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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
29/110

修行編 力を磨くって素晴らしい




 春の優しい空気が赤くなった二人の頬を撫でる。


 幸せな空気が俺たちを包んでる。




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー



「おはよーーーーー!!」

「おはよーーーーだっちゃ!!」


「おう!おはよう!」

「おはよーー!」


 俺達は別になんてことはもなく海のいつも波乗りをする無料駐車場へと集合した。

 別に場所を決めてた訳じゃないのになんとなくあそこにいるやろで集まれる俺達。


 以心伝心!

 仲間って最高!

 あの恐竜のことで俺達の仲間意識はめちゃくちゃ強くなってる!

 みんなが大好きや!

 

 日も上り駐車場の時計は朝の九時を回っている。

 小波の入る海には多くのサーファーが波待ちをしている。

 あんな黒い烏賊の事件があったのによくあんなに人集まるよな。

 まぁ俺もめちゃくちゃ海入るけど、ははは!


 まぁでも、今日の俺達は波乗りじゃなくって。

 修行!!

 修行をせなあかん!!

 今の俺達じゃあの恐竜には絶対勝てへん!

 やし、強くならないと。

 俺の運命はこの世界を守ることらしい。

 そんな事勝手に言われても。。

 って思ってってんけど。

 小春ちゃんの村の人たちを救って人身御供になった話とか聞いて俺は少し熱くなった!

 ヴェルや翔陽、小春ちゃんも救いたいし!

 俺の家族とか学校の友達とかもガチで守りたいって思う。

 でも。

 絶対的に実力が足りひん。

 世界を救うってこんな俺みたいな一人の人間の、ちっぽけな力じゃ到底無理や。

 じゃあ強くなるしかない!!

 強くなるには!

 トレーニング!

 訓練!!

 要するに修行をするしかない!!

 俺は気を失った夢の中で誰かが出てきて俺に力を貸してくれるって言われた。

 やっぱりその非現実的な出来事を考えても、運命的なものは俺に絡んでるんだって、冷静に考えて思った。

 運命は俺に巡ってる!

 とにかく今は強くなるために修行や!!

 やってやる!!


 。。。



 って。。



 何をどうすれば?


 強くなれるん??


 修行って??


「俺ら強くなるってどうすればいいんやろな。」

 俺は堤防の上に座って朝飯に買ってきたパンを齧りながら呟いた。

 ヴェルも俺の隣で美味そうにパンを食べてる。

「よっと!」

 翔陽も片手をついてピョンと防波堤に飛び乗り座る。

「そうだな、まず俺は今の火の珠をもっと強くしたいな、で、この火の珠で何ができるのか色々試してみたい。」

 そういうと翔陽は隣に座った小春ちゃんに紙袋を渡す。

 翔陽も俺と同じパン屋さんで朝ごはんのパンを買ってきてる。

「うちもそう思うっちゃ!雷の珠をもっと強くしてあの恐竜を倒せる様にしないといけないっちゃ!」

「ですね!私も氷の珠ででいることがもっとあると思うんです。」


 やんな、、俺はまず光の珠を出す所からやねんけどな。。


 俺が一番何をしたら良いかわからへんよな。。。


「はーーーー。。。」


 俺は一つため息を落として海を眺めた。


 穏やかな海。

 この世界が崩壊してしまうなんて到底思えないほどに静かな海。


「海晴、珠が出せないくらい心配するなって!俺たちが出せるんだからお前もすぐ出せるよ!」

 ガシッ!っと翔陽が俺に肩を組んでくる。

 ほんまに俺の考えてること読めるねんから魔女の息子ってのも凄いな。


「うひ、だーひんのたまをたすのてふゅだふゅっちゃ!」

「もぐもぐしながらで何言ってるかわからへんわ!」

 そんな地球のパンが美味しいのか必死に食べるヴェルも俺を配してくれてた。

 めっちゃ可愛いのにほっぺたを膨らましてパンを頬張るヴェルがブサイクで可愛くて俺は少し元気が出た!

「っよし!絶対今日中に光の珠を自由に出せる様になったる!」

「海晴君なら絶対できますよ!」

 小春ちゃんも元気の少ない俺を心配してくれてたみたいや!

「うぉぉぉぉぉ!早く練習したくなってきたぁ!!」

 俺は防波堤の上に立ち上がりながら齧りかけのパンをさらに齧った!!

 そして水平線を眺める!

 こんな綺麗な世界と大切な仲間の為に俺は強くなる!!

 やるぞ!!


「おお!やろうぜ海晴!この海を見てたらなんかできる気がするよな!」

「だっちゃ!うちらは世界を救う運命なんだっちゃ!」

「私も守りたいです!この綺麗な世界!翔陽君に、ヴェルちゃん海晴君!皆を!!」

「やろう俺達で!!」



ーーーーーーーー少し離れた所ーーーーーーーー



「キショ!あいつらキショイなぁ。。」


 海晴達を遠くから見る一人の人影。


 シシシシシシシシ!


 男の方には大きな大きな蛇が乗っている。

 方には乗り切れず胴にも垂れ下がっている。


 男は無料駐車場の上のコンクリート作りのトイレの上から海晴達を眺める。


「なんやあいつらキラキラしとるわ、僕の作った黒海月も黒烏賊も消されてしまったし、あのアホ幽霊もなんな笑って、腹立つわぁ」


 ギュと手を傷つけてしまう程に握る男。

 

「まぁいいわ。次は今の最高傑作でやったろ、、、ックックックック、想像するだけで笑えてくるなぁいいいっぱい種もまかんとなぁ!」


「ックックックック、楽しみになってきたわ」


 シシシシシシシシシ!


 笑いながら男と黒い蛇は姿を消した。




ーーーーーーーー戻って無料の駐車場ーーーーーーーー 



 みんなと気持ちを確かめ合い。

 そのまま静かな海を見てるとここまでの戦いの記憶とそれに対しての思考が頭の中を巡ってくる。


「みんなさ。あのーーー。俺が珠を出した時の話なんやけどさ、俺、巨大な黒烏賊と闘ってる最中に一回真っ暗な空間の中にいてさ、その時俺、誰かの声が聞こえてきたんやんか、で、その声に力を授けるみたいなこと言われて、その後球が出せたんだけど。

あの巨大な黒烏賊の時みんなはどんな感じだった?真っ暗な世界とか行った?」

「あ!うちもダーリンと 同じだっちゃ!あのおっきい黒烏賊と戦って捕まってる時になったっちゃ。」

「同じだな。俺もあの巨大な黒烏賊に捕まって気を失った時、真っ暗な世界に居て。そこで声が聞こえてきた。」

「私もその黒い烏賊さんとは関係ないんですけど、聞こえました。私あの時山の山頂に居た時から、急に過去の何か悪い物を見せられていました。何でか解らないんですけど。。ずっと過去を見てました。過去を見てる最中に翔陽くんの声がして。すると、急に見えたんです、ヴェルちゃんが危ないくって、それを翔陽君が身を敷いて助けてて、翔陽君が噛みつかれる寸前の危ない姿が見えて。。。。その時私心の底から思ったんです。助けたいって!そしたら急に黒い世界にいてそこで声が聞こえて来ました。そしてその声に氷の玉を貰ったんです。」

「あぁ、あの恐竜の時か!俺さあの瞬間マジ死んだと思ってたよ時間もおかしなくらいゆっくり流れてたし。。。。本当に。小春ありがとうな!こうやって生きてここに居れるのは小春のおかげでもあるんだな。俺今、改めて思ったよ。ありがとう」

 ニコッと小春ちゃんが笑う。

「当たり前のことしただけだから。ヴェルちゃんも海晴君もどんな時も私、守るから。」

 少し小春ちゃんは恥ずかしそうにしている。

「小春ありがとうだっちゃ!うちもどんな時でも小春を守るっちゃよ!」

 ヴェルが横から小春ちゃんに抱きつく!

 小春ちゃんも嬉しそうに抱き返している。

 青い空の下めちゃくちゃ可愛いヴェルと小春ちゃんが抱き合ってて俺は何故かその光景が美しいと思ってしまった。

 

 俺はすっと美しさに目を背けてちょっとした疑問を口に出す。

「この珠を小春ちゃんも出せるようになったて事は。俺たちと同じでこの世界の崩壊を止める人って事なんかな?」

「そうだろ?」

「絶対そうだっちゃ!」

 三人で目を合わせる。

「そういえば皆さんこれ何かわかりますか?」

 小春ちゃんはシーグラスが二つくっついた様な物をポケットから出して来た。

「これ俺たちと同じやんか。」

「これだっちゃ!」

 ヴェルが半分無理やり俺の腕の袖を少しまくって、シーグラスの様な物を編み込まれたブレスレットを見せる。

 翔陽も小春ちゃんに袖をまくってそれぞれ見せている。

「皆さんも持ってるんですね。これ、私が氷から出て来て翔陽君のベットで目覚めた時に握ってったんですよ。滝壺に飛び込んだ時はこんなの持ってなかったのに、それで気になって持ってたんですけど。」

 小春ちゃんのシーグラスは片方が薄い水色になってって、その薄い水色の中に氷の結晶の様な模様がある。

 繊細に細かく描かれていて美しい。

「小春のシーグラスもうちらと同じ様にブレスレッドにしてあげるっちゃ!」

「いいんですか?」

「勿論だっちゃ!うちら仲間だっちゃ!みんな一緒がいいちゃ!」

「じゃあヴェルちゃんお願いします。」

 ヴェルが小春ちゃんから二つくっついたシーグラスみたいな石を預かる。

「任せるっちゃ!」

「ってかさ!小春ちゃん今氷の珠出せる?」

「はい!」

ピキピキピキ。。

掌の上に小さな氷の珠が出来た。

「えーーーー!出せるんか!どうやってるん?」

「えっとですね。出ろって思ってます。」

「んーーー。ほんまにそんなん出るん?」

「はい!ちゃんと出て欲しいって思ったら出ますよ。」

「マジかー俺昨日も出せへんかったんなーーー。」

「そんなに難しくないから絶体出ますよ!」

「そうかな。。?もう一回やってみるわ!」

そんな簡単に珠が作れるわけないやんって疑心暗鬼のまま俺も小春ちゃんみたいに掌を上に向けて。



「出ろ!」


 。。。



 。。。。



「出ろって!!」



 。。。



 。。。。



 。。。。。




「うん!でーへんわ!」

「変ですねーー。」

「ダーリン!うちなんてもう出ろって思わなくっても出るっちゃよ?」

「まじで??。。うーーーーーん。。」


 俺はもう一回掌を掲げて。


「出ろ!」




 。。。




 。。。。




「はっはっは!今日も出ないな海晴!」

 翔陽が肩を組んでくる。

「なんでなんだろうな!黒烏賊の時は海晴の光の珠が出てるの俺も見たんだけどな!」

「くそーーー!」

 悔しい!

「よし!じゃあ練習しに行こうや!絶対出せるようになってやるねん!」

「ダーリンなら出来るっちゃ!」

「そうです!出来ます!」

「ありがとう!出せる様に修行や!」

「だっちゃ!」

「どこでやるつもりだ海晴?」

「うーーーん、そうだな、、 やっぱり光波神社かな?」

「今日は参拝の人いないっちゃ?」

「参拝の人はいるかもな。」

「山の河原はどうだっちゃ?」

「そこは恐竜がいるんじゃないか?」

「そっか。」

「じゃあ俺の家の中庭は?あそこなら参拝の人達にも見えないだろうし。」

「そうですね」

「それでいいっちゃ!」

「いいやん!中庭二日連続やな!早く行こうや!」

「いくっちゃ!」

「はい!」


 俺達四人は改めて光波神社へと自転車を走らせていく。


 その向かってる最中に翔陽が話し出した。

「実は俺さ寝るたびにあの恐竜との戦い夢で見てるんだ。」

「マジで悪夢って事?ほんでその恐竜には勝ってるんその夢?」

「いやいつも噛み付かれる寸前で目を覚ましてる。戦うパターンは毎回違うんだけど。最後は結局同じ。」

「そうなんかー。俺はまだその夢は見てないな」

「そっか。それでさ。俺、恐竜との夢を見て起きるたびに、どうやったらあの恐竜に勝てるか考えるんだよ。けどさ絶対勝てないんだよ。どんな攻撃をしてもあの恐竜にちゃんとダメージが無いから勝ちようがない。だからさ。俺が思うに俺達は攻撃力不足だと思うんだよ。俺もヴェルさんも小春も良い攻撃はできてたと思うんだ。だから火力があればもっと優位に戦いを運べたと思う。」

「だっちゃねーー!でも翔陽の怒ってる時の攻撃は少しは効いてた思うっちゃ!」

「私の攻撃ももっと強かったら。。氷の針がちゃんとしっかり刺さってもっと大きかったら。」

「翔陽。あの怒ってた時の攻撃って覚えてるのか?」

「実ははっきり覚えてないんだよな。ただただ必死で。」

「そうかーーー」

「でもあの時の翔陽の火の珠はいつもより大っきくなってたっちゃ!」

「マジで?」

「うんマジだっちゃ!掌に出た時はいつも通りだったんだけど。はーーーーーー!!って翔陽が大きくしてたっちゃ!」

ヴェルが走ってる自転車の前で飛びながら翔陽のモノマネしながら伝えてる。

「そうか。でも俺どうやって大きくしたか覚えてないんだよなーーー。」

「ああ、覚えてるような雰囲気じゃなかったわ!キレたみたいな感じやった!」

「だっちゃね!」

「あ!小春ちゃん覚えてると言えばなんやけどさ!氷の神殿でさ、小春ちゃんまた俺たちが見えへん様なちょっと変な感じになってたやん?あれ何やったん?小春ちゃんそこは覚えてるん?」

「あ!あの氷の神社の前の時ですね!覚えてますよ!ごめんなさいもっと早く話したらよかった。」

「え?小春何があったんだ?」

「うん、実はあの氷の神社は私のお父さんとお母さんが私の為に作ってくれてたんですよ。」

「え?マジで?」

「ほんまに??」

「はい。あの時、私には氷で神社を氷で作ってる最中のお父さんとお母さんが見えてたんです。飢饉で痩せ細ってたお父さんとお母さんは、氷の神社作ってた時にはもうちゃんとした体に戻ってました。それでね。楽しそうに笑ってたんです!」

「あの氷の神社は小春のお父さん達が作ってたんだな。」

「すごいことだっちゃ、、小春の為にあんな凄い神社を、、」

「はい!それと村の人達もいました。見たのは私の居た時よりは数年先の未来だったと思うんです。皆少し歳を取ってたように見えましたし、体型も飢饉で飢えてた時とは違ってしっかりしてました。神社を作りながら休憩では皆んなで美味しそうなご飯を食べてて、赤ちゃんとかもいて。私のしたこ事は間違いじゃなかったって、、その時に解かったんです、、」

 小春の目にうっすらと涙が浮かんだ。

「そっかーー!よかったっちゃ!」

「はい。でも村の皆には私の事は見えてなかったです。多分過去の映像の様な物を私は見てて、誰も私の呼びかけには答えたくれませんでした。でも、でも私十分幸せだったんです。みんなの幸せそうな顔を見て良かったって。。。」

「本当に良かったな小春。俺もなんか凄い嬉しいよ。」

「ほんまによかった。」

「うちも何か嬉しいっちゃ。。」

「皆ありがとう。。それから。『小春』って不意に氷の神社の中からお父さんとお母さん声が聞こえて来たんです。

 私は声に誘われて神社の中に入って行きました。

 神社の中は氷で出来ているのに、明るくて暖かくて。

 奥の部屋まで行くと、そこには笑顔で笑ってるお父さんとお母さんが居て。

 お父さんとお母さんは、私を優しく力強く抱きしめてくれたんです。。

 ありがとうって。私のおかげで助かったよって。。

 もう私すっごい嬉しくて幸せで暖かくてそこで成仏しそうだったんです。

 でも。でも不意に翔陽君の言ってくれた言葉を思い出して。」


「俺の?どの言葉だ?小春。」


「次は私が幸せになる番だよって。俺が絶対幸せにしてやるってやつ。。。」

 小春の顔が赤くなってる。



「だから、だから私帰ってこれたんです。」

 小春ちゃんが翔陽の体にそっと後ろからぎゅっと抱きしめて目を瞑った。

「ああ、あれか。」


 。。。



「これ照れるな。」

 翔陽も赤くなってる。



 。。。




 。。。。




 春の優しい空気が赤くなった二人の頬を撫でる。



 幸せな空気が俺たちを包んでる。



 

 。。。。。




「うちはね。」

「ん?」

ヴェルの肩を持つ手に力が入り俺に話しかけてきた。


「うち。。ダーリンの事、大好きだっちゃよ」

 ヴェルが翔陽と小春の二人の雰囲気に感化されてる。

「ヴェル急に何言ってるねん。。。」

 なんか翔陽と小春ちゃんが羨ましくて、思わず口に出たんだろうなって。


 可愛なーーって思えた。


 そして何より幸せだった。




 。。。




 そうしてる間に俺達は光波神社に着いた。


「ただいまー!」

「ただいまでーす」

「おじゃましまーす!」

「お邪魔しますだっちゃ!」


「母さん?出かけていないかな?まいっか!庭へ行こうぜ!」

 みんなで庭へ行く。


「どんな練習したらいいんでしょうね。」

「んーー。まずは大きな珠を作るとかだっちゃ?」

「そうだな。出してから大きくするのか、それとも大きいのを出すのが良いのか、それも解らないけどな。」

「だっちゃね」

「私の氷の針って今飛んで行く力が弱いと思うんです。もっと早く飛ばせないかなとか思うんですよね。後すぐ破れちゃうんでもっと強くしたいです」

「なるほどな。翔陽恐竜とやってた時途中から珠出せなくなっただろ?何回出せるかも試してみたいよな。」

「海晴お前はまず出すところからだけどな!」

また翔陽がニヤついてる。

「っやっかましいわ!すぐ出したるからな!」

「期待してるぜ!」


 庭に着いたら各々順番に珠を出してみる事になった。

 まずは翔陽から。


 掌を上に向け火の珠を出してみる。

「よし出すぜ!」

 ボッ

 出た火の珠のサイズはいつもと変わらずビー玉サイズだ。

「じゃあそれを大きくしてみたらどうだっちゃ?」

「おっけーー!。。」


「うおぉぉおーーーーーーーーー!!!」


「大きく!なりやがれぇぇーーーー!!!」

 翔陽が気合を入れて力を込めている!


「うおぉぉぉぉおーーーーーーーーー!!!」


 。。。


 ボォォォォ。。。


 少しだけほんの少しだけ火の珠が大きくなった気がする。


 多分。。


「くそ!」

 ハァハァハァハァ。

 翔陽が息切れをした瞬間火の珠はフワッっと消えてしまった。


「ちょっとだけ大きくなってったっちゃ!」

「はい!ちょっとだけ!」

「めちゃくちゃ頑張ったのにな。」


「くそ!」

 翔陽は悔しそうだ。


「次うちがやってみるっちゃ!」

 ヴェルが掌を上に向ける。

「大きいのを出したいっちゃ!」


 。。。


 バリッ!


 掌の上に雷の珠ができた。

 ほんの少しだがいつもよりサイズが大きい。

 そしてヴェルは目を瞑った。


 ジジッジジッ


 小さな雷が珠の周りで発生している。

 なんとなくだけど。

 雷の珠の電力が強くなってるように思う。

 ジジッジジッ

 少し雷の珠が大きくなってきた。

「フゥーーーー。。」

 大きく息を吐くヴェル、だんだんと汗をかいてきてる。


「プハァ!」


 雷の珠が消えた。

 でも確実に少しだけど大きくなってた。

 ビー玉サイズでは確実になくなってた。

「凄いヴェルちゃん!」

「凄いな。」

「おっきくするのってすっごい疲れるっちゃ!」


「次は私の番だね!」

 小春も掌を上に向ける。

 すでに小春は目を閉じている。

「おっきいの、おっきのいの、おっきいの。。。」

 手に冷気が集まってるように見える。


 ピキピキピキ。。

 手の上に氷の珠が出てきた。

 ヴェルと最後大きくした珠と同じくらいのサイズだ。

「凄いっちゃ。。」


「おっきく、おっきく、おっきく。。。」


 ピキピキピキピキ。。


 氷の珠のサイズが大きくなっていく。


 パチリ。

 小春が目を開いた。


 その瞬間珠が一気に氷の針へと変化していく!

 ピキピキピキピキ!!


 恐竜と戦ってた時は50cmくらいの大針だったのに、今度はその1.5倍くらいはある。


「えい!」

 庭にある松の木に氷の大針を投げた!いや。手の上に浮いていたのだから投げるフォームから飛んで行ったと言った方がいいかもしれない。

 かなりの速さで松に向かって大針が飛んで行った!


 シュ!

 速い!


 ダン!

 見事に大針が松に刺さった!


 ッハァッハァ!

 ハァハァハァハァ。。


 小春が膝に手をついてる。


「小春!凄いな!!!すぐ出来たじゃないか!」

「凄いっちゃ!!!今の攻撃なら恐竜に少しは傷つけれると思うっちゃ!」

「ハァハァハァハァ。。。はい。でもダメです。もっと強くしないとあの恐竜にはきっと大したダメージは入らないですよ」 

 汗だくで手を膝についた状態で悔しそうにしている。


 いつもは一歩後ろ気味でニコニコした小春なのに。

 心の中に熱い物を持ってるんだな。。。


 その雰囲気を察したのか。

「私も皆さんを守りたいですから。」

 ニコッとこっちを見て笑った。

 なんて良い子なんや!!

「よし次は俺だな!皆んなのを見たらできる気がしてきたわ!」


「はぁーーーーーーーーー!!!!!!」



 。。。。



「おっきい珠出ろ!はぁーーーーーーーーーーー!!!!」





 。。。。。。




「はぁーーーーーーーーーーーー!!!」





 。。。。。。





 、、、、、、





「うん。出んわ、、、」


 ガクッ。。。

 みんな肩お落とす。


「ダーリンなんでだっちゃ?」

「わからへん。逆になんでお前ら出せるんよー?」

「んーーー出す前はイメージしてるっちゃ!頭の中で先に珠があってそれが掌に出てくる感じだっちゃ。小さな珠はイメージしたら出るんだけど大きいのはイメージも出ないっちゃ。いつもよりちょっとだけ大きのを考えてそれを頑張って出そうとしたら、うちは少しだっけ大きいのが出せたっちゃ。」

「そうだな俺も同じだ、でも大きい珠を出すってそういう感じなのか。」

「私も同じです。海晴くんは始めにイメージしたらいいのかもしれないですね。」

「わかった。それで練習していくわ!」


「俺たちは珠をどんどん大きくしていこうぜ!」

「やるっちゃ!」

「はい!」



ーーーーーーーーーーーー一時間後ーーーーーーーーーーー



 ドス!



 バリバリバリ!



「おい見てくれ!」

 翔陽の掌にピン球まではいかないとしても、もうビー玉サイズを軽く超えた火の玉が浮いてる。

「だいぶん大きくなってきたぜ!」


「うぉーーーー!」

 庭にある大きな石に走っていく!

 その火の珠で石を掌打した!


 ドカン!


 石に当たった瞬間石は燃えるのではなく爆発した!

 少し威力は劣るけど恐竜の時の爆発!

「よっしゃ!!爆発できた!」

「翔陽すごいっちゃ!うちも行くっちゃ!」


ヴェルの手にも大きいビー玉くらいの珠がある!

ヴェルがその珠を庭にある石燈籠の方へと投げる!

投げた瞬間珠が雷になって石灯籠へ走る!

バリバリバリ!!

石燈籠が少し焦げた!

「おお!」

「おーーー!雷が前よりちょっと大きくなってるっちゃ!」


「皆さん凄いですね。私はあれからなかなか大きくならないです。。」




ーーーーーーーーーーーーーーさらに二時間経過ーーーーーーーーーーーーーーーー



 トス。。。



 バリィィ。。。



 ボォォォ。。。。



 ハァハァハァハァ。。。

 みんなだいぶ疲れてきて大きな珠が作れなくなってきている。




 俺はまだ光の珠を出すことが出来ひん。。

 なんでやねん。。

 


 ドタドタドタ。。。

「ただいまーー!今日も雑魚い幽霊しばいて来たわよーー」

 麗子さんが帰ってきた。

 麗子さんは俺たちの気配を感じて中庭に来る。

 中庭を見て麗子さんの動きが止まった。

「あんた達一体何してんのよ!」

「母さんおかえり。何って珠の練習。。」

「お帰りなさいだっちゃ!」

「麗子さんお帰りなさい」

「あんた達私の庭に何してんのよ!!」

 ツカ!ツカ!ツカ!ツカ!

 歩き方の力強さ、表情。

 麗子さん明らかに怒ってる!

「翔陽!あんた何やってんの!?」

 翔陽を怒鳴りつけた麗子さん、迫力がヤバイ。

 松に麗子さんが寄って行く。

「ああ。。この松の木300万よ。。。こっちの石灯籠は200万。。あーーーこの石なんて500万するんだからね。。」

 庭をうろうろしながら麗子さんはぶつぶつ言ってる。


 石を眺めて膝をついていた麗子さんが背中を向けたままゆっくりと立ち上がる。

 背中の迫力がすごい。

 こっちを麗子さんが振り向くと、なんと麗子さんは笑っていた。

 ニコッと笑って首をコクっと傾けた麗子さん。

「翔ちゃん!こっへおいで。。。」

 優しく翔陽を呼ぶ。

 麗子さんの表情は笑ってるんやけど、でも100%怒ってる。

 完全にブチ切れてるオーラが出てる。血管も浮いてるし右拳を左手で握ってバキバキやってる。

 怖いって。。

 翔陽が恐る恐る近ずく。


 。。。


 ギラン!


 あ、これは殺気だ。。

「この!バカタレ!!」

 ゴン!

「イダッ!」

 翔陽が麗子さんにゲンコツされた。

 ゲンコツの勢いで翔陽は地面に叩きつけられる。

 ああ。翔陽。死んだな。。

「御免なさいだっちゃ。」

「麗子さんごめんなさい。」

 即座にヴェルと小春ちゃんが震えながら謝る。

 笑って怒る麗子さんがよっぽど怖かったんだろう。

 にしてもそんなにこの庭の物って高かったのか、、、

 よかった、ほんと良かった俺何もしてなくて。

 にしても怒った麗子さん怖!!

 めっちゃ怖いやん。

 絶対怒らせないように気をつけよっと。

「で?練習の成果は出たの?」

「いい感じだっちゃ!」

「はい」

「イテテテテ」

 あ、翔陽生きてた。。

「一日でかなり珠を大きくする事が出来たよ。」

「ま。。。じゃあオッケーよ!でも次からここでの練習は禁止だからね!」

 え?オッケーなん?

 300万とか500万とか聞こえて来たけど。。

 切り替えはや!!


「わかったっちゃ!でも、、練習する場所がないんだっちゃ。」

「練習をする場所ね。確かに人に見られるわけにはいかないものね。」

 麗子さんは片手を頬につけてふと考える。


「なら。あそこはどう?山を上がっていく道の途中にある河原。橋のすぐ下。あそこなら広いし人来ないし良いんじゃない?」

「俺たちも光波山の河原を考えたんだけどさ、もしかしたら恐竜が来るんじゃないかって思ったんだ。」

「心配しなくて良いわよ、あの橋の下は大丈夫よ!」

「ほんまに?」

「ええ本当よ」

「ここで練習してほしくないだけやろ麗子さん」

 ニヤニヤ。


 ゴン!

「イダッ!」

 ちょっとふざけたらゲンコツされてしまった。

「あの恐竜はきっと人工的な物を怖がってるから山から出てこないと思ったのよ」

 まぁ確かにそうかもしれない。

 事実一般の人がまだ全く襲われたって聞いた事ないし。

 山に入った人に恐竜が目撃されてるだけだ。

 目撃されて、きっと恐竜は襲うこともなく逃げたんだろう。

「でもなんで、、、俺たちはあの恐竜に襲われたんだろう。」

「確かにおかしいな。恐竜の目撃情報はだいぶ前からテレビとかで言ってたんだ。なのに誰も襲われてなかったよな。でも俺たちは襲われた。あれは完全に俺達を殺そうとしてたしな。。」

「多分なんやけどさ。翔陽の拾ってたあの黒い霧の石、あれを狙ってったんちゃう?だから俺はあんまり狙われずに翔陽が一番狙われてた。」

「たしかにどの攻撃も翔陽をまず狙ってる事が多かったっちゃ!」

「実は全然俺は狙われてなかってん」

「でもうちは結構狙われたっちゃよ!」

「きっとヴェルさんの電撃が嫌だったんじゃないですか?痙攣とか凄いしてたし。」

「そうかも知れへんなーーー。めっちゃ嫌やもん!あ、の、で、ん、げ、き!!」

「それはダーリンが悪いっちゃ。」

「何でやねん俺は何もしてへんやろ!」

「変な目で見てるっちゃ」

「翔陽も見てるやんな?」

「え?何をだよ。俺は変な目なんてしないぞ!っていうかこっちに振ってくるなよ。」

「お前も電撃されたらいいやん。俺ら親友やろ?」

 真剣な顔で親指を立ててグッドマークを送る。

「いやいやいやいや。絶対嫌だ!親友であろうとそれは絶対嫌だ!」

 翔陽が唐突な振りに笑いながら下手くそなツッコミをしてくる。

「ふふふ」

 小春ちゃんが翔陽の横で笑ってる。

「で、何の話してたんだっけ?」

「黒い霧がかかってる石の話だっちゃ!」

「そうだな。」

「あの石。洞窟の中で海晴君が持った瞬間石の黒い霧が晴れたましたよね。。。霧が晴れたその時に急に恐竜は大人しくなった様に私には見えました。」

「ああ確かに洞窟の入り口で暴れなくなったよな」

「やっぱりあの石だっちゃね。」

「なんであんな黒い霧の掛かった石があったんだ?」

「それを言うなら何で小春が闇の霧に包まれたかも疑問だっちゃ。」

「確かにな、、、山頂のあの時、誰かいたよな。」

「そうだっちゃ!誰かいたっちゃ!」

「でもあんなとこに誰が?」

「俺たちを追いかけて来たって考えるのが理にかなってるやんな。だって他に意味ないもんな」

「山登りをしましょうって山じゃなしな。」

「俺もチラッと見たわ。あれはいったい誰だったんやろ?」

「うーーーーーん。」

「あんなちらっと見ただけじゃ解らんちゃ。」

「確かにせやなーー。情報が無さすぎるわ」

「次見かけたらうちが捕まえてやるっちゃ!」

「前の時もしも、俺たちについて山まで来てたなら、またどっかで近づいて来るかもな。。。」

「そうですね、私があんな夢を見せられたのもその人のせいなら。かなり怖いです。」

 小春ちゃんがまた昔を思い出したのか不安そうな顔で下を向く。

「気をつけなあかんなぁ。小春ちゃんあんまり一人でウロウロせんほうがいんちゃう?」

「だっちゃね。出来るだけ二人以上でいたほうがいいちゃ。」

「そうしようぜ!大丈夫小春は俺が守るからさ!」

 翔陽が片手で小春の肩を抱く。

 ハッとなる小春ちゃん。

 翔陽の顔を見て頬が少し紅くなった気がする。



「ありがとう。。」



 。。。。




「ダーリンはうちを守ってくれんだっちゃ?」


「ん?当たり前だやろ。全力で守るで」

 ヴェルは何を言ってるんや当たり前な事を。


 バフッ


 ヴェルが俺に抱きついて来る。

 俺の胸に顔を埋めてくっついてる。

 可愛いやつやな。。

「うちもダーリン絶対守るっちゃ。」

 俺は右手でヴェルの肩越しから腕を背中に回して。

 ヴェルを抱きしめる。



 。。。。



 ヴェルの体温が暖かい。。


 絶対守らないとな。


 。。。



 コホン!


 はっ!

 咳払いの音に我にかえり、音とのした方に目を向けると麗子さんがいる。


 バッ


 俺たちは慌てて離れる。


「あんた達高校生なんだからね!」


 完全に我を忘れてた。

「あ。はい。。」


「さっさと橋の下に行って練習して来なさい!」


 グゥーーー。。

 ヴェルのお腹が鳴った。

「うちお腹へたっちゃ!」

 グゥーーー。

 翔陽も鳴らしてる。

「腹減ったな!」

「私もお腹すきました。」


「とりあえず昼飯行こぜ!」

「いくっちゃ!」


 俺たちは散らかしてしまった麗子さんの庭をできるだけ綺麗にして。


 昼飯を食べに向かったのだった。


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