いにしえの巫女編 想いが叶うって素晴らしいです
私ずっと。
ずっとずっと。。。
見たかったんだ。。。
父ちゃんと母ちゃんの笑顔。。
嬉しい。
ーーーーーー 絹川 小春 ーーーーーー
私は父ちゃんと母ちゃんの声を追いかけて氷の廊下に入った。
氷の廊下の先に光がる。
扉は開いてる。
何だろこの先、何だか懐かしい気がする。
『小春。。』
「母ちゃん?」
『小春。。』
「父ちゃん?」
私は母ちゃん父ちゃんの声に誘われるまま、光の中に入って行った。
私は空色の光に包まれた。
「眩しい。。。」
眩しくて辺りが見えない。。。
いや、見えてるの?
ただ空色の光しか無いだけ?
パァァァ。。。。
光の強さがどんどん落ちて行く。
そして光が無くなった。。
空色の光が無くなって見えた景色は。
昔の私の家だった。
父ちゃんと母ちゃんが目の前で微笑んでる。
「小春!ご飯食べよう!」
笑う母ちゃんが目の前にいる。
私は戸惑う事しか出来ない。。
これは一体。。?
どういうこと。。?
「ガッハッハ!母ちゃんの飯は美味いぞ小春!忘れたか?」
父ちゃんも暖かい顔で笑ってる。
そして部屋の真ん中に三人分、子供の頃食べた母ちゃんのご飯がお膳の上に並んでた。
「さ、小春こっちへおいで」
ニコニコの母ちゃんがお膳の前に座る。
「久しぶりに家族三人でご飯だのう!」
父ちゃんも座った。
どうしたら良いか分からない。。
恐る恐るお膳の前に座る。
「小春そんな心配しなくても大丈夫だよ!いっぱいたべな!」
ニコニコの母ちゃんが優しく笑ってる。
「いただきます。。」
私はゆっくり、不安げに白米を口に運ぶ。。
パクリ。
暖かな白米は口の中でほどけ。
優しい甘みと旨味が口の中に広がって行く。。
美味しい!
初め不安だった、でも美味しさのあまり箸がどんどん進んでいく。
母ちゃんの煮物。
父ちゃんの取ってきた魚料理に肉料理!
本当に美味しい!
父ちゃん母ちゃんも私が美味しそうにご飯を食べるのを見て、顔を見合わせて二人して残っと笑うと、御膳の上のご飯を食べ始める。
「やっぱりお前の作った料理は最高だのう!!ほっぺったが落ちそうじゃわい!」
「あははは!あんたにほっぺったなんて落ちやしないよ!」
「がははは!そらそうだのう!」
「それにね!あんたの捕ってきてくれた食材が美味しいから、美味しいものを作れるんじゃないか!」
「がははは!それもそうだのう!」
「あははは!私の料理の腕も忘れちゃいけないけどね!小春、まだお代わりもあるよ!いっぱいお食べ!」
家族皆で作った白米に野菜、父ちゃんの肉や魚、母ちゃんお料理。。
それをずっと父ちゃんと母ちゃんと一緒に笑って食べたかったんだ。。。
私ずっと。
ずっとずっと。。。
見たかったんだ。。。
父ちゃんと母ちゃんの笑顔。。
嬉しい。
また涙が。。。。
私。
私。。。
今、幸せだ。。。
どんどん涙が溢れ出していく。
父ちゃん母ちゃん。
私よかった。。。
こんなに美味しい御飯今までで無かった。
今食べたご飯が今までで一番美味しい御飯だった。
やっぱり涙が止まらない。
グスッグスッ。
「小春」
すると母ちゃんが私を抱きしめてくれた。
「小春ありがとう、あんたのおかげで私達も村の皆んなも生きのびれたんだよ」
母ちゃん。。
「辛い思いをいっぱいさせてすまなかったのう、こんなに愛おしい娘に。。。」
父ちゃんも大きな腕で抱きしめてくれる。。
「父ちゃんと母ちゃんは悪くないよ。。。」
「小春、私の娘として生まれて来てくれてありがとうね。」
「母ちゃん。。。」
涙が。。
もっと父ちゃんと母ちゃんの笑顔を見たいのに。。
「小春。。」
「愛してるよ。。。。」
「父ちゃん。。母ちゃん。。。」
ガバッ!!!!
私は父ちゃんと母ちゃんを思いっきり抱き締めた。
嬉しさのあまり私の感情の関が崩れ落ちた。
エーーーーーーーーン。。
エーーーーーーーーン。。。
もう涙が滝の様に流れ出て顔もグシャグシャだよ。。。
エーーーーーーーーン。。
母ちゃんが私の頭を撫でてくれる。
父ちゃんは私の後ろから母ちゃんも一緒に抱きしめてくれてる。
父ちゃんの力強さが伝わってくる。
グスッグスッ。。。
「私も。。」
「父ちゃんと母ちゃんの子供でよかった。。。」
グスッ。グスッ。。
「ごめん、涙が止まらないよ、もっと父ちゃんと母ちゃんの笑顔を見たいのに。。」
手で涙を拭って前を見ると、母ちゃんが優しく微笑んでる。
父ちゃんも笑ってる。
「小春、これからはいつでもここで会えるからね」
「小春が会いたいと思えばいつでも、ワシらはおるぞ、この神社は小春の為に作ったんだからの。」
「さぁそろそろ行きな!」
「え。?私どこに行けばいいの?」
ああ。
神様のところか。
私。。
もう思い残す事はないし。
成仏しようとしたその時。
「小春ーーーーー!!」
え??
翔陽君の声が聞こえる。
ふと翔陽君 海晴君 ヴェルちゃんのことが頭によぎった。
「小春ーーーーー!!」
「翔陽君??」
「ふふふ、どこへって?今小春が思い浮かべた子達のとこだよ!」
「小春!成仏にはまだまだ早いぞ!小春の体は氷で保存しておいたからな!今封印は解かれてあやつらがまっっておる!いっぱい幸せになるんじゃぞ!!」
「小春ーーーーーー!!」
「小春ちゃーーーん!!」
「小春ーーーーーー!帰ってくるっちゃーーー!」
皆んなの声が響いてくる。
「父ちゃん 母ちゃんありがとう!」
「小春、体に気をつけて行くんだよ。。」
「わしらはいつでも小春を見守っておるからのう!」
「父ちゃん母ちゃんありがとう!!父ちゃんと母ちゃんにまた会えてよかった!」
「父ちゃんと母ちゃんもだよ!」
「うん!!じゃあ。私行くね。またいっぱいここに来るからね」
ギュ!
私は名残惜しい気持ちで父ちゃんと母ちゃんに抱きついた。
「行ってきます」
私は父ちゃん母ちゃんから離れた。
「ああ!いってらっしゃい!」
「大変な事も有るだろうけど気をつけるんだぞ!」
「小春、ずっと愛してるよ」
「がははは!可愛い小春、ずっと大好きだからのう!」
「私もだーーーーーーい好き!!」
「小春ーーー!!!帰ってきてくれーー!!」
「小春ちゃーーーん!!」
私は父ちゃん母ちゃんに背を向け、翔陽君達の声が聞こえて来る方を見ると。
そこには丸い穴が空中に浮いている、空色に輝く光が眩しい程に漏れて来る。
はっきり分かる!
ここ光の向こう側に皆んなが待ってくれてる!!
「小春ーーーー!」
翔陽君。
今行くよ!!
私は勢い良く光の中に飛び込んだ!!
ッパ!!
眩しい!!
あれ?体が動かない。。
何これ??
ガラガラガラガラ。
途端に体ごと周りの物とともに私は転げ落ちた。。。
え?
何何????
視界がやけにぼんやりしている。
転げ落ちて行く私の目の前に誰かいる?
あれは。。
翔陽君????
ガシ!
私は地面に落ちる直前に抱き止められた。。
暖かい。。
暖かいって、この感覚懐かしい。。
「小春!大丈夫か!」
腕の中で目を凝らす私。
そこには私を驚いた顔で見つめる翔陽君、海晴君とヴェルちゃんがいた。。
翔陽君が落ちる私を受け止めてくれていた。。
そして、私を受け止めた勢いで翔陽君は尻餅をついた。
だけど翔陽君は、私をしっかり、しっかり、受け止めてくれた。
「翔陽君ありがとう。。」
見つめ合う二人。
「小春ちゃん?」
「小春。大丈夫だっちゃ?」
ヴェルちゃんと海晴君が私を心配してくれててる。。
「ありがとう、私、今、凄く幸せ。。」
私は掠れた小さな声で御礼を言った。
そして私はゆっくりと目を瞑った。。




