表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第一章 崩壊と運命
20/110

いにしえの巫女編 分けあえるって素晴らしい

 


 頭の上の青い空の中雲が流れていく。


 鳥達の細やかな鳴き声と木々を撫でる風の音が優しい音色を奏で。


 山の中の時間はゆっくりゆっくり流れている様に感じる。



 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー


「わーー青空が綺麗だっちゃーー」

 真っ青な空を背景に光波山が威風堂々と構えている。

 さわさわと光波山の木々を風が鳴らした。


 今から俺達は光波山の違和感を確認する為に今から山に入る!

 俺も楽しみでワクワクしてきた!


 翔陽の家を出て、手水舎の脇を通り抜けて。

 石畳みを斜めに横切り本殿の右側をくるりと回り込んで行った。

 初めて裏側に来た。

 裏側は本堂を囲むように木々が立ち並んでるんやけど、木々が全部太い、何年生きてるんやこの木々。。

「凄い木だっちゃねー」

 ヴェルも驚いてる。

「おーーいこっちだぞーー!」

 翔陽が呼んでる。

 小春ちゃんも立ち止まって待ってる。

「ごめんごめん!」

 俺とヴェルは翔陽に駆け寄った。

「ここから行こうぜ」

 翔陽が見た先には一般の人は絶対使わないであろう小道があった。

「えーー、これどうなってるん?すごいんやけど」

 その小道はなんと、木々のトンネル。

 その木々のトンネルはちょうど俺たちの身長くらいの高さで、まん丸で長く少しうねってて、入り口からは出口は見えへん。

 新緑の緑と木漏れ日が降り注いでトンネルのなのに明るくて綺麗や。

 神聖な空気が流れている。

 このトンネルをくぐって行ったら現実では無い別の世界に行けそうな気がする。

「今先にトトロとかいるんちゃう?」

「何でだよ!いないって」

 このままこの中へと進んでもほんまに良いんかな。

 神秘的で美し過ぎて不安にってしまう。

 アリスの世界にでも迷い込みそうな道。

「凄いっちゃ。。」

「私も初めてここは通ります。本当に不思議な道。。。」

 ヴェルも小春ちゃんもあまりにも神聖な景色に驚いている。

「さ!行こうぜ!あんまり遅くなると天気崩れそうなんだよ」

「あ、そうなんや!おけおけ!行こう!」

 今から通ろうという、この道の先に何があるか想像できひん!

 なんかワクワクしてきた!

 この先を見るのが楽しみや!


 翔陽を先頭に木々のトンネルへと足を俺達は踏み入れた。

 翔陽は飄々と道を進んで行くねんけど。

 なんやろ、ただ道を進んで行くだけなのに、俺の胸はドクンドクンと強く脈打っている。

 歩いて行くと時々パキッと踏んだ枝が鳴る。

 誰かが掃除したり木々をトンネルになる様に手入れしてる感じは無い。

 無いのに、ちゃんと道として成り立っている。

 不思議な道や。。

 

 トンネルに入ってしばらく歩いた、この美しい木々のトンネルの出口が近づいている様に感じる。


「あ!出口だっちゃ!」

「おお!」

 トンネルの出口は明るくって眩しい。

 翔陽から順番にトンネルを抜けた。


「うおーーー!」

「凄いっちゃーーー」

 トンネルを抜けた先には立派過ぎる見事な木が目に飛び込んできた。 

 大きい。

 めちゃくちゃ太い。

 何千年も生きて老木の様に見えるのに今芽吹いたばかりの様な若々しいエネルギーを感じる。

「でっかーーー!」

「この木が御神木だよ」

「そうなんかーー。。」

 御神木の迫力とエネルギーに俺やヴェルそして小春ちゃんも圧倒されてる。

 大人が両手を広げて抱きついても御神木のほんの一部しか覆えへん、大人六人くらいで手を繋ぎぐるりと囲んで、届くか届かないかという幹の太さ、歪な形をし苔の生えたその幹は時代の流れさえも見るだけで感じ取ってしまう。

 高さは『いやいやこんなん、普通の木じゃないよ』っ言うくらい高い!

 周りの立派な木々すらも御神木は見下ろしてる。

 流石は御神木って感じやわ。

 空から降り注ぐ木漏れ日が幹に巻かれてる、風化した紙垂しで付きの注連縄しめなわにチラチラと光を注ぎ、それがさらに御神木の神聖さを増幅している。

「すごいだろ?この御神木。すげー力があると母さんがいつも言ってる」

「そうなんだっちゃ?この木は宇宙人のウチでも凄いってわかるっちゃ。なんかパワーが有るっちゃ。。」

「だろ?日本では珍しい大楠おおくすの木らしくって四千年以上昔からここの地域を守ってるんだって」

「四千年!?うそやろ!?」

「私、なんでだろう?この木、、知ってる気がするんです。。なんだかとっても懐かしい様な。。」

「そうなんだ。。ああ!小春を初めて見つけたのもこの御神木の元だったけどそれかな?」

「そうなんですね。私ここで麗子さんに。私、意識がはっきりした時は本堂だったので。。その時の記憶なのかな。。?分からないですけど。。でも。。この木を私は知っています。。」

 スッと歩いて、前に出る小春ちゃん。。

 苔むした御神木の幹を触って小春ちゃんは御神木と話すかの様にゆっくりと目を瞑った。

「思い出せないけど確かに。。」

 

 。。。


「うちは初めてだっちゃ!」

 小春ちゃんの優しい沈黙をヴェルが破った。 

「当たり前やんか!」

「本当に素敵な御神木ですね」

 小春ちゃんは目を開き笑顔で戻ってくる。

「すげーだろ?」

 翔陽がドヤ顔で仁王立ちしてる。

「この木以外にも別の種類の木のご神木か神社の周りにあるんだよ、他の御神木も凄いぞ!でっかくて前に立つといつも凄いエネルギーを感じるよ」

「こんな神聖な木が一本あるだけでも驚きやのにそれが何本もあるなんて信じられへんわ」

「あるんだよそれが!俺も御神木を見るたびに自然ってすげーなって思わされるよ」

「確かに凄いわ」

「きっとこの御神木はこれからの俺達に影響して助けてくれると思うぞ!」

 俺的にはもはや何らかの力が影響している気がするねんけど。

「あ!だからその御神木の力で総合格闘技チャンプなったんやろ?それずるいわ」

「なんでだよ!俺の死ぬほどの努力も知らないくせに!ははは!」

 ガシッ!

 翔陽が海晴の首をヘッドロック!怒ったフリして顔は笑っている!

「このこのこの!」

「イテテテテ!ははは!!ごめんごめん!」

 さっと手を解く翔陽。

「ははは!でも俺は子供の頃よくここに来たよ!練習で辛い時いつもこの御神木のパワーをもらってた!だから今から山登る力もきっとこの御神木が貸してくれる!」

 ニコッと笑う翔陽、そこから色々御神木の事を教えてくれた。

 翔陽が言うにはこの様な御神木が光波神社の周りにいっぱいあって、その全ての御神木に注連縄しめなわを巻く事によって、邪気への結界となってるらしい。

 元々は天照大神の歴史の中でって何たらかんたらと長々話していた。

 まぁ要するにこの御神木に光波神社は守られているらしい。

 いつもなら「ほんまかい」って怪しむところやねんけど、この御神木の目の前にしてたら信じてしまうわ。


 ほんまに最近毎日の様に色々事件が起きてる、夜空の様な海月、巨大な黒い烏賊。

 宇宙人のヴェルもそのニュースうちの一つやろ。

 でもそれだけじゃなくて、世界中でもいっぱい異変があると毎日の様にニュースをが騒いでいる、恐竜が出たとか島が消えたとか、百鬼夜行があったとか、黒い雨が降ったり、疫病で国が危うくなったり、それこそ日常生活では拾え切れないほどの事件や出来事の数々。

 今まではにわかに信じられへんかった、過大にニュースが話しているだけの嘘だと思ってた、でももう、最近色々見て体験して来た今の俺からしたら信じるしかないわ。。

 信じたら信じたで、今更ながらぞっと恐ろしくなる。。


 俺はまたもし何か困ったことがあったら光波神社へ逃げ込もうと心の中で思った。


「翔陽早く山登り行くっちゃ!」

「あ!そうだった!早く行かないと天気が!」

「ヴェル、私達、山の異変探しに行くんだけど」

 少し遠慮がちに小春がつっこむ。

「だっちゃね!早く行くっちゃ!」

「行こう行こう!山への道はこっちだ」

 

 俺達は御神木を回り込んでいく。

 御神木の裏には小さな鳥居がひっそりと立っていた。

 この翔陽がギリギリ通れるくらいの鳥居も御神木と同じ様に、長い歴史を感じさせる風貌をしている。

 元々は赤かったであろう鳥居の色はほとんどが剥がれ落ち残った赤部分が木漏れ日を反射し光ってる。

 鳥居の根元は塗装が剥げ落ちて、苔が生え地面に繋がっていた、もうこの鳥居もこの山の一部なんだと思えた。

 鳥居に書いてある文字は殆どが苔で隠されて読む事は出来ひん。。

「古い鳥居だろ!行こうぜ!」

 少し慌て気味の翔陽に続いて鳥居を潜ると山頂へと目指すわだちがあった。

 ここが光波山の山頂への道らしいねんけど、光波神社には入らず、光波神社を通り過ぎた先には川があって、その川沿いを登って行く登山コースもあるらしい。

 勾配が急で危険やからほとんど人は川沿いの道は使わへん。

 と言うか、光波山を登山する人なんて殆どいない。ってか俺も初めて光波山に入った。

 光波山はほんまに人の手が全然加わってない自然のままの山って事。


 そんな山に俺達四人は登ってく。

 ヴェルも小春も飛ばずに歩いてる。

 ヴェル曰く「折角の山登りなんだから足で登らないと意味ないっちゃ!」らしい。

 まぁーたしかにその通りかも。

「確かにそうですね」って小春ちゃんもニコニコで頷いていた。


 木漏れ日の綺麗な広葉樹の木々の間を抜け。

 高い杉の木が生える間を歩いて行く。

 その間に栗鼠リスウサギ、そしてたぬきを見かけた。。

 ここの動物警戒心少なくない?

 なんて自然豊かな森なんや。

 いつも海にいる俺からしたら山は新鮮で驚きが一杯や。

 山って綺麗なんやな。。。

 登り始めて1時間もしない間に俺とヴェルの息ははぁはぁと乱れまくり。

 俺の脹脛ふくらはぎに乳酸が溜まって足がカチコチになってしまった、足が棒になるってこの事か。。

 かなりキツイんやけど何よりも。。

 俺よりもヴェルがキツそうや。。

「ヴェル大丈夫か?」

「ダーリン。。大丈夫だっちゃ。。」

 言葉は強がっていても、ヴェルの目と身体が明らかにキツイと言っている。。

「しばらく休憩しようか」というその翔陽の声が神様の声かと思うほど嬉しかった。。

 まじ疲れた、クタクタや。。

 同じ道を登って来たのに翔陽は全然けろっとしてる、なんでやねん。

「海晴ちょっと俺、周りを見てくるな」

「ああ、オッケー違和感探しか?」

「そうそう!」

 翔陽。。。まじ凄い体力やな。。。

 体力お化けめ。。

「翔陽君私も行きます。良いですか?」

「ああ良いよ。行こう!じゃあ30分くらいで帰ってくるから!」

「わかった!」

「あとヴェルさんこれ食べて。」

 カロリーメイトとポカリを翔陽はヴェルに渡した。

「これ食べたら一気に元気出るから、足のストレッチもしといたら良いよ」

 と言い残したら翔陽は山の中に消えていった。

「なんであんな元気やねん。俺もサッカーもしてたし毎日身体動かしてるのに。。」

 少し離れたところに座り込んでいたヴェルが行動食を食べ終わったのか、こっちに寄ってきた。

 ヴェルは俺の横に来て、横に座った。。

「ダーリン疲れたっちゃ。。」

 そう言うと俺の足にちょこんと頭を預けた。

 かわいっ。。。

 なにこれめっちゃ可愛いやん。。

 ポンとヴェルの頭に手を置いてゆっくりと撫でる。。

 ヴェルの耳がピクピクしている。

 嬉しそうなのが何となく伝わって来た。

 そしてスースーとヴェルは寝てしまった。

 よく寝れるわこんなところで。

 猫みたいやな。

 

 。。。



 暫くしたら翔陽と小春ちゃんが帰って来た。

 空には少し雲が増えてきてる。

「ヴェル起きろ、みんな帰って来で。」

 ヴェルを揺すって起こす。

「ヴェルさん大丈夫?」

 翔陽と小春ちゃんが心配している。

「おはようだっちゃ!うち元気だっちゃ!翔陽のあの食べ物すごいっちゃ!!元気いっぱいでたっちゃ!」

 パチっと目を開いたヴェルはめっちゃ元気になってた!

 回復力あり過ぎやろ!

「復活したならよかった!ここらへんは違和感なんて全然無かったよ。だから改めて山頂目指そっか!」

「そうやな!」

「行きましょう」

「いくっちゃーーーーー!!」

 元気いっぱいに戻ったヴェル!

「ヴェルもう飛んで行ったら?そっちの方が楽やろ?」

「ダメだっちゃ!せっかく山登りなのに飛んだら意味ないっちゃ!」

「ほんまに大丈夫なん?」

「大丈夫だっちゃ!」

「じゃあいこっか!海晴!ヴェルさん!」

「行こう!」

「行くっちゃ!」

「こっからはまたいろんな景色を見せてくれるんだよこの山は!」

 山頂に向けて改めて歩き出した俺達四人。


 山の尾根を歩き。

 どんなに急やねんと言う斜面を横に横切って行く。

 一面杉の木の間を抜けて、差し掛かったのは川に掛かる苔むした一本の大きな丸太の橋。

「すげぇ!これを渡るん?」

「ああ!気をつけろよ?」

「地球って面白いっちゃ!冒険だっちゃ!」

 景色がどんどん変わって面白い!

 俺達は丸太の橋を渡って尾根から尾根へと移動する。

 そして山を登って行く。

 ほとんどの人が登らないと言う山だけあって険しい道も多い。

 落ちたら。。

 なんて想像したら足がすくんでしまう様な道も越えて行く。

 いや、、

 これ道なん?って所を通ってどんどん山を登る。

 どんどん景色が変わる。

 面白い!

 疲れるけど、面白くってどんどん登りたくなる!

 山っていいな!


「ここからがきついぜ!みんなもうちょっと頑張ろうな!」

 翔陽がニコッと笑った!

「よし頑張ろ!!」

「頑張るっちゃーー!」

 

 崖と言うほどでは無いけど、手を使わないと登れない様な急勾配を俺達は超えて行く。

 翔陽も少し辛そうにしている。

 俺ももうかなりしんどいけど少し山の登り方に慣れた来た!

 やっぱり何でもコツがいるんだと感じた!

 初めは勢いのまま登ったけどそれじゃ無駄な力使い過ぎてた。

 足だけで登るんとちゃうねん、体全部使うんや。

 そしてふと後ろを振り返ると、一番張り切っていたヴェルが一番後ろをハーハー言いながらついて来てる、流石に相当疲れてそうや。

「ヴェル大丈夫か?」

「全然大丈夫だっちゃーー」

 汗だくの笑顔で答えてくれた。

 全然大丈夫には見えへんけど。。

 でもまぁ、ヴェルも始めの時よりしっかり地面を踏みしめて登って来ていると思う。

 急斜面のやから周りにある木に登るためのロープが張られている。

 もう少し登れば頂上だと翔陽が言っていた。

「ヴェル頑張れ!」

 そう声をかける俺もす脹脛ふくらはぎに乳酸が溜まってパンパン!

 汗でもうシャツがびしょびしょや。

 ヴェルに声を掛けたのに返事がない。。

 俺は心配して振り返ると。

 横のロープを掴んで登ってくるギリギリのヴェルがいる。

 もう顔中汗だくで顔が引きつっている。

 辛そうやなー。

「ヴェル大丈夫か?」

 ヴェルが顔を上げてこっちを見た。

 少し苦しそうな目で下唇を噛みながらグッと右手の親指を立てる。

 話すこともできひんやんか。

 グッじゃ無いし。。

「翔陽、小春ちゃん先行ってって、俺ゆっくりヴェルと上がるよ!」

 少し広場の様になっている所に一本の倒木がある。

 ここで一旦ヴェルを待ったげよ。

「わかった!もうひと頑張りだからな!がんばれ!」

「おう!」

「ヴェルちゃん頑張ってね」

 小春ちゃんも優しい声でヴェルに声を掛けた。

 ハァハァしながらグッとまたヴェルは親指立てる。

 汗ダラダラで死にそうな顔してグッじゃないわ。

 頑張るヴェルを見てたら俺も頑張らなって気持ちが沸き起こって少し疲れが取れた。

 ヴェルってあの親父さんやし甘やかされて育ってきてるんかなと思ってたんやけど、頑張るヴェルを見てそのイメージは間違ってたんやなって確認した。

 めちゃくちゃ頑張れる子なんやな。。

 翔陽と小春ちゃんもヴェルの頑張りを確認してから先を目指して歩き始める。

「海晴もう直ぐだから慌てなくていいからな、この先岩場だから気をつけてな」

「ああ分かった!」

 サクサクと登って行く翔陽と小春。

  

 二人を見送って俺はヴェルの側に一回降りた。

「ハァハァハァ。。」

 ヴェルはほんまに疲れてる。

「ヴェルがんばれ!!」

「うん!」

 しっかり足を踏みしめて登るヴェル。

 俺はヴェルの後ろで励ましながら登った。

 ヴェル、よく頑張ってるわ、飛んで仕舞えば楽やのにそんな事せんとしっかりと目標をもって前に進んで行く。

 ヴェルの頑張りに俺はさらに好感を持ってしまった。


 俺たちは倒木のある広場に着いた。

 空は完全に雲に覆われてしまっている。

「はい!」

 頑張ったヴェルにポカリを渡してあげる。

「ダーリンありがと!」

 ゴクッゴクッゴクッ!

 良い音をだしてヴェルはポカリを流し込んでいく。

 ヴェルの肌に汗が流れ落ちる。

 遠くを見ながら腕で拭う汗!

 ヴェルの目はまだ死んでない、強い目にまだ輝きがある。

 かっこいいわ!


「ダーリン凄いっちゃねー。何であんなに軽々登れるんだっちゃ?尊敬だっちゃ!」

 ヴェルの隣に俺は座った。

「俺は全身使って登る様にしてたわ!ヴェルも最後めっちゃ頑張って登ってたやん!登り方も上手くなってたし、めちゃくちゃ偉いわ!」

「ありがとうっちゃ!嬉しいっちゃ!」

 

 チチチチチチチ。

 っと小鳥が鳴いてる。

 フーーーーーー。。

 ヴェルから大きな息が漏れる。

「疲れた?」

「んん。。なんか安心したっちゃ!必死に追いかけてたから!でも登りながらもダーリンは。うちを見ててくれたんだって思ったら嬉しくなったっちゃ!」

「ははは!めっちゃヴェル心配してたからな」


 フルフルフル。。

 なんかヴェルが揺れてる。

「ダーーリン!」

 ガバッ!

 ヴェルが抱きついて来る。

「ありがとうだっちゃ!」

「おお。。」

 急に抱きつかれてびっくりした、驚きで口から言葉が出ーへん。

 俺は少し照れながらヴェルの頭をポンポンした。

 

 頭の上の雲が流れている。

 雲が近い。。

 鳥達の細やかな鳴き声と木々を撫でる風の音が優しい音色を奏で。

 山の中の時間はゆっくりゆっくり流れている様に感じる。

 

「もうちょっとで山頂らしいし頑張ろ!」

 今から登って行く山道を眺める。

「行くっちゃ!」

 ヴェルが立ち上がった。

「頑張ろ!」

 俺達はまた山を登り始めた。

 木々の間を抜けて歩いて行くと景色が変わった。

 霧が立ち込め始めた。

 そして無数に立ち並んでいた木々が低くなって岩場が広がっている。

 大きな岩がゴロゴロしてる。

 凄いな。

 こんなとこを登るんか。

 険しくなっている岩の間をすり抜け俺達は山を登り頂上を目指して行く。

「ダーリンあれなっだっちゃ?」

 ヴェルが指をさした。

 ヴェルが刺した指の先は大きな大きな先の尖った岩がある。

「なんや?」

 その岩の上に何かいる霧で少し見づらい。

 でも確かに飛び出た岩の上にないかいる。。

 うっすら太陽の光が差し込む霧の中で神々しく四本足の動物がいる。

 白銀の毛皮を纏い、首の周りは白くマフラーを巻いているみたいや。

 なんの動物なんか分からへん。

 目鼻耳が黒く、耳は熊の様に丸い。

 そして耳の間には角が二本!

 見たことない不思議な動物がいる。。

 まん丸な優しい目をしている、けどなんか迫力がある。

 

 俺達からそんなに近い距離ちゃうけど、やのにその動物の気配はめっちゃ近く感じる。

 あの動物は確実に俺達を見て意識している。

 不思議な生き物は今にも俺たちに向けて喋りだしそうな雰囲気や。

 俺はスッと立ち上がって何があってもいい様に構えた。

「ダーリンきっとあの子は悪いものじゃないっちゃ!」

 構える俺の手を引きヴェルが収めてくれた。

「そうやな、、でもなんか凄いなあいつ。。」

「だっちゃね。」

「鹿と狼が混ざったみたいだよな。」


 ガサガサ!! 


 途端にその動物とは反対側から木が揺れる音がした。

 何かの気配?

 振り向く。

 けど何もない。

「風。。か?」

 もう一度岩の上を見たらもうあの生き物はいなくなっていた。

「あいつは一体なんやったんや。。?」  

「あれ?」

 なんか少し疲れが取れてる気がする。。


「ヴェルそろそろ行こっか?行ける?」

「大丈夫だっちゃ。ダーリン見てたら少し疲れがとれたっちゃ」

 ニコッと笑うヴェル。 

 ヴェルの笑顔を見てまた俺は嬉しくなった、疲れがさらに吹き飛んで行った気がするわ。

「じゃあ行こう!」

「行くっちゃ!」

 そして、ゆっくり一歩ずつしっかり険しい山を登っていく俺とヴェル。

 霧が薄くなってる気がする。。

 薄霧の中、最後の岩場を登って行く。。

「あっ。。。」

 今まで俺たちの前に道がずっと続いていた。

 けど、大きな岩を登ったら途端に道は無くなって目の前がひらけた!

「やった!着いた!?」

 俺はヴェルの手を引き一緒に大きな岩に登った。

 まだ周りには岩がゴロゴロしている。

「翔陽ここら辺にいるっちゃ?」

「そうやなー、翔陽達はどこやろ?」

 俺たちは先に着いてるはずの翔陽達を探す、と少し向こうにさらに大きな岩があった!

 その大岩の上に翔陽と小春ちゃんが立ってるのが見える。

「あいつら凄いとこに立ってるなーー!」


 大岩の下は断崖絶壁!

 落ちたら危ないやろ!って所ギリギリに翔陽が立ってる。

 翔陽のすぐ斜め後ろに小春ちゃんも立ってる。

 二人は景色を眺めてる。

 そういえば霧が晴れてる!

 空が青空や!

 きっと格段に良い景色なんやろな!


 ビュッワーー!

 風が翔陽と小春ちゃんの後ろからを突然襲った!!

 突風や!!

 ぐらっと小春ちゃんがバランスを崩す。


「あぶなっ!!」

 俺は駆け出そうとする。

 でも間に合う訳ない。。


 パシッ!

「おっと!」

 翔陽が崖の下へ倒れ落ちてしまいそうな小春ちゃんの腕を掴んだ。

 よかった。

 そこから翔陽は小春ちゃんをもう一方の左手で引き寄せた。

「あ。ありがとう。ございます。。」

 そっと翔陽の腕を両手で掴む小春ちゃん。

 びっくりして怖かったんやろな。

 

 な、なんか二人仲睦まじくないか。。?

「ヴェル俺らもあそこ登りに行こうや!」

「行くっちゃ!!」

 俺達は翔陽のいる大岩に駆けて行く。

 途端疲れはどっかに吹き飛んで行った!


 先に俺が大岩に登って疲れたヴェルの手をを引き上げてあげる。

 二人で大岩の上に到達した!!

「よっしゃーーーー!登り切ったーーー!!」

「やったっちゃーー!!」

 ヴェルが手を上げてる俺に抱きついてくる!

 凄い達成感が俺たちを襲って来た!

「海晴、ヴェルさんこっちおいでよ!凄いぞ!」

「ダーリンいくっちゃ!」

 ヴェルが俺を引っ張った。

「行こ!」

 翔陽のそばに来たら壮大な景色が俺に飛び込んできた!!

「すげーーーーー。。こんな広い空初めて見た。。」

「綺麗だっちゃ。。。」

 なんと雲が水平線を描いている、真っ青な空の下に広がる雲海!

 周りの山が頭だけ出してまるで島みたいだ。

「ダーリンあそこすごいっちゃ!!!」

 ヴェルの指さす方を見たらなんと雲にまんまるの虹がでていた!

 あたりの雲もぼんやり七色に色づいている!!

 何これ!?めっちゃ綺麗やんか。。

 すごい幻想的な風景の俺は言葉を失った。。


「綺麗だっちゃー。ここまで頑張ってよかったっちゃーー。。」

 ヴェルが俺の手をスッと握った。 

 ヴェルを見ると少し目に潤うを溜めて、感動してるみたいや。

 俺も手をぎゅっと握り返した。


 今日は凄い物をいっぱい見て来た、綺麗で幻想的な物をいっぱい!

 木々のトンネル、御神木、登山して行く途中にあった様々な自然の作り出す景色。

 けど、今俺の目の前に広がるこの景色は今日見た景色の中で一番綺麗や!

 苦しい山を登り切った達成感っも相待って今まで見てきた景色の中で一番綺麗な景色やと思った。


「凄いっちゃーーー!!!ね!ダーリン!!」

 ヴェルが片手を上げて伸びをした。

「綺麗だっちゃね!ダーリン!!」

 最高の笑顔のヴェルがこっちを振り向く!

 最高の景色に最高の笑顔!

 これが俺の中の一番の最高の景色や!!

 あーー幸せやーーー!!

「ほんまに最高の景色やな!!」

「頑張ってよかったっちゃーーー!!」


「な!今日のこの景色は特別だよ!!いつ目綺麗だけどさ!今日はすごいよ!」

「やっぱそうやんな!めちゃくちゃ綺麗もん!」

「にしてもさ、海晴、ヴェルさんすごいよ!普通こんな早くこの山登れないんだけどな」

「え?そうなん?」

「でも翔陽余裕そうだっちゃ」

「俺はトレーニングでよく登ってるからさ!」

 俺もヴェルも汗ダクダクなのに翔陽は爽やかくらいの汗しかかいてない。

 小春ちゃんなんて全く汗もかいてない。

「小春はなんでそんなに平気なんだっちゃ?」

「私は幽霊だから疲れないんですよ」

「なるほどだっちゃ」

 少し小春ちゃんが俯き加減になった。


「腹減ったなーー!昼飯食べようぜ!」

 翔陽が大岩の上に座る。

「たしかにめちゃくちゃ腹減ったわー」

「お昼ご飯食べるっちゃ!」

 トスンと小春ちゃんも座る。

 翔陽がカバンから朝買ったみんなのパンとお茶を出す。

 そういえば小春のお昼ご飯が買ってへんな。。


「はい」

「はい」

「はい」

 三人が同時に自分の分のパンをちぎって、小春の分のパンを差し出す。

 俺は焼きそばパン。

 翔陽はコロッケパン。

 ヴェルはメロンパン。

 皆んなから差し出されたパンを見つめ。

 えっ!と時間の止まる小春。

 パンから目を上げてみんなを見渡して。

「いいの。。。。?」

 とても不安そうな表情の小春ちゃん。

「もちろん」

「当たり前やん」

「もちろんだっちゃ!」

 そっと手を伸ばしパンを受け取る小春ちゃん。

「。。。ありがとう」

 そう言いながら小春ちゃんは笑った。

 ありがとうの笑顔は今まで見た事ない素敵な笑顔やった。

 俺たちまで心から嬉しくなる笑顔。

 今までの作られた偽物の笑顔ではなく、本気の心の底からの笑顔。

「小春。その笑顔。。よかった。。。」

 翔陽もめっちゃ嬉しそうや。

「良かったっちゃ!」

 ヴェルも嬉しそうや。


「小春ちゃん見て」

 俺は翔陽のリュックサックを手に取った。

「ほら!!」

 俺はリュックの中を見せる!

 リュックの中には美味そうなパンがいっぱい!!

 お菓子も入っててジュースまで!!

「小春もいっぱい食べるっちゃ!」

「ははは!体動かすためにいっぱい食ないとなー!」

「すごいいっぱい。」

「あははは!ヴェルがピクニックとか言ってめっちゃ買ったからな!」

「だって今日はピクニックだっちゃ??良いっちゃ?」

「あーヴェルさん登ってくるの重たかったなーー」

 こってもないのに肩をくるくる回す翔陽。

「あーごめんっちゃ翔陽ーー!!」

「ははは!ごめんごめん!平気平気!!」

「あはははは!じゃー皆んなで食おうぜ!」

「だな!」

 そして俺たちは各々のパンを持って。

「「「「いただきまーす!」」」」

 俺は買ってきた焼きそばパンを一口!!

「うまーーー!景色も良いしめちゃくちゃ幸せーー!」

  ヴェルもメロンパンを齧る。

「だっちゃねダーリン!うちも幸せだっちゃーー」

 翔陽はコロッケパンを思い切り口に頬張る。

「うあーーうまい!俺は結構トレーニングでここまで来るんだけどさ。その時こうやって食べても別に普通なんだな。やっぱみんなと食べるから美味いんだと思う!」

 翔陽が齧ったコロッケパンを眺めながら一人話してるのか、みんなに言ってるのかわからない感じで話してる。

「恥ずかしいわw」

 俺まで恥ずかしくなる様な事を言ってるし、スパーーーン!っとツッコミを入れといた!

「翔陽うちもそう思うっちゃ!一人で食べても美味しくないもん!地球に来て嬉しい事楽しい事だらけだっちゃ!」

 俺もそれは思うけど恥ずかしくて言えないわー。

 小春ちゃんが俺達に渡されたパンをどれから食べるか迷ってオロオロしてる。

 俺達にもらったことが嬉しくってそのパンを食べたいらしい。

 翔陽がそれを見ていつもの爽やか笑顔で。

「小春、どれも美味いって!」

「うん、ありがと」

 笑う小春ちゃん、そして。

 パク!

「ん!」

 モグモグモグ!


「んーー!美味しい!」

 大きな目を更に大きくし、目をキラキラと輝かせている小春ちゃん。

 パク!モグモグ!

「んーーー!私こんなに美味しいご飯、生まれて初めて食べました!」

 美味しさに感動してるのがひしひし伝わってくる。

「小春のそんな素直な笑顔初めて見たよ!いいね!本当によかった」

「この景色にさらに大好きな仲間と一緒に食べるご飯が不味い訳無いって!」

 ニヒッと俺は笑う。

「お前も恥ずかしいぞ」

 翔陽に脇腹を肘で突かれる。

「お、おう」

 翔陽につっこまれて急に恥ずかしくなった。

 顔が火照ってやばい。

「ダーリン!本当にその通りだっちゃ!」

 ヴェルが肩をくっつけてきて幸せそうや。

「私も皆さんの仲間でいいんですか。。?」

「当たり前やんか!」

「うちらもう友達だっちゃ!」


 。。。


 ポロ。。


 小春の目から一筋涙がこぼれ落ちた。。。

 顔を伏して、手で顔を覆う小春ちゃん。


 え、ええええ、、、

 その姿にみんなビックリした。

「小春どうしたっちゃ?」

 翔陽は突然の事でビックリして声が出せない。

「どこか痛いっちゃ?それとも嫌なことあったっちゃ?」

 ヴェルが飛び寄った。

 スンッ

 小春ちゃんが小さく鼻をすすって涙を手で拭う。

「違うんです。私。。今幸せだなって。。友達とか仲間って。。こんなに。。こんなに温かくて優しくされるの初めてで。生きてる時はこんなに優しくされる事なかったから。。。。」


 。。。


「そっか。小春。。なにがそんなに辛かったんだ?何か俺たちにで来ることがあれば。。」

「そうだっちゃ。うちらもう友達だっちゃ!」

「小春ちゃんの為ならなんでも力になるで!」

「あ!ダーリン!」

 ビリ!

「痛て!なんでやねん!」

「ふふふ」

 小春ちゃんが まだ涙の残る目のまま顔を上げる。

「翔陽君。皆さん。。私皆さんのお陰で幸せです。私も皆さんの事大好きです。。。」

「小春」

「小春ちゃん」

「うちも大好きだっちゃ!」

「小春ちゃんが。生きてる時っていつの話なん?」

「あ、小春辛かったら言わなくても良いだぞ。。」

「はい。大丈夫です。皆さんなら昔の私知っててほしいです。

 私が幽霊になる前に生まれて生きていたのは、今で言う戦国時代なんです。

 農村の普通の家で生まれて。田畑をでお米やお野菜を作って生活していました。

 10歳くらいまでは貧乏でしたけど普通に生活できてたんです。

 温かい支え合った良い村だったと思います。

 お米、お野菜、お肉、川魚に海のお魚、物々交換しながら冗談と笑顔の溢れる村でした。

 山に海。平地もあって恵まれた土地でした。

 なのに。。

 戦が始まり私達の御国は負けてしまって、お優しかった大名様が殺されちゃって。。

 そして、地域を治めるお大名様が変わったんです、途端に環境がどんどん変わっていきました。

 年々年貢が厳しくなって、戦で町の畑や田んぼも戦場となったからめちゃくちゃに荒らされて、さらに不幸に輪をかけたように、日照りとイナゴの大群にも襲われました。

 そのせいで村が何年も飢饉状態が続いたんです。

 あんなに仲よかった村の人達が空腹のあまり、隣家の食料を盗むために殺し合って。

 更には山賊が襲ってきたりで村全体が人間不信となってしまったんです。

 戦はずっと、終わらず度々山賊が村を襲い食糧を奪い女性も多くの人が強姦されました。。

 人達は不安と飢えで。。。

 肉体的にも精神的にも限界を迎えました。。。

 生きる事に失望し自ら命を絶つ人も少なくなかったです。

 私を可愛がってくれた両親も人が変わってしまいました。

 母はドジで失敗ばかりの私に辛くあたり、

 苦しさのあまり急に発狂する様になった父はその度に私に殴る蹴るの暴行。

『あんたなんて産まなけりゃよかった』

 って言われて、、この母の言葉が一番辛かったです。。

 両親が怖くって、ご飯もろくに食べれず。

 こっそり木や草の根っこ食べて生きていました。

 ただただ耐えるだけの本当に辛い毎日でした。

 そして村の長が突然神様に祈りを捧げようと言い出したのです。

 神様に祖供え物を送りこの不幸の輪廻から脱出しようと。

 何かすがる物が無いともう精神的にやっていけなかったんだと思います。

 そして私が若いおなごとして人身御供に志願したのです。

 皆さんの幸せな笑顔がまた見たくて、、

 まだ楽しかった頃が忘れられずに、、

 ずっとその笑顔を思い描いていたのです。。

 私は巫女の姿に飾られ滝から飛び降ろされました。

 私が神に捧げられることでそこで私は死にました。。


 でも。でも。。


 良かったんです。


 私忘れられなくって。

 10歳までのあの温かった村、笑顔と冗談が絶えなかった村の人達、私を愛し育ててくれた優しいお父さんとお母さん。

 私が神様に捧げられる事で。

 あの村の人達が幸せになれるなら。

 もう一度あの幸せなあに戻れるなら。

 良かったんです。

 私、死んでもそれでも願い続けたんです。

『不幸の輪廻を抜け、皆んながいっぱいいっぱいずっとずっと!笑顔で要られますようにって』

 ずっとずっと何百年も。

 そうして。

 今こうして皆さんの幸せな顔を見たら。

 ああ私良かったんだなって。

 自己満足かもしれなんですけど。。。

 私がしてきた事には意味があったんだなって。」


「私嬉しくって。。。」

 小春の瞳から涙が溢れて流れた。

 涙が止めどなく流れる。

「小春。未来の幸せのために。。身を投げてくれたんだっちゃ。。?ありがとう。だっちゃ。。。」

 ヴェルが小春の抱きついた。

 ヴェルの目も潤んでるようにも見える。


 あまりに不幸でそれでも周りの人の為を思って、幽霊にまでなっても今まで人達の幸福を願い続けていた、小春ちゃん。

 凄すぎるやろ。。

 俺はなんて声をかけてらいいか分からへんかった。

「小春ちゃんありがとう。。。」


 ッガシ!!

 翔陽が小春の肩を抱き寄せる!

 翔陽は目を少し潤ませて空を見上げながら。

「じゃあ次は!小春が幸せになる番だな!絶対!絶対絶対今までの分幸せにしてやる!!」

「いいのかな。いいのかな私も幸せになって。。」

「当たり前だろ。俺たちの幸せは小春のおかげであるんだから!」

「グス。ありがとう。。」

 翔陽の胸に小春ちゃんがおでこをくっつけた。


 グスッ。。グスッ。。

「小春、我慢せず泣いていいよ。。」

 グスッ。。

「うん。。」

 グスッ。。


「んーー。。。えーーーーーーん。。。えーーーーーーん。。。。」




「えーーーーーーん。。えーーーーーーん。。」



「翔陽君、ありがとう。。。」


「皆んな、ありがとう。。。」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ