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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
33/110

学校編 戦いの中で成長するって素晴らしい



 綺麗な歌声が俺の心に入ってくるみたいや。



 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー




 。。。。





 カラン、パリン。。




 

 透明のガラスの様な物が落ちて割れた。


 いや、氷かな、、薄い氷、、の割れる音。。


 グ。。。

 俺はゆっくりっと目を開いた。

 一瞬意識が飛んでた。。

 目を開いて体を起こすとそこには、信じられない程とっ散らかった教室。。

 全ての窓ガラスは粉微塵に割れている。

 何が、、一体全体どうなったんや。。

「っっは!!!」

 俺は息を呑んで首を振り目の前の光景を一度これは違う、何かの間違いだと否定した。

 その光景とは、床を埋め尽くさんばかりに倒れているクラスメイト達。。

 おびただしい血とその血に染まり深紅に光る氷の塊。。

 教室は赤く染まっていた。。


 ウェェェ。。

 俺は吐いた。。


 なんてことや。。

 なんでこんな事に!!

 なんでや!!!!!!!!!!!


「海晴!!まだ誰も死んでおらん!気持ちをしっかり持つのだ!」

 気が狂いそうな俺にのぞむんの声がギリギリの所で引き留めた。

 のぞむん。。?

 のぞむんが背を向け立っていた。


「はい。。。」

 俺は答える。

 のぞむんの檄に俺は救われた。

 少し気持ちが冷静になった。。

 肩に氷の10cmくらいの氷柱つららを太くした様な物が刺さっていた、俺はズプンとその氷柱を抜く。

 ウグ。。痛い。。

 まるで氷の弾だ、そう俺たちはこの氷の弾に撃ち抜かれたんか。。

 クラスメイトも皆んな。


 これ、仰天ニュースとかで見た事がある。。

 ひょうや氷の塊が空から降ってくるという自然災害。。


 ッグ。。

「何が。。一体。。?」

 翔陽もむくりと起き上がる。

「。。だ。。ダーリン。。?」

「私、、どうなって、、?」

 ヴェルも小春ちゃんも起き上がって来た。

 体は大丈夫そうや。。

「ええ!?」

「っちゃ!?」

「。。。!!」

 みんな教室の惨劇を見て息を呑んでいる。

「大丈夫や!皆んな生きてるって!」

 俺が狂気に陥りそうになった事を思い出して俺は皆んなに声を掛けた。

「なんてことだよ、、」と翔陽の息が漏れる。

「皆大丈夫だっちゃ。。?」

「皆さん。。」

 茫然とする三人。。

 翔陽歯顔を抑えて絶望している。。

 そして起き上がった俺達が見た先には。

 歯を食いしばりながら口角を引き上げ、怒りに満ちた目で笑う先生がいた。

「生徒達は今は大丈夫じゃ!それよりも今は外のあいつをどうするかだのぅ」 

 黒蘭鋳を睨みつけている!

 のぞむんはカッコいいスーツは全く汚れてもおらず体に傷一つついていない。

 ニヤリと狂気混じりで破顔するのぞむんは、今までの優しい雰囲気だったなんて想像も出来ひん。。

 黒蘭鋳に向けて発される激情、その目にはもはや殺意まで感じる、やのに、、のぞむんは少し楽しそうや。。

「ふふ!っふっふっふ!わしの氷の壁を壊すとは、あやつ相当力を溜めていたのぅ!!」

 ニヤリと笑うのぞむん!

「あやつ、これ程の攻撃をもう一度するにはまた相当力を溜める必要があるだろうのぅ、そしてあの雹弾は黒金魚へと向かって行く追尾攻撃と言ったところかのぅ。。」


 クルッとこっちを向くのぞむん。

「それではそろそろ先生らしい事でもしようかのぅ。。海晴!翔陽!ヴェル!小春!」

 

「「「はい!」」」

「はいっちゃ!」

「何事もトライアンドエラーだからのぅ!お主らであの災害の主の攻撃の全てをなんとかしてみぃ!」

「え?マジで!」

 俺達はびっくりした。

 できる訳ないやん。。

「マジじゃ!またあやつが雹を降らす前になんとかせぬと、この学校は崩れて無くなってしまうぞ!」

「でもどうやって。。?」

「それを考えて戦う事が一番大切なのじゃ!わしは少しやらねばならぬ事があるからのぅ!お主らでなんとかするのじゃ!」

 

 。。。


 な。。。


 俺たちであのでっかい黒蘭鋳の攻撃を。。


 そんな事どうしたら。。?

 この教室の惨劇を見れば見るほど無茶苦茶な要求やって思ってしまう。


 どうしたいいんや。。

 頭の中は混乱して思考が散乱している。


「な。なんだよさっきの。。」

 翼が起き上がった。。

「痛ったいね。。何が起きたんだよ。」

 綾ねぇもうつ伏せの姿勢から手で体を押し上げて上体を起こす。


「ふむ。お主ら四人も何らかの運命が巡っておるようだのう」

 

 四人。。。?

 綾ねぇと翼なら二人やろ。。??

 俺は教室の中を見回した。

 

 すると教室の隅でウッディーが窓際の壁に張り付いて怯えた表情でガタガタ震えている。。。

 

「海晴君。。ありがとぉ。。」

 突然後ろから声が聞こえて俺はッバっと振り返った。

 そこにはなーちゃんがいた。

「海晴君のおかげで私。。。」

 震えながら俯くなーちゃん。

 相当怖かったんやろうな。。

 本当に偶然の産物だけど俺が雹弾の盾になってなーちゃんには雹弾が当たらなかったみたいや。

 よかった。。


「翼!」

「っは、はい!」

「綾!」

「先生、、」

「木助!」

「。。。はい。」

「それとほなみ!」

「え。。は、はい」

「お主らはここにいるクラスメイトや他のクラスの生徒たちを避難させよ!」

「「「「え?」」」」

「そんな、、私にはできないよぅ。。」

 なーちゃんが今にも泣きそうな顔で泣き言という心の涙をこぼした。

「お主らはこの者たちが死んでも良いのか?」

「お前らやらねーのか!?どんな無茶苦茶な要求でも俺はやるぜ!先生!何をどうしたらいいだ!!??」

 翼は前のめりに叫ぶ!

「ああ!私もやるよ!」

 綾ねぇも続く。

「ぼ、僕もやりますよ。僕はみんなが好きだから。」

「え、、あ、、あの、、じゃあ、わたしも、、出来るだけの事は、やります。私もみんなが好きだから。。」

 ちらっとなーちゃんは俺の方を見た。

 俺は拳を力いっぱい握りしめてなーちゃんに突き出した。

 すると。

 なーちゃんの目に力が宿った!


「よし!そこで暫し待つのじゃ!もうすぐ黒蘭鋳から攻撃が来るからのぅ!海晴!お主らでその暫しの時間を作るのだ!良いか!」


「望先生!それは一体どうゆう事。。」

 翔陽が不安そうにのぞむんに聞こうとした、けど。。

「神ヴィックよ我に力を貸したまえ、数え切れぬ痛みを超えて、数え切れぬ死を糧に、それでも立ち上がる命の頂を、、、、ブツブツブツ。。。」


 どうしたらいいのか問う前に、のぞむんは目を閉じて瞑想し、詠唱を始めた。

 

「ダーリン!来るっちゃ!」

 窓から外を見ると黒い霧の様に黒金魚の群れがこっちへ迫って来ている!!

 さっき迄の数に比べたら数は僅かやけど、それでもこの教室を覆うには十分な数や。

 

「っく、、!!」

 

 こんな状態で、、

 気を失ったクラスメイトがクラスの中で散乱した状態で普通の思考状態でいられる訳が無いやんか。

 どうしたらいいんや!!??

 のぞむんを守る?

 クラスメイトを守る?

 黒金魚どもをぶっ飛ばしていく?

 どうしたらいいねん!!!!????

 考えがまとまらへん!!

「っくっそーーーーーー!!!!こんなんどうしたらいいんや!!」

 俺は自分でも気づかないうちに俺は頭をかきむしり天井を仰いでいた。

「海晴!!落ち着け!!」

 翔陽が俺の腕をグイッと引っ張った。

 力強い翔陽の目、全く諦めてない自信がある目。

「望先生が今力を溜めてる!俺たちはあの黒金魚から望先生と倒れてるクラスメイトを守るんだ!!」

「あ、ああ。」

「さっき俺、倒れてる皆の状態を確かめたんだけどさ、みんな生きてる。相当な怪我は負ってるけどな。。」

 さっきののぞむんが翼達と話してる間に翔陽はクラスメイトの安否を確認してたのか。。。

 だんだん俺の発狂していた心がスーーーっと落ち着いていくのが分かる。

 仲間がいるだけでこんなに落ち着ける物なのかと仲間の偉大さを俺は噛み締めた。

「ああわかった!」

 俺は大きく深呼吸をして翔陽に大丈夫だと強い目で頷く。

「私が氷の針であの黒金魚の群れを撃ち落としてみる!」

 小春ちゃんが割れた窓に駆け寄る、俺があんなパニックになりかけてたのに小春ちゃんは何て勇気があるんや。

 幸いな事に、駆け寄った窓際には雹で全ての物が飛ばされて何もない、ここならクラスメイトを踏んだり蹴ったりしてしまう事もなさそうや。 

「うちも電撃で撃ち落としてやるっちゃ!!」

 さっきよりは相当少ない数の黒金魚達は、小さいなりに大きな魚に見せようとしているのか、全員で寄り添って大きな魚の形を作り襲いかかってきてる!

 黒金魚達は絵本のスイミーの様に小さな黒金魚が集まって大きな黒金魚が出来上がってる。

 めちゃくちゃ大きな魚が襲いかかってくる!

 一体何匹集まればあんな大きな魚を模せるねん!

「私も氷の針で落とします!!」

 ぐいっと小春ちゃんは袖を捲り上げた。

「小春!前みたいな大きな氷の針を投げようと思ってるんだろ?」

 翔陽が小春ちゃんに声をかけた、小春ちゃんは翔陽の方へと振り返る。

「うん、それしか出来ないし。」

「だよな、でも一本の大針じゃいまいち効果ないと思うだよな。大きな針作れるんならさ、小さな針を何本か作って飛ばしたりできるのか?そっちの方があの敵には効果的だと思うんだよ」

「うん、、修行では練習してたんだけど、出来るかな。。」

 小春ちゃんは不安そうな顔で自分の手を見る。 

「小春!先にやってるっちゃよ!!」

 そう言うとヴェルは雷の珠を思いっ切り投げた!

 ヴェルの雷の珠は黒金魚に飛んでいきながら途中で雷へと変形しぐんぐんスピードを上げて行く!

 バリバリバリバリ!

 見事に黒金魚の魚群に電撃が走った。

 ボフンと黒い(もや)が魚群から上がる!

 少しだけだが魚群が小さくなった様に見えた。

 感電した黒金魚が黒い靄になり消えたんやろ。

 けどものともせずの迫る魚群!

 一部の黒金魚ががやられた事など関係なく、大きな魚を模した黒金魚達は泳ぎ此方こちらへと迫り続ける。


「小春!あの氷の大針を出した時に、氷の大針を出したいと思ってしたんだろ?」

「確かに、そう、恐竜から翔陽君を、守りたいと思って必死にしたんだけど、そのイメージはあの大針だったかも」

「だろ?だから今回もしっかり小さな針を作り出すイメージを持ってやったら出来るはずだ!」

「わかった!」

 小春はキッと目に力を入れ窓へと振り返った。 

 掌の上に氷の珠を創り出す!!

「えい!」

 それを一気に氷の針に変えた。

 しかしそこには以前と同じの大針が一本手の上に!

「なんで、、」

 小春ちゃんは思いっきり黒金魚の魚群に投げた、しかし大針は力弱く校庭へと落ちて、ガッシャンと壊れてしまった。

「なんで、、なんで、、、」

「小春!違うっちゃ!氷の珠を投げてから珠を変えるんだっちゃ!いいちゃ?次はうちと一緒に同じ様にやるっちゃ!!!」

「え。でも。」

「大丈夫!うちのやってる方法説明しながらやるっちゃ!」

「わかった!」

 二人で窓際に立ち迫る魚群にを睨みつける!

 そして右手に雷の珠と氷の珠を一つずつ浮かせる二人。

「これをこうなれーって思って投げるっちゃ!!」

「え?それだけ?」

「だっちゃ!!変えてから投げるんじゃなくって、投げて飛んで行ってる時に珠から変えるイメージだっちゃ!じゃあいくっちゃ!!」 

「え、ええ!はい!」

 腕を振りかぶるヴェル、そして思いっきり投げた!

「いっぱいの針!いっぱい飛んでいけーーー!」

 小春ちゃんは叫びながら思いっきり氷の珠を投げた。

 二つの珠が魚群に向かって飛んで行く!

 氷の珠はスピードを持続しながら飛んでいく!

「いけーーーーー!!!」

 小春ちゃんの声に反応するように氷の珠は空中で弾けて小さな何本もの氷の針になった!

 スピードも速くってさっきみたいに途中で勢いがなくなって落下する様な感じじゃない。

 バリバリバリ!

 小春ちゃんの氷の針より先にヴェルの雷が魚群に到達した!

 またボワんと黒い霧が舞い上がる。

 そしてそのすぐ後!氷の針は空気を魚群に多数の穴を開けた!

 氷の針に刺さった黒金魚達は魚群の後ろに突き去られ、そし黒い霧が蒸発する様に消えていった。。

 魚群がさらに小さくなった様に見える!

「ヴェル!小春ちゃんナイス!!!」

「なるほどヴェルさんそうしたらいいのか!俺にもやらしてくれ!」

 ニヤッと笑って翔陽がずいっと前に出た。

 黒金魚達はもうすぐそこまで迫ってる。

「行くぜ!」

 翔陽は両手に火の珠を出した!

「はぁぁぁぁああ!!」

 出来た火の珠を翔陽はさらに大きくしていく、右手の珠がだんだんと大きくなる。

「行くぞ!!」

 翔陽は野球の選手の様に大きく振りかぶって、全身のバネを使って火の珠を思いっきり投げた!!

 迫る魚群に物凄いスピードで飛んで行く火の珠!!

 これはいける!!

 恐竜との戦いでしてた爆発とあの投げた勢いが加わったら、、もしかしたら、あの魚群を吹き飛ばせるかもしれへん!!

「おっらぁー!!!!!」

 翔陽が叫ぶ!!


 ボボォーーーー。。。!!

 火の珠は炎を上げて燃えた。

 え?爆発は?ただ魚群の前で燃えた。。

 なんか威力弱くない?

「え?なんで、だよ。。。タイミング早いし爆発も。。」

 きっと魚群の中で爆発を起こしてやろうと思ったんやろな。。

 俺もそうするんやろなって思った、なのにならなかった。

「くそ!」

 翔陽は相当残念そうやわ。

 大きな火の珠で創り出した炎なのにも関わらず、その炎は何か小さくて期待外れ以外の何でもなかった。

 恐竜と戦った時の爆発の方が明らかに凄かった!

 迫る魚群!

 空中に燃える炎に避ける事もせず黒い金魚魚群は突っ込んだ!

 そしてまた黒い靄を上げ黒金魚達は数を減らした。

 ん?なんでや?

 あいつらわざわざ突っ込んで。。

 あれはけれたやろ。。?

 ふーーーーん、なるほどな。。

 確かめた方がいいな!


 黒い魚群はもう今にも教室に飛び込みそうや!


「翔陽ヴェル小春ちゃん!そこどいて!!」

 俺は三人を押しのける様に窓の前を独占した!

 魚群は数を減らしても何も変えずこっちに泳いで来る!

 真っ直ぐ向かってくる黒金魚の魚群を確認したら、俺は即座にそこを横へ飛び退き転がった。

 横の別の窓から俺は顔を出した。

 黒金魚は俺を追いかけずに真っ直ぐ泳いでいる!

 やっぱりそうか!

「小春ちゃん!のぞむんの目の前で氷の盾作れる!?」

「う、うん!大丈夫できると思う!」

「翔陽!ヴェル!のぞむんに黒金魚が噛みつかないように守るで!」

「え?」

「わかったっちゃ!」

「もう黒金魚が来る!!のぞむんを囲むんや!!のぞむんのこの詠唱を止めたらあかん!あいつらはのぞむんに真っ直ぐ向かってる!!」

 黒金魚の魚群がもうすぐ前まで迫ってる!!

「そういう事か!」

「小春ちゃんの盾に当たってあいつら絶対飛び散ってそこからまたのぞむんを狙うはずや!」

「わかったっちゃ!」

「はい!」

「わかった!!」

 俺達全員でのぞむんに向かって駆け出す!

 同じタイミングで黒金魚の魚群がブワッと教室へと飛び込んだ!

「やばいぞ!間に合わねぇ!!しかも小春の作れる盾よりデカくないか?」

「ちゃ!!!」

 やばいと思ったその瞬間!

 ヴェルは雷の珠を魚群に投げた!!

 バリバリバリバリ!

 魚群が痺れ一瞬んだ!

 その場で急速にスピードを落とす黒金魚の魚群、そして黒い靄を上げいく匹もの黒金魚が蒸発した。

「ヴェル!ナイス!!」

 だいぶん小さくなった!それでもまだまだいっぱいの黒金魚で魚群はのぞむんに迫る!

 ヴェルの電撃で黒の魚群がスピードを落としてる間に、小春ちゃんがのぞむんの前に回り込んだ!

 既に氷の珠を手の上に浮かべている!

 背迫る魚群!

 相当数を減らし人間にサイズくらいまで小さくなっている魚群は小春ちゃんに、いやのぞむんに突撃して行く!

 ぶつかる!!

 その瞬間小春ちゃんの氷の珠が光った!!

 

 バババババババババババババババババ!!


 魚群は小春ちゃんと何かの詠唱のしているのぞむんの手前で派手に打つかりッパっと散った!

 相当数の黒金魚は盾にぶつかって黒い靄をまた上げた!

 また匹数を減らせたはずや!

 生き残った黒金魚達は教室中に散らばってる!

 減ったとはいえまだまだ目で数が数えきれなほど残ってる!

 生き残ったの黒金魚達は!

 ガパっと大きく口を開いてのこぎりみたいな牙を剥き出して、のぞむんに噛みつこうと尾鰭を物凄い勢で降って突っ込み始めた!

 バラけた黒金魚は一心不乱に突撃を始める!

「絶対のぞむんを守るで!」

「ああ!!」

「やるっちゃ!!」

 俺は、今光の珠を出せへん、でも来い!!!

 手で!足で!俺の全力で黒金魚全部叩き落としたる!

 あの闇で出来てるであろう黒金魚を手で足で触れていいんか?っていう疑問や不安が頭の中でじわじわと侵食してくる。

 黒い海月の時と同じ不安や。

 いや!やらなあかん!後悔するのは後からや!!

 疑問や不安は頭の隅へ押し込んだ!

 やるぞ!!こい!!

 小春ちゃんは氷の盾で守りながら「えい!えい!」っとその盾をブンブンと振り回し黒金魚を叩きつけてる。

 ヴェルは前方に思いっきり放電し纏めて何匹もの黒金魚を感電させてた!

 めっちゃ黒金魚を闇の靄に帰してる!

 いい感じ!

 でも一番凄いのは翔陽!

 総合闘技のスキルをふんだんに使い戦う翔陽は両掌の上に火の珠を創り出てて、その珠を投げる訳じゃなくってそのままパンチを繰り出している、まるでボクサーのみたいにパパパパパパっと黒金魚を靄へと帰す、流石は総合格闘技年代別チャンピオン!!

 的確な打撃で翔陽の場所は安心できそうや!

 かく言う俺はのぞむんを噛みつこうと攻めてくる黒金魚に対してただただはたき落とし蹴り倒した。

 その攻防戦で俺の体は少し変やった。

 黒金魚を手で叩いた時、叩いたその一瞬体の中から光が漏れるかのように、光るねん。。

 なんでや、身体の中に光の珠があるような。

 しかし、黒金魚を足で蹴飛ばしても足は光る事は無くって、黒金魚は遠くに吹き飛ばされるだけで、すぐまた身を翻して鋭い牙を剥き、のぞむんに噛みつこうと戻ってくる。

 俺はそれを全力で迎撃していく!

 それにしても黒金魚の数が多い!!

 次から次へと押し寄せて来てキリがないわ!


 パパパパパッパパパパッビシパパパパ!


 パパパッパパパパッドッパパパパッパパパパ!

 っくっそ!

 数が多い!!! 

 手が後二本あれば良いに!!

 少しでもミスすると黒金魚は俺の横を通り抜けてのぞむんに噛み付きそうや。

 前から襲いかかって来る黒金魚を見失うわけにもいかへんし、もし一撃でも拳が空を切ったらもうそれでゲームオーバー。

 ギリギリや、本当にギリギリ。。

 そんなギリギリの防戦の中、俺は今、相当この防戦に対して相当集中出来てる。

 黒金魚達の動きが集中してるからはっきりと分かる。

 突撃して来る黒金魚の尾鰭の動きまで見てとれる、卓球選手がピン球の小さなマークを目で見える様に。

 俺の集中は多分今ピークで黒金魚の動きがスローに見える。

 絶好調や!

 俺は今クラスメイトを守りたいんや!

 のぞむんが長い詠唱をしてる、長い詠唱分の凄いパワーの魔法で学校を守ろうとしているのが何となくやけど分かる、なら俺は全力でその詠唱中のぞむんの守る!

 人任せかもしれんけど俺のやれることを全力でやる!

 のぞむんに襲いかかる黒金魚を俺は叩き落とし続ける!

 叩き落とす度に高まり続ける俺の集中力、目の前にいる黒金魚達を叩き蹴り飛ばしながらも周りの状況が分かる、引っ切り無しに襲ってくる黒金魚の数を数え、さらに把握する事すら今の俺なら出来るんじゃないか?と思えるような集中力。

 世界の全ての動きがゆっくりに見える。

 俺が蹴っても黒金魚は消えない、俺は掌打のみで黒金魚を迫る黒金魚を撃ち落とす様に変えた、基本的には蹴りはしない、相当低い所を通り抜け様としない限り掌打で打って黒い靄へと帰してやる!

 パ!パパ!!パパパパ!!!

 いい感じや、考える前に体が動く、滑らかにそれでいて効率的に無駄の無い動き、呼吸までコントロール出来るこの感覚!

 絶対黒金魚は俺を抜く事は出来ひんわ!

 自信が溢れ出しそれは徐々に、でも確かに確信へと変わっていった。

 パパパパパ!パパ!パパパ!

 かなり黒金魚の数が減ってる!

 ヴェルは雷の放出量を調整できて来ているのか、無差別に放電してた所を、ピリッ!ピリッと指先の前に浮く雷の珠から小さな雷を飛ばして黒金魚を迎撃している。

 少量の電撃を放っても雷の珠は消えてない。

 翔陽はなんと火の珠を掌の前で燃やしている。

 燃えることによって火の珠は大きくなった、まるで炎の珠や。

 素早く動かされる炎の珠は火の光跡を残しながら黒金魚を炎の玉の中で黒い靄へと帰していく。

 あんな炎の珠なんて絶対触りたく無い、死ぬほど熱そうやわ。

 翔陽は熱くないんか?


 辺りの黒金魚達はかなり数が減ってきている!

 

 すると突然状況が変わった。


 途端に今まで襲い続けて来ていた黒金魚達は攻撃を止めた!

 水族館の魚の様に自由に泳ぎ始める黒金魚。

「急に何や!?」

 せっかく調子上がってきていい感じやったのに!!


 ボォォォーーーーォォ!

 蒸気船が真っ黒な煙を吐き出し進み出すような、下っ腹に響く嫌ーな、黒蘭鋳の吠え声が学校中に響いた!

 その吠え声に俺達は校庭の奥に浮いている黒蘭鋳に目線を奪われる。

 見事な美しいひれを空中に靡かせて宙に浮くその姿は神秘的、まるで神の使いみたいや、その黒蘭鋳の周りにまた巨大な真っ黒な霧がモヤモヤ出ている!

 まさか。。

 あれはまた黒金魚なのか?!

 っくっそ。。

 のぞむんが言ったようにアイツまたさっきみたいなでかい攻撃をしようと力を溜めてるんか??

「海晴!!」

「ダーリン!!」

 二人に叫ばれて俺の意識が教室に戻った!

 教室ではまた黒金魚達が突撃体制の大口を開いてる、なんか奇怪おかしい!

 黒金魚達が大きくなってる、黒金魚の匹数はかなり減ったように思うけど。。

 さっきの黒蘭鋳の吠え声に何かあったのか??

 黒金魚達に指示したとか、力を送り込んだとか。。?

 いや、まぁそんな事はどうでもいいわ。

 そんな答えの出ない事を考えてる場合じゃないやろ!

 集中。。

 ふーーーーーー。。。

 俺は大きく息を吐き出し腰を落とし黒金魚の突撃に備えた。。

 次の瞬間、黒金魚はギィギィと鳴くと、呼吸を合わせたように一気にのぞむんに向かって突撃を始めた!

 のぞむん防衛戦第二ラウンド開始のゴングが高々と鳴った!

 ギィギィとか気持ちの悪いゴングやな、とツッコミを入れながらも、俺は黒金魚の挙動、辺りの状況、更には音までも見逃さずにいた、集中は大丈夫、黒金魚の声が聞けるほどまで集中できてる。

 ダン!ドン!

 数匹の突撃を防いだ!

 さっきまでの黒金魚よりも突撃のスピードが速い!!

 こいつらさっきより体が大きく成ったからか!?

 

 バリバリバリ!!

 ヴェルの前方に全く加減のない電撃が放たれた!!

 扇状に放たれた電撃は多数の黒金魚を捉えた、左右にいた俺と翔陽の分の黒金魚もとらえた!

 黒金魚の突撃スピーぢが落ちた。

「ヴェルナイス!」

 どんどん黒金魚が迫る!

 ッダン!ッダン!!

 速いしさっきより全然手応えが重い!!

 俺の叩いた黒金魚は光った俺の手の力で大きな黒い靄となり消えた!

「よし消える!!」

 一匹一匹の突撃が重くって衝撃で手が飛ばされそうになる。

 バリバリバリ!

 またもヴェルの電撃!

 ヴェルの電撃をくらった黒金魚達もその電撃によって黒い靄として消える。。。

 のかと思ったのに、黒金魚は痺れて、痙攣した後また動き出した!

「なんやって!!」

 そういえばその前の電撃でも黒い靄は上がってなかった。

 俺と翔陽は電撃を免れて突撃してきた黒金魚を弾き飛ばし靄に帰っしながら喫驚した。

 そして弾き飛ばした黒金魚達も明らかに奇怪おかしかった。。

 奴らは突撃しながら弾き飛ばされる直前に俺の手を回避しようと突撃する方向を変えていた。

 なんとか俺の手はその方向転換に対応して黒金魚を弾き飛ばした、弾き飛ばされた黒金魚達は掌の発光を受けて黒い靄へと帰える。

 しかし、翔陽、小春ちゃんの攻撃では黒金魚達は最悪な事に、もう黒い靄になって消えなかった。

「こいつら!硬くなってるぞ!」

「だっちゃね!」

 幾度も幾度も迫り来る黒金魚達を俺達はひたすら跳ね返し続けた、黒金魚を消せるのは俺だけ、なかなか数が減らへん。。

 直線ではなく方向を変え、とにかくがむしゃらにのぞむんに噛みつこうとする黒金魚達はひたすら攻めこんできた。。

 キリが無い、ひたすら迎撃していく四人。


 。。。


 もうどれほど迎撃し続けてるんだろう。

 何度も打撃や電撃を受けた黒金魚も少し空中で浮いて身動き取れていないけど、しばらくしたら、また泳ぎ出して攻め込んでくる。

 くそ、いつまでこの状態が続くんや??

 のぞむんはまだ詠唱している、それほどに大きな力を使おうとしているんか。。

 ちょっと隙にのぞむんを見ると澄ました顔をして詠唱していて見たら声もかけれなかった。

 疲労をする肉体、衰弱していく精神、息が上がって体温もぐんぐん上昇するもう身体がオーバーヒートしそうだ。。

 身体が重い。

 集中が切れてきている。。

 黒金魚に出す手が一手一手遅れてきている。

 翔陽も小春ちゃんも肩で息して動きが重たそうだ。。

 あかん。。

 頭がボーーっとする。

 何かしないと。。


 無意識のぼんやりした中、惰性で動く体。。

 集中力も切れかかってる。

 何かしないとほんまにヤバい。。



 。。。

 


♪この広い宇宙は〜〜たまらなく不思議ね〜♪



 意識が薄らぐ中。。

 どこからか変な歌が聞こえてきた。

 

 あたりを見ると。

 ヴェルが歌い出してた。

 これはあのうる星やつらのエンディングの。。


♪デタラメな事件が〜〜当たり前の様に起きる〜♪

 

 っは。。はは。。ははは!

 なんで歌ってるねん!

 歌上手いな!

 

 ふふふふ!

 小春ちゃんもヴェルの歌を聞き姿を見て笑ってる。

 すると小春ちゃっんはさっきよりも軽やかに氷の盾を振りまわし、まるで戦っているというより踊っている様に迎撃し始めた。。

 その小春ちゃんに釣られて翔陽も笑顔になっている!

 さっきまでの暗い雰囲気が急に変わった!

 変な歌を歌い続けるヴェル、歌は変やけど。。

 ヴェルって歌上手いんやな、声が綺麗や。

 綺麗な歌声が俺の心に入ってくるみたいや。

 楽しい気持ちになり、心が躍るみたい!

 何でやろ?身体が軽い。

 さっき迄の集中した時間とはまた違う流れる様な時間、流れる様な身体、そのヴェルの歌という渦の中でみんなは流れる様に戦っている。

 翔陽と小春ちゃんはたまに手を繋ぎ引っ張ったり離れたり、くるっと場所も入れ替わったりしている。

 二人の息は信じられない程ぴったりで、ペアでのダンスを踊る様に戦う。

 いつの間にか俺はヴェルと一緒に歌い出していた。


 ♪へんとへんを集めて〜〜も〜っと変にっしっまっしょ♪


 ははは!歌うだけで戦うことがこんなに楽しくなるなんて、笑顔が止まらへん!

 俺とヴェルは歌いながら自然と共闘していた。

 

 ミュージカルの様に、くっついたり離れたり踊る様に舞う様に、だけどもちろんのぞむんを狙う黒金魚を迎撃しながら。

 急に楽しい!

 疲労はどっかいった!


 ♪へ〜んなへんな宇宙〜は〜〜♪

 

 黒金魚の数がもう残り僅かになっている。


 ♪ったっいっへん ったっいっへん ったっいへん♪


 ♪っだ!っだ!っだ!♪


 っだっだっだ!

 そのヴェルの歌うリズムに合わせて四人は迫る黒金魚を迎撃し黒い靄へと帰した。

 

 歌が終わると同時に四人は黒金魚を迎撃する事を止めた。

 疲労や負傷、、そんな理由ではなく、全ての黒金魚を倒した!!

 やっと、やっとの事でのぞむんを狙う全ての黒金魚を黒い霧へと帰したのだ!


「よっしゃーーー!!」

「やったぁ!」

「っしゃ!!」

「やったっちゃーーー!!」


 やった!

 俺達はやったんや!


 俺達はあの信じられない数の黒金魚を迎撃した!


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