学校編 少しの覚醒って素晴らしい
こんなに小さな体に、こんなにも大きな勇気が宿っていたのか。。
ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー
「おい!!や!!!!!!!!!!!やめろおぉぉぉぉぉ!!!!!」
「ダーリン!!どうしたっちゃ!?」
「っは!!」
俺は目を覚ました!
「海晴!!大丈夫か!!」
「ダーリン大丈夫!?」
「海晴君!?」
「あ。。ああ。。夢?俺は夢見てたんか。。?」
さっきまで見てたのは何やったんや。。
地獄絵図やったけど。。。
俺はすっかりこっちの状況を忘れていた!
俺達は雹を降らす黒蘭鋳と戦っていたんやった!
今状況は。。
翔陽がはぁはぁと肩で息をしてて、その翔陽の前に嬉しそうに小春ちゃんとヴェルが立ってる。
鮪サイズの黒金魚が迫っていたはずなのに一匹もいーひん。
黒蘭鋳はどうなってる?
俺はグラウンドの方を見ると、黒蘭鋳から大きな黒金魚が泳ぎ寄って来ていた。
「ダーリン大丈夫だっちゃ!?」
ヴェルが少し安心した顔で飛び寄って来た。
のぞむんは目を瞑って呪文を詠唱中。
今この状況で察するに、あの大きな黒金魚達の一波を退けて、さらに黒金魚の第二波がこっちに迫って来ようとしている、それに向けて迎撃体制をとるぞ!って感じやったんやろな。
教室がさらに焦げた様にボロボロになっている、翔陽の火の珠かのぞむんか、何にせよ相当激しい戦いやったんやろな。。
《あいつらも闇に落としてしまえぇ!!》
ッグ。。
脳内にさっきまで視野を共有していた男の声が蘇ってきた。。
そうや!体育館が大変なんや!
翼に綾ねぇ、ウッディー、なーちゃんが狙われてる!
ここにはのぞむんも翔陽もヴェルも小春ちゃんもいる!
デカい黒金魚も撃退出来てるみたいやし。
俺は体育館へ行くべきや!!
「翔陽!ヴェル!小春ちゃん!俺行かなあかんわ!ここは任せた!!」
そう言って俺は廊下へと駆け出した!!
疾風のように駆ける俺!
みんな虚をつかれ、飛べるヴェルでさえも俺にはついて来れてない。
一人で去った教室のことを少し心配しながら俺は全力で廊下を駆ける。
皆大丈夫よな。。
さっきの教室の状況を見ると大きな黒金魚の第一波はのぞむんを含む四人でなんとかしたのは間違いない。
俺が視野を奪われてる時に相当激しく戦ったのんか、俺達の教室が雹弾でボロボロになったあの時よりも、さらに焦げたり割れたりボロボロになってた。
あの中の戦いで今の俺に出来る事は少ない、光の珠を作り出す事も出来ひんしなぁ。。
俺は確実に足手纏いや。。
それならあのタトゥーの男の危機が迫ってる体育館のに行った方が、俺の出来る事があるはずや!!
翼や綾ねぇとかウッディー、なーちゃんが今相当ピンチなはずやし!
急がんと!!
俺は全力で廊下を駆け階段を飛び降り、全力で体育館へと走った!!
ッダッダッダッダ!!
ハァハァハァハァ!!
ッタンッタンッタン!
廊下を駆け、階段を飛ぶように降りて俺は体育館へと猛ダッシュで向かった!
ッダッダッダッダ!!
ハァハァハァハァ!!
体育館に着いた!!
速く体育館の中に。。
体育館の扉を目の前にした俺の目に奇怪しな光景が飛び込んできた。
気持ち悪!
閉まってる体育館の扉に小さな黒い蛇達がうじゃうじゃと纏わり付いてる!
なるほどな、コイツらがドア閉めたりカーテン閉めたりしてたんか!
俺は小さな黒い蛇達を手で払い除けた!
黒金魚達の時と一緒で掌がポワッと光り黒蛇達を黒い靄へと帰した!
俺は黒い蛇を払い除けたら体育館の扉の取っ手に手をかけた。
ッバン!!!
そして思いっきり体育館の扉を開けた。
「皆大丈夫か!?」
体育館に入るや否や俺は叫んだ。
シーーーーーン。
え。。?
体育館の中は静寂に包まれてる。。。
あの男の視野で見ていた時は、阿鼻叫喚の体育館だったのに、今は物音一つしない、埃の舞う音すら聞こえてきそうな程に静かや。
なんでや。
さっきまで生徒達がいっぱいでタトゥーの男がいて、翼達が何とかしようとしていた。
あれ、、?
あれは幻覚やったんか?
視野の共有とかじゃなくて俺は幻覚とか夢とかそういった物を見ていたんか??
でも学校の皆んなが雹弾の攻撃を受けて体育館に避難したのは間違い無いのにな。
「翼ぁーー!綾ねぇーー!なーちゃーーーん!ウッディーーーーイ!」
どうなってるか全く分からなくてとりあえず体育館の中に叫ぶ俺。
。。。
それでも静まり返る体育館。
本当に全く人の気配がしない。。
「なんでや。。?」
暗くて中の様子が良く見えへん。
ステージを照らしていたスポットライトも消えている。
何がどうなってこうなってるのか分からへん。
ただ分かるのはこの体育館は静寂に包まれている、それだけ。
扉を開けたのに逃げようとこの扉に群がってくる生徒は一人もいない。
「くそ」
俺はゴシゴシ目を擦って体育館の中へと目を凝らす。
それでも体育館の奥は漆黒の闇で何も見えへん。
この暗闇。。
不穏な気配しかないわ。。。
ゴク。。
中に入って確認しないと、何も分からへんよな。
静寂が怖い、でも皆が大丈夫か確認しんと。
俺は明らかに奇怪しい体育館に足を踏み入れた。
一歩、二歩、三歩。
ゆっくり警戒しながら俺は体育館に入って行く。
歩を進める足音より心臓の音の方がうるさい。
俺の少し荒れた呼吸の音が耳を塞いでるみたいや。
何も見えないし、何も無い、、俺は本当に幻覚でも見ていたんか?
そう思った時、ットンと足に何かが当たった。
俺は当たった物を見ると思わずハッと息を呑んだ。
それは肌が真っ黒に変色した女子生徒。。。
な、なんでこんなことに。。
女子生徒を跨ぐ様に足を出し一歩、グニ、、
「うわ!」
ドサ!
俺は転けてしまった。
何か柔らかい弾力のある物を踏んだ。
尻餅をついてその踏んでしまった物を見るとやっぱりそれは人やっ。。
顔や体、手足に至るまで黒く染まって、制服まで黒くなってる、そのせいで闇と同化して全く見えへん。
「くそ。。何でこんな事に。。」
俺はゴシゴシと目を擦る、うん、段々と目が暗闇に慣れてきた。
俺は倒れたそのまま真っ黒な生徒達の中で、開けた扉の光を頼りに体育館の中をそーっと見渡してみる。
すーーー。ふーーー。。
すーーー。ふーーー。。
俺の呼吸の音がさらに大きく聞こえる。
見回したその体育館の中は真っ黒に染まった生徒達が倒れ重なり、混沌とした様相を呈していた。
はぁはぁはぁはぁ。。
な、んで、、!
なんでなんで、、!!
こんなことに、なってるんや。。
「うう、、」
心が苦しい。
頭がいっぱいや。。
狂気に陥り錯乱しそうな自分を抑える様に、冷静であろうと自分のするべき事を考えた。
落ち着いて状況の整理からや。。
まずこの地獄のような元凶は、確実にあの俺が視野を共有したあの男や。。
あの男がこの惨劇を創り出したんや、なら、、あの男さえなんとかしたらこの皆んなの真っ黒なのは戻るんか?
人をこんな真っ黒にできたんや、直すことも出来るやろ?
出来ずにそんな、、そんな事しーひんやろ。。
ッバン!!!!!
突然もの凄い勢いで体育館の扉が閉まった!!
扉の鉄と鉄がぶつかり合う音が体育館内に大きな音がこだまし余韻を残し響く。
心臓が飛び出そうになる程ビックリした!
やっぱりこの中には誰かまだいるし、扉を閉めたということは俺を逃がす気もないということか。。
扉が閉まる驚きで、俺は逆に少し冷静になれた。
すーーーーー。ふぅーーーー。。
大きく深呼吸をして俺は真っ黒な生徒達の中から立ち上がった。
少し暗闇に目が慣れるのを待って、辺りを再確認。
辺りを見回して見ると、案の定、体育館の真ん中は倒れた生徒達に埋め尽くされてて通る事が出来ひん。
俺は真ん中を突っ切る事は諦めて体育館の壁際を行こうと俺は一度後ろへと下がった。
「っきっしょ!わざわざ颯爽と体育館に飛び込んできて、なんや、また逃げよう言うんかい?お前ゴミ以下やな。ゴミ豚が!」
あのタトゥーの男の声が体育館に響いた。
やっぱりこの体育館の何処かにあの男がいる!!
うるさい!逃げようとしてる訳じゃないわ!
段々と俺の感情は恐怖から男への怒りへと変わっていった。
体育館の扉の所に戻ると横の壁にもたれ掛かって一人生徒が気を失ってる。
特長的なパーマの髪型に丸い眼鏡。
まさか、ウッディー?
その特徴的な容姿ですぐウッディーだと気づいた。
「ウッディーー?」
俺はウッディの横で崩れ落ちるように膝をついた。
ウッディーは他の生徒と同様に真っ黒に染まってピクリとも動かへん。
「なんでウッディーが、、こんなことに、、こんなことにならんとあかんねん。。」
ふつふつと湧き上がる怒りの感情を感じる。
俺はそっとウッディーの口に手を当ててみる。
スー、、スーっと小さくやけど呼吸をしている。。
よかった生きてる。
ウッディーを触る俺の手がぼんやりと光ってる。
するとピクっとウッディーの手が動いた。
「か、かい、、せ、、」
「ウッディー!!大丈夫か!!??おいウッディー!!」
ガクッ、、
うっすら目を開け一言話した後またウッディーはまた動かなくなった。
それからウッディーは俺の呼び掛けに反応もなく、体を動かす事もない、というか意識が有るのか無いのかすら分からへん。。
でも生きてる!
ウッディーは生きてる!!
絶対助ける!
「待ってなウッディー。俺があいつをボコボコにして治させてやるからな」
すくっと俺は立ち上がってステージの方を睨みつける!
さっき男の声はステージの方から聞こえたし視野を見ている時もあの男はステージの上だった!
間違いなく目指すはステージの上や!
目はかなりこの体育館の暗さに慣れてきてる!
うっすらやけど見える!
俺は思いっきり駆け出した!
体育館の壁際を回り込みながらステージを目指したんやけど、暗い上に壁際に倒れてる生徒や先生達が少ないとは言えそれでもかなりの人数が倒れてる。
生徒や先生を踏んだり蹴飛ばす訳にはいかへん。。
くそ、思いっきり駆け出したのは良いけど全力でなかなか走れへん。
「ックックックック、、」
必死にヨタヨタと駆ける俺が見えているのか、あの男の喉を鳴らす様な笑い声が静かな体育館に響く。
ほんまに気味が悪い声やな。。
男の声と一緒に恐怖が俺を襲って来る。
ブルっと寒気を感じた俺は、その恐怖から置いて逃げるかの様に駆けるスピードを上げた。
ダダダ!
体育館の奥の角を曲がる辺りから人は倒れてなくなった、角を曲がってその勢いのまま俺はステージの階段を駆け上がった!
キラッ!とステージの上で何かが赤く光った!!
ブワァ!!
突然正面から黒い生き物が襲ってきた!
やばい!
「っく!」
俺は後ろに反り返って、ギリギリで黒い生き物を避けた。
あれは黒い竜宮の使いか、赤いやつと青いやつがいた。
反り返り避けたから、俺はその場で立っていることができず、階段を転げ落ちた。。
ゴロゴロ。
ドスン。。
「ック。。ちくしょう。。」
俺の背中には二人の真っ黒に染まった二人の生徒達がいた。
誰か分からないが真っ黒に染まり気を失っている。
「打つかってごめんな、絶対なんとかするからな!」
俺はすぐ前を向いて、もう一度階段を駆け上った、また前から何か飛んでくるかも知れへん、駆け上がりながらも俺は意識を集中させ警戒してた。
集中すればする程感じる体の底から溢れ出す怒りの気持ち。
俺の怒りがふつふつと胸多くから湧き出して、恐怖に染まりそうな俺をの心を塗り替えていく。
言葉の例えとかじゃなく本当に体感としてしっかりと感じる。
感情が爆発しない様にだけはせんとあかん、と自分に言い聞かせた。
かなり目が暗闇に慣れてきた、辺りがやけに明るくなった様に感じる、まだ薄暗いことは薄暗いんやけど、ギリギリ体育館全部が見える様になってる。
集中力が上がってきてるからかな。
ガサ。。
いる!
ステージの何処かに男がいる事を感じる。。
そしてこれぐらい見えたら、攻撃も見える。
なんとか戦える!
ステージの上で俺はそっと首を振って辺りを探す、でもあのタトゥーの男がいない、先生と思しき人が何人か倒れてる、、ああ、この先生達がやられてる姿を俺は見た、赤黒い竜宮の使いにすり抜けられた先生達や。
やっぱりあの俺が見た出来事はほんまやったんや。
「くそ、やっぱりほんまやったんか。。」
俺はぐいっと頬を伝う冷や汗を拭った。
ほんまにこの体育館の中は地獄みたいや。。
男の先生達の向こうにはあの吊るされた女の先生も倒れてる。
服が破られはだけてしまっている女の先生の所へ俺は警戒しながら近づいて行く。
先生の所に辿り着くと、制服のブレザーを脱いで先生に掛けてあげた。
ん?
まだ、奥に誰か、ステージの上に何人か倒れてる。。
こんなに多くの人数がやられたのを俺は見てない。
俺が目覚めた後にやられたのか。。?
制服を着ている所から察するに先生じゃなくて生徒の誰か、あんな男に向かってステージに上がるなんて。。
しかも三人もいる、女子まで、、
勇気あるな。
俺は三人に歩み寄って行く。
一人は赤い髪の毛の子、猿のような髪型の男に、最後の一人はサラッとした髪に眼鏡を掛けてる。
これは、もしかして。。?
俺は倒れてる三人に急ぎ歩み寄った。
そして近づいて確信した。
綾ねぇ、翼、二人から少しだけ離れたステージの端になーちゃんが倒れてる。。
「翼、綾ねぇ、なーちゃん、、おい、、大丈夫か、、?おいって。。」
倒れる綾ねぇと翼の肩に手を当てる、やっぱり冷たい、他の生徒達と同じで肌も真っ黒だ。。
なんて事や。。
「おい、、生きてるか、、?」
ピク、ピク。。
綾ねぇと翼は薄く呼吸をしてる、生きてるわ、、よかった。。
「なーちゃん」
俺は少し離れた所にいるなーちゃんも心配で歩み寄った。
あんなに臆病な性格やのにステージの上に登って来てるなーちゃん、翼と綾ねぇは分かる、あの男を止めようと正義感でステージに登って来たんやろ、でもなーちゃんはそんな性格じゃなのに。。
でも、なーちゃんはこのステージの上いる、この恐ろしい男がいるステージの上に、きっと翼や綾ねぇがやられて、なーちゃんも皆んなを助けたくって、、あの男をなんとかしようとステージに上がった、そんなところやろな。。
なーちゃんの小さいこの体にもそんなに勇気が宿っていたんか。。
倒れてるなーちゃんの側に膝を着いて俺は肩に手を置いた。
俺の手がまたぼんやり光ってる。
この状況を見るだけで三人の行動が俺の脳裏ではっきりと浮かぶ。
くっそ。。。
「なーちゃん、絶対助けるから。。な。。」
と心に誓ったその時。
「かい、せ、、い、、く、、」
なーちゃんの声が聞こえ、さらに手が動いた。
なーちゃっ、、、!!!」
ス。。
え。。。?
冷たい。。
な、何。。。??
突然冷たい手が後ろから現れて俺の首と喉を掴まれた。。
なーちゃんと叫ぼうとしたのに、突然の事で俺は身動きが取れなくなった。
これ、なーちゃんの手じゃないよな。。
俺は首を持たれたまま目線だけ下に動かしなーちゃんを見るけど、なーちゃんの手は体の横に力無く横たわってる。
これは誰の手や。。?
「お前、どうやって気づいてん。。?なんで体育館に来たんや。。?」
ボソっと低く枯れた声が耳元に響いた。
この声はあの視野を共有したあの男の。。
俺の喉は軽く触れられる程度で掴まれてるだけやのに、後ろの迫力と恐怖で体が硬直して動けない。。
急に身体中から冷や汗が吹き出した、心臓の鼓動が激しく脈打ち、その鼓動が耳まで伝わって来ている。
トトトト、トトトト、と男は指を小指から順番にピアノを弾くように俺の喉を叩く。。
クックックックック。。
笑い声も俺を掴むこの手も全てが気持ち悪い。。
ゴクン、俺は思わず喉を鳴らした。
「お前、ほんまにキショイわ、、なんやねんその体から漏れ出す光、、」
ギュ!
男の手に力が入いる。
それと共にブワッと冷や汗が噴き出た。
くそ、、動けへん。
やばい。。
「眩しいなぁ、お前は絶対ここで殺しとかなあかんな。。」
まじか。。
殺すとかほんまにそんな事あるんか。
映画とかドラマとかアニメとかそんな別の世界の話やと思ってた。。
こんな所で死んでしまうんか?
あかん。
まだまだやりたい事も。
やらなあかん事もあるのに。。
体を、動かすんや俺。
え?
ックッソ、、動かへん、、なんでや。。
やばい、やばい。。。
「ックックックック、そんな頑張っても動けへんよ、動けへん様にしてるんやからなぁ!ほな!さいならやねぇ!」
男の手からゴソゴソと他の何か生き物が動いている感触が喉を伝って伝わった来た。。
っくっそ!!!!
まだまだ死にたく無いのに。。
「死ねぇ!!」
男が叫び俺の喉を掴む手からブワッと何か黒い物が飛び出した!!
俺、死ぬんか。。
ドンッ!!
ドサ、、
俺は倒れた。
ステージの上に。。
怪我はしてない、もちろん死んでもない、殺される前に誰かに押された。
俺は横から押されて倒れた、そのお陰でタトゥーの男の攻撃は空を切った!
危な!助かった!
俺は推したのは誰や?
あ!なーちゃん!!!
「なーちゃん!!」
「か、い、、せいく、、」
なーちゃんが上右半身を起こしている、真っ黒だった肌の色も少し黒が薄れてうように見える。
よかった。。
でもなんで?
「このクソ豚虫が!!!!」
ッドン!!!
タトゥーの男が俺を殺せなかった怒りのまま、目の前で倒れるなーちゃんを思い切り蹴り飛ばした!
「ガハ!!」
なーちゃんは声をあげる事も出来ずに、ステージをザザザと滑りドサリとステージから落ちた!
「おー!!まーー!えーーーーー!!」
俺の心は怒りに満ち溢れた!!!
それと共に体は中から光が漏れ出す光が強くなった!
なんか力を感じる!!!
「何やお前。。。!」
タトゥーの男は俺の漏れ出す光眩しかったのか怯んだ。
俺から漏れ出す光ではっきりとあの男が見えた。
この最悪な出来事の元凶である男は、今にもステージの上で歌い出しそうなハードロックな風貌、黒いレザーのパンツに黒いレザーのジャケット、そのジャケットには尖ったスタッズがジャラジャラとついてが威圧的、ジャケットの袖を捲り上げ胸元を開き、身体中に入れらているタトゥーが見える。
頭はモヒカンで耳にピアスだらけの男は明らかに異様な風貌や、男は見るだけですくみ上がりそうな狂気を放っている。
スタッズと男の目が俺の光を浴びてキラキラ、ギラギラ光る。。
こいつ!
こいつが全ての元凶!!
こいつを思いっきり殴り飛ばしたい!
怒りに満ちる気持ちと、なーちゃんを心配する気持ちが溢れ出して止まらない!
俺はまずは殴り飛ばしたい気持ちを一度抑え込んだ。
先になーちゃんや!
ステージから落ちたなーちゃんを心配して、俺はクルッと踵を返し、タトゥーの男に背を向け思いっきり駆けた!
「行け!」
フォォォォォ。。。
背を向けた途端にタトゥーの男が俺に何かを仕掛けた!
男の声と何かの風を切る音、そしてその場の恐ろしい雰囲気で背後から何かが迫っている事を俺は察した。
ザザザザザ!
ステージの上でサッカーのスライディングをするかの様に飛んで滑った!
ブワッ!!
後ろから俺の上を黒い何かが通り過ぎた!
あれはあの赤黒い竜宮の使いか。。
危なかった、髪の毛に掠った!
滑りながら俺はそのままの勢いでステージから飛び降りた。
なーちゃんがステージの下で倒れ気を失っている。
「なーちゃん。。大丈夫か。。?」
俺はそっと覗き込み声をかけるがなーちゃんは完全に気を失っていて何も反応がない。
フォォォォ。。
さっきの風の切る音がする。
またあいつか!?
音の方を見るとUターンしたのか赤黒い竜宮の使いがこっちに向かって泳いで来てる!
クッソ。。
このままじゃ俺もなーちゃんもあいつの攻撃をくらってしまう。。
どうする?受け止める?
いや、あいつって多分すり抜けるよな。
先生達皆んなすり抜けられて倒れてたし。
やしあいつは絶対避けなあかん!!
俺は慌ててなーちゃんを抱き上げた!
両手はまたぼんやり光ってる。
来る!!
どこに逃げたらいい!?
俺の左右両サイドは真っ黒に染まった生徒達が倒れてる!
後ろはステージがあって逃げれへん。。
やばいって!!
目の前まで赤の黒竜宮の使いが迫って来てる!
一か八か!
なーちゃんを抱えて出来きるんか不安やけど避けるにはこれしかない!
俺は思いっきりしゃがんで飛び上がった!!
そしてステージの上へ飛び乗る!
よし乗れた!!
ギリギリ!
あの赤の黒竜宮の使いステージに打つかる!
そのまま自爆してまえ!!
。。。!!!
ドカン!!とステージに赤の黒竜宮の使いは打つかるかと思ったらスッズズズとステージに中に入っていった。。
くそ!やっぱりあいつはすり抜けるんやな!
「ックックック。。ギリギリやったねぇ!危なかったねぇ!!」
男の声が聞こえて俺は男を睨みつけた!
タトゥーの男の足元からブワッと赤黒い竜宮の使いが立ち登り、全身がステージの床から出た赤黒い竜宮の使いは青黒い竜宮の使いと共にフワッと浮きまた男の回りをゆっくりと泳ぎ始めた。
「お前さぁ何でそんなゴミ助けたん?あんなギリギリの避け方して?そんな豚虫ほっといても良いのに」
「な!!!お前!ゴミ助ってなんや!豚虫ってなんやねん!」
怒りが湧き上がる!
俺の怒りはもう頂点に達した!
命を助けてくれた友達を豚虫呼ばわりしゴミの様に蹴り飛ばした!!!
それに今倒れてる全校生徒や先生達も全員あいつにやられたんや!!
怒りに震えながら俺は優しくなーちゃんを床に下ろして寝かせた。
「なーちゃん、絶対俺があいつを倒して!で、なんとかするからな。ちょっと待ってな。、」
俺はキッとタトゥーの男を睨みつけてッダン!っと床を蹴り、男に向かってっ思いっきり駆けた!
こいつが学校の全員をこんな事にしやがった!!
絶対!!!!
許せへん!!!!
俺の心は怒りに満ち溢れていた!!
指先から手首にまで体の中から光が漏れ出して光っている!
こんなん初めてや!
イケる!倒せる気がする!!
俺は思いっきりその光の纏った右手を全力で振り抜いた!!!
全力の拳は光跡を引き、タトゥーの男の横顔を掠め通り過ぎた!
くそ!
これだけじゃ終われへん!
その勢いのまま、左の拳も振り抜く!
ビュッウン!!!
タトゥーの男は体を右の傾け避けやがった!
くっそぅ!!
そこから俺は両手を連続して繰り出してがむしゃらに男に殴りかかった!
ブンブンブン!!
何度も何度も俺は手を出した!
でも当たらへん。
空を切るばかりの俺の拳。
男は両手をポケットに突っ込んだまま上半身を動かし全ての攻撃を避ける。
「クックック、そんな見え見えのへなちょこなパンチが当たる訳無いやんかぁ!」
男は俺の攻撃を避けながも声をかけてきた!
マジか、、!
俺は一回後ろに下がった。。
はぁはぁはぁ。
なんやねんこいつ。。ふらふらひらひら避けやがって!
俺はコイツを絶対倒さなあかんねん!
皆んなを助けなあかんねん!!
何とかコイツを分殴り飛ばす方法はないんか?
考えろ。
『このクソ豚虫が!!!!』
クソ。。!
方法を考えようとしたら、この男がしたなーちゃんへのさっきの言動が頭によぎる!!!
考えれれば考えるほど怒りが頭に上ってくる!
作戦?方法?
そんなんあらへん!!!
ただ全力であいつを殴り飛ばすだけだ!!!
さっきより速く動いて思いっきり殴り飛ばしたらいいだけやんか!!!
俺は少し屈んで力を溜めた!
俺の体から漏れ出し光がさらに強くなった。
ッダン!!
思いっきりステージの床を蹴り男に飛びかかった!!
速い!
自分でも驚くほど速い!!
タトゥーの男も反応できてない!!
いける!!
今までの怒りを込めて俺は思いっきり反応出来て無い男に拳を突き出した!!!
ヒュ!!!
ギリギリで男は首を傾けた!
男の右頬ギリギリを拳は通り過ぎて行く!
くそ!
また避けられた!!
俺の拳が男の側を通り過ぎると、その男の頬と首にあったタトゥーが光を避けるように蠢いているんが見えた。
あのタトゥーなんやねん!!気持ちわ、、!!
ドフッ!!!!!
突然俺の腹に衝撃が走った!
「うっがはぁ。。」
男の右足の中段蹴りがカウンターで俺の腹にめり込んでいた。
くの字に折れる俺の身体。
あの凄いスピードの勢いが衝撃として俺に返ってくる。
俺の勢いは完全に殺され宙で止まってしまった。
衝撃と痛みで身動き取れへん!!
ドンッ!!!
俺の体はくの字に折れたた、タトゥーの男は俺の折れ曲がって目の前にある背中を思いっきり!両手を握ってハンマーの様に叩きつけた!
ッドン!ダン!!
「ガハッ」
背中を殴られ俺はステージに叩きつけられた。。
グググ。。
っ痛ってぇ。。
「お前、ほんまに眩しすぎてほんまめっちゃウザいわ!死ね」
男の声が聞こえて迫る危機に察した俺は『動かないと!死ぬぞ!』と自分に叫んだ!
右手で床板を思いっきり押してゴロンと転がった!
ッダン!!
男の攻撃をギリギリで避けてた。
ブワァァァァァ!
黒い光の様な柱が上がる!
危なかった!
あれに触れるのは絶対にあかん!
フィォォォォ。
何や!?
仰向けになった俺の真上から赤黒い竜宮の使いがで突っ込こんで来るのが見えた!
「あかんて!!」
ゴロンと俺はさらに転がって避けた!!
俺のすぐ隣で赤黒い竜宮の使いが突っ込んで、俺のすぐ隣でステージにすり抜け入り込んでいく!
ビュン!!
赤の黒竜宮の使いはステージに潜って行きながらもこっちに向かったのこてる尻尾を振り付けてきた!
「クッソ!」
俺はさらにもう一周転がり、そして慌てて立ち上がった。
痛っ!痛みでぐらりと俺はふらついた。
っぐ、タトゥーの男に蹴られた腹が、痛い。
でも、それどころちゃうやん、集中や。
今ステージに入って行った赤黒い竜宮の使いが、いつこの下から襲って来るかわからへん!
タトゥーの男も攻撃して来るかもしれへんし、いつでも避けられる様に準備を。
俺は腰を落とし身構える。
どっから出てくる、、?
あ!
守ってもあかんか??
攻め込んだ方が相手は後手に回るから困るんじゃないか?
よし!攻め込んで。。
いやあかん。。
俺が男に駆け寄るとこを竜宮の使いが狙っているんじゃないか?と頭によぎった。
当然やけど、思いっきり攻め込む前に竜宮の使いの場所を確認した方が良いよな。
まずは集中して待って。
状況把握できたら攻めに転じよう。
不意に足元から攻撃が来ても避けられるように俺はさらに腰を落として待った。
。。。
。。。
っく。。
こーへん。。
竜宮の使いの攻撃が、来ない、、
。。。
思いっきり蹴られた腹もズキズキと痛む。。
くそ。。
目の前にあの男がいてこちらを向いてニヤニヤしている。
あのニヤけた面を殴りつけたい衝動が半端ない。。
けど今攻撃しようと動いたら、ステージの下から赤黒い竜宮の使いの攻撃が来て避ける事が出来ひんやろな。
竜宮の使いの攻撃を避けられる様に準備して、その為の最大の集中をし続けるのは辛い。。
痛みの中じっと待ちながらの全力の集中。
動かずに集中を続けるのは難しいし辛い。
どうせなら何か動きがある方が絶対に集中力を持続するのは楽やのに。
静と動の戦い。
か、なんか漫画で見たわ。。
あかん、こんなこと考えてる時点で集中できてない。。
集中や。。
集中。。
。。。
おい、早く、早く、攻めて来いよ、、
何もしてないのに汗が噴き出し頬や額を濡らしていく。
はぁはぁはぁ。。
息も切れる。。
「あのなぁ、お前そんな緊張してどうしたん?お前の探してる俺の龍宮ちゃんはもうあそこやで?」
そう言うと男は天井に向かって指を刺した。
上?
俺は見上げた。
いや、何もないやんか。
あ!
しまった!
そう思った瞬間はもう手遅れやった。
俺の足元から赤黒い竜宮の使いの大きな口が現れ俺をバクンと食った!
そして俺の体の周りをブワァァァァっと立ち昇る赤い黒竜宮の使い!
俺の体は赤黒い竜宮の使いに全て飲み込まれ、意図ぜず俺は入ってはいけない物の中に入ってしまった。。
やばい!!。。
あれ。。
痛みも何もない、驚いたけどなんか大丈夫そうや。
やはりこの竜宮の使いには実態はない様や。
俺を凄い勢いですり抜けていく。
ドクン!!!
なんや?
何かが胸の中に生まれたような違和感を覚えた。
冷たい、胸の奥のど真ん中に俺の物じゃ無い何か冷たくて重い絶対に良くない物が出来た。
そしてその良くない物は俺の中でどんどん広がっていく。。
やばい。。
冷たいそれは胸全体に広がり腹、喉まで。
なんやこれ。。
『助けて、、お兄ちゃん、』
突然誰かの声が聞こえた。
やっぱりこの赤黒い竜宮の使いは何かある。。




