いにしえの巫女編 氷の力って素晴らしいな
氷の中には大きく実った黄金の稲穂、様々な果実、多くの野菜、多種多様な魚貝類、色々な種類の肉。
黄 赤 緑そして氷の青でカラフルで美しい。。。
ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー
この神社に来てから小春の様子がおかしい。。
でも海晴の言う通り小春に悪い感じはしないし。
小春を見守ろうってなった。
俺達は小春を見守る様に本殿に入って追いかけていく。
そーっと少しだけ警戒しながら氷で出来た神社の本殿に入る。
本殿の中は真っ直ぐ一直線の廊下だった。
氷の廊下の左右の壁も氷の装飾が素晴らしい。。。
氷の壁一枚一枚に見事な氷細工の絵が描かれている。
その氷細工の絵は女神様が飢えで苦しまない様に周りの土地を活性化させている様だ。
本当に細かい細工までされていてここまでの苦労が見て取れる。
ここまでの細工をするのに何年かかるんだろう。
氷の廊下はしばらく続いていた。
そして廊下の先はまたも眩しくて先が見えない。
その光の中に小春がスッと中に入っていく。
「小春。。」
俺は小走りで小春の入って行った光に向かっていく。
「お。。」
俺は光の中には入れなかった。
扉がある、俺は扉の前で立ち止まった。
眩しい光の元は観音開きの氷で出来た扉だった。
観音開きの大きな扉にはまたも、様々絵が描かれてる。
扉真ん中に大きく五芒星を二つ重ねた十芒星が円の中にあって、十芒星を胸の前で両手の上に浮かせる様に女神様が描かれている。
とても優しい微笑みを浮かべながら目を瞑り祈りを捧げている、まるで小春の様な優しい笑顔だ。
女神様の周りには、侍同士で肩を組んでる彫刻や、稲穂が見事に実った実った彫刻、山の幸や海の幸の彫刻、村の人々が祭りで炎の周りを踊っている彫刻。母親が乳飲児にお乳をあげている彫刻など見きれないほどの美しい彫刻を施した扉だ。
凄い。。
廊下の絵よりさらに凄い。。
俺は扉の素晴らしい細工に目を奪われた。
その間に海晴とヴェルさんも横に来た。
「うわ!すげーーー!この扉めっちゃくちゃ凄いな!」
「これは凄いっちゃねぇ、、」
二人も凄い細工に驚いてる。
「この子小春に似てるっちゃ」
「あぁ確かに似ているな」
「というかこれは小春ちゃんを描いてるやろ?」
「え?そうなんだっちゃ?」
「めっちゃ似てない?」
「俺もそれ思ったんだよな」
しばらく俺達三人は扉に目を奪われていた、それから三人が目を合わせる。
「きっとこの先に何かあるよな」
「絶対何かあるっちゃ。なんか神々しいもん!」
「入って大丈夫かな?」
「でも入らないと小春についていけないっちゃよ!」
「何があっても行くしかないやろ!」
「よし!じゃあ行こう!」
三人で彫刻を壊さない様に扉を押す。
グッ。。
開かない。。。
すると。
ヴェルが作ってくれたブレスレットが三人同時に淡く光った。
あの黒い巨大烏賊の時にいつの間にか持っていた石が光ってる。
ゴゴゴゴ。。。
真ん中の十芒星にうっすらと光り、力を加えずとも勝手に扉が開いた。
「何や!!!これ!!」
海晴が叫んだ。
光の中から信じられない景色が飛び込んできた。
俺は驚愕した、いや、驚愕しか出来なかった。
飛びたの中にあったもの。
それは。。
氷だった。。
それはもう部屋を埋めつくさんと言わんばかりの大きな氷。
その氷の前には柵があって紙垂が垂らされている。
紙垂には何か文字が書かれているが古くなってって読むことは出来ない。
封印をしてるって事は見るだけでわかった。
封印された氷の中には大きく実った黄金の稲穂、様々な果実、多くの野菜、多種多様な魚貝類、色々な種類の肉。
すべて氷の中にあって、氷漬けされている。
黄 赤 緑そして氷の青でカラフルで美しい。
そしてその氷の真ん中には何と。
「嘘だろ。。。」
「嘘だっちゃ?」
俺は目を疑った。。。
氷の中に小春がいた。
小春が。。
氷の中にいる。
大きな氷の真ん中で凍って固まっている小春。
「こ、小春ちゃん。。」
「こんな所に小春ちゃんの体が。。」
「これは小春の生きてた時の。。幽霊になる前の体。。?」
俺達はどうしたらいいか分からず、ただその美しい、芸術のような氷を眺めるだけだった。
。。。
「ねーダーリンこの小春生きてるっちゃ?」
「ヴェル。。これで生きてる訳ないやんか。。。氷漬けやぞ。。」
「小春。。」
なんで、凍ってるんだよ。。
小春。。
俺は小春を助けたかったのに。。。
こんなの、どうしたら。。。
身体の力が抜けて俺は膝からカクンと落ちてしまった。。
紙垂のついたロープを握る。。
「翔陽、よかったっちゃね!」
「おいヴェル!なんでやねん!!」
俺はショックのあまりヴェルさんの素っ頓狂な言葉に素早く反応できない。。
ゆっくりヴェルさんの方を向いて。
「ヴェルさん、小春は氷漬けにされてるんですよ。。」
「だっちゃ!氷漬けで小春は今凍ってるんだっちゃ!分かるっちゃ?この小春はコールドスリープしてる可能性があるんだっちゃ!きっと小春は生き返るちゃ!」
小春が生き返る。。?
「ほんまに小春ちゃん生き返るのかヴェル!?」
「小春が、生き返ることが出来るのか?」
でも。。
どうしたらいいんだ。
「じゃあどうしたらの氷から救い出せるんだ。。」
「んーー。それはわからんちゃ!」
ガクッ!!
二人とも肩を落とす。
「おい。分からんのかい!」
「じゃあヴェルさん、俺の火の珠でこの氷を溶かして小春を氷から出したらいいのか?」
「んーーーでも。。コールドスリープじゃ幽霊とかならないし。。小春の魂がないまま出したらきっと生き返らないっちゃ。。」
「そうよなー、生き返るなんて普通じゃあり得へんもんな。。」
「やっぱり俺達にはどうしようも無いのか。。。」
。。
「小春。。」
ッダン!
俺は悔しさが溢れ出して地面を殴った。。
ヴェルさんが俺のの背中を優しくさすりながら言った。
「まずは、幽霊の小春が体の中に入って、それから氷を割ればもしかしたら。。」
「なるほどな。。ん。。?っていうかさ!幽霊の小春ちゃんどこ行ったんやろ?小春ちゃんはさっき俺らより先にこの部屋に入ったんやし、もしかしたら、もうあの体の中に入ってるとかない?知らんけど。。」
「確かにそうかもしれないっちゃね。でも。わからんっちゃ。。」
「くそ、小春が何処にいるか分かるまでこの氷を俺たちは割るわけにはいかないよな。。。小春の生き返る可能性を潰しちまうし。。」
くそ。。。
小春を助けたいのに俺は何も出来ない。。
火の珠の力を得る時に誓ったんだ。。。
俺は大切な物を守るって!
小春と会った時から感じたんだ!
小春を大切にしないといけないって!
だから無理に笑顔を作ってる小春に自然に笑って欲しいって思ったんだ。
小春を幸せにしてあげたかった。
なのに俺は恐竜に喰われかけたその時に小春に助けられた。
小春に守られた。
俺は。。
まだ小春に何もしてない。。。
「っくっそーーーーー。。。」
「小春ーーーー!!!何処だーーーー!??」
俺は思わず叫んでいた。。
ピクピク。。
小春の瞼が少しだけ動いた。
「小春!?氷の中の小春が動いたっちゃ!!」
「嘘やろ!?」
「ほんとだっちゃ!今小春の目がピクピクってなったっちゃ!!」
「マジか??」
俺の声に反応したのか?
小春生きてるのか??
そこにいるのか??
「小春ーーーー!!!」
ピクピク。
本当だ、小春の瞼が動いてる!
小春は身体の中にいる!!
俺は確信した!
そして目の前にある封印の紙垂を引きちぎりながら立ち上がった!
そして封印の紙垂を掌の上で燃やした!
キッと小春が封印されてる氷を睨みつけた。
俺は紙垂の下がっていたロープも引きちぎって小春の入っている氷に駆け寄って行く!!
ッダン!!!!
「小春ーーー!!」
俺は氷を叩き叫んだ!
ッダンッダン!!!
「小春ーーー!!」
ピキピキピキ。
氷がひび割れる音がした。
「小春ーーーー!」
少し遅れて駆け寄ってくる海晴とヴェルさん。
「小春ちゃーーーーん!」
「小春ーーーーー!」
「小春ーーーー!帰ってくるちゃーーー!!」
ピキピキピキピキ。。
どんどん氷に亀裂が入って行く。
「小春ーーーーー!帰って来てくれーーー!!」
「小春ちゃーーーーーん!!」
三人で小春の名前を呼んだ。
ピキピキピキ。
ピキピキ。。
。。。
バリン!!!




