

「望先生、、」

 そして先生は俺達を一度見つめて呪文を唱え始めた。

「破滅の閃光、漆黒の遠雷、奇滅の凶氷、灼獄の暴炎、我の身に宿り力を示せ、、憎敵を滅するその、、、、」


 先生が何か恐ろしい呪文を唱えてる。


 その呪文、先生 大丈夫なのか、、?


 突然ッダッダッダッダっと何かがか駆け寄ってくる足音がした!

 その足音はぐんぐん近づいてくる!

 

 まさかこんな時に別の敵?


 挟み撃ち、、?


 だめだそれに対抗する力なんて、、


 もう。。

 

 

「ダーリン!!」

 途端に大きなヴェルさんの声が真っ白に覆われたグラウンドに響く。

 ヴェルさんの見る方を見ると俺達の目にも飛び込んできた。

 

 挟み撃ちなんかじゃない!

 

 そこには希望があった。


「海晴。。」


 希望という光を背負った。

 

 海晴がそこにいた。。

 


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