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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
37/110

学校編 光の力って素晴らしい



 まるで、太陽に照らされた草原みたいに優しい光におおわれて。


 光の風が気持ちよく吹き抜けていった。


 恐怖なんて微塵もない暖かい空間がそこにはあった。


 

 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー



『助けて、、お兄ちゃん、』


 突然誰かの声が聞こえた。


 な!

 なんや!?

 やめろ!!!!!


 俺の思い出したくもない過去が急にふっと見えた。

 胸が冷たい!

 そして冷たい闇がどんどん俺を侵食してして来る。。

「うわぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!」

 その過去を見たくないと否定する様に、突然俺の全身から光が溢れ出した!!

 すると、その光は絶対に見たくないその思い出を押し戻し始めた。

 迫っていた良くないソレはどんどん引っ込んでいく。

 体育館の皆を黒く染めた闇がこれなんだと俺は何となくやけど理解できた。

 

 良くない闇は俺の胸で膨らんでいた真っ黒な闇は、胸の元あった所にまで押し戻されて、どんどん収縮し最後は消えてしまった。


 はぁはぁはぁ。。


 俺はいつの間にかステージの上で膝を着いて、赤黒い竜宮の使いから抜け出ていた。

 最悪や。。

 何であんな嫌なこと思い出すんや。。

 なんであの時の声が。。

 俺は顔を流れる汗を拭い、タトゥーの男と竜宮の使いが二匹のいる場所を確認する。

「この嘘つきめ、絶対次は騙されへん」

 そう俺は男に言葉を投げつけた!

 いつもニヤニヤしていたはずのタトゥーの男は真剣な面持ちでこっちを向いて、ジロリと大きな目で俺を見ている、俺を睨みつけるっていうか、どっちか言うと観察されているみたいや。

「お前、俺の攻撃を受けて平気なんか?」

 男はタトゥーだらけの自分の手を見てから呟く。

「俺の闇が。なんでや。。?」


 。。。。


 何かを考えているのか男は動かへん。

 

 そしてギロリと俺を睨みつけた! 

 あの男は明らかに俺に敵意を向けている。

 さっきみたいにただただ突っ込んだらやられる。

 適当にやっても攻撃が当たらへん!

 しっかり相手の動きを見ながら戦うんや。

 しっかり考えて!

 集中や!

 

「普通の人間ならあの闇で終わりよるのにな、、あいつのきしょい光が関係しとるな」

 男は何かブツブツと独り言を溢している。

「まぁいいわ、あんな弱っちい光なんてそれを飲み込むほどの闇を喰らわしたらイケるやろ!早く殺さなあかんな、不安分子は殺すに限るからなぁ。。。」

 何か男の圧、オーラ、そういった物が上がった気がした!

 男の両手からボウッと闇の様な物が漏れ出した。


 来る!!

 こんな俺にも少しは考えがある!

 ここは先に攻撃するんや!!

 俺は男に向かって思いっきり駆け出す!!

 さっきの俺とは違う!

 冷静や!

 思いっきり右の拳を振り抜く大振り!

「何やまたさっきと同じかいな、戦うなんて久しぶりやからもっと楽しにみたいのになぁ、つまらんなぁ!!!!」

 俺の右の大振りに不満そうな男は当たり前の様に顔の位置を横にずらし拳の軌道上から顔を外した。

 大振りの攻撃へのカウンターで闇の様な黒い光に包まれた拳が、俺を狙って襲いかかって来る!

 俺の二度目の大振りの右ストレート、それはもう見たわ、もうはよ死ねと言わんばかりのタトゥーの男のカウンター!!


 ッドッン!!!!!

 

 見事に拳は顔面を捉えた!!


 ゴロゴロゴロゴロ。。

 っと後ろへと吹き飛ぶ。。


「お前、なんでや。。」


 タトゥーの男がひざまづいた姿勢で顔を上げた、何が起こったか分からない、驚いた、そんな表情を浮かべる男。

 当たったのは俺の拳やった!

 当たり前や!右の大振りを二回同じ様に打つ訳ないやんか!

 ッフン!

 鼻で笑ってしまった。

 一撃目の右の大振りはタトゥーの男が避けるのを想定した上でのフェイク!

 タトゥーの男の拳を俺は外側へと首を倒し、男のカウンターのストレートを頬に擦りながらも避けた!

 そしてタトゥーの男の右手の下、死角から左フックを打ち出して俺の拳は見事にタトゥーの男の左頬を捉えた!

 完璧なヒットした感覚が拳に伝わって、目の前にいたタトゥーの男が吹き飛び転がっていた。


 目の前に膝を着いて俺を見上げるタトゥーの男!

 気分が高揚し俺の顔は口角が上がり笑っていた!

 この身震いするほどの優越感がたまらへん!


「お前、俺に拳を、、おーー!!まーー!!えーーーぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 ッボ!ボボボ!

 タトゥーの男の両手にさらに力がこもり手に纏っていた闇の光が強さを増してボボボっと闇の炎の様に上がった!

 ギラリと瞳にも黒い炎が宿り。

 ッダン!

 凄いステージを蹴る音と共にタトゥーの男が信じられない速さで俺に飛び寄って来た!

 速い!!

 今の俺は集中してて相手の動きがしっかり見えてる。

 はず、なのに、それでも。

 突然のタトゥーの男の飛び寄るあまりの速さに俺は驚いた!

 少し離れた所にいたタトゥーの男が床を蹴った瞬間ギュンと大きくなった様に見えた!

 っく!!

 俺は首を横へと倒し男の突きをギリギリで避ける。

 勢いのまま俺の横を通り過ぎて俺とタトゥーの男の場所が入れ替わった。

 今の入れ替わりの時にカウンターの攻撃をしたかったけどあまりの速さで避けるので精一杯やった。

 向かい合う俺とタトゥーの男。

 

 あいつを絶対倒す!

 あいつを絶対殺す!

 っと強い意志をバネに向かい合った俺とタトゥーの男は同じタイミングでッダン!とステージの床板を思いっきり蹴った!

 駆け寄る俺達!

 お互いに右手振りかぶり、全力で振り抜く!

 お互い拳を突き出しながらも、相手のパンチを身体を捩りギリギリで避ける!

 そのまま直ぐに返しの左パンチもお互いに同じタイミングで放つ!

 その返しで体重の乗ってない勢いの無い拳は見えてる!!

 パシ!!

 右手で勢いの無いパンチを俺は受け掴んだ!

 しかし俺の左のパンチも同じくタトゥーの男の右手で受け止められていた。

 俺達、全く同じ動きをしてる。

 ッバッ!と後ろへ飛び離れる!

 そこまで全く一緒や。

「お前なんでねん。。」

「真似すんなよ!!」


「こぉのぉぉぉ!!!キモブタァァ!」

 キレたタトゥーの男が怒りのまま思いっきり俺に飛び掛かる!

 黒い闇を纏った拳で俺を殴り飛ばそうと連続して突く殴る蹴るの連撃!

 俺はまだまだ集中してる!

 タトゥーの男の連撃を俺は避け、防ぎ、流す。

 男の攻撃は速い!ほんまにギリギリ!

 けど見えてる。

 良い集中力や俺!

 時間がスローに流れてる、やのに、でも、それでもタトゥーの男の動いはめちゃくちゃ速い!

 タトゥーの男の拳は俺の頬や服を擦り、ッガっとガードして受けた場所は骨が軋む。

 徐々に男の攻撃は俺を削り取っていく。

 このままじゃあかん、いつかやられる、俺からも攻撃をしんと!

 この連撃の隙を探せ俺!

 男が一瞬手を休めるその隙を!

 ババババババっと連撃に次ぐ連撃!

 耐えろ!耐えろ!

 よく見て避けろ!

 必死に避けつづけて防戦一方の中、俺は集中を切らさずに耐え続けた。

 すると降り続いた拳の雨が途端に止んだ。

 はぁーー。。。

 っとタトゥーの男は大きく息を吐いた。


 タトゥーの男が一呼吸置いたその時を俺は待ってた!!

 ッダン!!

 俺は既に至近距離なのにも関わらず、全力で思いっきり床を蹴って男に殴りかかった!!

 俺の拳を咄嗟にガードをする男の両腕の隙間に滑り込ませて顔面を狙う!

「っこんのぉ!」

 男が必死に長い首を傾け必死の形相で避けようとしている!

 ッシャ!

 頬を掠める俺の拳、掠ったその頬にあったタトゥーが薄らいだ!!

「このクソブタぁあぁ!!」

 キレた様相の男はぎゅっとその場で体制を整え、即座にさっきと同じ連撃を繰り出し始める!

 この攻撃はさっき何度も何度も数え切れないほど見た!

 慣れて来てる!!

 俺も少しでも手を出すんや!!

「おっら!!」

 俺は負けじと手を出す!!

「豚がぁ!」

「っしゃ!」

「死ね!!」

 互角に手を出し合う俺とタトゥーの男。

 バババ!!バン!ドン!!

 黒い闇の光跡と白い光の光跡が激しく交錯し、火花を散らす!

 暗い体育館のステージの上で二人の激しい攻防の余韻の光跡を残しながら、どんどんと戦が加速していく。

 ッダ!

 バババババ!

 ダン!バン!ガン!

 俺達二人は殴り合い、連撃の流れで拳や蹴りがヒットしてその場から飛ばし飛ばされる、でもすぐに立ち上がって、即座にお互い駆け寄り攻防は続く。

 戦況は五分と五分俺もタトゥーの男も集中が切れてきてるんか、疲れてきてるんか、攻撃をもらう事が増えてきた。

 真っ暗な体育館の中で黒と白の光跡は激しく動きまわり、火花を散らし、離れてはその度に近づき複雑に交差し、時に弾け!激しい戦いを光が物語っている!


 このまま!

 どこかでまともに攻撃が入ったら!

 勝てる!

 あいつも疲れて来てる。。


 ドス!ゴン!!

「ぐっ、、っかは。。」

 俺の腹に黒い闇を纏う拳が突き刺さった、その勢いで折れ伏せた俺の顔面をもう一方の拳が跳ね上げた。

 俺はフワリと宙を舞って、反り返らせられ後ろに一回転グルンっと回ってドスンとステージに倒れた。

 

「う。。」

 俺は。。

 油断したん、、か。。?

 あかん、、早く起きんと追撃が。。

 俺は慌てて両手を付き身体を起こす。


 グラ、、

 

 どさ、、

 立てへん。

 マジか、、

 あいつも弱ってきてるのに。。

 もう少しやのに。。

 目の前の景色が揺れて回ってグニャグニャと歪んでいる。

 脳震盪のうしんとうか、、?

 けどそんなん関係ない、立たんとヤバい。。!

 俺は必死によろよろと立ち上がる。

 あかん、、世界がグニャグニャしてる。。

 やばい。。


 タトゥーの男がニヤニヤを笑いながらゆくっり俺に歩み寄ってくる、歩み寄るタトゥーの男すらも歪んでる。

 グラ。。。

 ドサ。

 あかんヤバい。。

 立ってられへん。。


 ふにゃ。。


 ん?何やこれ。

 倒れた俺の手の下に何かがある。

 視覚とは別に何か触覚でもふにゃっと。

 なんか優しい柔らかさやな。。

 一瞬タトゥーの男から目を外して手の中にある優しい柔らい物を確認してみると。。

 その柔らかさは綾ねぇやった。

 俺の手の下に綾ねぇがいた。

 綾ねぇ柔らかいな。

 なんか、ふわふわやんか。。

 あ。

 俺はいつの間にか綾ねぇのおっぱいの上に手を着いてたみたいや。

 やば。

 綾ねぇの締まった体からすると全く別物のように思ってしまう柔らかく大きなおっぱい。。

 あかんあかん。。

 クラクラしながらも俺は綾ねぇの肩に手を移した。

 手で触れてる綾ねぇの肩が、俺の手から発する光に当てられて、黒く染まった肌の色が元の肌色に戻っていく。

 俺の光が綾ねぇを侵食してた闇を消してるんか、、?

「綾ねぇ、大丈夫か?」

 もしかしてと、軽く揺すっても全く綾ねぇには何の反応も無い。。 

「何やお前、何やってるんや?僕を放っておいて、その女と一緒に死にたっていうんか?まぁええわ一人で死ぬのは寂しいもんなぁ!」

 男は大きな口を吊り上げ、大きな目を細めてニヤリと笑う。

 そしてツカツカと歩き俺に迫って来る。。

 しまった、、やばい。。

 俺の巻き添いで綾ねぇが殺されるなんて最悪や。。

 動け俺の身体、早く治れ脳震盪!

「くそ!」

 綾ねぇ起きてくれ!綾ねぇだけでも!

 綾ねぇに起きて欲しくて俺はほっぺたを優しくペチペチ叩く。

 でも綾ねぇは起きひん。。

「綾ねぇ、、起きろって、、」

 ペチペチ。。

 あかん反応な。。、

「はいはい、仲良しやな、ほんまにマジで、、あぁーー腹立つわ!もうほんまにその女と一緒に死んだらえーわ」

 するとパチンと男は指を鳴らした。

 男の背後に体育館中の先生や生徒達をこんな事にした竜宮の使い二匹が泳ぎ寄って来た、男の両肩の上に顔を浮かしふわふわと男の側に留まる二匹。

 タトゥーの男は両手で二匹の黒竜宮の使いを撫でると、キッと俺を睨みつけた。

「さぁ殺すでぇ!!!」

 男の右手を俺の方に突き出し、その手から体が真っ黒な蛇を出した。

 その蛇は半分はタトゥーで半分は蛇として体の外に出てきている。

 くそ、どうやったらそんなこと出来るねん、意味不明やわ。。

 目は赤くない、あのシシシシと嫌らしく笑うあの蛇とはまた違う蛇や。

 あかん。

 訳分からんけど、ヤバイってことは分かる。

 俺はこの男は今本気で俺を殺す気やなっと感じ悟った。

 タトゥーの男の周りに三匹も闇の生物いきものを従えて一人と三匹で俺に歩み迫る。

 ヤバいヤバい。。

 でも少しやけど脳震盪による視野の揺れがマシになってる。

 立てるか。。?

 グググっと足に力を入れ、立ち上がってみる。

 よし、立てる、立てた。

 でも。

 まだ目の前の世界がグニャリグニャリと揺れてる。。

 でも、こんな状態でもやるしかない!

 生き残ってみんなを助けるにはこの男と戦って勝つかないねんから。

 出来る限りやるしかないやろ!!

 俺は構える!

 ぐらっ。。

 くそ。ぐらぐらふにゃふにゃで足に力が入らへん。。

 

「クックック。相当足にきてるみたいやねぇー。クックック、デコピンで倒れそうなくらいふらふらな癖に構えてるやん、そんな状態でまだ戦って何の価値があんのぉ?もぉ楽に死んだらえーのに、クックック!」


 綾ねぇ達がいるし今ここから軽率に逃げるわけにはいかへん。。

 なんとか。。

 何か。

 俺が勝つ方法は。。

 今は少しでもこの脳震盪の回復に時間が欲しい、足に力入る様になればまだ俺は戦えるんや。

「お前さ、なんでこんな事をするねん!一体何がしたいねん!?で、お前は誰やねん??」

 俺は時間を稼ごうと話しかけてみた。

「ックックック、お前になんでそんな事言わなあかんねん、そんなバレバレな時間稼ぎ、必死すぎて笑ってまうわ!」

 っくそ。。

 無理か。。

「ほな!さいならや!」

 ッダ!!

 俺は駆け出した!!

 先に動かないと確実にやられる!!

 なんとか走れた!

 男までの距離はほんの数メートル、ふらふらの足を全力で動かしてタトゥーの男に突っ込む俺。

「何やまだ動けるんかいな!行け!彼奴あいつをやってこい!」

 駆け寄っていく俺を見て、正面から赤と青の黒竜宮の使いが襲いかかって来た!

 まず突っ込んで来るのは青黒い眼の竜宮の使い!

 赤黒い竜宮の使いが触れられへんやつや!

 なら、こっちの青黒い竜宮の使いは先生を吊し上げた実体のあるやつ!

 鋭い牙の並んだ大きな口を開けて襲ってくる!

 少し景色は歪んでるけど集中は出来てる、青黒い竜宮の使いがゆっくりに見える!

 竜宮の使いと交錯する!

 そのタイミングで俺は少し飛び上がって青黒い竜宮の使いの大口を避けた!

 そして手摺てすりを飛び越えるように、突っ込んでくる青黒い竜宮の使いの額を手で支え、その額を軸にふわんと横へと避けた!

 反射的にやけど上手いこといった!! 

 ッタン!

 着地まで完璧!

 脳震盪はかなり良くなってる!

 けどまだヤバいやん!

 降りた先にもう一匹の赤黒いの竜宮の使いがさらに突っ込んで来てる!

 大きな口を開けて突っ込んで来る赤黒い竜宮の使い。

 ガバン!!

 避ける事もできず俺は大きな口に飲み込まれた。

「うわ!!」

 こいつやっぱり質量がない、俺は抵抗する赤黒い竜宮の使いの中を逆らって走り始めた!!

 竜宮の使いの中を走りだしたの良いけど、困った!周りが全く見えへん!

 う、胸にまた冷たい物が。。

 やっぱり俺の物じゃない闇が生まれて侵食しようとしてる。

 赤黒い竜宮の使いの動体の中でぼんやりと泣いて手を伸ばす妹の姿が見える。。

「クソ、、気分が悪い。。」

 俺は思い出したくない思い出がよぎる、そのせいで心が重くなって足が止まりそうになる。

 闇が侵食しようと胸の辺りでうぞうぞうごめく感触がまた気落ち悪い。

 その闇の侵食を体から溢れ出る光の力が防いでくれてるのが俺には分かった。

 あかん!

 光の力のおかげでポジティブに考え戻ることができる。

 俺は皆んなを助けたいんや!

 こんなとこで、心を折って何の意味があるねん!

 グッと胸を掴んだ!

 手から漏れ出す光と体の中にある光が呼応してさらに光は明るく光った。

 すると侵食してくる闇は照らされてまた押し返されていく。

 そして闇は俺の胸から消えていった。

 ッバ!!

 その時突然視界が開けた!

 俺は赤黒い竜宮の使いから飛び出た!

 よし!

 あいつはどッッ!!!!

 

 確認する前に目の前にタトゥーの男がいた!

 さらに蛇の巻きついた左手を殴り出してきてる!

「ッッツ!!!」

 ッバ!!

 っあっぶね!!

 俺はその蛇を体を捻ってギリギリで避けた!

 さらに蛇の背後に隠された男の拳!

 ガシ!!

 俺の頬から耳にかけて削り取るかの様に拳が俺を殴った!

 でも顔を捻っただけや、決してクリティカルじゃない!

 俺も戦える!次の一撃の後に全力のカウンターをお見舞いしてやる!

 と思った次の瞬間!

 ッガフ!!

 俺は予測もしなかった衝撃と共に後ろに吹き飛ばされた!

 全く何が起こったのか分からへん。

 毎度毎度、俺の先を読んで攻撃してくるタトゥーの男。

 その男の攻撃を全て避け切って反撃に出ようとした瞬間、俺を襲った衝撃!!

 一体何があったから全く分からへんかった。

 ザザザザザザ!

 くそ、、

 止まらへん、、

 ステージの上を吹き飛ばされ滑る俺。

 ガシ!

 ステージの上を滑りなーちゃんの様に下に落ちる覚悟をしたその時、俺は何かに受け止められてステージから落ちずに済んだ。

「おい、、、かいせ、、い、、ちゃんと、しなよ、、」

 受けて止めてくれた、それは綾ねぇだった。

「綾ねぇ、、」

 さっきまで綾ねぇがいた場所今助けてくれた場所が移動している。

 俺が吹き飛ばされるのを見て身を敷いて助けてくれたのか。。

 ズキン!!

「痛って!!」

 思いっきり蹴られた腹部がまた痛い、ズキズキする、またあの男の中段蹴りを貰ってしまったんか。。。

 くそ、痛い。。

「あん、、たが、なんと、かしな、、、いと、ダメな、、んだ、、、ろ。。」

 綾ねぇが俺の胸に手を当てた。

 そうや。。

 俺がみんなを助けないと今何かできるのは俺だけなんやから。

 これくらいの痛みで心を折るな、立ってあいつを倒すんや。

 俺は手を着き足で踏ん張り何とか立ち上がった!

 視野がまだ少しぐらつき足がふらつく、腹部もズキンズキンと痛み苦しい中、気持ちを振り絞って立った。

 立った途端!バッと俺の足は払われた!

 俺は空中で仰向けになった。

 何や?何で?

 混乱する俺の上をビュゥゥゥッ!!と青黒い黒い竜宮の使いが物凄い勢いで通った。

 うお、危なかった。。!!

 ドサッ!

 俺はステージの上に軽く落ちた、宙に舞って落ちたからやばいかと思ったけど、なんとも無かった、それどころか俺の頭は少し柔らかい所に落ちた。

 俺の頭は綾ねぇの太ももの上で受け止められ、綾ねぇは片手を後ろに付き上半身を起こしていた。

 黒く染まっていた肌が少し黒が薄らぎ褐色の肌となっている。

 綾ねぇが竜宮の使いにやられない様に助けてくれたんか。

「あんた、に、ふれ、、ると、、少しだ、け、よくなった、よ」

「綾ねぇ!」

「あんた、、は、この世界、救うん、だから、、ね、、やられ、、ちゃ、、だめ、だ、、、」

 二匹の竜宮の使いがまた俺達を狙って迫ってくる!

「綾ねぇ逃げるで!」

「あんたが、、だけでい、、い、、よけな、、、」

 そう言うと綾ねぇは両手で俺の胴を思いっきり押した!

 俺は綾ねぇに突き出されて、ステージを少し滑りながら振り返って綾ねぇを見た。

「綾ねぇ!!」

 綾ねぇに手を伸ばす俺。

 集中力からか世界がスローに動いている様に見える。

「綾ねぇ!!!」という俺の叫び声も意味は無く。

 ドプン!

 ッダン!!

 綾ねぇは二匹の黒竜宮の使いの攻撃をもろにくらった。。

 赤黒い竜宮の使いに飲み込まれて、さらに青黒い竜宮の使いに激突され吹き飛ばされ、ステージから飛び出し落ちた、ステージの下に落ちた綾ねぇは、赤黒い竜宮の使いに飲み込まれたからか、闇と同化する程に肌が真っ黒に染まってピクリとも動かへん。。


「綾ねぇ!!」


「こいつも邪魔やなぁ!先にやってしまえぇ!!」

 男の目線の先には翼がいる。

 二匹の竜宮の使いが躊躇なく翼に攻撃する。

「翼!!!」

 ッバン!っと青黒い竜宮の使いに吹き飛ばされる翼。

「ックックック!」

 笑う男!

 吹き飛ばされた翼は空中でもう一匹の赤黒い竜宮の使いにドプンとさらに飲まれた。

「翼ーーーー!!」

 翼はそのままドサリとステージの下へと落ちた。

「っくっそ。。」

 ガクンと俺は力が抜けて両膝をついてしまった。

 蓄積された疲労とダメージが一気に俺を襲った。


 あぁ。。

 なんて事や。。


 助けられなかった。。

 綾ねぇも翼も。。


 心の底から絶望が溢れれ出した。


 くそ、、、


 俺は何もできひん。。


「邪魔しそうな奴は消えたわ!後はお前だけやでぇーー!!」

 ニヤニヤした顔で下で待ち構える男!

 その横には大きな闇の蛇が蜷局を巻き、ニヤニヤした顔でッシャッシャッシャと笑っている。

 目が赤い大きな黒い蛇。

 あのいつもいる黒い蛇か。

 彼奴あいつも倒さないとあかんのか。。

 俺に、俺一人で、彼奴あいつら全員なんか。


 ん?

 黒い蛇の下に何かが見えた。

 待て、あの蛇の蜷局の下に誰かいる、、?

 黒い蛇の動体の下から手と顔が出ている。

 あれは、、

 なーちゃん、、??

 何と蛇はステージの上で倒れていたなーちゃんの上で蜷局(とぐろ)を巻いてる。

「なーちゃん。。」

 俺がなーちゃんに気付いたと分かると、その蛇は悪い笑みを浮かべて気を失ってるなーちゃん顔をしっ歩の先でペチペチする。

 ッシャッシャッシャッシャ!

 くそ、楽しそうに笑いやがって。。

「やめろ、、やめろって、、」

 俺はフラフラと立ち上がって、おぼつかない足取りで一歩一歩と真っ黒い大蛇へ歩みを進める。

 

「そろそろ気力も体力も限界やろ?心も体もボロボロやもんなぁ!そろそろボロボロの心も落ちてもらおかぁ」

 ニヤリと笑う男、勝ちをもう確信していやがる。。

 くそ。。


「やれ!いたぶったれ!」

 ッシャッシャッシャッシャ!

 蛇は笑うとスルスルっと蜷局を巻くのを止めてなーちゃんから退いた。

 すると青黒い竜宮の使いがなーちゃんに巻き付いて、女の先生の時みたいになーちゃんを宙吊りにした。

 悪い予感しかしーひん!!

「おい、、やめろ、、」

「ックックックック!」

 ダン!!

 男が消えた!?

 と思った瞬間男は俺の後ろへ回り込んでた。

 遅れて男の作り出した風が俺の髪を揺らした。

 またも俺は背後から首と喉を掴まれてしまった。

「クックック、、さっきもこの状態やったよなぁ?この状態から助けてくれた子はあそこにおるけど、大丈夫かぁ?今度は誰が助けてくれるんかなぁ?クックック!」

 くそ。

 首に何か違和感を感じる、冷たい俺の物じゃない何かが俺に侵食を始めた。

 あの赤黒い竜宮の使いの時みたいや。

 ダンっと男は俺の膝を蹴り俺を膝まづかせた、そして耳元で語りかけてくる。

「お前のせいやからなぁ、お前がしゃしゃらんかったらあの女は今から起こる様な事にはならへんかったんやからなぁ」

『お兄ちゃん、、助けて、、』

 冷たい侵食してくる闇のせいかまた見たくもない思い出もよぎる、、

「う、やめろ、、何がしたいねん、、」

 くそ、体が重い。。

 もう考えることも体動かすことも。。

 重い、全てが重い。。

 もういいか、このまま。。


 。。。



 あかん!絶対あかん!


 俺が諦めてどうなるねん!

 しっかり周りを見て出来る事を考えろ。

「なんや、せっかく落ちかけてたのに息吹き返して、ほんまにしつこい豚バエやなぁ、まぁでもこれ見たら君ぃ心もつんかなぁ、ックックック!」

 ギリギリギリと俺の首を掴む力が強まる。

「ここから起きる事はぜーーーんぶ君のせいやからねぇ、よーく見ときやぁ!」

 ぐいっと俺の顔を前へ突き出す。

 あかんこいつらなーちゃんを。。

「やめろ!」

「やめる訳ないやんかぁ!」

 バリバリバリバリ!!!

 なーちゃんの制服の前面が青黒い竜宮の使いに破り千切られた!

「おい!やめろ!!」

「うるさいなぁ!ちゃんと静かに見ときぃ!!」

 ドス!

 俺は首をそのまま押し込まれステージに押さえつけられた!

 ググググググ。。。

 くそ、振りほどけへん。。

 タトゥーの男に首だけではなく俺は腕まで組み固めれてさらに男に上に乗られて全く身動き取れへん。

「ほら見てみぃ」


「ッキィ、、ヤァァァァァァァァァァ!!!」

 

 なーちゃんの叫び声が体育館中に響き渡った!!

 あの赤黒い竜宮の使いがなーちゃんを通り抜けたのだった。。

 そしてガクンとなーちゃんから力が抜けて項垂うなだれる。

 そして竜宮の使いに続き真っ黒な大蛇が尻尾を鞭のようにしならせバチンとなーちゃんを打ちつけた!!

 バチン!バチン!

 意識のないなーちゃんを叩きつける黒い蛇!

「やめろ!やめろ!!やめろ!!!やめろやめろやめろやめろやめろ!!!!」

「ックックックック」

 シシシッシシシシシ!!


 ックッソ!!!

 絶対許せへん!!!


 熱い!!!

 胸が急激に熱くなってきた!!!!


 怒りが溢れてきてる!!!


「や!!!!!!!め!!!!!!!ろーーーー!!!!!!!!!」


 俺の体の中でドカンと怒りを超える何かが爆発した!!!!

 

 ッブッワァァァァァァァァァァァーーー!!!!!

 

 俺の中で爆発したのは光!!?

 その光は俺の中でとどまる事が出来ずに一気に爆発したみたいに身体から溢れ出した!

「うわ!お前、なんやぁぁぁぁ。。。」

 男は爆発した光の勢いに押され尻餅をついた!


 体育館の中がまるで、太陽に照らされた草原みたいに優しい光におおわれて。

 光の風が気持ちよく吹き抜けていった!

 恐怖なんて微塵もない暖かい空間がそこにはあった。


 光の風をもろに浴びると青黒い竜宮の使いはクォォォォっと叫びながらどんどんちじんでいく。

 何も出来ずに青黒い竜宮の使いは小さくなって最後には消え去った。

 青黒い竜宮の使いが消えてドサリとなーちゃんがステージの上に落ちる。

 

「なんやおまえぇぇぇ。。」

 赤黒い竜宮の使いと真っ黒な大蛇も青黒い竜宮の使いの消え去った後に光に照らされてどんどん小さくなっていく!

 体育館の扉やカーテンを閉めていた小さな蛇達も光の中で溶けて消えた。


「あのカスゴミクソブタ、、何て事しやがるねん。。こんな事できんのかい!」

 光の中で男が叫んだ。

「まぁ。。ええか。。目的は達成してるし。削り過ぎられる前にいったん帰ろか。」

 男は立ち上がり舞台裏の方へと猛スピードで駆け、逃げ出した。

 俺はゆっくり歩いてなーちゃんの元へと歩いて来た。

 膝を着いてそっと体をなーちゃんの体を起こした。

 光を浴びたなーちゃんは暗闇に光が差し込んだ様に肌色がスーーっと戻っていく。

 

 俺の体から発せられる光は体育館の中、全体をステージの上から照らしている。

 光に照らされ生徒や先生の一人一人から闇のもやが上がってる。

 皆んなの真っ黒だった肌の色がだんだんと肌色に戻っていく。

 もしかしてこの光にはこの黒く染まったみんなを治す力があるんか。。?

 だんだんとみんなの肌の色が戻っていく。

 なーちゃんは俺の近くにいたからすぐに戻ったんか。

 俺のブレザーは先生に掛けてしまったし、なーちゃん俺のシャツで我慢してくれ。

 俺のシャツをなーちゃんに掛けた。

 よし、いい感じや。

 なーちゃんの血色けっしょくが通常通りに戻ってきてる、呼吸もスースーといつも通りの感じになってる。

 ピクピクっと瞼が動く。

 なーちゃん大丈夫そうやな。

 よかった。。


 綾ねぇと翼とウッディーも側に行った方がいいよな。

 俺はなーちゃんをそっとその場に寝かし、顔を上げ立ち上がろうとした。

 ガクっと膝が折れた。

 う、なんか立つのがしんどいな。。

 体が鉛にように重い。

 タトゥーの男と戦った疲労やダメージなのか、それともこの光を出してるからこその疲れか。

 っく、、どんどんと俺の体力が削られていくのも分かる。

 ハァハァハァ。。

 どっちか言うとこの光のせいなんかもな。。

 息も切れ始めた。

 っぐ。。

 やば。

 これ、なんかめっちゃ力無くなっていく。

 どうやって止めたらいいんやこの光。

 あかん、止めたらあかんわ。。


 あーーやばい。。

 さっきから俺ヤバイばっかりやな。

「ハハハ。」

 辺りを見たら徐々にみんなの肌の色は戻ってる。

 体からどんどん体力が無くなっていく。。

 あかん、でも、まだや!

 皆んなから上がっている闇の靄が出なくなるまで、皆んなの肌の色が戻るまで。

 俺は皆んなを助けるって決めたんや。。


 俺は必死に立ち上がって、重い体を引きずるように歩きステージを降りて綾ねぇと翼の無事を確かめに来た。

 まずは綾ねぇから。

 怪我をしている様に見えへんし。。

 肌から闇の靄が上がって少しづつ闇が晴れてきている。

 俺が綾ねぇを覗き込むと綾ねぇの闇が一気に晴れた。

 そっと綾ねぇを抱き上げステージに上げた。

 次は翼や。

 翼の側に歩いて行く。


 翼も怪我とか外傷は無さそうや。

 意識の無い中で思いっきり竜宮の使いに攻撃されていたけど、頑丈な体で良かったな翼。

 ほんまによかった。。

 覗き込むと翼の闇も同じ様に一気に晴れた。

 翼を持ち上げてステージの上にいる綾ねぇの隣に翼も寝かせた。


 ハァハァハァハァ。

 

 大した事してないのに力をめちゃくちゃ使ってる気がする。


 ハァハァハァハァ。。

 

 ぐ、ぐぐぎぐぅぅ。。

 俺の体から力がどんどんが抜けていく。


 もうちょっと、もうちょっとや。。


 あーキツイ、ほんまにめっちゃ力抜けていくやんか。これ。。


 ぐぅぅぅぅぅああぁぁぁ。。。


 頑張れ俺。。。


 くぅぅぅ。。


 ああ。。


 なんかだんだん頭がぼんやりしてくる。。

 

 もう少し。


 もう少しだけ。。


 あ。。

 誰か動いた。

 ステージの上の誰かがモゾりと動いたのをぼんやりした視野の中で捉えた。

 そしてその誰はがゆっくり起き上がり、その場にちょこんと座った。

 まだぼーっと辺りを見渡し、思考がはっきりしてないみたいや。

 あぁ。

 さっきまで側にいたなーちゃんか。。

 よかった。。


 綾ねぇと翼もゆっくり起き上がって来た。

 まだ思考がはっきりしない様でぼーっとしている。


 よし。。

 良かった。。

 

 なんとか最後まで。

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 ドドドドドッカーーーーーーーン!!


 何や!!??


 突然体育館の外から大きな音がした。

 雹弾の音??

 ヴェル、翔陽、小春ちゃん皆んなが戦ってる。。んか。。?

 

「待ってな、俺もここにいる皆んなから闇が抜けたらそっちに行くからな。。」


 俺も皆んなの所へ。。

 

 行って。。


 戦わんと。。


 後。


 ウッディーも助けんと。



 。。。



 ブワッ!


 突然俺は光に襲われた。


 目の前が真っ白になる。



 あれ?俺まで光に飲み込まれた?





 。。。。




 あれ?


 体育館のみんなどこ行ったんや。。?



 突然俺は真っ白な世界の中に一人立っていた。





 

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