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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
31/110

学校編 人気者?そして友達って素晴らしい!



 女の子の目は、猫目で大きく少し目尻が上がり、まつ毛が長い。


 赤毛の女の子の方を見たら、ニヤッっと目を細めて笑う、笑ったその口から八重歯がキラッと光っている!




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー





 【ちょっと宇宙に行ってきます。】





 。。。。





 机の上に無造作に置いてある不思議な置き手紙を見ながら、俺は半分食べ終わってる食パンをさらに齧る。


 モグモグ。


 。。


 静かやなーーー。。。


 窓から見える大空と海、今日も晴れている。

 海の上には四月なのにも関わらず、大きな大きな入道雲が浮かんでいた。


 夏か!俺は心の中でつっこみを入れた。


 すっと手を伸ばした透明なコップの中には水道から無造作に注がれた水が入っている。

 コップの周りには水道水の水滴がいっぱいついていて、太陽の光に照らさた水滴がキラキラ光っていて綺麗や。

 これ綺麗だなーーって思い、コップを注視してみるとコップにの中の水には小さくなった俺の部屋が入っていた。

 面白い、ヴェルに見せたやりたいな、なんてしょうもない事を考えながらもう一口、食パンを齧る。

 小さな世界の入ったコップを手に取り俺は口へと流し込んだ、世界の映っていた水で齧った食パンをゴクンと流し込んだ。


 今日、何故かヴェルは俺の部屋にいない。

 昨日ヴェルが突然地球の映画か見てみたいっていうもんやからアルマゲドンを見た。

 感動するのが見たいらしくって俺が選んだアルマゲドン!

 やっぱ泣いた!

 二人ともボロ泣き。

 世界を救う映画って俺めちゃくちゃ好きやわ。

 小説とかアニメもやっぱそういう世界を救う系が好き。

 で、アルマゲドン観終わってからヴェルは部屋に吊ってるハンモックで寝てたと思ったけど。

 朝起きたら部屋にヴェルはいなくて。


 その代わりにあったのがこのちょっと宇宙へ行ってきますっていう訳の分からへん手紙。


 いったい何しに行ったんや?

 少しだけほんの少しだけやけど心配しながら俺は食パンの最後の一切れを口に放り込んだ。

 

 真っ青な大空とその大空に雄大に浮かぶ大きな大きな入道雲をぼんやり眺める。


 ホンマにヴェルがいないと静かな朝やな。。


 部屋の壁に掛けているサーフィンのフィンの形のを模した時計の音がチクタクと耳に届いてくる。

 時計ってのはどれだけ俺がのんびりしてもチクタクと着実に時間を刻んでいく。

 

 もうあんまり時間がないな、学校にそろそろ行かないと。

 お気に入りの時計から目を離し、俺は椅子から立ち上がる。

 最後の食パンを飲み込み俺は制服のシャツに腕を通しズボンを履いた。

 久しぶりに制服に袖を通した。


 窓の外に目線を向ける。

 海も綺麗や。

 久しぶりの学校で少し楽しみだ!

 最後に残っていたソーセージを口に放り込み。

 コップの水も全て飲み干した。


 無造作にネクタイを結び。

 ブレザーを羽織る。


 昨日制服着ながら翔陽、ヴェル、小春ちゃんのことを思い出す。

 ホンマに一昨日のウィンドサーフィンとBBQが楽しすぎた!

 修行も楽しかっし!

 あいつらといたらめちゃくちゃ楽しい!

 寝てて夢にまで出てきた。

 

 俺は昨日の思い出にふけりながら玄関のドアを開けてトンタンタンと身軽に階段を下りて、いつもの自転車にまたがる!

 そう!今日目指すは海じゃない。

 今日から高校二年生の新学期!

 学校へ向けて俺は力強くギュッとペダルを踏み込んだ!

 俺のワクワクした気持ちと同調したかのようにグンっと自転車が前に進み出す!


 いつもと同じ、海へと向かう道!

 広がる青い海!青い空!風が体を通り抜け!太陽が気持ちいい!


 家の前の大通りを少し海の方へと下ると、鶴岡パンという昔ながらのパン屋さんがあり、俺はいつも学校での昼飯をここで買って行く。

 光波山を登る前もここでパンを買って行った。

 自転車を店の前の小さな駐車場に止める。

 カランカラーン。

 ドアを開けてパン屋さんの中に入るや否や俺は。

「おはようございまーす!」

 店番をしているお兄さんに気付き俺は笑顔で挨拶した!

「おう海晴おはよう!」

 今日のパン屋さんのカウンターに居るのは、いつものおばちゃんじゃなくって、おばちゃんの息子である、お兄さんが店番しいてた。

 何のパンを買おうかと棚に目を向ける、大体買うパンは決まってるんやけど、、

 俺はいつものパンを探す。


 う。。

 いつものあのパンがない。

「あれ?鶴さんコロッケパン無いんっすか?」

 お兄さんの名前は鶴岡パンの鶴岡お兄さん!

 そう鶴さん!

「ああーごめん!まさに今売り切れたんだわ!」

「うあーーー。残念!!俺めちゃくちゃあのパン好きなんすよーー!どのパンも好きやけど!」

「だよな!いつも買ってくれるもんな!!」

 パン屋のお兄さんは名古屋の大学から帰ったきたばかりの気さくな優しいお兄さん。

 この店を両親だけで営業するのは大変だし、手伝って安心させてあげたいから、だから帰って来たって、前話した時に教えてくれた。

 俺はその話を聞いて鶴さんををめちゃくちゃ好きになった!


 俺はどのパンを買おうかと迷い始めると。

「おはよう海晴!」

 サッと翔陽が棚の影から出てきた。

 翔陽がニヤニヤしながらパンの入った袋を顔の横でゆらゆら振ってる。


 そのニヤニヤした顔!その態度!その袋!絶対コロッケパン入ってるやろ!?

 で、もう売り切れたのを知って自慢&イジリにかかってるやろ。

 俺は瞬時に推測した。

「あ!翔陽ありがとう!俺のためにわざわざ買ってくれたんや?ほんま嬉しい!流石親友やな!」

「なんでだよ! 」

「その袋にコロッケパン入ってるんやろ?」

「ああ一つ入ってるぞ!」

「はい!ありがとう!」

「だから!なんでだよ!」

「いいやん!俺コロッケパン食いたいし!」

「ははは!いや!だからそれ意味わかんねーよ!早い者勝ちだからなーー!」

 翔陽はまだニヤニヤしている、そしてもう一度紙袋をふらふらと振った。

「ははは!二人ともめちゃくちゃ面白いな!コントしてるみたいだわ!最近コロッケパン人気なんだよな。ごめんな!また多めに作っとくからな!」


 ドスっと肘で翔陽の脇腹を突く!

 肘打ちと同時に鶴さんには笑顔で返事を返す俺。

「はーーい!了解です!じゃあどうしよっかな。」

 何を買うか。。

 店内をくるりと一回り。

「じゃあー焼きそばパンと。。。」

「そうだ、海晴!このパンどうだ?今日俺の力作だぜ!コロッケパン売り切れたから特別ちょっと安くするよ!」

 カウンターの上にあるバスケットには驚くようなサンドイッチがあった。

 そのサンドイッチは挟まれた二枚のレタスが見事にはみ出てレタスの瑞々しさが見て取れる、その新鮮なレタスの間に真っ赤で瑞々しいトマトが挟まっていて、間にはロ薄切りのーストビーフ、見るからに美味そうなソースがかかってる。

 残り一つしかない!

 ゴクン、俺は無意識のうちに喉を鳴らしていた。

 っやばっい!!

「めっちゃくちゃ美味そうですね!!これにします!!!ってか美味そうすぎてもう腹減っちゃったわー!」

「だろ?でら美味そうだろ!俺が食いたいと思うものを作ろうと思って作ったんだよ!味も最高だぜ!!値段もコロッケパンと同じ金額にしてやるよ!!」

「マジっすか!!神!神様っすね!!!」

「神様って、それは大袈裟過ぎるだろ!」

 照れながら頭を掻く!

 翔陽が羨ましそうに俺のサンドイッチを見ている。

「海晴それ、すげー美味そうだな!!」

「早い者っ。。」

「ほら翔陽!もう一つ同じサンドイッチあるぞ!」

 俺は翔陽に言われた事をそのまま言い返そうとしたら鶴さんに割り込まれた。

 鶴さんはパッとカウンターの下からもう一つサンドイッチを出した!

「翔陽もコロッケパンと同じ金額でいいよ!」

「マジっすか!?」

「ああ!だけどコロッケパンを食べるとき海晴と半分づつすることが条件だ!」

 鶴さんがカウンターでニコニコしている。

「もちろんそれでいいです!」

「鶴さん神すぎ!!」

 でも鶴さんあのサンドイッチカウンターの上のバスケットから出してないよな。。

 カウンターの下から。。

 そのサンドイッチもしかして鶴さんの。。?

「鶴さんもしかしてそのサンドイッチって。。?」

「ああ!俺用だったんだけど全然いいよ!俺ならいつでもこのサンドイッチ作れるしな!」

 眩しい!!!鶴さんの後ろから後光が差してる!!

「マジありがとうございます!!」

 そして二人でお金を払う。

 カウンターに座り軽く手を振って見送ってくれる鶴さん、いやパン屋の神様を背に店を出る。


 最高のパン屋さんだなーー。

 人って暖かいんやなーーー。

 なんか嬉しいし幸せな気持ちでいっぱいやわ!

 気持ちが高鳴る!

 横で翔陽が同じ様な顔をしている!

 どうせ俺と同じ様なこと考えてるんやろうな。

 朝一で海へ行かない時は大体この鶴岡パンで翔陽とここで会う。

 別に約束してる訳じゃないけど同じ時間に通学ここ同じ通学路やし。

 そら偶然会うよね毎回!

「鶴さん最高に良い人だよな!!」

「いや、マジ神やわ!」

「な!で!昨日もマジ楽しかったし最高だな!!!」

「それやわ!ほんまに昨日も楽しかった!これからの人生まだまだ楽しみやなーー!」

 幸せな気持ちで真っ青な空を見上げる。

 二人で自転車に跨り漕ぎ始める。

 海へと向かう一直線の道を二人で下り降りていく。

 目の前に見える海がどんどん広がる!海がどんどん近づく!

 防波堤まで行き着いた時、ッパっと目の前に広がる海。

 そこから右へ折れて海沿いを走らせていく。

 いつものウィンドサーフィンをするポイントを横目に通り過ぎて、海岸線を自転車で走り抜ける。

 左手には水平線まで見える海、その上にある大空、海の上を風が吹き抜けていく!

 大きな大きな入道雲が聳え立ち、まるで夏の様な風景や。

 こんな季節に積乱雲ができるなんて珍しい事があったもんやな、頭の中でふわりと浮かぶ不思議な現象を咀嚼した。

 この道は毎日違う顔を見せてくれる、だからこの道が最高に気持ちいいんねん!


 ただこの道には少しだけ難点があって、それは学校なんて行くの止めて海に入りたくなる事!

 ははは!

 海を眺めてウィンドサーフィンに乗った事を思い出すと、不意にヴェルの面影が頭を過ぎる、最近毎日どんな時も一緒やったからなんか、思い出した途端、自転車のペダルがやけに軽く感じる、いつも俺の後ろのヴェルがいないだけでこんなに違うんか、辺りもやけに静かに感じる。

 横で翔陽が何やら笑いながら話しているんやけどヴェルの事を考えてて全く耳に入ってこんわ、ヴェルが少し居なくなってるだけでなんでやろ?

「おい!海晴聞いてんのか?」

 翔陽が俺の方にポンとつっこみを入れる。

 その瞬間俺は我に帰った。

 ははは!

 なんで俺はヴェルが少しいないだけでこんな寂しくなるんやろ。

 そういえば小春ちゃんもいないな、家で留守番?神社の手伝い?

「翔陽そういえば小春ちゃんは?」

「ん?ああ。小春は今日はなんか朝から居なくってさ、なんか置き手紙で⦅ちょっと、お城へ行ってきます⦆ってよく分からない書き置きか、手紙みたいなのがあってさ」

 途端に青空を見上げだす翔陽。

「え?はははは!城ってなんなんそれ??」

「いや訳わからないんだよ。いつもは朝食作ってくれんだけどさどこにもいなくて、母さんも知らないって」

「それ俺もやねん、ヴェルなんて宇宙に行って来ますって訳分からんこと書いた置き手紙あったわ、何が何かもう分からへんわ」

 ってあれ翔陽。うわの空なってない?

「おい翔陽!」

「あ。ごめんごめんなんだって?」

 ほんま小春ちゃんの事しか考えてないなこいつ。

 ハーーーーっとため息がこぼれ落ちる。

「ごめんごめん!海晴なんだって?」

「ふん!もういーわ。。」

 下唇を俺はつんと出して拗ねた。

「ごめんって!海晴!」

「ははは!いい!いい!冗談やん!」

 俺もヴェルのことを考えてたら翔陽と全く同じ状態になったしな。

 はははは。。

 お互いちょっと寂しいいんやな!


 海沿いの道を十五分くらい行くと学校に向かう道が出てくる。

 そこを右へ曲がったら直ぐに線路と駅があって、踏切を越えて200mくらい坂道を登ると学校や。

 この駅の辺りからいっきに登校する生徒が増える。

 通学をする生徒達の間を俺と翔陽は自転車で通り過ぎて行く。


 じーーーーーーー。。


 ヒソヒソヒソ。。。

 

 ヒソヒソヒソ。


 な、何やろ?

 なんか踏切を渡った辺りからいつもの学校と違う違和感を感じる。

 うん、通学しているみんなが俺たちの方を向き俺たちの事を話しているみたいや。

 一体何なん?

 まぁ、、

 なんとなく分るけどさ。


 俺と翔陽は駐輪場に自転車を止める。

「なぁ海晴、皆の様子何か奇怪おかしくないか?」

「だよな!俺たちなんか見られてるよな?やっぱ。。アレやんな。」

「アレ?」

「え?わからへん?」

 二年生の新しい教室に向かう。

「なんかヒソヒソ話もされてへん?」

「ああされてるわ!」


 あーー絶対アレや。

 面倒臭そうやなーーー。。。

 どっちか言うと良い方に捉えられてたらだったらいんやけどなーー。



 ガラッ

 二年生の新しい教室にはいる!

「おはよーー」

「おはよう!」

 

 入った途端に教室にいた全員の視線がこっちへと向く!

 

 キャーーー!

 おーーーーー!


 え?

 きゃーーー?

 おーーーー?

 この反応は?


 ガタガタガタ!

 我先にとクラスメイトが机を押し除けながら俺たちの周りに集まって来る。

「翔陽と海晴テレビ出てたな!しかも!すっごいカッコよく!」

「海晴!地球が崩壊するって本当なのか?」

「ってかおい!海晴!何んでお前婚約してるんだよ!あんな可愛いセクシーな子に!」

「ねぇねぇ!私達このままで大丈夫なの?地球が無くなるんでしょ?」

「翔陽君っすっごいカッコよかったよ!海から上がってこない時は本当に心配しちゃった!」

「お前らなんだよ!なんであんな化物烏賊倒せるんだよ!」

 クラスメイトがどんどん俺の周りに集まって来る。

 完全に囲まれた。

「うお。。」

 逃げ場がない。

 でもこれは良い方っぽいな。。。


「翔陽君今度サーフィン教えてよ!っすっごいカッコ良かったよ!」

「あのテレビは本当なの?やらせじゃないの?」

「海晴あのでかい烏賊と戦うなんってすげーな!!」

「どうやって水の中の烏賊から女の子助けたの翔陽君?」

「おい!海晴あの子とキスしたって本当かよ!信じられねー!ずるいぜーーー!」

 もう俺と翔陽はみんなの質問攻めの勢いでタジタジだ。

「おお。ちょっちょっと待って。」


「みんな落ち着けって!」


 翔陽の一言で少し静かになった!

 よかった!

 みんなの話を聞く前俺は少し不安だった。

 急に世界を守るとか話になって。

 学校の奴等が、こんなとこいないで世界早く守ってこいよ!とか、お前がどうやって世界を守るんだよ、無理に決まってるだろ!とか、高校生のくせに結婚なんてしやがって!とか。

 悪い方に責め立てられる可能性もあるって思ってたから、、、褒めてもらえる良い方で良かった。

 本当に一安心や。。


 キーンコーンカーンコーン

 キーンコーンカーンコーン

 始業のベルが鳴った。

 席に座りたいけどクラスメイトの皆んなに囲まれて身動きが取れない。

 ガラ!

「おーーい。始業ベルが聞こえたかのぅ?ホームルーム始めるぞー」

 新しい新任の先生が声をかける。

 ガタガタと全員席に着く。

「きりーつ。礼。」

「「「「おはようございまーーす!」」」」


 今日から新学期。

 はぁー学校は好きやねんけど。

 なんか、それでも初日ってテンション上がらへんよな。

 俺は片肘を机についてぼーっと外を眺める。

 校庭の向こうに見える海がキラキラ光ってる。

 新学期、担任の先生も新しくなる。

 面白い先生が担任になって欲しいな。。

 先生の方に俺は目を向けた。

 綺麗な黒い髪に、細い目。。白い肌。綺麗な中性的な顔をしている。

 二十代半ばって感じの年齢だろうな、入って来た先生は優しそうな笑顔を浮かべている。

 あれ?

 うそやろ?


「おはよう!じゃあまず自己紹介するからのぅー!」

 ん?

 のぅ?

 え?

 なんか声も喋り方も聞いた事があるねんけど。。


 先生はチョークを手に取り。

 カッカッカッカ!

 黒板に名前を書いていく。


諸葛しょかつ のぞむ

 

 ド、ドン!

 俺は頬杖から顔が落ちて机でぶつけてしまった。

「イテッ!」

「イテッ!」

 翔陽も同じように机で顔をぶつけてしまってた。


 黒板にデカデカと名前を書いた後、教卓の前に立ち。

「わしの名前は諸葛 望だのぅ。これから一年よろしく頼むぞ」

 両手を教卓の上に置いて前のめりののぞむんは可愛い笑顔をして見せた。


「「「「キャーーーーーー!」」」」

「ねぇすっごいカッコよくない!?」

「かっこいい!カッコ良すぎてヤバいよ。。」

 などと急に教室がざわついた。

  

「何でやねん!!」

「なんでここに!?」

 びっくり過ぎやって!

 のぞむんが先生??なんで?

 俺たちはのぞむんが急に先生として現れたことに驚きで、カッコいいとかそれどころじゃなかった。

 のぞむんは思わず声を発してしまった俺達に向かってニコッと微笑んだ。

「「「「きゃーーーー!」」」」

 その笑顔を見てまた教室が歓声に包まれる。

 びっくりして空いた口が塞がらへんわ。

 BBQの時の中国っぽい服と違って、ビシッとカッコよくスーツを着こなしているのぞむん。

 色味の濃い青紫にうっすらとストライプ、同じくネクタイも紺桔梗色、メガネもかけて、長い髪は後ろで結ばれて男でも見てしまうようなスラっとした首が見える。

 なんかエロいな。

 のぞむんからぷんぷんと大人の色気が出ている、かけているメガネがまたカッコいい。

 カッコ良すぎて、のぞむんって見て直ぐ分からへんかった。。


 俺らからしてもこれはカッコよくてやばい。

 ってか何んで急にのぞむんが先生になってるねん。

 普通はそんなん急に無理やろ。


 これは。。なんかあの魔女の匂いがするなーー。。

 あの服とかも絶対魔女のチョイスやわ。

 めっちゃカッコいいもん。

「それじゃあのぅ。二年生になって別の学校からの転校生が二人いるからのぅ!紹介するぞー!」

 え?なんて?転校生??

 それで持って二人??

 魔女の匂いがした後の二人の転校生??

 

 。。。


 もしかして、、


 いや、、まさか。


「入ってきて良いぞー」

 ガラッ。。


 二人女の子が入って来て教卓の横に立つ。

 

 ええええーーーーーーー!

「な、なんでやねん!ヴェ、、ル、、、に小春ちゃん!!??」

「こ、小春。。。」

 空いた口が塞がらないほどびっくりした。

 ああ翔陽もだ、空いた口が塞がってない。

 二人が俺たちの方へ向けて手を振ってる。

 ニコニコで今にも飛び跳ねそうなヴェル。

 俺の方をめっちゃ見てるやん。

 っぐ。。俺の一人でいれるであろう自由な時間が。。。

 

「あの子ってあのテレビの。」

「白い髪やっぱすげー可愛い。。」

「猫耳、やっば、初めて見た。」

「あの子って宇宙人の子じゃね?」

「可愛いーー。」

 ザワザワとクラスメイトの呟きが聞こえて来る。

 聞こえて来る声の大半が可愛いとかそんな声だ。

 ああ。やっぱ改めて見るとヴェルってクラスの女子たちに比べてめちゃくちゃ可愛いな。。

 ずっと側にいて毎日見てたから分からなくなってたけど。

 クラスメイトの子達とレベルが違う。

 うん、再確認、ヴェルってめちゃくちゃ可愛い!!

 そしてそのヴェルにセーラー服がまためちゃくちゃ似合ってる!

 このセーラー服のヴェルも良い!!

 ホンマに可愛いしなんでも似合うな。

 いつの間にか俺はヴェルに目を奪われてしまっていた。


 にしてもヴェルのやつ、朝から居ないなーと思ったらこんな事勝手にしてたんか。

 で、あの訳分からへん手紙は学校に入学することを隠すためか。

 ってか隠す意味あるんか?


 これは、あの魔女の匂いがますます濃くなったなー。。。


 小春ちゃんに目を送ると小春ちゃんも可愛い。

 ヴェルとはまた違う優しくておしとやかな感じ。

 いつも袴姿だからまた新鮮!

 小春ちゃんも微笑んで翔陽に手を振ってる、小春ちゃんの癒しの笑顔もやっぱいい!

「みんな仲良くするのだぞ。二人はこの街自体が初めてらしいからのう、わからない事もあるだろうし色々教えて上げてくれよのぅ」

 なんか先生が喋ってるけど、先生がのぞむんだったのと、急なヴェルと小春ちゃん二人の転校でびっくりして頭真っ白、のぞむんの話は全然耳に入ってこない。


 でも。。

 二人を見ていると俺は少し嬉しい気持ちになってることに気づいた。


 すると。


 ん?

 なんかヴェルが口パクで何か言っている。


 なんや?

 ヴェルのピンクの可愛い唇に注目すると。


 だ


 あ


 り


 ん


 ダーリンだってさ。


 す


 き


 え?好き?って言った?

 ヴェルの目を見るとその途端。

 パチン!

 ウィンクが飛んで来た。


 ッグハ!

 完全に俺の心は撃ち抜かれた。

 バタ。。

 俺は机に力なく倒れた。。

 いやいや。

 何なんそれ、、可愛いって。。

 やばいってそれ!

 あかん、みんないるのに、そのこっそり俺だけに愛を伝えてくる感じ。

 惚れてまうやろーーーーーーーーーーぉぉぉぉぉ。。。。


「じゃあヴェル。自己紹介を頼むぞ。」

 のぞむんが自己紹介をするように促す。

「あ!はーーーいだっちゃ!」

 フワッと浮いて黒板に行く。

 その瞬間教室がざわつく。

 そらそうだよな、飛んでる人なんて誰も見た事ないもんな。


 カッカッカッカ!

 ふわふわと宙に浮きながら黒板にまだ覚えたて字を書いていく。

 黒板にはリム・ラヴェルと書かれた。

 ヴェルは地球に来て文字は書けなかったのに。。

 このために日本語の文字を練習したんやろう。

 どこまで書けるのか分からへんけど、とにかく凄いわ。

「うちリム・ラヴェル!ヴェルって呼んで欲しいっちゃ!地球人じゃなくってうちは宇宙人だっちゃ!皆よろしくだっちゃ!」


 パチパチパチ

 ザワザワザワザワ。

 ヴェルの可愛さにクラスがざわめいてる。

 特に男子。

「ヴェルさんかわいーー!」

 ひょうきんなクラスメイトが叫んでる。

「次はのぅ絹川さんだの、自己紹介頼むぞ」

「はい!私は絹川小春です。小春って呼んでください。よろしくお願いします」

 ニコッと笑顔を作りそのタイミングで首を横にクッと傾けた小春ちゃん。

 可愛い。。

 自己紹介の仕方まで可愛い。

 男子生徒の表情がフニャッと崩れている。

 最高の笑顔の後にお辞儀をして自己紹介を終えた小春ちゃん。

 和の美しさというか、奥ゆかしさというか、はんなりしてるというか、

 とにかく。

 動作が美しい。。


 パチパチパチ。


 拍手の量が少ない、男子生徒達は拍手どころではなかった様で、ふにゃりと机に崩れ落ちいた。

 小春ちゃんの癒しの笑顔が男子生徒たちに炸裂したのだ。

 男子の目がもうハートになってるんじゃないかってほど小春ちゃんの笑顔に魅了されている。

「じゃあのぅ転校生の紹介はここまだのぅ、二人とも席はあそことあそこ、座ってきておくれ。」

 ヴェルと小春ちゃんの席はラッキーなことに俺と翔陽のすぐ側だった!

「はーいだっちゃ!」

「はい!」

 二人が嬉しそうに空いてる席に着く。

 席に座ったヴェルがまたも俺に小さく手を振ってる。

 目線が合ってめちゃくちゃ笑ってる。

 学校が嬉しいんだろうな。

 なんか耳がピクピクしてるし。

 可愛い。。

 けど入学する事隠してたから、、なんでやねんって顔を俺はしておいた。

「ああ、後のぅ、先に言っておくのだがのぅ。みんな海晴、翔陽、ヴェルがテレビ出ておったのは知っておるのぅ?当然その事にはとても興味あるだろう、いっぱい海晴、翔陽から話を聞きたいだろうがのぅ、テレビでも散々毎日言ってた様に海晴と翔陽にあまりに構って困らせる事するで無いぞ、世間だけでなくわしも二人にストレスを与える様なことをしている奴はは許さんからのぅ。。これからの動向を優しく頑張れと見守ってあげるがいぞ!みんなよいなー!?」

「「「「はーーーい!」」」」

 みんな元々その事を基本的に理解していたのかクラスメイト一人としてその言葉に嫌そうにする生徒は一人もいなかった。


 それからホームルームを続けていたらチャイムが鳴った。

「この後は始業式だからのう。みな遅れるんじゃないぞ」

「「「「はーーーい!」」」」

 そして、のぞむんは教室を出て行った。


「ダーーーーーリン!!」

 途端にヴェルが飛んで来る!

「ダーーーリン!ビックリしたっちゃ?」

 くるっと俺の後ろに回り込み背中から抱きついて来た。

「めちゃくちゃビックリしたわ!」

 翔陽と小春ちゃんも寄って来る。

「ふふふ」

 小春ちゃんが笑ってる。

「海晴、マジでビックリしたよな!」

「いや、ほんまに!めっちゃくちゃビックリした!」

「やったっちゃーーーー!成功だっちゃ!ねー小春!」

 その小春ちゃんに目線を送ると。

 小春ちゃんが俺の席の隣で窓の外を眺めていた。

 え?なんで急に外を?

 小春ちゃんは窓の外に向かって手を振ってた。

「小春?」

 翔陽がどうしたんだろう?と独り言のような声で小春ちゃんを呼んだ。

 俺達も立ち上がって外を見る。

 校門の外に赤いオープンタイプのスポーツカーが海と大空をバックで停まっていた。

 そしてそこにはめちゃくちゃスタイルいいですね!ってすぐ分かる服を着て頭にサングラスを掛けた女の人が立ってる。

 その人は小春ちゃんに向かって手を振り返していた。

 俺たちはガラッと窓開けて外を見る。 

 あ。あれは。。

「麗子さん。。」

「母さん。。」

 

「なになに?」

「何かあるの?」

 クラスのみんながザワザワと窓際に集まって来る。

「麗子さーーーーん!」

 っと俺が叫ぶと、ヴェルは麗子さんに向かってグッと親指を立てて合図を送る。

 麗子さんもお同じようにヴェルに親指を立てて合図を返したら。

 頭に掛けてたサングラス目に掛け直して、長い髪をバサッと後ろへかきあげると、オープンカーの扉の上に手をかけッバっと扉を飛び越る。

 そしてストッと見事に運転席に座った。

 俺達に『バイバイ学校楽しんでね』って俺達に手で合図を送ると、麗子さんはブォンとエンジンを鳴らし颯爽と車を走らせて去って行った!

 麗子さんもめちゃくちゃカッコいいな!!

 麗子さんの去った後の道には何もなく、そこには遠くから聞こえるエンジン音と海から聞こえる波の音、青空の上には大きな大きな入道雲が残っている。

 まるで良い映画を見た後の余韻の様なものが残っていた。。


 麗子さんカッコよすぎ。。

 あの人はやっぱり魔女やな。

 ヴェルと小春ちゃんが急に入学してきて、さらにはのぞむんが先生でさらには担任ってどうなってるんや。。

 うん、間違いないわ、あの人は間違いなく魔女や。


 そう確信して、ちょっとの間麗子さんの余韻に浸った後、クラスに中に意識を戻すと。

「ヴェルちゃんて本当に宇宙人なの?」

 クラスの女子に色々聞かれてる。

 ヴェル周りには女子達が群がってる。

「ヴェルちゃん地球本当に壊れちゃうの?」

「ダーリンがいたら大丈夫だっちゃ」

「テレビで言ってた海晴くんに助けられたって本当なの?」

「そうだっちゃ!」

「もう夫婦なの?」

「もちろんだっちゃ!」

「「「「きゃーーーー!」」」」

 クラスの女子たちがヴェルの周りで騒いでる。

 待て待て待て待て。

 俺はこれは止めなあかん!絶対ヴェルがいらんこと言う!と、慌てて俺はヴェルに近づいて行く。


「翔陽あの子誰だ?すっごい可愛いな!」

「小春ちゃんだろ?」

 翔陽もクラスメイトの男子達に囲まれて少し面倒くさそうだ。

 返事も「あーーーー。」とか「さーーーーー。」とかかなり白々しく返してる。

「小春ちゃん可愛いよな!俺めちゃくちゃタイプだよ。」

「そうなのか?いいんじゃないか?」

「翔陽!絹川さんどこに住んでるのか知ってるのか?」

「俺の家の近くだよ。ご近所になったからちょっと前に挨拶に来てくれて、それから何回か偶然会ったよ。」


 小春ちゃんの周りにも女子がいっぱい。

「小春ちゃんどこから引っ越してきたの?」

「え、えっと、、」

「ねー絹川さん彼氏いるのーー??」

「え、か、彼氏ですか??」

「小春ちゃんって、翔陽君と知り合い?」

「うん、そう、引っ越してきたのが最近で、挨拶に行った時に知ったんだけど。。翔陽君と家が近いんだ。。」

 小春ちゃんはだいぶ困ってる様だ。

 

「おい海晴夫婦ってどう言うことだよ?」

「海晴、世界が滅ぶのか?一体どうなってるんだよ?」

「お前ちゃんと世界守れんのかよ?」

 俺の周りにも仲のいい友達たちが集まって来るが。

 今はそれどころじゃない。

 とりあえずクラスメイトを無視して押し除けながらヴェルのとこへ行く。

 キスしたとか俺の家に住んでるとか言われたら洒落にならへん。

「ごめんちょっとごめん!ちょっとごめんな!」

 俺は人をかき分けてヴェルの囲まれている所にズイズイ進んで行く!

 ヴェルはまだまだ女子達に質問攻めされてる。

「ヴェルちゃん海晴君とキスしたの?」

「したっちゃ!」

「「「「きゃーーーーー!」」」」

 あかんあかんあかん!!!

 あかん話になってる!!!

 グイッとヴェルの横に入る!

「おい!ヴェル!」

「あ!ダーリン!」

 ピョンと俺に飛びついてきた。

 ヴェルは飛び上がると、体を横に向けて仰向けの状態で飛んで、、いや、飛んでっていうかどっちか言うと俺の前でジャンプしている。

 目の前で落下していくヴェル。

 落ちてまう。。

 ハシッ。。

 そら受け止めるやんか。だって受け止めないと落ちるやん、ジャンプやし、ほっといて落ちたら尻餅ついてしまうし。

 そこで受け止めずスルーは男としてないやろ。

 だから俺は受け取めた、しっかりと!

 ってか、この姿勢は!

 お姫様抱っこやん。


 やってしまった。


「「「「きゃーーーーーーーーーーーー!」」」」

 女子達が絶叫している。


 え?ほんで何?俺もしかして最悪のタイミングで俺来てしまった?

 しかも、ヴェルなら受け止めなくても落ちる前に浮けるのか。。

 しまった。。。

 完全にやってしまった。

 もう女子の叫び声で教室中の全員の目線がこっち向いてる。

「ねーーねーーどこまでしたの?」

 どこまでって。。。

「何もしてないわ!俺がしたのはキスじゃなくて!ヴェルが海で溺れてて、意識がなかったから死なへんように人工呼吸をしてん!だからあれはキスじゃない!」

「ダーリンはウチを救ってくれたんだっちゃ!もちろんキスでだっちゃ。」

「なんでやねん!」

「本当のことだっちゃ!」

 んぐぐ。。

「ち、違う!あれは、人口こ、、」

「おーいそろそろ体育館行こうぜ!もう遅れそうだぞ!」

 翔陽が大きな声でみんなに声をかけてくれる。

「「「「えーーーー!」」」」

 大勢の女子たちの悲鳴と同時に俺はヴェルをパッと離す。

 ストッと降りるヴェル。

「ほんまや遅れそうやん!早く体育館行こうぜ!」

 俺も翔陽合わせて促す。

「ほらヴェル行くで!」

 そう俺は言って俺から意識がそれた瞬間にヴェルの手を握って引いた。

 そして俺達はクラスメイトの間を一気に駆け抜けた。

 疾風の様に俺達はクラスメイトの間を駆け教室から脱出した!

 廊下へ出たら廊下にも体育館へ向かう生徒が溢れていた。

 そんな人混みを切り裂き俺は廊下を駆ける。

「わおーー」

 ヴェルは宙に浮きながら俺に引っ張られている、なんか楽しそうだ、まるで遊園地のアトラクションにでも乗っている様なんだろう。

 そして、きっと翔陽達も後ろに着いて来ているだろう。

 人混みを颯爽と駆け抜ける、体育館に近づくにつれ人がだんだんと減っている。

 ザザッ!っと俺は体育館に滑り込んだ!

 早く着きすぎたのか体育館にはまだ誰もいなかった。

 全校集会の準備された静かな体育館に二人。

「ダーリン速かったっちゃね!!」

 体育館に響く声、抱きつくヴェル。

 楽しかったんやろう、可愛い笑顔でいる。

 いや可愛いし嬉しいねんけど。。

 やっぱみんなの前でくっつくのはやめて欲しいわ。。

 恥ずかしすぎる。

「なぁヴェル。クラスメイトの前で抱きつくのはあかんって!」

「何でだっちゃ?」 

「何でって、それは、んーー、」

 何でかと言われたら。

「ああやってみんなに囲まれるから面倒臭いやろ!?」

「んーーうちはそうでもないっちゃ。。?」

「しかも恥ずかし過ぎやし!キスしたとかも言ったらあかん!」

「えーーーーー。そうなんだっちゃ?」

「絶対俺の家で一緒に住んでるとか言うなよ!」

「それは別にいいっちゃ!」

「これこそ一番あかん!言ったらもうお前の部屋はもうUFOだからな!」

「う、UFO、、それは嫌だっちゃ。。」

 ダダダッ!

「海晴速すぎ!」

 ヴェルが俺の発言にたじろいている所に翔陽が体育館に駆け込んで来た!

 それに続いて小春ちゃんも入ってくる。

 ハァハァハァハァ。

「皆さん速すぎです。」

 小春ちゃんに続いてゾロゾロと生徒達が入って来る。

「お!俺たちもクラスの所行こうぜ!」

 

 そして新学期の始業式が始まる。

 いつも通り始業式が始まっていつも通り始業式が終わった。

 全校生徒で校歌を歌って。

 相変わらず退屈な校長先生の長ーーい退屈な話を聞いて。

 いつもの全校集。

 ただ一つ、いつもの始業式と少し違ったのは諸葛しょかつ のぞむ先生、通称のぞむんが話す機会があって、その内容っていうのが。

『最近テレビ毎日の様に騒ぎ立ててる、地球が崩壊すると言うのはあくまでデマでそんな真実はない誤情報とのこと。

 誤情報につきそこに関わった人達に騒いで迷惑をかけてはいけないという事、もし自分がそんな事で毎日騒ぎ立てられたらどう言う思いになるのか?』と、真剣な面持ちで全校生徒に説いてくれた。

 のぞむんは俺達が生徒の皆んなに騒ぎ立てられて、嫌な思いにをしない様に守ってくれてるんだなって、俺達にはのぞむんの気持ちがしんしんと伝わってきた。

 のぞむんありがとう!!


 そして、始業式が終わって俺達はまた生徒達に囲まれないように終わるや否やそそくさと教室へと向かった!

 先生からあんな話があっても、そこにずっといたら絶対囲まれて大変なことになる!

 俺や翔陽、小雪ちゃんは駆けてヴェルは飛んでついて来ている。

 廊下は走ってはいけませんなんてルール。。

 そんなもん知らへんわ!


 ダダダダダ!

 

 教室へと向かう五人。

 あれ五人??

  

「小春大丈夫かい?あたしが抱えて運んでやろうか?」

 皆の走りに必須に着いて来て息の上がる小春の横に、赤髪の癖のあるショートヘアの女がヒョイヒョイっと身軽に一緒に走っていた。

 小春を観察する様に見つめるその女の子の目は、猫目で大きく少し目尻が上がり、まつ毛が長い。

 声をかけられ小春が赤毛の女の子の方を見たら、ニヤッっと目を細めて笑う、笑ったその口から八重歯がキラッと光っている!

「おう!綾!おはよう!」

 翔陽がその赤毛の女の子に話しかける!

「おう!翔陽!おまえ人気者じゃねーか!朝から大変だな!!にゃはははは!」

「綾ねぇおはよう!」

 俺も声をかける!

「海晴おまえも大変だなーー!あたしもあんた達と話したかったのに全く近づけなかったよ!まぁあんた達はもう世界を救ってくれる勇者様になったんだもんなーー!」

「いや、全然そんなんとちゃうで!俺はただ普通の人!」

「にゃははは!あんな変な力使って巨大な烏賊倒して、アナウンサーのおねーさんとか、そこのヴェルちゃんとか助け出してたらそれはヒーローだよ!世界を救う運命の人って言われても、そりゃ普通の一般の人達は信じるよ!ただでさえなんか地球が奇怪しくなって来てるしね、にゃはははは」

「やんなー!」

「だよなー。。でもいきなり俺達に世界を救う運命を持ってるなんてって言われてもな。。」

「あははは!そんな考え過ぎんなよ翔陽!目の前の事をとにかく全力でやったらきっと何とかなるって!」

「にゃっははははは!やっぱ海晴あんた面白いよ!とにかく全力でやる!なんでもそれしかないよね!」

 

 ダッ!っと勢い良く五人で教室に雪崩れ込む!

 当然誰もいない。

「ヴェルちゃんと小春ちゃんだっけ?初めまして!あたしは猫上(ねがみ) (あや)って言うんだ!よろしくね」

 綾ねぇはヴェルに向かって手を差し出す。

 すらっと長いしなやかそうな手足。

 背も高い、綾ねぇの身長は俺と同じくらいある、カッコいい女の子!

 そのすらっと長く綺麗な手がヴェルに向かって差し出されてる。

「綾だっちゃね!うちヴェルだっちゃ、ヴェルって呼んでくれたらいいっちゃ!よろしくだっちゃ」

 ヴェルが差し出された手を握る。

「わかった!ヴェルよろしくね!」

 ニコッと笑う綾ねぇ。

「そしてあんたが小春だね!にゃはははは!順番がちょっとおかしくなっちまったけど、よろしくね!」

 綾ねぇが小春の方へと振り向き、そして体を動かしながら小春を舐め回す様に眺めてから、「ふーーん。」呟く。

 

「小春あんた可愛いね!あたしのタイプだよ!」

 小春ちゃんと握手をしようと手を差し出す綾ねぇ。

 もちろん小春ちゃんも手を出して握手をする。

 握手をした途端小春ちゃんはグイッと綾ねぇに引っ張られてバランスを崩した、小春小春ちゃんはクルッと回され、背中側から抱きしめられた、「可愛いねぇ。。」はぁっと綾ねぇの生温かい息が小春ちゃんの耳にかかる。

「え?ちょ、ちょ、、」

 困惑する小春ちゃんの体温を全身で感じながら、綾ねぇは脇の下から手を伸ばして、、


 もみもみもみ。。


「あ。。ちょ。。っと。。。」

 小春ちゃんは急なことで抵抗できていない。

「小春胸も結構あるじゃねーか!」

 猫の様な顔で小春ちゃんの胸を揉む綾ねぇ。

 

「おい!」

 ゴンッ

 翔陽が綾ねぇの頭をゲンコツする。

「ってーーな」

 小春ちゃんを離す綾ねぇ。

「綾、お前何やってんだよ!」

「にゃははは、ちょっと本能に従っただけだよ!何が悪るいだよ?!!なー小春嫌じゃ無いだろ?!」

 ゲンコツが痛かったのか、ちょっと涙目で頭を摩る綾ねぇ。

「ヴェルちゃんも綾ねぇさんも、みんななんで私の胸を、、」

 ヴェルに続き胸を揉まれてびっくりする小春ちゃん。

「綾!ダメだっちゃ!初めて会った人のおっぱいを揉んだら!」

「おまえが言うな!」

 ッビシと俺の見事なツッコミがヴェルに決まる!

「なんで急に小春の胸を揉んだんだよ?」

「いやぁ、小春があんまりに可愛かったからさぁ」

 綾ねぇは小春ちゃんの方を向いて。

「小春びっくりしちまったかい?すまないね!あんまりにあんたが可愛すぎてね!」

「え、ええ、大丈夫です、ヴェルちゃんにもさてたから、でも、、その、、綾ねぇさん翔陽君となんか、仲良しなんですね、、」

 小春ちゃんが不安そうに翔陽を見てる。

「ああ!綾がごめんな小春!綾は俺と家が近くってさ、幼稚園からずっと一緒で幼馴染ってやつなんだよ。毎日毎日俺らは二人で遊んでたんだ!」

「そうだよ!あたしがこいつと遊んでやってたんだ!なのに最近は、、」

 綾ねぇがちらっとこっちを見る。

 う、この気配は!

「綾ねぇ楽しくみんなでないっぱい遊ぼうな!な!ははは!はは。。」

 綾ねぇは俺が来るまでは翔陽と二人で毎日遊んでいて最高に楽しかったらしい、でも俺が来てからと言うもの俺と翔陽がめっちゃ遊ぶから翔陽と遊ぶ機会が減ってしまって、少し寂しくしていたらしく、綾ねぇはたまに俺を恨めしそうに見てくる。

 こんな容姿も性格も良い綾ねぇなら誰とでも楽しく遊べそうなんやけど。

 まぁその綾ねぇと言うと、女の子とは言えないくらいの規格外の体格をしている、細いんだけど筋肉質、その筋肉も猫の様なしなやかな筋肉なのだろうと俺はいつも勝手に思っている、あんなに体は絞られているのに、胸とお尻はぷっくりと魅力的なスタイルの綾ねぇだ。

 綾ねぇは山も海も好きで、気が向いたら山も登るし海にも入る。

 山は富士山が物足りなかったと言い夏休みにマッターホルンを登ってしまうほど。

 海はフリーダイビングで深海を目指し90mは潜る、目標は100mだってさ。

 海を100m潜るなんて意味わからへん。

 身長は178cmで俺と同じ、女子なのにめちゃくちゃ高い。スポーティーだ。

 そこらへんにいる、ちょっとやそっとの男なんかと比べたら絶対綾ねぇの方が強いやろな。

 俺はいつも思うんやけど、綾ねぇは翔陽とマジでお似合いだ。

 だから、こういう最強の赤猫の綾ねぇが翔陽という縄張り争いを俺と今にもしそうな時、この恨めしい目で見て来た時は、サラッと笑って誤魔化すに限る!

 まぁ綾ねぇが爪を剥いたら、絶対翔陽が綾ねぇを止めてくれると思うけど!


 ガヤガヤガヤ。

 続々クラスメイトの皆んなが教室に帰って来た。

 ピョーーーーーーーーーーーン!

「麗しきお嬢すぁーーーーーーーーーーん!!!」

 クラスメイトの群衆の中から男の子が一人思いっきりジャンプし、生徒と達の頭の上を飛び越して、こっちに飛びかかって来た!

 キュピーーーーーン!!

 俺は完全にすぐ察知した!

 来たな猿!

 俺は絶対ヴェルを守らなければいけない、今この状態はヴェルに危険が迫っている。

 それを声と気配だけで察知した。

「テレビで見た時から俺は恋の奴隷さーー!」

 叫び俺の隣にいるヴェルに飛びよるその姿はまるで猿!

 キスをしようとしているのか、唇を突き出し頬を赤らめ幸せそうな笑みで飛びいついて行く。

 ヴェルを守らなければならないと使命に駆り立てられる俺は今、完璧な集中が出来ている、俺の見る世界がゆっくりとスローに流れる。

 その世界でヴェルに飛び込む猿の様な男、ツーブロックの短髪、飛び込んだ脚力で分かる絞られた鍛えられた体、身長は高くない、その代わりに身軽にクラスメイトを飛び込て行くその姿、まさに猿。

 気持ち悪く唇をむちゅむちゅ動かしヴェルに飛びついて行っている!


「何やってんねーーん!この猿!!」

 

 俺は目の前をスローに通り過ぎて行こうとしている猿野郎の服を掴み引き留めた!

 服を掴まれ猿野郎の飛びついて行く勢いは止まって猿野郎は、ヴェルの目の前で一瞬空中で静止をした。

 それでも猿野郎はそんな事ものともせずヴェルに向かって手を伸ばして。

 相変わらず唇を突き出し動かしている。

「っき、気持ちわるいっちゃーー!」

 パリパリパリ

 やばい!

 ヴェルの掌の上に雷の珠が出来てる!

 俺は慌てて手を離し一歩下がる。

 ヴェルはその気持ち悪い猿顔の男に直接雷に珠を叩き込んだ!!

 バリバリバリバリ!!

 空中で感電する猿男まるでアニメの様な感電の仕方で、見事に空中で骨が透けて見えるかの様に痙攣し電気に踊ってる。

 ヴェルが手を離したその瞬間猿野郎は電撃から解放されドサリと床に落ちた。

 マジか、大丈夫か?

 かなりやばそうな電撃やってんけど。。。

 

 俺は少し心配して猿野郎、いや、コイツの正確な名前は猿走さばしりつばさ

 そう、猿走 翼に恐る恐る歩み寄った。

 こいつは本間にめちゃくちゃうっさいし、本能に超正直、『俺はやりたい事をやりたいだけやる!』そんな我儘な事をいつも言ってる。

 まぁだからああやって飛びつきたくなるほど気になる子にはもちろん飛びつく。

 どうせヴェルの事を前のテレビで放送されたニュースでも見て一目惚れしたんだろう。

 単純な男、猿走 翼!

 で翼の凄い所はちょっと興味が向いただけで始めた空手。

 空手を始めた翼はその翌年の空手ジュニアユースでチャンプになった、さらには去年のインハイ高校一年生にして三位!

 空手会の期待の星、猿走 翼。。

 中学半ばに空手を初めてから空手会の期待の星って、訳わからんほどやばいし可笑しいやろ。ははははは。。

 

 いや、でも、そんなこいつも打撃とかじゃないヴェルの電撃には。流石に。。。


「おい!翼!大丈夫か??」

「ごめんちゃ、ついやり過ぎちゃったっちゃ」 

 ヴェルも少し心配して翼に手を差し出した。

 

 パシ!

 突然そのヴェルの手を掴み。

「この痺れる様な感覚、、これが恋!」

 猿の様な男、翼は瞬間的に立ち上がりヴェルの目の前で真面目な顔で見つめている。

「僕と結婚してください!」

 

「何んでやねーーーーーーーーん!!」

 俺は体をわざと横へグルンと一回転させ!その遠心力を使ってーーー!

 ッドン!!

 思いっきりこのアホな猿野郎に全力のツッコミを入れた!!!

 俺のツッコミに「グハッ」叫び後ろへと飛ばされる翼。

 クラウメイトがワーキャーと翼を避ける!

 ッバン!

 猿走 翼は見事に教室の壁に叩きつけられた。


 ドサ。。

 床に崩れ落ちる翼。

 教室にお尻だけを上げて気持ち悪く倒れている翼、プルプルと震えながらゆっくりと顔を上げ。

「かいせい、やるな、、もう、、、背後回し蹴りじゃなく後ろ回しツッコミを習得するとは。」

 親指を立てる翼。

 ガク、、

 俺に向かって親指を立てたままガクンと力が抜け崩れ落ちた。

 一瞬心配仕掛けたんやけど。いや、俺には分かる、もう騙されへん、絶対これは翼のやられた演技や!

 絶対おちょくって遊んでるやろ。。


「いっつもバカだな翼君は。。そんなアプローチで相手の女の子を落とせるわけ無いじゃないか。」

「そ〜よぉ。相手の立場になって考えてみたら良いのにぃ。。」

「ウッディになーちゃん、、うるさいんだよ、、」

 翼が這いつくばっている姿勢から、ゆっくり体を起こしクラウチングスタートの様な姿勢に。。

 ッダン!!

 シュタ!

 え?


 翼は倒れていたのに、教室の床を蹴ったその一歩で飛び、一瞬でヴェルの前に立っていた。

 目で追えないほどのスピード!

 そしてもうヴェルの手を握っている。

「美しいお嬢さん僕と結婚してくれ。そして今すぐ結婚の返事を聞かせて欲しい。僕は君を幸せにするだろう」

「おま。。」

「何を言ってるっちゃ!うちにはダーリンがいるっちゃ!!結婚はもうダーリンとしてるっちゃ!」


 。。。。


 ッガク!

 膝から崩れ落ちる翼、、

 いつもいつもリアクションがでかいねん。

「ヴェルたん。。なんで。。。」

「にゃはははっはは!また翼ふられたね!ヴェル 気にしなくていいよ!こいついっつもなんだからさ!」

「そうだよ。ほんと翼はいっつも思慮が足りないんだよ」

 丸いメガネをかけたくるくるパーマの小さな男が片手をあげてよってくる。

 その横には同じく眼鏡をかけた女の子がモジモジしている。

「僕の名前は狐美きつねび木助きすけだよ、よろしくね」

 いかにも賢そうな風貌の男の子。

 小さな細い体格から運動は明らかに苦手だろう。

「よろしくだっちゃ!うちヴェルだっちゃ!」

「私は小春です、よろしくお願いします。」

 小春ちゃんが丁寧にお辞儀をする、お辞儀をする小春ちゃんの表情を見ていると少し強張り、緊張している。

 小春ちゃんちょっと人見知り?

 それともいっぱいの人に囲まれて緊張?

「あ!紹介するよ!」

 空気を読んで翔陽が一歩前に出た。

「木助のニックネームはウッディーやで!」

「ウッディーはめちゃくちゃ賢いんだよ!俺たちの勉強の先生だからな!成績はいつも一番か二番!」

「すごいちゃ!うちもベンキョー教えて欲しいっちゃ!」

「任してくださいよ!ヴェルさん!」

「そ!そして里好りすほなみちゃん!ほなみのなを取って、なーちゃんってみんなに呼ばれてる!」

「よ、よろしくお願いしますぅ。。」

「ちょっと人見知りだけどみんなの事をいつも思ってくれてる優しいなーちゃん!」

「そ、っそんな事ないです、、、」

 頬を赤らめて俯きなーちゃんは手でモジモジしている。

「なーちゃんもすげー賢くてさ!成績は一番か二番!」

「あれ?ウッディーと一緒だっちゃ?」

「にゃははははは!そうだよ!いつもこの二人でトップを争ってるんだよ!」

「なんでお前が自慢げなんだよ!」

 翔陽がつっこむ!

「良いじゃないか!うちらの中の自慢の二人だろ!なんたって全国模試一位と二位があたし達の仲間にいるんだからさ!」

「二人ともすごいっちゃ!なーちゃんよろしくだっちゃ!うちにもベンキョー教えてねだっちゃ!」

 ははは、ヴェルと小春ちゃん全国模試とか絶対意味分かってへんな、そんなすごいなんてもんじゃ無いのに!

「あ、は、はい」

 ヴェルに見つめられうなずきながら答えるなーちゃん、チラリと上目遣いでヴェルじゃなくて俺を見てくる、どうしたんやろ?俺なんも言ってへんけど。

「皆さんよろしくお願いします!」

 改めて微笑んで軽く頭を下げる小春ちゃん、頭を上げた後の小春ちゃんの笑顔はとてつもなく可愛い笑顔やった!

「小春ぅ。。あんた良いねー!可愛いよ!」

 綾ねぇもキリッとした笑顔で返す。

「今度デートしようよ!」

「え?私と綾ねぇさんでですか??」

 っぽこ!

「だからやめろ!」

 翔陽のさらにツッコミが入る!

「あ!ヴェルさん小春!学校では俺たち六人でいつもいたんだよ!すげー良い仲間だからさ!よろしくな!」

「ちろんだっちゃ!みんな仲良くよろしくだっちゃ!」

「じゃあヴェルたん俺とも!仲良くよろしく??」

「翼はうるさいっちゃ!!」

「ガビーーーーン!」

 へんな顔と格好で反り返る翼。。

「ふふふ。。」

 クスリとみんなで笑ってしまった。


 変すぎ!


「はは。」

「はははは。。!」

「にゃはははは」


 みんなに笑いが伝染していく!

「あはははは!」

 ヴェルも笑ってる!

 無駄に面白いな!

 翼やるな。。!


「にゃははは!翼その馬鹿な格好やめなよ!にゃははは」

 綾ねぇは翔陽に肩を組んで笑ってる。

 やっぱ綾ねぇと翔陽は距離が近いよな!

 それ小春ちゃん心配せんかな?

 俺は小春ちゃんの方を見る。

 いやまぁ小春ちゃんと翔陽も付き合ってるとかそういう訳じゃ無いやろうしな。。

 うーーーーん。。


 。。。。



 俺は高校一年生の時、あまりに綾ねぇと翔陽の距離が近いから俺、もしかして綾ねぇは翔陽の事が気になってるのかなと思って、好きなん?って聞いてみたんやけど。。。

 綾ねぇからしたら翔陽は『論外!』らしい!

 でもまぁ最近の態度を見てると、もしかすると冗談じゃなく綾ねぇは女好きの女だとも思ってしまうし。

 あくまで俺の目線ではやけど。

 で、その綾ねぇは、私は本能のまま生きるってよく言ってるし。

 ははは!

 よくわからへんわ。




 サテ、ソロソロ、イコカ。


 ん?


 今なんか声が。。



 俺はキョロキョロと辺りを見回してみる。。


 うん。


 いつも通りと言うか、教室の中に変な違和感は無いというか、、

 なんか耳で声を聞いたって言うよりは。。



「はははは!」

「にゃはははは!」

「ふふふ」


 みんな翼のふざけた笑いで笑っている。


 変な声が聞こえた気がしてんやけど、

 幻聴か?


 みんな笑ってる。

 ヴェルと小春ちゃんが急に学校に来て、俺はこの独特なクラスメイト達に馴染めるか俺はちょっと心配やってんけど。。

 全然大丈夫そうやん。

 ここまでの感じ見てたら大丈夫そうで安心した、、、、


 クククク、、


 え??


 また聞こえた。


 ズキン!!


 途端に俺は目に痛みを伴う違和感を感じた。


 痛、、、

 うう。。


 なんや、


 目が痛い。。

 とても目を開けてられない。


 ぼんやりと瞼の裏に何か景色が浮かんでくる。


 青い空に大きな海が見える、どこか高い所の上にいる。。?

 ここは、、

 学校の屋上。。?

 グラウンドや校庭が見える。。

 

 ぐ、、、

 目が痛い、、、


 なんでこんな物が見えるんや、俺は今普通に教室にいるのに外の景色が見える。。

 キョロキョロとその視野はあたりを見渡す。

 俺は当たりを見渡してないのに視界が動く。

 なん、、か、人の視野を見て要るかの様な景色。

 

 どうなってる。。?

 気持ち悪い。

 訳分からへん。。


 ックックック!

 笑い声と共に視野が揺れる、変な感じだ。。


 コノフヌケタ、ヘイワニオボレタ、キモイ、カスドモヲ。。


 ックックックックック!


 誰の物か分からない視野の中に、突然前へと突き出した二本の腕が映り込んできた。

 視界に中に飛び込んできたその腕は明らかに学校の生徒の物では無い、それは一目でわかった。

 何故ならその腕にタトゥーがびっしりと刻み込まれてた。。

 もう肌色とは到底呼べない様な腕。

 こんな腕の生徒や先生がいる訳ない。


 サァ!ヤッテコイ!


 やってこい?

 もう一人いるって事か?


 あれ?突き出された腕が何かおかしい。。。


 なんか、グニャグニャと皮膚が動いてる??

 いや。。

 なんか違う。。

 タトゥーだらけの皮膚の上を黒い物が動めいてる。。

 いやいや、皮膚の上じゃない?

 よく見てみると、彫られたタトゥーが動いてる。。

 皮膚の上を這いずる漆黒の蛇。

 他の彫られたタトゥーを押しのけるようにズルリズルリと手の方へと進み、ついには掌までタトゥーも蛇は到達し。

 そのままからなんとタトゥーであるはずの漆黒の蛇の頭がニョロリと頭を出した。。

 頭を出した蛇はこちらを一瞥し目が赤く光らした。。

 そしてシシシシと笑う。


 こいつは!!

 あの地震を起こす黒い海月の時の蛇!

 ドサッ。

 ずるずるっとタトゥーの蛇が腕から這い出て行った。


 クックックック。。


 笑う男。。

 これはヤバいやつや!


 そして、もう一方の腕を男は大空に浮かぶ入道雲に向けて掲げる。

 その手からも手には収まらない様なサイズのタトゥーがドゥルドゥルドゥルドゥル!っともの凄い大きな物が泳ぎ出して行った!

 手に収まるサイズじゃない!

 男の手から出た途端に急激に大きなサイズとなり大空へと泳ぎ出して行った!


 これは絶対あかん!

 ヤバいやつや!!


 サァ!ヤロカ!!


 ズキン!

 目にまた痛みが走った!

「っぐ。。」

 目を抑える俺。


 だんだん痛みが引いてきた。。


 そーっと目を開けてみる。

 痛みが引き瞼を開けるとそこはさっきまでの教室。

 俺の視野があるべき場所に帰ってきた。

 教室で膝をついてる俺は自分の両手を眺めている。

「ダーリン大丈夫だっちゃ??急にどうしたっちゃ?」

 クラス中のみんなが俺の周りに集まっている。

 ザワザワ。。

 俺は本来この教室の中に有るはずの視野を失っていた?

 そして全くクラスのみんなの声も聞こえなくなっていた、こんなにみんながガヤガヤと口々に話しているのに。。

 聴覚を失ってた?いや、床に触れている手や足の感覚もなかった。

 全ての感覚を失っていたんか?

「海晴!大丈夫かよ!?」

 翔陽も心配そうや。。

「ああ。大丈夫、なんか変なもんを見たわ。。」

 考えても仕方ない。

 スクッと立ち上がる俺。


 その途端!!!


「なんだっちゃあれ!?おかしな物が浮いてるっちゃ!!!」

 突然ヴェルが叫んだ!


 俺たちは慌てて窓の外を見る。。


 そこには、黒い霧に囲まれた不思議な物が中に浮いていた。。

 

 大きい。。


 ちょっと待て。

 あれはあかん危ない。。

 なんとかせんと。。。

 っと俺の感覚が危険だと全力で叫んでいた。。


 

 そうして俺達は未曾有の大惨事との戦いが始まるのだった。



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